男「美女とHするだけで10万円!? やりますやります!」
男「なんでしょう?」
黒服「美女とHするだけで10万円もらえる仕事があるんですが、やりませんか?」
男「美女と!? やりますやります!」
黒服「では、あちらで美女がお待ちしてますので」
男「は、はいっ!」
男(この世にこんな素晴らしい仕事があるだろうか……いや、ない!)
美女「待ってたわ……」
男「……!」ゴクッ
男(美女といいつつ微妙なのが出てくるの思いきや、本当に美人じゃないか!)
男「本日は……よろしくお願いします」
美女「ええ、あなたの走りに期待してるわ」
男「走り?」
男「ターゲット?」
美女「私が話しかけて気を引くから……あなたは彼の持ってるバッグを奪い取ってね」
男「……」
男「え、これってまさか――」
男(Hって“ひったくり”かよ!!!)
青年「は、はい!」
美女「市民会館ってどこにあるかご存じかしら?」クネッ
青年「えーっと……」ゴクリ
男(結局やることになってしまった……)
男(連絡先交換しちゃったし、逃げたら何されるか分からないし、やるしかない……!)
美女(今よ)チラッ
男(合図だ!)
男「うおおおおおおおおおっ!」ダッ
バシッ!
青年「わっ!」
男(やった! 大成功! あとは逃げるだけだ!)タタタタッ
青年「待てーっ!」
美女「よくやってくれたわ」
男「このカバンは?」
美女「私が預かるわ」
美女「それじゃ、約束の10万円」
男「どうも」
美女「それじゃまたね」
男「は、はい……」
男(なんだったんだ一体……)
プルルルル…
男「もしもし?」
美女『はぁい』
男「あ、あなたは……!」
美女『またあなたとHしたいんだけど、お願いできる?』
男「え、ええ……やります!」
美女「あの段ボールに座ってる浮浪者よ」
男「浮浪者の前にある大きなバッグですか?」
美女「ううん、その後ろにある小さな袋よ。私の読みによるとね」
男「大した物入ってなさそうですけど……」
美女「あれがいいの。頼んだわよ」
男「はい……」
浮浪者「なんじゃい、あんた」
美女「私とお喋りして下さらない?」クネッ
浮浪者「おほっ!」
美女(今よ!)
男(は、はいっ!)
男「今だ!」バッ
浮浪者「!?」
男「うおおおおおおおっ!」タタタッ
浮浪者「待ちやがれ、クソガキィ!」ダッ
男(ゲ、速い! だが、俺には追いつけないぜ!)タタタッ
美女「やるわね……まだ二度目とは思えないわ」
男「ありがとうございます!」
美女「はい、10万円」
男「いただきます」
美女「じゃあね、また一緒にHしましょ」
男(妖気にも似た色気がムンムンだぁ~)
男(ひったくりは悪いことだと分かってても、断れない自分がいるのだった……)
男「分かりました」
グラサン「ああっ!?」
男「いただきっ!」タタタッ
美女(ますます腕を上げたわね……)
男「どうも」
男「ところで聞きたいんですけど、俺はなにをひったくってるんです?」
美女「それは……聞かない方がいいわ」
男「はい……」
美女「じゃあね、またHしましょ」
男「……」
男「はいっ!」
美女「あのぉ、道を聞きたいんですけど……」
長身「どうしました?」
ババッ
男「いただきっ!」
長身「あっ、コラーッ!」
男(身長のハンデは、小回りで補う!)タタタタタッ
男「どうも」
男「さて……俺があなたとHを始めてだいぶ経ちますけど」
美女「そうね」
男「今日こそ教えて下さい! 俺が一体なにをひったくってるのかを!」
美女「……」
美女「教えてくれるまで動かないって顔ね」
男「はい」
美女「いいわ、見せてあげる。カバンを開けるわよ」
男「なんですか、これ?」
美女「時限爆弾よ。建物一つくらい軽くふっ飛ばせるほどのね」
男「……!?」
美女「爆発まで30分ってところね……」
男「な、なんで!? あいつはなんでこんなものを……!」
美女「決まってるでしょ。あいつはテロリストなのよ」
男「テロ……!」
美女「テロを起こそうとする人間から、その装備や道具をHで奪い取るのが任務よ」
男「じゃあ、今までの奴らも……」
美女「ええ、みんな拳銃や爆弾を持っていたわ。Hして無力化した後、全員捕縛されてる」
美女「だけど奪い取るのは容易じゃないから、走力を見込んだあなたに内緒で協力してもらったの」
美女「10万という額も、本当はもっとあげたかったんだけど、あまりに高額だと逆に断られると思って」
美女「こんな危険なことに巻き込んでごめんなさいね」
男「いえ……」
男(なぜだろう。とんでもない話なのに、“ふざけんな!”という気が全然しない……)
美女「まずはこのコード……」パチンッ
美女「次はこれ……」パチンッ
美女「ここを外して……」パカッ
男(手際いいなぁ。迷いもない)
美女「……!」
男「どうしました?」
男「え。ってことは……」
美女「ええ。つまり、完全な運任せ……」
