1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 01:27:44.92 ID:yS7EEeER0
バタ子「アンパンマン、バイキンマンの弱点がわかったわ」
アンパンマン「本当かい?バタ子さん」
バタ子「ええ。ポイントは温度よ。
最も能力を発揮するのは18度から26度。 45度を越えた辺りから急激に弱り、50度を越えると死滅するわ。所詮は菌ね。
ただし適温状態での攻撃力は抜群よ。 最も注意すべきは有機物の分解、生成を行う特殊能力。 そして、その能力を利用した・・・パンの、発酵・・・」
アンパンマン「それじゃあ・・・、やっぱりバイキンマンは・・・」
バタ子「・・・あなたの、お父さんよ・・・」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 01:30:37.83 ID:yS7EEeER0
僕は悩んでいた。
バタコさんの調査の結果が僕の想定する結果の中で最も最悪な結果だったからだ。
バイキンマン「出たなアンパンマン!!」
幾つもの拳を交わした僕の最大の敵バイキンマン
僕の最高のライバル、バイキンマン
アンパンマン「いくぞ!アーンパーンチ!!」
13: :2012/01/05(木) 01:32:40.33 ID:yS7EEeER0
なぜ彼が?
なぜ今まで黙っていた?
なぜ?なぜ?なぜ?…
僕の頭には疑問は尽きなかったが、どれも解決する事はできなかった。
バイキンマン「バイバイキーン!」
なぜだ
カバオ「ありがとうアンパンマン!」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 01:36:59.77 ID:yS7EEeER0
なんで彼は隠していたんだ
ウサコ「本当にアンパンマンは強いのね!」
なんで教えてくれなかったんだ
チーズ「あん!」
なぜ…
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 01:39:39.80 ID:yS7EEeER0
カバオ「アンパンマン…?」
アンパンマン「…!ハッ」
ウサコ「どうしたのアンパンマン?具合でも悪いの?」
アンパンマン「そ、そんな事無いよ!それより、みんな無事で何よりだね!」
カバオ「アンパンマンのおかげだよ~」
ウサコ「いつも守ってくれてありがとう!」
アンパンマン「どういたしまして(ニコッ」
アンパンマン「じゃあ、僕はもう工場へ帰るよ!2人ともまたね!」
ウサ&カバ「さよーならー」
2人に見送られながら僕は自問自答を繰り返した
なぜ…なぜ…
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 01:44:14.89 ID:yS7EEeER0
~つぎの朝~
ジャムおじさん「じゃあ、いってらっしゃい」
アンパンマン「いってきます」
メロンパンナ「気をつけてね!」
昨晩は眠れなかった。
帰ってからずっと自問自答を繰り返していたからだ。
自問自答とは言ったものの、問いの方がはるかに多く、答えられる事など無いに等しかったが。
いつもの景色、いつもの風、いつもの人々
そんな世界が少しだけモノクロに見えた
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 01:45:43.14 ID:yS7EEeER0
一人で悩み続けていた僕はある一つの事実に気がついた。
パンの発酵にバイキンマンが携わっているのなら、それは食パンマンや、カレーパンマンにも言える事であると。
そう思うと、僕の足は自然に
食パンマンの元へと向かっていた
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 01:52:34.80 ID:yS7EEeER0
食パンマン「やぁ!アンパンマン」
アンパンマン「やあ」
食パンマン「どうしたんだい?少し元気がない様に見えるけど…」
アンパンマン「あぁ…実は…」
僕は全ての事実を食パンマンに打ち明けた。
初めは信用してくれなかった食パンマンも、僕の真剣さを汲み取ったのか徐々に真剣な顔になっていった。
食パンマン「…今の話は作り話ではないんだね?」
アンパンマン「あぁ」
食パンマン「一切の嘘偽りはないんだね?」
アンパンマン「うん」
食パンマン「…」
