[プレイ日記?]アリアハンの魔法使い 前編

313 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/09(日) 18:16:00 zvqo1XjI
――48日目

商人「おはよう魔法使いちゃん!!ね、今日はまたピラミッド行くんでしょ?」

魔法使い「…ええ、その予定…」

商人「もう、魔法使いちゃんはいつまでたっても朝弱いままだね!」

魔法使い「そうね…」

商人「じゃ、あたし先に準備してるから、魔法使いちゃんも準備出来たら呼んでね!!」

魔法使い「ええ…ふう、朝から元気よね…」

商人「準備出来た?」

魔法使い「…まだよ、そんなすぐに出来ないわ、余り焦らせないで…」


314 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/09(日) 19:12:47 zvqo1XjI
――ピラミッド

商人「この宝箱開けるとモンスターが出てくるのも、だいぶなれてきたね」

魔法使い「そうね、マミーとミイラおとこしか出てこないし」

商人「この調子なら全部開けられるかな?よっと」パカッ

マミーがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!

魔法使い「今まで通り…イオ!!」ドパパパパーン

商人「そして、ブーメラン!!」ヒュンヒュン

マミーをたおした!!

マミーは仲間を呼んだ!!くさったしたいがあらわれた!!

魔法使い「新手!?でも、すぐに…」

ミイラのこうげき!!つうこんのいちげき!!

商人「…!!きゃ、あ……」バタツ

魔法使い「いけない、商人!!」

商人はしんでしまった!!

魔法使い「くっ…商人…!どうする…魔物はまだ4体、イオ一発では、でも……ここは…!」


315 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/09(日) 19:24:57 zvqo1XjI
――イシス城下町

商人「あ、れ…?ここ、教会?なんで…あ、そっか、あたし…」

魔法使い「目、覚めた?」

商人「あ…うん。あたし、死んじゃったんだね。死んだの初めてだから、少しおどろいちゃった。魔法使いちゃんが、ここまで運んでくれたんだ?」

魔法使い「いえ、私も死んだわ」

商人「…え?」

魔法使い「あのあとすぐ、私も死んだの。逃げたんだけど、回り込まれて…ね。私達、全滅したのよ」

商人「え…全滅?じゃあ、ここ、天国…じゃないよね。ど、どういう事…?」

魔法使い「言ってなかったかしら?勇者でもない私達は、全滅したらおしまい。でも、アリアハンの王様が、5回だけ全滅しても生き返れる道具をくれたのよ」

商人「あ、そういえば…」

魔法使い「これで私達は全滅1回目。あと4回しか全滅出来ないわ。油断したわ…」

商人「そっか…でも、魔法使いちゃん?考え方変えようよ、今まで全滅しないでこれた、その事が凄いって!」

魔法使い「今まで…」

商人「そうだよ、いざないの洞窟だって、ノアニール西の洞窟だって、全滅してもおかしくなかったのに、今まで無事にこれたんだよ?これって、凄い事だと思うよ!」

魔法使い「凄いも何も、普通なら全滅したらそれでおしまいだったのよ?でも、まあ…そうかしらね」


316 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/09(日) 19:34:33 zvqo1XjI
商人「でしょ?だから元気を出して行こうよ!!それよりさ、あたし魔法使いちゃんに言いたい事があるんだけど」

魔法使い「言いたい事…?何かしら?」

商人「魔法使いちゃん、さっきも言ったけど、あたし今回初めて死んだの。凄く痛かったの」

魔法使い「そう…ごめんなさい、私がもう少し気を付けてれば…」

商人「そうじゃないよ!魔法使いちゃん、今まで何回も死んでるでしょ?それなのに、全然痛いとか言ってなかったじゃん!!なんで黙ってたの?無理しないでよ!!」

魔法使い「あ…ごめんなさい、私…」

商人「ねえ魔法使いちゃん、あたし達仲間なんだから、そういう隠し事無しにしよ?魔法使いちゃんがあたしに心配かけたくないって考えてるのは分かるけどさ」

魔法使い「ええ、そうね…うん、分かったわ、ごめんなさい」

商人「いいよ、謝らなくて。謝らなくちゃいけないのは、気づけなかったあたしなんだから。魔法使いちゃん、今までごめんね」

魔法使い「ううん、いいのよ、そんな事は…」

商人「えへへ、こういうのなんか照れ臭いね。でも二人だけのパーティーだもんね!!」

魔法使い「そう、ね…二人だけの…か…」


317 : 315から49日目 :2014/11/09(日) 19:49:50 zvqo1XjI
――夜、宿屋

商人「はあー、今日も疲れたね!!でも、ピラミッドの宝箱にリベンジしたし、あれであそこの宝は残さず取れたよね?」

魔法使い「そうね…」

商人「あー、魔法使いちゃん、何かあたしに内緒で考え事してる!ダメだよ内緒は!」

魔法使い「…何も貴方に私の頭の中全部を見せる必要はないでしょう?」

商人「あたしに言えないようなこと…?あ、分かった、恋の悩みね!!ね、ね、そうでしょ?ね、誰?相手誰?ね、ねえってば!!」

魔法使い「そんなんじゃないわよ…まあ、貴方には話しておくべきね。今後の、このパーティーの事よ」

商人「パーティーの今後…?もしかして、旅止めるの!?」

魔法使い「違うわよ、旅は止めないわ。旅を続けるにはどうしたらいいかを考えてたのよ」

商人「どうって…?もっと時間をかけて進むとか…?」

魔法使い「それもあるけど…このまま二人だけで旅を続けたら危険じゃないかって…」

商人「え?じゃあ新しい仲間?いつ?誰が?」

魔法使い「焦らないで、まだ考えてるだけよ。だけど、どう?貴方は新しい仲間、欲しい?」

商人「うーーーーん、それは悩ましいね…」

魔法使い「そうよね…まあ、今すぐというわけじゃないわ。ただ、貴方も考えておいて。じゃあ、今日はもう休みましょう…」


318 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/10(月) 12:23:03 VbE94/Gc
――50日目

魔法使い「50日か…長かったような、あっという間のような…」

商人「ねえ魔法使いちゃん、今日はどこに行くの?あたし、出来たらアリアハンに戻りたいんだけど…」

魔法使い「アリアハンに?ああ、貴方はたまにアリアハンで変わった物を手に入れてくるわよね。今回もそうなのかしら?」

商人「えへへ、ナイショ」

魔法使い「人には内緒は駄目って言っておいて…」

商人「まあまあ。で、アリアハンに行ってもいいの?」

魔法使い「うーん…ねえ商人、もう少ししたらじゃ駄目かしら?」

商人「え?まあ、急いではないけど…」

魔法使い「これからの計画なんだけど、2、3日でポルトガに行くつもりでいたのよ。でね、新しい町に着いたら、やることがあるでしょう?」

商人「装備を新調する?」

魔法使い「そう。でも、もしかしたらお金が足りないかもしれない。でも、アリアハンに行くのは後回しにすれば、預けてあったお金を下ろせるでしょう?」

商人「あ、なるほど、さすがきれもの!!」

魔法使い「そんな大したものじゃないけど…貴方が納得してくれるなら、アリアハンは後から。まずはもう一度、アッサラームに行きましょう」


319 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/10(月) 13:19:57 VbE94/Gc
――夜、アッサラーム

商人「ふうん、ここから東に行くにも結局まずはポルトガに行かなきゃいけないみたいだね」

魔法使い「そうみたいね。とはいっても、まだ私達ポルトガにもいってないけれど」

商人「東か~。ポルトガも楽しみだけど、東に行くのも楽しみだね!」

魔法使い「そうね…あら?」

???「にゃーん…」

商人「えっと、あれ、猫??」

魔法使い「とてもそうは見えないけど…」

???「うげ、化け損ねたか!ええい、どうせ同じことよ!!」

ベビーサタンがあらわれた!!