美女「くっ、私でも解除できない爆弾を作るなんて……」
美女「もう時間がない……一か八か、賭けるしかないわね。あなたはここから離れて!」
男「……」
美女「?」
男「俺がひったくります!」バッ
美女「なっ!?」
男「うおおおおおおおっ!!!」タタタタタッ
美女「ま、待ちなさい! なんて速さなの……!」
男「ここなら多分、爆発しても被害は出ないだろう……。俺が死ぬだけで済む……」
男(赤か、それとも青か……)
男(もしミスったら、俺は骨も残らないだろう……)
男「……」
男(決めた!)
男「うおおおおおおっ!」
パチンッ
美女「――あっ、いた! よかった、生きてたのね!」
男「はい……爆弾は解除しました」
美女「ありがとう……!」
男「神様からひったくってやりましたよ……幸運ってやつを」
美女「もう……映画の主人公みたいな貫録出しちゃって」
美女「だけど、こんな勝手なことしないで! 死んでたらどうするの!」
男「すいません……」
美女「なに?」
男「俺……あなたとHしたいんです!」
美女「……いいわよ。今すぐホテルに――」
男「いえ、それじゃなくて」
美女「え?」
男「俺、これからも平和のためにひったくります! だから正式にテロ防止専門部隊に入れて下さい!」
美女「!」
男「ありがとうございます!」
美女(そのうち私のH(ハート)も……ひったくられちゃうかも)
― 完 ―
コメント一覧 (15)
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- 2020年10月22日 02:50
- エッッッッッ!!
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- 2020年10月22日 03:54
- H(は)?(威圧)
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- 2020年10月22日 06:40
- H(ふざけんな)!!
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- 2020年10月22日 08:36
- なんだこの小林アナのネタみたいなオチは?
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- 2020年10月22日 16:49
- エッチはエッチでもHellのほうだがなぁーッ!
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- 2020年10月22日 19:37
- H(話が違う)!!!
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- 2020年10月22日 20:09
- Happyend!
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- 2020年10月23日 01:32
- これは素晴らしいH
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- 2020年10月23日 19:22
- 美女(ペニバン装備)とHと思ったのに
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- 2020年10月28日 11:59
- つまらん内容の話を書き続けなければならない刑罰でも受けてるの?
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- 2020年11月05日 11:35
- >>10
お前の人生よりは面白いで🤗
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- 2020年11月19日 07:56
- >>10
最後まで読ませた時点でこいつの勝ちやで
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- 2020年11月03日 01:03
- こういうかわいいの好き
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- 2020年11月07日 18:06
- なにがHハートじゃボケ
ちょっとフフッってなったわ
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- 2020年11月14日 03:47
- 上司♂「美女くん、ホテルに行こうか。」
美女「はい、、」
美女「あ、上司さんのおち○ぽ大きいっ。。」
その頃
警察「逮捕する!」
男「くっ、、美女さん助けて。。。」