アンパンマン「…」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 01:58:15.25 ID:yS7EEeER0
長い沈黙が続いた。
それはまるでこのまま、世界が終わるのでは無いかと思うほど苦しく、長い沈黙だった。
食パンマン「…なぁアンパンマン」
アンパンマン「…なんだい?」
食パンマン「この事は…カレーパンマンにも打ち明けたのかい?」
アンパンマン「いいや」
食パンマン「そうか…じゃあ、このまま打ち明けない方が良いかもしれない」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:02:49.32 ID:yS7EEeER0
アンパンマン「なぜ?」
食パンマン「カレーパンマンは僕らに比べて酷く未熟で、僕らの弟みたいな存在だ。こんな事実を受け入れられるわけがない…この事を知ってしまったら、彼は壊れてしまうだろう」
アンパンマン「そうだな…彼には、いつもどおり接する事にしよう。バイキンマンは僕らの敵、として」
食パンマン「そうだな」
アンパンマン「僕はもう少しこの件について調べてみるよ」
食パンマン「あぁ、頼む」
アンパンマン「情報が入り次第君にも伝えるよ」
食パンマン「そうしてくれ」
そう言って食パンマンは小鳥にパンをあげに行った。
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:04:54.90 ID:yS7EEeER0
食パンマンと話していて気づいた事がある。
僕たちパン兄弟は共通の人間に作られている。
そう、ジャムおじさんによって作られて居るのだ。
ならば、パンの制作に携わって来ている彼がこの事実を知らない訳がない。
しかし、何故隠して来たのか
そこだけがわからなかった。
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:07:30.37 ID:yS7EEeER0
今の今まで隠して来た事実を話して貰えるとは思えなかったが、僕はジャムおじさんを問い詰める事にした。
ジャムおじさん「おや?どうしたんだいアンパンマン?」
アンパンマン「ジャムおじさん…貴方に聞きたい事があるんだ。」
ジャムおじさん「どうしたんだいアンパンマン?改まって…」
アンパンマン「バイキンマンの事について…聞きたいんだ」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:08:11.85 ID:yS7EEeER0
ジャムおじさん「…」
アンパンマン「その様子だと既に話の内容はわかっているみたいだね」
ジャムおじさん「…遂に…ばれてしまったかい」
そうして、ジャムおじさんはポツリポツリと話し出した。
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:09:15.45 ID:yS7EEeER0
バイキンマンは始めからバイキンだったのではない。
ジャムおじさんが初めてパンの擬人化に成功した初号機・ジャムパンマンだったのだ。
しかし彼には致命的な欠陥があった。全身がパンで出来ていたことである。
そして、雨の続くある日のこと。彼の体は少しずつカビに侵されていた。
新しいモノを造ればいいのだが、それは全く別のモノ。記憶や思いまでは受け継ぐことは出来ない。
このまま朽ちていくしかない・・・そう告げられたジャムパンマンは降りしきる雨の中、工場を飛び出して行った。
ジャムおじさんは今回のことを教訓に、体に脳となる部分を内臓し、パンのエネルギーで動くパン用人型決戦兵器を造り上げた。
それが、後の僕であると。
その頃、ジャムパンマンは全身がカビに覆われ、もはやパンであることすらわからなくなっていた。
彼の心は怒り・憎しみが増大していくが、まだ良心が少し残っていた。
そう、ジャムである。保存が効くのが幸いしたのである。
しかし、彼の心の暗黒面は増大し続けジャムを取り出してしまう。
そうして彼の心は暗黒に満ち、バイキンマンは誕生した。
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:11:28.33 ID:yS7EEeER0
ジャムおじさんはそう言っていた。
信じられなかった。あのバイキンマンが元々はジャムおじさんの開発したパンで、僕の初号機だなんて。
ジャムおじさん「信じられないと言う顔をしているね」
アンパンマン「そ、それは…」