商人「…あんまり強そうじゃないね」

魔法使い「油断は禁物よ。火の精霊よ我が両の手に!!熱き力、二つの弾と成りて敵を焼き尽くせ!!メラミ!!」

ベビーサタンをやっつけた!!

魔法使い「やっぱり大したことなかったかしら?」

商人「ひええ…すごい威力…」


320 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/10(月) 19:24:14 gjeHtHXw
――51日目、ロマリア西のほこら

商人「へっへ~ん、どう?まほうのかぎ、持ってきたんだから!!」

兵士「お、やるじゃないか。それがあれば、ポルトガに行けるだろう。さ、通りな」

商人「…それだけ?」

兵士「ん?他に何かあるのか?」

商人「…何か拍子抜け…」

魔法使い「何言ってるの、見せびらかしに来たんじゃないのよ…それより商人、ロマリアで聞いた話覚えてる?」

商人「え?うん、ポルトガでは舟を造ってるって話だよね?」

魔法使い「そうよ。確かに、船があればいいでしょうね。私達みたいなただの旅人が手に入れる事が出来るのかは分からないけど…」

商人「船かあ…船旅って憧れるなあ。これで、いよいよあたしも世界を相手に商売出来るようになるかも!」

魔法使い「今まで旅してきた範囲とは比べ物にならないほど広い世界を旅できるんでしょうね。そう考えると、俄然船が欲しくなってきたわね。何とか手に入れる方法を考えましょう」

商人「うん!!」


321 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/10(月) 19:34:46 gjeHtHXw
――52日目、ポルトガ

魔法使い「やっとポルトガね。昨日は、夜に到着したから町を見て回る事は出来なかったけど…」

商人「ね、ね、魔法使いちゃん、船が欲しいなら、王様に会ってみたらいいんじゃないかって言われたよ」

魔法使い「王様か…じゃあ今日は挨拶して終わりかしら。商人、お店の方はどうだったの?」

商人「それが、品揃えはいいんだけど、あたし達が装備出来るやつは代わり映えしなかったなあ…」

魔法使い「そう…残念だけど仕方ないわね 。それじゃあ私は王様に会ってきてみるわ。良い話が聞ければ良いけど…」

商人「王様だよ?船くらいポンッとくれるんじゃない?」

魔法使い「…そんな王様、今まで会ったことある?確かにイシスの女王様は色々下さったけど…」

商人「アリアハンやロマリアの王様みたいなケチンボの可能性もあるんだね…で、でも、会ってみなきゃ分からないよ!!」

魔法使い「そうね、まずは話を聞いてみてからね…」


322 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/10(月) 19:46:50 gjeHtHXw
――夜、宿屋

商人「で、王様の話はどうだったの?」

魔法使い「それが…船が欲しいなら、東へ行ってくろこしょうを持ってきてくれ、って言われたわ」

商人「へえ、胡椒さえ持ってくれば船くれるんだ?割りと太っ腹じゃない?」

魔法使い「そうねえ…船を寄越しても良いほど面倒な事、という感じもするけど…」

商人「ああ、その可能性もあるね…でも、胡椒って確か東の方にあるんでしょ?確か東には行けないんじゃなかったっけ?」

魔法使い「それは大丈夫。王様から手紙をもらってきたわ。これがあれば、アッサラームの東にある洞窟から更に東に抜けられるらしいの」

商人「東にいけるんだ!?東に行けて、更に船をもらえるチャンスもあるなんて、この国は良い国だね!!」

魔法使い「良い国といえば、ここの王様は色々くれたわよ、東への旅は厳しいからって。私、王様に対する認識を改めなきゃいけないわ…」

商人「こんな小さな国なのに王様は立派だね!!どこかの国の王様にも見習わせたいね!!」

魔法使い「全くよ。爪の垢でも煎じて飲ませたいわ…」


327 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/11(火) 14:55:28 pgwEdapA
――53日目

魔法使い「ん…よく寝たわ…あら、珍しく商人がまだ寝てるわね。商人?」

商人「んん…あたし…夢を見ている…夢を見ている…小さな…宿屋の…中で…」

魔法使い「…寝言かじら?」

商人「むにゃむにゃ…また始めるなら…パーティーな商人を…理想は…勇商商商…」

魔法使い「…この寝言何かしら…何の夢を見てるの…?」

商人「んん…王様は…手紙しかくれない…でも…お城にある宝物も…もらった事に…でないと…あたし泥棒…お話の…つご…ゴホッゴホッ!」

魔法使い「…何を言ってるのか分からないけど、びっくりするほど都合よく寝言を言ってるのは分かるわ…」

商人「小さなメダル…も…あたしが…取引した事に…その方が…商人っぽい…」

魔法使い「そろそろ起こした方がいいかしら…」

商人「きゅーとでせくしーで…こんな気配りも出来る…やっぱりあたしえらい…パーティーに…商人を…魔法使いは…別に入れなくても…」

魔法使い「起きなさい。今すぐよ。ほら、商人!」ユサユサ

商人「ほえっ!?…あ、魔法使いちゃんおはよう、今日は早いね」

魔法使い「…全く、本当に寝言だったのかしら…」


328 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/11(火) 15:04:18 pgwEdapA
――54日目アリアハン

商人「というわけで、あたし達今日はアリアハンまで来ました!!ルーラって便利だね!!」

魔法使い「はいはい。貴方は何か用事があるんでしょ?私もお城に用があるから、また後で落ち合いましょう」

商人「りょーかいです!!あ、あとお金どのくらい預けよっか?9600ゴールドくらいあるけど…」

魔法使い「9000ゴールド預けちゃっていいわよ、東への旅は長旅になりそうだし…」

商人「分かった、そうしとくよ。んじゃ、またね!」

魔法使い「ええ、気を付けるのよ」


329 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/11(火) 16:20:54 wi7vNpYs
――アリアハン城内

兵士「おっ、来たな」

魔法使い「久しぶりね。約束通り、物をもらいに来たわ」

兵士「もうちょっとオブラートに包めないのかよ。ほら、そこの4つだ、持ってきな」

魔法使い「これって…!確か、要らない物を寄越すって話じゃなかったかしら?これはどう見ても…」

兵士「だから前も言っただろ、俺は勇者オルテガに世話になったってな。そのオルテガの娘の為に旅してるんだろ?ならなんでもくれてやるさ、きっと王様も良いって言うね、間違いない」

魔法使い「あのケチがそんな事言うはずないじゃない…全く、私の周りは、自分の事棚にあげる人ばかりね…」

兵士「あ?どういう事だよ?」

魔法使い「貴方も私もこの国では出世出来ないって事よ。じゃあ、せっかくだから頂いていくわよ。ありがとうね」

兵士「ああ、道中気を付けてな。また顔見せろよ」

魔法使い「ええ、またいつか…」


330 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/11(火) 16:43:27 wi7vNpYs
――ルイーダの酒場

魔法使い「ルイーダさん、お久しぶりです。ここにいたのね…あら、貴方は…」

盗賊「お!まほーつかいも来てたのか?久しぶりだな、おみやげあるか?」

魔法使い「久しぶりね。お土産は…ごめんなさい、ないわ」

盗賊「ないのか?もしかして腹ペコか?じゃあとーぞくがメシ作ってやる!!あいつらのむしやきとまるやき、どっちがいい?」

戦士&武闘家「ヒイイィ!!」ガクブル

魔法使い「…両方遠慮するわ。ルイーダさん、この子はいい子にしてた?」

ルイーダ「ああ、いい子にしてたよ。食費がかさむ以外はね」

魔法使い「まあそうでしょうね…」

ルイーダ「他の連中もただ酒飲みばかりだし…あんた、誰か連れてってくれよ。いくら国から援助金が出てるとはいえ、このままじゃ潰れちまう」

魔法使い「そうね…もう少し待ってもらえないかしら。もしかしたら私達、船が手に入るかもしれないの」

ルイーダ「船!?船ってあの船かい!?すごいじゃない、あんた達、ものすごい冒険してるんだねえ…」

魔法使い「それで、船が手に入ったなら、きっと二人旅はきつくなるでしょうから、多分、その時にでも…」

ルイーダ「ああ、そういう事かい。今大事な時期みたいだし、そこに足手まといを入れてもね…」

魔法使い「そうは言わないけど…でも、もし途中で仲間が必要になったら、その時はまた来るわ」


331 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/11(火) 16:53:57 wi7vNpYs
商人「あ、魔法使いちゃん、こっちこっち!!」

魔法使い「貴方もここにいたのね。用事は済んだの?」

商人「うん、ほらこれ、やいばのブーメラン!!これね、今までのブーメランよりすっごい攻撃力高いんだよ!!だから今までのやつは魔法使いちゃんにあげる、はい!!」

魔法使い「お下がりね。ありがたく使わせてもらうわ。それと商人、私も色々貰ってきたんだけど、これ、ちょっと見てもらえる?」

商人「へえ、どれどれ?これ…」

魔法使い「ごうけつのうでわっていうらしいのよ。良いものだと思うんだけど…」

商人「ガハハハ、おいどんこの腕輪が気に入ったでごわす!アリアハンの夜明けぜよ!!」

魔法使い「!?!?」

商人「どげんかせんといかん、どげんかせんといかんぜよ、ガハハハ!!…ああ、魔法使いちゃん、また私から取り上げて…」

魔法使い「貴方ねえ…ごうけつのイメージが固まってないなら無理しなくて良いのよ。方言滅茶苦茶だし…」

商人「えへへ、つい…」


332 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/11(火) 17:39:28 wi7vNpYs
――55日目、アッサラーム郊外

魔法使い「いよいよ東に行けるわね」

商人「楽しみだね!どんな所なんだろ?ね、そういえばさ魔法使いちゃん、東には転職出来る所があるってポルトガで聞いたよね。魔法使いちゃんは、転職とか考えた事ある?」

魔法使い「転職ねえ…考えた事ないわけじゃないけど、私は魔法使いのままでいいかな…貴方も商人が良いんでしょ?」

商人「え、あたし?あたしは別に、転職しても良いけど」

魔法使い「そうなの!?貴方こそ商人にこだわりがあると思ってたわ」

商人「こだわりはあるよ!でも、1度他の職業になったからって、もう商人に戻れない訳じゃないでしょ?ならあたし、魔法とか使えるようになりたいな」

魔法使い「意外ね…どんな呪文が使いたいの?」

商人「ザキ!!」

魔法使い「嫌な即答ね…私にかけないでよ?」

商人「かけないよ!でも、まだ転職のこと、詳しくは分からないし…」

魔法使い「そうね、転職が出来るという場所に着いてから考えても遅くないと思うわ…あ、商人、
見えてきたわよ、あの洞窟…」

商人「あれだよね、ポルトガの王様と知り合いのホビットがいるっていう洞窟!結構たくさんの人が、あの洞窟を抜けられなかったって言ってたけど…」

魔法使い「大丈夫よ、私達には王様からの手紙があるわ。さあ、行きましょう」

魔法使い「


333 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/11(火) 18:09:18 wi7vNpYs
――アッサラーム東の洞窟

ホビット「お嬢さんがたは何だね?ささ、出ていきなされ!」

商人「…門前払いされたよ」

魔法使い「貴方ねえ…王様の手紙を読んでみたら?」

商人「あ、そっか。あー、ごほん、し、親愛なるノルドよ。この旅人達を、バーンの抜け道へ案内してやってくれ」

ホビット「ふむ!するとお嬢さんがたは東へ行きたいんだね?」

魔法使い「ええ、そうです」

ホビット「ふむ!ではついてきなされ!」

商人「は、はい!!魔法使いちゃん、やったね!」

魔法使い「ええ、これで東へ行けるわ」

ホビット「ささ、通りなされ!これが抜け道じゃ!」

商人「はい、おじさんありがとう!!」

魔法使い「ありがとうございます」

ホビット「ふむ!ポルトガ王によろしくな」


334 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/11(火) 18:15:32 wi7vNpYs
商人「洞窟を抜けると…んー!まぶしー!!」

魔法使い「さて、ここからどこに行けばいいのかしら?実は東のどこに町があるのかは分からないのよね…」

商人「そういえば分かんないね。それじゃああたしのカンで、北へ行こうよ!!」

魔法使い「北か…情報がなかった以上、貴方のカンに頼るしかないわね…」

商人「そうそう、あたしのカンは当たるんだから!!じゃあ行こ、ね、ね?」

魔法使い「ええ、進まなければ間違ってるかどうかも分からないし、行きましょう」



336 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/11(火) 18:20:20 wi7vNpYs
――湖畔のほこら

商人「あ、あっれー!?なんかすごい寂れた場所に来ちゃったよ…」

魔法使い「流石に、ここにくろこしょうが売ってたりはしないでしょうね」

商人「あたしが胡椒屋さんだったら、もっと繁栄してる場所にお店を出したいよ。でもここじゃあ…あたしのカン、外れかあ~…」


337 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/11(火) 18:31:36 wi7vNpYs
魔法使い「いつもいつもカンが当たったらそれはそれで怖いわよ。それに、全く無意味な場所に来たわけでもないみたいよ」

商人「え?」

魔法使い「こういう場所にこそあるものもあるってことよ。ほら、貴方も中に入って」

商人「うん…あれ?宿屋だ…!」

魔法使い「ほら、ナジミの塔の中にも宿屋があったりしたでしょう?こういう場所には、意外と宿屋があるんじゃないかしら?実際、迷った私達がたどり着いた訳だし」

商人「なるほど、こういう商売もありかあ!!今日はここに泊まってくの?」

魔法使い「ええ、これから先どれくらいの道程かも分からないし、今日はここで1泊していきましょう」


338 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/11(火) 19:14:43 wi7vNpYs
――56日目

商人「魔法使いちゃんおはよう!!起きて!!起きて!!」ユサユサ

魔法使い「んん…今日は早いわね…」

商人「あたしはいつも早いよ!!ほら、起きて、顔洗って…じゃあおじさん、お世話になりました!!」

宿屋「いやいや、久しぶりに新しいお客さんが来て楽しかったよ。気を付けてな」

商人「はい!!じゃあ行ってきます!!さ、魔法使いちゃん、行こ行こ!」

魔法使い「分かったから、急かさないで…」

商人「で、これからどこに行こっか?」

魔法使い「貴方、人を急かしておいて…北が駄目なら、南しかないでしょ」

商人「そっか、そだね。じゃあ、まだ見ぬ南の町とか村とかお城とかに向かってゴーゴー!!」

魔法使い「朝から元気ね…」


339 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/11(火) 19:32:17 wi7vNpYs
商人「ひー!!この辺のモンスター、強すぎじゃない!?」

魔法使い「そうね、呪文も多彩だし、力も強いわ…貴方最近防具買い替えられなかったでしょう?ダメージが大きいでしょうから、早めに回復するのよ」

商人「そうだね、ポルトガじゃ装備を新しく出来なかったし…次の町では、何か買えるといいなあ…」

魔法使い「でも、買えるとなると…お金預け過ぎたかしら?」

商人「それは大丈夫だと思うよ、売らずにいた装備品を売ったりすれば予算は確保出来るはずだよ」

魔法使い「なるほど。ならやっぱり問題は売ってるかどうか、いえ、その前に町にたどり着けるかだけど…あ、商人、あれ…」

商人「薄暗くなってきたからよく見えないけど、あれは…町!?町だよね!?」

魔法使い「そうみたいね、助かったわ…さあ、あとひと踏ん張りよ、行きましょう」

商人「うん!!」


340 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/11(火) 19:43:01 wi7vNpYs
――バハラタの町