アンパンマン「それに!その事とバイキンマンが僕たちの親であると言う事にどんな関係があると言うんだ!」
ジャムおじさん「落ち着きなさいアンパンマン」
ジャムおじさん「なぜ、バイキンマンが工場を襲わないと思う?」
アンパンマン「??」
ジャムおじさん「襲わないんじゃ無い」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:12:04.08 ID:yS7EEeER0
アンパンマン「…襲えない…?」
ジャムおじさん「100点だよアンパンマン」
アンパンマン「つまり…貴方は…酵母菌を人質に取って…」
ジャムおじさん「それは違うなぁアンパンマン」
アンパンマン「え…?」
ジャムおじさん「酵母菌を人質に取っているわけじゃない」
ジャムおじさん「ひとつ、ヒントをあげよう。バイキンマンは全能の菌なんだよ」
アンパンマン「まさか…バイキンマンが…酵母菌?」
除菌ちゃん「ちくわ大明神」
43: :2012/01/05(木) 02:15:57.00 ID:yS7EEeER0
ジャムおじさん「大正解だよ。明日はこしあんを詰めてあげようかね」
アンパンマン「…」
ジャムおじさん「バイキンマンが毎回乗ってくるUFO。あれの開発費用、生産費用は一体どこからでて居ると思う?」
ジャムおじさん「バイキンマンは嫌われ者、どこで働く事もできないだろう?」
アンパンマン「…」
アンパンマン「だから、僕の親…」
ジャムおじさん「そう言う事だね」
アンパンマン「なぜ…なぜ、バイキンマンは敵を製造する様な事を…」
ジャムおじさん「最初は抵抗があったみたいだけどね。いまではニコニコしながら作ってくれてるよ」
ジャムおじさん「母性本能とでも言うのかねぇ」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:19:25.30 ID:yS7EEeER0
ジャムおじさん「バイキンマンは君を愛している」
そんなジャムおじさんの言葉が心に突き刺さった
バイキンマンは僕の親で…
バイキンマンは僕を愛していて…
わからないわからないわからないわからないわからない
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:21:12.38 ID:yS7EEeER0
バタコ「アンパンマン!バイキンマンが街で暴れてるわ!」
アンパンマン「……」
バタコ「アンパンマン!」
アンパンマン「ブツブツ…」
バタコ「ねぇ!」
アンパンマン「え…?」
バタコ「バイキンマンが街で暴れてるの!」
アンパンマン「あ、あぁ…」
アンパンマン「行って…来ます…」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:21:31.87 ID:yS7EEeER0
バイキンマン「出たなお邪魔虫っ!」
アンパンマン「…」
バイキンマン「食らえバイキンパーンチ!!」
アンパンマン「…」
バイキンマン「!!…チイッ」
ズドン!!
アンパンマン「…何故外した?」
バイキンマン「お前っ!」
アンパンマン「なんで外した?」
バイキンマン「て、手が滑っただけだあっ!くらえっバイキンパーンチ!」
アンパンマン「…」
ピタッ
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:25:27.50 ID:yS7EEeER0
バイキンマン「何故避けないんだっ!」
アンパンマン「…なら、何故当てないんだ?」
バイキンマン「…っ!」
アンパンマン「…僕は全てを知った」
バイキンマン「!!」
アンパンマン「何もかも知ってるんだよ…ジャムパンマン…いや、父さん」
バイキンマン「……」
バイキンマン「場所を変えて…喋ろうか…」
アンパンマン「あぁ…」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:28:57.45 ID:yS7EEeER0
バイキンマン「その事は誰から聞いた?」
アンパンマン「ジャムおじさんさ」
バイキンマン「…まぁ、彼以外知る人は居ないからね」
アンパンマン「なぜ…」
バイキンマン「?」
アンパンマン「なぜ君は…敵を作るような事を?」
それは、数多の疑問の中で最も解決とは程遠かった物だった
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:31:22.53 ID:yS7EEeER0