魔法使い「すっかり夜になってしまったけど…お店とかは営業してるのね」

商人「そうだね、アッサラーム見たいではないけど…」

魔法使い「あんないかがわしい町がたくさんあっても困るわ。それより、せっかくお店がやってるんですもの、見て回ってみましょ」

商人「そうだね、じゃあまずは…このお店!!」

武器防具屋「はい、いらっしゃい」

魔法使い「ねえ商人、あの盾…」

商人「うん、このまほうのたて、あたしだけじゃなく魔法使いちゃんも装備出来るみたい。しかもただ硬いだけじゃなくて、魔法からのダメージも減らせるみたいだよ、すごい!!」

魔法使い「これは買いね。予算は大丈夫よね?」

商人「ちっちっちっ、あたしの財政管理を甘く見てもらっちゃ困るよ魔法使いくん、まずあたしが買って、今まで装備してたてつのたてを売れば…」

魔法使い「私の分も帰るというわけね。流石、計画通りね」

商人「へっへ~、あたしは商人、このくらいお手のものよ!!」ドヤッ


341 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/11(火) 19:51:54 wi7vNpYs
武器防具屋「おお、2つも買ってくれるのかい?毎度!!」

魔法使い「あとは胡椒ね…ねえご主人、私達くろこしょうを買いたいのだけれど…」

武器防具屋「くろこしょう?それならここの一軒南の店で売ってるよ」

商人「隣で売ってるの!?なんだ、簡単に買えちゃいそうだね、じゃ行ってみようよ!!」

魔法使い「そうね、じゃあ失礼するわ…あそこね」

商人「あ、他にもお客さんがいる。こんばんはー、お兄さんもくろこしょうを買いに来たんですか?」

剣士「ああ、そうなんだが…」

魔法使い「何かあったの?」

剣士「それがな、私が胡椒を買いたいと言ったら、ここの娘が拐われたとかで胡椒を売ってくれん。困ったものだ…」

商人「ええ!?拐われた!?」

魔法使い「そう簡単に船は手に入らないか…しかし困ったわね、さらわれてしまったなんて…」


342 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/11(火) 20:02:29 wi7vNpYs
――宿屋

商人「ねえ魔法使いちゃん、胡椒屋のおじいさん、可哀想だね…」

魔法使い「ええ、孫娘が拐われて、その恋人も孫娘を助けに出てってしまって…」

商人「こう言ったら悪いけど、あの恋人さんじゃ助けられないよね?戦う人には見えなかったし…」

魔法使い「そうでしょうね…」

商人「ねえ魔法使いちゃん、あたし達であの人達、助けに行かない?あれじゃ可哀想だよ」

魔法使い「ええ、何よりこの事件を解決しないとくろこしょう、そして船だって手に入らないでしょうから。でも、今の私達でどうにか出来るかしら?」

商人「出来るよ!!…って言いたいけど、この辺りの魔物に苦戦してるあたし達じゃあ…」

魔法使い「また少しの間、魔物退治に専念するようね。商人、音を上げないでよ?」

商人「まさか!!すぐに強くなってあの人達助けて、胡椒買って船をもらうの!!絶対やってやるんだから!!」

魔法使い「ええ、その通りよ。私も頑張るわ」


343 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/11(火) 23:02:59 hs0y/LQY
>>326
ありがとう!


344 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/12(水) 18:10:12 4OAVbt3s
――58日目、バハラタ郊外

魔法使い「ここでの魔物退治も二日目ね。ここまでは順調ね」

商人「攻撃力が高いから、マメに回復しないといけないけど、気をつけてれば大丈夫だよね」

アントベアがあらわれた!!ハンターフライがあらわれた!!まもののむれはいきなり襲いかかってきた!!

アントベアのこうげき!!ハンターフライのこうげき!!ハンターフライはギラをとなえた!!

商人「え!?え!?痛い、痛いよ!!」

魔法使い「っ痛…!まずいわね、この奇襲は…!ごめん、私やくそう使うわ、貴方は攻撃を!」

商人「うん!!…ってモンスター、6匹もいる…まずはチェーンクロスで虫3匹を攻撃!!」ピシャッ

ハンターフライをたおした!!

商人「ダメだ、1匹しか倒せない…あ!!」

アントベアのこうげき!!アントベアのこうげき!!ハンターフライはギラをとなえた!!

商人「痛い…ま、魔法使いちゃん、大丈夫!?」

魔法使い「だ、大丈夫よ、回復が間に合ったから…」


345 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/12(水) 18:16:06 4OAVbt3s
魔法使い「でも今度は貴方が危ないわ。貴方を回復するから、貴方はまた攻撃をお願い!」

商人「うん…今度は…ブーメランで!!とうっ!!」ヒュンヒュン

ハンターフライをたおした!!

アントベアのこうげき!!ハンターフライはギラをとなえた!!ハンターフライのこうげき!!

魔法使い「後手後手ね…回復が間に合ってるからいいものを、今度はまた私を回復しないと…」

商人「だいじょーぶ!!ここを耐えたら…も1度ブーメラン!!」ヒュンヒュン

アントベアをたおした!!アントベアをたおした!!ハンターフライをたおした!!

魔法使い「よし、あと一息ね!なら…ヒャド!!」カキーン

まもののむれをやっつけた!!


346 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/12(水) 18:25:01 4OAVbt3s
商人「あ、危なかった~!もうダメかと思ったよ!!」

魔法使い「私もよ。こんな後手に回る戦いは初めてだったけど、なんとか切り抜けたわね。私達、力や呪文だけじゃなくて、経験面でも強くなっているのかもね」

商人「そうだね。死線を潜り抜けて来たってヤツ?」

魔法使い「大袈裟だけどそんな感じかもね。でも…やっぱり二人だと手数の少なさを感じてしまうわね」

商人「それはあたしも思ったよ、あと一人いればな…って」

魔法使い「二人旅もそろそろおしまいかもしれないわ。でも、今新しいメンバーを加えてもね…」

商人「パーティーに入っていきなり人さらいと対決!!じゃ可哀想かもね。もうちょっと、二人で頑張る?」

魔法使い「ええ、むしろ人さらいを倒したら三人目を迎えられる、それを楽しみにここは乗り越えましょう」

商人「そだね、あと一踏ん張り、がんばろー!!」


347 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/12(水) 19:14:13 wuX0L1ts
商人「必殺・てつのおの!!とりゃー!!」ガンッ

まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「よし、片付いたわね。あ…」

魔法使いはレベルがあがった!!

商人「お、魔法使いちゃん、レベルアップだね!!」

魔法使いレベル20「ふふ、ふふふふふ…」

商人「ま、魔法使いちゃん!?どうしたの?」

魔法使い「…何でもないわ。さあ、魔物退治を続けましょう」

商人「う、うん…あ、噂をすれば!!」

デスジャッカルがあらわれた!!

商人「あのモンスターも力が強い上にマヌーサまで…魔法使いちゃん?」

魔法使い「…霜の巨人よ、その荒ぶる拳を振るい――世界を静寂で染め上げよ!!ヒャダルコ!!」ピキキーン

デスジャッカルをたおした!!デスジャッカルをたおした!!デスジャッカルをたおした!!デスジャッカルをたおした!!

魔法使い「…ふう。今まで貴方に負担をかけすぎていたわ。でももう大丈夫。この呪文があれば…ふふふふふ…」

商人「こ、怖いよ…呪文も魔法使いちゃんも…」


348 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/12(水) 19:23:40 wuX0L1ts
――バハラタの町、夜、宿屋

魔法使い「昨日今日と二日間魔物退治に専念したおかげで、二人ともレベルアップ出来たわね」

商人レベル22「うん、特に魔法使いちゃんの新しい魔法はすごかったね!!この辺の手強いモンスターが相手でもあっという間に戦いが終わっちゃったよ!!」

魔法使い「あのくらいはね…レベル20の魔法使いともなれば、あれくらいの事はやりたいわよ」

商人「あ、急に強気になった」ニヤニヤ

魔法使い「い、いいじゃない少しくらい得意になったって!それより、二人ともレベルがあがったし、明日は少し行動範囲を広げましょう」

商人「じゃあ、ついにあの転職が出来るっていうダーマに行ってみる?」

魔法使い「ええ、もし行けるのなら行ってみましょう」

商人「やった!新しい町はいつだって楽しみだけど、今回は特別に楽しみだよ!!ダーマかあ、どんなところかなあ…」


349 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/12(水) 19:50:18 wuX0L1ts
――59日目

商人「えっほ、えっほ…」ザッザッ

魔法使い「おはよう商人。今日も朝からあなほり?」

商人「あ、魔法使いちゃんおはよ!!うん、見てこれ、どくがのこな!!」

魔法使い「これ、結構高いやつじゃない。あなほりで見つけたの?」

商人「もちろん!!久しぶりに良いもの見つけたよ!!」

魔法使い「まあ、どくけしそうくらいはいつも見つけてるじゃない。それより、今日はダーマに行く予定だから、準備は早めに済ませてね」

商人「あ、そうだった!今準備してくるよ、待ってて!!」ドタバタ…

魔法使い「もう、そんなに慌てなくて良いのよ!」


350 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/12(水) 20:00:35 wuX0L1ts
商人「――でさ、やっぱりあたし、ザ…魔法が使えるようになりたいな。魔法が使えてお金も稼げるせくしーな商人ってすごいと思わない?」

魔法使い「1つ余計な項目が入ってた気もするけど、確かに貴方も呪文を使えたら心強いわね。商人は僧侶になりたいの?」

商人「そだねー、魔法使いちゃんが魔法使いなんだから、あたしは違う魔法が使えた方がいいでしょ?ザキも使えるし!!」

魔法使い「はっきり言うわね、さっき言い淀んでたのはなんだったのかしら…?でも確かに、このまま回復呪文がないと…」

キラーエイプがあらわれた!!キラーエイプはいきなり襲いかかってきた!!

キラーエイプのこうげき!!キラーエイプのこうげき!!キラーエイプのこうげき!!

商人「わわっ、みんな魔法使いちゃんを狙ってるよ、大丈夫!?」

魔法使い「平気よ、このくらい…ヒャダルコ!!」ピキキーン

キラーエイプをたおした!!キラーエイプをたおした!!キラーエイプをたおした!!

魔法使い「いきなり襲いかかってきたからびっくりしたわね。さ、行きましょ」

商人「う、うん。相変わらずすごい魔法…」


351 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/13(木) 16:22:06 dIttV5OI
――ダーマの神殿

魔法使い「ふう、ダーマは広いわね、何もないならか、他の町よりずっと広く感じるわ」

商人「ホントだね。宿屋と教会しかないや。お店がないなんて…」

魔法使い「お店はないけど、そもそもこんな山奥に買い物に来る人もあまりいないと思うわ…」

商人「そういえばそっか。来るのは、やっぱり転職したい人だよね」

魔法使い「その転職に関しては色々な話が聞けたわね。貴方も聞いてたでしょう?」

商人「うん!商人になりたいって言ってた男の人がいたよね。かっこいいよね、ああいう人をいけめんって言うんでしょ?」

魔法使い「うん、そうね、ちゃんと情報も集めてね?」ニッコリ

商人「や、優しさが怖いよ魔法使いちゃん!いつもみたいに突っ込んでよ!!」


352 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/13(木) 16:32:46 dIttV5OI
魔法使い「冗談は置いといて、転職は別に回数制限とかはないみたいね。また元の職業に戻ることも出来るみたいだし…」

商人「そだね、あたしも魔法を覚えた後また商人に戻れるみたい!でも、転職するとレベル1からやり直しなんだね…」

魔法使い「そうみたいね。もた体力とかはレベル1相当まで下がるという訳でもないみたいだし、言葉で聞くほど大変ではなさそうだけど…」

商人「でも…それでも、今すぐ転職するのはちょっと難しそうだね」

魔法使い「ええ、それに魔法職になったら今より体力は落ちるでしょうし、そうなるとかなり脆弱なパーティーになってしまうわ」

商人「だよね。やっぱり転職は後回しかあ…」

魔法使い「まあ、ちょうどいいんじゃない?貴方も、そして私も、本当に転職が必要なのか、本当に必要じゃないのか、考え直すのも悪くないわ」

商人「そうだね。もう一度、ゆっくり考えてみようかな…」


353 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/13(木) 16:43:59 dIttV5OI
魔法使い「さて、転職の話は置いといて、これからはこの付近で魔物退治をするのも悪くないかもね。バハラタ辺りとそう魔物の強さは変わらないわりには実入りはいいし…」

商人「あの~、それなんだけどさ魔法使いちゃん、あたし、1回バハラタに戻りたいなって…」

魔法使い「あら、何かやり残した事でも?」

商人「それが…やくそう買いだめしとくの忘れちゃって…買いに戻らないと…」

魔法使い「ああ、そういえばバハラタ辺りでかなり使ってしまったわね。もう袋の中にもほとんどないわね…」

商人「ごめんね、あたし、ちゃんとチェックしてなくて…」

魔法使い「謝らなくていいわ。私もちゃんは把握してなかったし。それにしても、やっぱり不便ね…」

商人「この神殿の事?お店ないとやっぱり不便だよね」

魔法使い「それもだけど、何より回復呪文がないのがね…」

商人「あ、そっか。やっぱりいずれ転職するようかあ…」

魔法使い「まあ、その話は後よ。まずはバハラタに戻って買い物ね」

商人「そだね?この辺であなほりして出ないかなー…」

魔法使い「あなほりに期待するのね…」


354 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/13(木) 17:20:05 dIttV5OI
――60日目

魔法使い「もう60日か…私に与えられたのは、あと約300日…多いのか少ないのか…」

商人「考えても仕方ないよ、魔法使いちゃん!先の事より今日の事!やくそうも買ったし、またダーマに戻ってのモンスター退治も順調だし!!」

魔法使い「そうね、今日に限らず、私達の旅は順調な方なのかもね…」

商人「そうそう!それでね魔法使いちゃん、あたしダーマの北の方に何か建物が見えたのが気になってるんだけど…」

魔法使い「建物?町でもあるのかしら?」

商人「ううん、ちらっとしか見てないけど、多分あれ、塔だよ」

魔法使い「塔、か。確かに気になるわね、でも…」

商人「ねえ、魔法使いちゃん、とりあえず行ってみない?危なかったら、すぐ引き返せばいいしさ。いいでしょ?ね、ね?」

魔法使い「…しょうがないわね。どうせ、駄目って言っても無駄でしょうし…」フウ…

商人「やった!!魔法使いちゃん、大好き!!」

魔法使い「…今まで甘やかし過ぎてたかしら…?」


355 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/13(木) 17:36:50 dIttV5OI
――ガルナの塔

女性「ガルナの塔へようこそ。この塔のどこかに、さとりのしょがあるといいます。さとりのしょがあれば、賢者にもなれましょう」

魔法使い「賢者…!」

商人「ね、ね、魔法使いちゃん、確か賢者ってすごい職業だったよね!?」

魔法使い「ええ、魔法使いと僧侶、両方の呪文が使えて、なおかつそれらより体力的にも装備的にも恵まれた職業らしいわ」

商人「す、すごいすごい!!あ、あたし賢者になりたい!!超なりたい!!…あ、でももしかして、魔法使いちゃんも賢者になりたいの?」

魔法使い「………正直、興味がないわけではないわ。でも…でも私は、やっぱり魔法使いのままでいいわ。また1から賢者の修業をし直すとなると、魔法使いとしての秘儀を修得するのに時間が掛かりすぎるもの…」