バイキンマン「俺様が、ジャムおじさんに作られた事は知ってるな?」
アンパンマン「あぁ」
バイキンマン「最初は…復讐のつもりで工場を襲撃した」
バイキンマン「そこらのガラクタを寄せ集めてロボットをつくってね」
バイキンマン「その時、ジャムおじさんに言われたのさ」
「君を作り出してしまったのは僕だ、僕が君の面倒をみよう」
バイキンマン「嫌で仕方なかったが、生活するには乗るしかなかった」
アンパンマン「そして…工場でパン作りを…」
バイキンマン「あぁ、俺様は菌の王のような物だからパン工場一体を除菌する事もできる
そして、酵母の力を使いお前たちを制作して居たのさ」
アンパンマン「でも…君の姿を工場で見た事なんて…」
バイキンマン「そりゃそうさ、お前たちが知らないようなところでやっているんだからね」
アンパンマン「…」
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:34:02.98 ID:yS7EEeER0
バイキンマン「続けるぞ、そうして出来上がった顔をお前が着ける。そして、俺様を倒しにくる」
バイキンマン「そんな事を繰り返してるうちにある事に気がついたんだ。俺様が丁寧に、上手に作れば作るほどお前は強くなる」
バイキンマン「身をもって体感したよ」
バイキンマン「そこからはどうにもそれが面白くなってしまってね…それで、今に至るのさ」
アンパンマン「…」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:36:10.12 ID:yS7EEeER0
それから彼は、僕の疑問を一つ一つ解決して行った
解決していくに連れていかにバイキンマンが僕を愛してくれているかがひしひしと伝わってきた
アンパンマン「じゃ、じゃあ君は悪事を辞めてパン工場で正式に働けばいいじゃないか!」
バイキンマン「…少し難しい話をしよう。アンパンマン、必要悪って知ってるか?」
アンパンマン「必要悪…?」
バイキンマン「そう、読んで字の如く必要な悪だ」
アンパンマン「そんな物この世に存在するわけないだろう!悪はあくだ!必要な物なんて…」
バイキンマン「あるんだよ」
アンパンマン「…」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:41:37.10 ID:yS7EEeER0
バイキンマン「昔々、人間がまだ世界にたくさんいた頃」
アンパンマン「…!」
バイキンマン「独裁者と呼ばれる人々がいた」
バイキンマン「彼らは1人で国を束ね上げ、巨大な国を意のままに操る事ができた
なぜだと思う?」
バイキンマン「敵を作っていたからさ」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:42:29.34 ID:yS7EEeER0
アンパンマン「敵を…作る?」
バイキンマン「人々…今はまぁ動物たちだけど、人々は共通の敵を作り出す事で一致団結する」
アンパンマン「!!」
バイキンマン「分かったかい?俺様はこの街の嫌われ者。俺様が暴れる事で街の皆は団結し、打倒俺様に最も近いお前たちを崇める」
バイキンマン「つまり、パン工場も同時に崇められる事となる」
バイキンマン「あとは…言わなくてもわかるだろ?」
アンパンマン「じゃあ、じゃあ、君は…街の皆の団結と…僕の…僕たちの為に悪事を?!」
バイキンマン「そうなるかもな」
アンパンマン「そんなの…そんなのって…」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:46:26.45 ID:yS7EEeER0
バイキンマン「さあ、必要な事は分かっただろう?こう長く話していては疑われる」
バイキンマン「さっさと帰るんだ」
アンパンマン「そんな…そんな…」
バイキンマン「そうだ、一つだけいっておこう」
アンパンマン「…?」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:50:54.18 ID:yS7EEeER0
俺様は、お前を、街の皆を心から愛している
そんな言葉を言い捨てバイキンマンは去って行った
分かったがわからない
わからないけど分かった
分かったのか?わからないのか?
分かった?わからない?
どっちなんだ?わからないわからないわからないわからないわからないわかったわからないわからないわかったわからない?わかった?