商人「じゃさ、じゃさ、あたしがなってもいい?賢者に!」

魔法使い「構わないけど…あまりおすすめしないわよ?」

商人「なんで?魔法使いちゃん、前にあたしも魔法が使えた方がいいって言ってたじゃない!?」

魔法使い「そうだけど、貴方賢者になったとして、呪文全部覚えるまでずっと賢者でいるの?」

商人「え…んー、そこそこ魔法が使えるようになったら、また商人に戻りたいな」

魔法使い「そうでしょう?なら、おそらく1度しか使えないだろうさとりのしょを使ってしまうのは勿体ないわ」

商人「あ、そっか…1回賢者じゃなくなったら、また賢者の修業をしたいと思っても、元に戻れないかもしれないんだ。それに…あたし、勿体ないって言われると弱いなー…」


356 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/13(木) 17:47:17 dIttV5OI
魔法使い「それに、賢者は成長が遅いと言われているわ。魔法使いと僧侶、両方の呪文を勉強しなければいけないのだから当然だけど…また商人に戻りたい貴方がなっても、中途半端な事になる可能性が高いと思うの」

商人「そっかあ…両方の呪文を使えるスーパー商人、かっこいいと思ったんだけどな…それに成長が遅くなるのも辛いな…今成長が遅くなったら、魔法使いちゃんみたくBで止まっちゃう…」

魔法使い「そっちの成長じゃないわよ!大体私も止まってはいないからね!」

商人「そうなの!?」

魔法使い「そうなの!?じゃないわよ!多分貴方が思ってるよりずっと、私歳いってないわよ?」

商人「しょ、衝撃の事実だあ…魔法使いちゃん、もしかしてあたしと同じくらい?」

魔法使い「流石に、そこまで幼くないわよ

商人「お、幼い!?あたしは、多分魔法使いちゃんが思ってるより大人だよ!?」

魔法使い「とてもそうは思えないけど…」


357 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/13(木) 18:00:33 dIttV5OI
商人「信じてない…いいよ、今あたしのあだるとなせくしーさを魔法使いちゃんに説明しても仕方ないもの」

魔法使い「そ、そうね。私も下らない事でムキになったわ。さとりのしょと賢者の話だったわよね?」

商人「そうそう。魔法使いちゃんの言う通り、賢者は諦めようかな…」

魔法使い「別に絶対に駄目って言ってるわけじゃないのよ。それに昨日、転職についてはゆっくり考えるって言ったじゃない」

商人「そうだね、今結論を出す必要はないか…でもさ!!」

魔法使い「な、何?」

商人「商人としては、是非さとりのしょは欲しいな!滅多に手に入らない超レアアイテムでしょ?」

魔法使い「まあ、確かにそうね…探す事自体は、私も賛成よ。やっぱり必要になるかもしれないし…」

商人「でしょ?じゃあ是非ともさとりのしょを探そうよ!!別に今日じゃなくてもいいからさ」

魔法使い「そうね、私達にはやることがある。でも、それらが片付いたら、またここに来ましょうか」

商人「うん!でも、帰る前に…」

魔法使い「何?宝探し?」

商人「新しい所に来たらまず、あなほり、あなほり…」ザッザッ

魔法使い「あなほりに関しては本当に真面目ね…」


358 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/13(木) 18:11:31 dIttV5OI
商人「へへ、2階でいのちのきのみを掘り当てたよ、やったね!」

魔法使い「流石あなほり名人ね。でも、あなほりしてるうちに外はすっかり暗くなってしまったみたいよ私の魔力も減ってきたし、そろそろ帰らない?」

商人「そういえば、今日はバハラタから歩いてここまで来たんだよね。流石にあたしもちょっと疲れちゃったかな。うん、帰ろう!」

魔法使い「じゃあ塔を出ましょう…ああ、やっぱり暗くなってしまったわね」

商人「うん、慣れない土地の夜って怖いね…魔法使いちゃん、気を付けて…あれ?魔法使いちゃん、あれ…」

魔法使い「何か月明かりを反射して光ってるわね…ってすごいスピードで動いてるわ、あれ、魔物かしら?」

げんじゅつしがあらわれた!!メタルスライムがあらわれた!!

商人「ま、魔法使いちゃん、あたし、なんだか分からないけど…あの光ってるモンスター、絶対に倒したい!!」

魔法使い「不思議ね、私も絶対に逃がしてはいけない気がするわ」

商人「やってやろうよ魔法使いちゃん!倒せばきっといいことあるよ!!」

魔法使い「ええ、やりましょう!!」


359 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/13(木) 19:18:03 wNx.VBCY
魔法使い「…とはいえ、あのメダパニ使う魔物を放置してはおけないわね…まずは…ヒャダルコ!!」ピキキーン

げんじゅつしをたおした!!げんじゅつしをたおした!!げんじゅつしをたおした!!

商人「よし、あとはあのメタリックなモンスターを…」

メタルスライムはにげだした!!メタルスライムはにげだした!!

商人「えええ!?逃げちゃうの!?」

魔法使い「まだよ、まだ1匹残ってるわ!!」

商人「うん!こいつは逃がさないよ…とりゃあ!!」ガンッ

ミス!!メタルスライムにダメージをあたえられない!!

商人「か、硬いよ~、手、しびれちゃった…」

魔法使い「これは呪文も効きそうにないわね…どくばりで突いてみるわ!」ドスッ

商人「ど、どう!?」ドキドキ

メタルスライムはにげだした!!

商人「あ~…」

魔法使い「残念ね、悔しいわ…」


360 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/13(木) 19:24:26 wNx.VBCY
商人「ホント悔しい!!倒せたら…なにがあったか分からないけど」

魔法使い「そうね、でもまたきっとチャンスはあるわ。でもあの魔物、昼間は見なかったわよね?夜行性なのかしら?」

商人「たまたま夜見かけただけかも知れないけど、夜の方が好きなやつなのかな…あ、魔法使いちゃん!」

キラーエイプがあらわれた!!メタルスライムがあらわれた!!さつじんきがあらわれた!!

魔法使い「また出たわね!やっぱり夜行性なのかしら?」

商人「今度は逃がさないよ!!この…」

メタルスライムはにげだした!!

商人「ええ~!?ちょ、ちょっと待ってよ~」


361 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/13(木) 19:41:49 wNx.VBCY
――62日目、ダーマの神殿

商人「もう2日も前の事なのに、今思い出しても悔しいよ…」

魔法使い「そうね、でもそれよりも…あれから2日経ってしまったわ。まさか神殿に旅の報告するのに丸一日かかってしまうなんて…本当、神殿も王様もお役所仕事なんだから!」

商人「お、落ち着いてよ魔法使いちゃん、前にも言ったけど、きっとあたし達の旅は順調だよ?そんなに慌てなくても…」

魔法使い「これが私達だけの話ならそうよ。でも…あの人さらいに拐われた人達の事を考えると…」

商人「あ、あ、そうよ!!ど、どうしよう魔法使いちゃん!!」

魔法使い「明日で私達がバハラタに着いてから1週間…明日には決着を着けたいわね」

商人「明日!?今日中に何とかしない?」

魔法使い「駄目よ、焦っては。私達まで捕まる訳にはいかないわ。絶対に人さらい達を倒す。今日はその準備よ」

商人「準備って…まだやくそう買うの?」

魔法使い「買い物も必要でしょうけど、それよりは敵情視察ね。私達、まだ人さらい達の本拠地に行ってないわ」

商人「あ、そっか。じゃあ今日は、人さらいのアジトに行ってみるんだね?」

魔法使い「そう。あの洞窟の魔物の強さや比較的安全な通り道、あと出来れば連中や捕まっている人達がいる場所も探り当てたいわね」

商人「そうだね。今日は準備、明日は人さらい退治…頑張ろうね!!」


362 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/14(金) 14:48:33 epQ9NqJI
――62日目、人さらいのアジト

商人「…結構ダーマから近い場所にあったね」

魔法使い「そうね。こんな場所に人さらいがいるなんて、近くの人達は怖いでしょうね」

商人「転職目当てで来る人達も怖いだろうね。それなのになんで人さらい達を何とかしようっていう人がいないんだろう?大きな王国とかがなくて、兵隊さんが動かせないから?」