わからない
どっちなのかわからない
僕の思考は堂々巡りを始めていた。
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:53:12.18 ID:yS7EEeER0
それから数日がたったが
未だに僕の頭のもやは晴れる事は無かった。
そんなある日
メロンパンナ「アンパンマン!バイキンマンが暴れてるわ!」
アンパンマン「あぁ…すぐにいくよ」
正直街なんてどうでもよかった
頭がぼんやりして視界がモノクロに見える
憂鬱だ。
メロンパンナ「きょう…バタ…新兵…」
梅ジャムじじい「あつ…お湯…」
メロンパンナと誰かが何か言っていたが全く頭に入らなかった
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:55:30.56 ID:yS7EEeER0
バイキンマン「でたなお邪魔虫!」
バイキンマン「これでもくらえ!」プシューッ
アンパンマン「!!」ビチャッ
アンパンマン「顔が濡れて力が…」
バイキンマン「くらえ!バイキンパーンチ!!」
???「まてっ!」
バイキンマン「なにぃっ!?」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:56:27.85 ID:yS7EEeER0
バタ子「まちなさいバイキンマン!」
バイキンマン「なんだお前は!脇役の中の脇役のくせにっ!」
バタ子「ふんっ!これでもくらいなさいっ!」
アンパンマン「…??(力が…)」
バタ子「発射!!」ジュワァァァァッ
バイキンマン「な、なんだあっ!?」ビチャビチャッ
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:57:58.84 ID:yS7EEeER0
バイキンマン「!ぎゃあぁぁぁぁぁぁっ」
アンパンマン「…一体…何を?…」
バタ子「どう?150℃のお味は?」
バイキンマン「ああああぁぁぁぁあぁぁぁぁああっ」
アンパンマン「なっ…や、辞めるんだ…バタ子…さん…」
バタ子「ふははははっ!もっともっともがき苦しみなさい!!」
バイキンマン「ぁぁぁああぁぁぁああああぁぁぁあ」ジュワァァァァッ
バタ子「汚物は消毒よおおおおおぉぉぉぉっ」ジョジョジョッ
アンパンマン「ば、バイキンマン…いま、助けに…(ダメだ…力が…)」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 02:59:29.19 ID:yS7EEeER0
バタ子「私の大好きなアンパンマンを苦しめた罰よ!あたしの物だけのアンパンマンを傷付けた天罰よ!溶けてなくなりなさい!きゃははははははははははははははははははははははは!」
アンパンマン「…っ!」
バイキンマン「あ…アンパンマン…おれさまは…おれは…お前を…」
バタ子「しねぇぇぇぇええええええええぇえええええぇっ」
バイキンマン「がぁっ…」しゅわぁっ…
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 03:03:07.26 ID:yS7EEeER0
そうして僕の愛しのライバルバイキンマンは消えていった
すごく、あっけない最後だった
街は長年の敵が居なくなった事により一時は平和になった
この平和がいつまで持つのか
バイキンマンの言っていた通り仮初めの平和なのか
それとも真の平和なのか
それは分からない
78:150℃の激アツ蒸気ぶっかけてる感じで:2012/01/05(木) 03:04:33.24 ID:yS7EEeER0
少なくとも、僕の色あせた街は色あせたままで、悩みも消えないまま
街は幸せそうだが僕は幸せではない
バイキンマンがいた時の方が幸せだった気がする
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 03:07:03.16 ID:yS7EEeER0
~28日後~
あれから僕はパン工場を飛び出した
もうそろそろ一月が経つだろうか
頭のパンにはカビが繁殖している
だんだんこのままカビに侵されてゆくのだろうか
それしか道はないのだが…
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 03:10:45.08 ID:yS7EEeER0
~一年後~
俺様の頭が完全にカビに侵された
入っていたあんこと取り出した
いままで体感した事のない力が体から溢れてくる
そして、いままで味わった事のない気持ちが蘇ってきた
憎い
バタ子が憎い
憎い
街の奴らが憎い
憎い
何もかもが憎い
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 03:15:32.54 ID:yS7EEeER0
そうだ、こんなに憎い世界なら破壊してしまえばいい
大いなる父がそうだった様に
大いなる父が達成できなかった夢を…俺様が叶えて見せる
全てを破壊し全てを無にもどす
全てが憎い全てが憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い
壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 03:17:28.88 ID:yS7EEeER0
~さらに数日後~
バタ子「サンドイッチマン!街で何者がが暴れてるわ!」
サンドイッチマン「直ぐに向かうよ!」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 03:19:14.03 ID:yS7EEeER0
サンドイッチマン「やめるんだ!」
???「あぁ?」
サンドイッチマン「君は誰だ?!」
???「俺?…俺様は…」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 03:25:55.87 ID:yS7EEeER0
そうだ、どうせ復讐するのなら、バイキンマンになろう
僕を愛した、僕が愛した、皆を誰よりも心の底から愛し、その愛する者によって消されたバイキンマンに
???「……俺様は…世界に破滅をもたらす者 。
大いなるバイキンマンの意思を紡ぐ者」
嫌われ役になってやろうじゃないか
どんな仕打ちを受けようとも、必要悪であり続けようじゃあないか
そう、俺がバイキンマンの意思を紡ぐ者…
「バイキンマン二世だ」
~おわり~
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