魔法使い「それもあるもかも知れないけど…それほど手強い相手という事かもしれないわ。それに、例え王国があっても、どうにかなったかは怪しいわね」

商人「そうかな?」

魔法使い「ロマリアはどうだったか覚えてる?王様は自分の冠1つ盗賊から取り戻せなかったじゃない」

商人「あ、そっか…じゃあやっぱり、今回もあたし達が何とかするしかないね」

魔法使い「そういう事ね。それにしても…船を手に入れるというのは大変な労働ね…」


363 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/14(金) 15:00:24 epQ9NqJI
商人「ねえ、魔法使いちゃん、宝箱いくつか見つけたけどさ…」

魔法使い「ええ、2つが魔物で、他は現金が多かったわ。もしかしたら、人さらい達が仕掛けたり、保管しておいたものかもしれないわね」

商人「魔物が入ってる箱とか、どうやって手に入れたんだろ…どこかで買えるのかな?」

魔法使い「取引とかそういう事は貴方の方が詳しいでしょう?そういう話、聞いたことないの?」

商人「ないよそんなの…でも、旅をして分かったけど、この世の中はあたしの知らない事がたくさんあったから…もしかしたら、モンスターを取引してる商人とかもいるのかも…」

魔法使い「それはいるでしょうね。大体、貴方の好きなモンスター格闘場に魔物を連れていくのはどういう人だと思うの?」

商人「あ…そういえば…そっか、そういう商売もあるんだね…どうしよう、今のあたしくらい強ければ、モンスターを捕まえて売り飛ばしたりとかも…」

魔法使い「ちょ、ちょっと本気なの!?」

商人「じょ、冗談だよ!!そんな事しないよ………カザーブ辺りのモンスターなら、あたしでも…」ブツブツ

魔法使い「…本当に冗談かしら?」


364 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/14(金) 15:14:07 epQ9NqJI
商人「あ、魔法使いちゃん、下に下りる階段だよ!」

魔法使い「ちょっと迷ったけど、やっと見つけたわね。じゃあ下りてみましょう」

商人「そうだね……魔法使いちゃん、ここって…」

魔法使い「ええ、人が出入りしている痕跡があるわ。間違いなく、ここが人さらいの本拠地ね」

商人「ねえ、やっぱり乗り込まない?あたし達なら…」

魔法使い「駄目よ。いくらか迷ったから、体力も魔力も消耗してしまったわ。ここは引き返して、ここに来るための最短の道を確認しましょう」

商人「うーん…」

魔法使い「拐われた人達が心配なのは分かるわ。でも、まだきっと売られたりしないでいるはずよ」

商人「分かるの!?」

魔法使い「必ず、という訳ではないけど…人さらいなんて危険な仕事してたら、いつまでも同じ場所にはいないんじゃないかしら?ある程度仕事をしたら、さっさとここからいなくなるはず。それが、この様子だとまだ人がいるみたいだし…」

商人「まだ一仕事終わってない可能性が高いって事かあ。確かにそうかも。人さらいなんて事を仕事なんて言い方するの、ちょっとイヤだけど…」

魔法使い「気持ちは分かるけどね。さあ、気付かれる前に引き上げましょう。今日乗り込まないからって、まだやることはあるわ」

商人「ここまでの道の確認だよね。そうだね、そっちも大事だね…うん、じゃあ行こ?」


365 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/14(金) 15:24:17 epQ9NqJI
魔法使い「ふう、ここの魔物もなかなか強いわね」

商人「敵の本拠地も探り当てて、最短の道筋も確認したのに、あたし達まだ洞窟の中…」

魔法使い「せっかくだもの、ついでに少しくらい魔物退治していきましょうよ」

商人「魔法使いちゃんのコンタンは分かってるよ、あわよくばもうちょっとレベルを上げたいんでしょ?」

魔法使い「ええ、これも準備の一環よ」

商人「ホント魔法使いちゃんって石橋を叩いて渡るっていうか…そんなに叩いたら橋、壊しちゃうよ?」

魔法使い「壊れたなら渡らなきゃいいじゃない。壊れるような橋を渡らなくて済んだなら万々歳よ」

商人「うーん、分かったような納得いかないような…」

魔法使い「慎重に行動するに越したことはないわ。でないと、また…あ、魔物よ!」

げんじゅつしがあらわれた!!

商人「うわ、この魔物嫌い…マヌーサもメダパニもイヤだし、何より見た目がちょっと…」

魔法使い「厄介な相手よね。でも今までもそこまで苦戦した事はないわ、いきましょう!」


366 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/14(金) 15:56:52 epQ9NqJI
商人「まずはあたしが…とうっ!!」ピシャッ

げんじゅつしはメダパニを唱えた!!魔法使いはこんらんした。

魔法使い「…つも…」

商人「え?」

魔法使い「いつもいつもBだBだBだ…好きでBな訳じゃないわよ!!」

商人「えええ!?メダパニって、混乱ってこういう事なの!?」

魔法使い「…我が怒り!!両の手に宿れ!!灼けつく炎となり、悪しき存在を焼き尽くせ!!」

商人「こ、怖い怖い、その魔法怖い!!」

魔法使い「私の怒りを知りなさい!!メラミ!!」ゴオオォ

商人「熱い熱い、熱いよ魔法使いちゃん!!私の冒険者人生で、ミイラのつうこんのいちげきの次に痛いよ!!」

魔法使い「まだ…まだよ…まだ…」

商人「どどどどうしよう!?そ、そうだ、モンスター、モンスターを倒してから正気に戻ってもらおう!!そりゃあ!!」ピシャッ

げんじゅつしをたおした!!げんじゅつしをたおした!!

商人「や、やった!!ま、魔法使いちゃん、しっかりしてよ、魔法使いちゃん、魔法使いちゃんってば!!」

魔法使い「貴方だってB………?私、どうなって…?」


367 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/14(金) 23:00:59 BYS.1VgQ
――ダーマの神殿、宿屋、夜

商人「はあ…あたし、魔法使いちゃんにあんなに恨まれてたなんて…」

魔法使い「だから、あれは混乱してただけで、本心じゃないわよ!…メラミまで撃ったのは謝らなければならないけど…」

商人「しかも、帰り道また魔法使いちゃん混乱して…私の魔力の初めての使い方、魔法使いちゃんのマホトラだった…もうあたし、お嫁に行けない…」

魔法使い「もう、マホトラ使われてお嫁に行けなくなったなんて聞いたことないわよ!…とにかく、今日は不注意が多かったわ。ごめんなさい。今後は、こういう事がないようにするから…」

商人「しかも、魔法使いちゃんだけレベル上がったよね」

魔法使い「レベルはいつも順番で上がるでしょう?もう、いい加減にしないと怒るわよ?」

商人「うそうそ、じょーだんだよ!ちょっとからかっただけだって!」

魔法使い「もう、本当にこの子は…!まあいいわ、とにかく、明日はいよいよ人さらいと対決しなければならないんだから、ちゃんと気を引き締めてよ?」

商人「もちろん!!人さらいなんか、けちょんけちょんにしてやるんだから!!」


368 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 08:14:22 gNBk13hk
――63日目、人さらいのアジト

魔法使い「ここに来るまで、あまり魔物に会わずに来られたわね。魔力もあまり使わずに済んだわ」

商人「で、この洞窟は…まず最初の分かれ道は真っ直ぐで…」

魔法使い「次の分かれ道は左ね。で、そのまま真っ直ぐ進んだら、扉があるから…」

商人「その扉を開けたらまた左。あとは真っ直ぐで…階段!」

魔法使い「この洞窟では、1度も闘わずに済んだわ。順調ね」

商人「この洞窟、モンスター少ないよね…人さらい達が退治してるのかな?ど、どうしよう魔法使いちゃん、人さらい達もすごいレベルアップとかしてたら…」

魔法使い「大丈夫よ、私達だってレベルを上げてきたもの、絶対に負けないわ。貴方も、気を強く持って!」

商人「そ、そうだね。ここまで来たら、覚悟を決めるしかないよね…じゃ、行こうよ!!」


369 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 08:22:15 gNBk13hk
魔法使い「さあ、いよいよ敵の本拠地よ。準備はいい?」

商人「うん、使わなそうなものをやくそうに持ち替えて…準備おっけー!!」

魔法使い「じゃあ、覚悟を決めて…行くわよ!!」

手下「なんだお前ら、俺たちの仲間になりたいのか?」

商人「そんなわけないでしょ!!拐われた人達を返して!!」

手下「じゃあここを通す訳にはいかねえな…やっちまえ!!」

カンダタこぶんがあらわれた!!

魔法使い「4人か…もっといるかと思ったけど…」

商人「この程度ならラクショーだよ!!いっくよー!!」


370 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 10:19:45 isqx912w
商人「行くよ、それっ!!」ピシャッ

カンダタこぶんのこうげき!!カンダタこぶんのこうげき!!

魔法使い「見た目ほどたいした攻撃じゃないわ!ヒャダルコ!!」ピキキーン

カンダタこぶんはルカナンをとなえた!!

商人「うわっ!?って効かないよ、魔法使いちゃんは?」

魔法使い「私も効かなかったわ!最初の攻撃で一人も倒せなかったのは驚いたけど…もう1発、ヒャダルコ!!」ピキキーン

カンダタこぶんをたおした!!カンダタこぶんをたおした!!カンダタこぶんをたおした!!カンダタこぶんをたおした!!


371 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 10:34:36 isqx912w
商人「よしっ、退治完了!!あたしもレベル上がったし、あとは拐われた人達を助けるだけだよ!!」

魔法使い「そうね。奥の方に行ってみましょう」

女性「助けて下さい!バハラタの町から拐われた者です!!」

男性「そこのレバーを上げればこの牢屋から出られるはず!!さあそのレバーを!!」

魔法使い「二人とも無事なようね」

商人「レバーってこれだよね?えいっ!」ギギギ…

女性「ああ、助かった!!私達、助かったのね!!」

男性「ありがとうございました!!このご恩は一生忘れません!!さあ、行こう!!」

女性「ええ!!」タタタ…

商人「あーあー、あんなに慌てちゃって…でも、無理もないよね、ずっと牢屋の中にいたんだもの」

魔法使い「二人とも、少し痩せてたけど元気そうね。女性の方は、乱暴された様子もないし…」

商人「それはそうだよ、人さらいからしたらあの人達は商品だもん、商品を雑には扱わないよ」

魔法使い「なるほど、ある意味プロの商人、というわけね」

商人「人さらいと同じ呼ばれかたはイヤだけど…」

女性「きゃーーーー!!」


372 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 10:41:29 isqx912w
魔法使い「!?今の声は…?」

商人「あの女の人だよね?行ってみよ、早く!!」

女性「た、助けて下さい!」

男性「僕はいいから、彼女を!!」

商人「げ、あの人達って…!!」

カンダタ「なんだ?こんな奴ら拐った覚えは…げ!!またお前らか!!」

魔法使い「ロマリアのきんのかんむりを盗んだ盗賊ね!!まだ悪事を働いてたの?」

カンダタ「今度は前のようにはいかんぞ!!やっつけてやる!!」

カンダタがあらわれた!!カンダタこぶんがあらわれた!!

魔法使い「手下は二人。2対3だけど…」

商人「かんけーないよ!!今回も勝つのはあたし達だよ!!さ、やろ、魔法使いちゃん!!」


373 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 10:49:35 isqx912w
魔法使い「まずは手下を倒しましょう!ヒャダルコ!!」ピキキーン

商人「あたしも、えいっ!」ピシャッ

カンダタこぶんはルカナンをとなえた!!カンダタこぶんのこうげき!!カンダタのこうげき!!

商人「いったあ…ルカナン効いちゃった…」

魔法使い「守備力を戻さないと…スクルト!!」ミュイイーン

カンダタこぶんはルカナンをとなえた!!

魔法使い「くっ、これじゃいたちごっこ…いえ、手数の少ない私達がじり貧ね…」

商人「ここはまとめて…ブーメラン!!」ヒュンヒュン

カンダタこぶんはベホイミをとなえた!!

魔法使い「回復呪文!?駄目、やっぱり手下を先に倒さなきゃ、多少ダメージを受けても…ヒャダルコ!!」ピキキーン

商人「じゃああたしはチェーンクロスで!!」ピシャッ

カンダタこぶんをたおした!!カンダタこぶんをたおした!!

カンダタのこうげき!!つうこんのいちげき!!商人はしんでしまった!!

魔法使い「!?商人…!!」


374 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 10:58:43 isqx912w
魔法使い「商人が死んでしまった…私一人でこの男を倒せるの?…駄目よ、弱気になったら。商品として拐ってきた人達はともかく、殴り込んできた私達は、商人はどんな目に遭うか…諦められないわ!魔力こそが我が鎧!!岩の如き堅牢さを我に!!スカラ!!」ミュイーン

カンダタのこうげき!!

魔法使い「…大丈夫!つうこんのいちげきさえ来なければ、死にはしないわ!!メラミ!!」ゴオオォ

カンダタのこうげき!!

魔法使い「負けられないわよ、貴方なんかに!!メラミ!!メラミ!!メラミ!!メラミ!!メラミッ!!」ゴオオォ

カンダタのこうげき!!

魔法使い「しつこいわね!お願い、魔力が尽きる前に…メラミッ!!」

――カンダタをたおした!!


375 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 11:05:33 isqx912w
魔法使い「やった、倒した…商人、やったわ…」

女性「あ、ありがとうございました、勇者様!!」

魔法使い「…勇者?いえ、私達は…」

男性「これで本当にバハラタに帰れる!!さあ、早く帰ろう!!勇者様、私達は先に帰ります、お礼は、バハラタの町で…それでは!!」

魔法使い「あ、待って…行ってしまったわね、まあ、この洞窟は魔物も多くないし大丈夫か…それより、我が身の心配だけど…まだ少し魔力が残ってるわ。待っててね商人、すぐに生き返らせてあげるから…リレミト!!」


376 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 11:19:01 isqx912w
――64日目、バハラタ

商人「ん…」

魔法使い「生き返ったわね。気分はどう?どこか痛くない?」

商人「生き返った…!あ、あたし、あの人さらいに…あ!!も、もしかしてあたし達、また全滅したの…?」

魔法使い「いえ、あいつらはちゃんとこらしめたわよ。あの二人も、無事帰って来られたわ」

商人「ホントに!?魔法使いちゃん一人で、あいつに勝ったの!?」

魔法使い一人じゃないわ、二人でよ」

商人「ううん…今回はあたし、何もしてないよ…ほとんど魔法使いちゃん一人で…」

魔法使い「そんなわけないでしょ。大体貴方が攻撃を受けてくれたお陰で、私は生き延びられたんじゃない」

商人「うん、そうだけど…」

魔法使い「もう、落ち込むなんてらしくないわよ。それより、二人を無事に助けられた事を喜びましょ?さ、行くわよ」

商人「行くって、どこに…?」

魔法使い「貴方、なんであの二人を助けに行ったのか忘れたの?くろこしょうを手に入れるためじゃない」

商人「あ…あ、じゃ、じゃああたし達、ついにふ、船を…!?」

魔法使い「ふふ、そうよ。さあ、胡椒屋さんに行きましょう」


377 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 12:07:55 Wy1aJnF2
男性「いらっしゃいませ…ああ、貴方達は!!助けていただいて、本当にありがとうございました!!」

商人「無事帰って来れて良かったですね!彼女さんも元気ですか?」

男性「ええ、おかげさまで!!…あの、胡椒をお求めですか?」

魔法使い「ええ、今日はそれを買いに…」

男性「そうですか、さ、どうぞ!!お代なんてとんでもない!!」

商人「いいんですか!?お金はちゃんと取らないと…」

男性「いえいえ、命の恩人からそのような事は!!さ、お持ち下さい!」

魔法使い「そこまで言うなら…じゃあ、いただいていくわ。ありがとう

商人「ありがとうございます!…かえって悪かったんじゃ…」

男性「いえいえ、二人の命と比べたらこんなもの…また必要になったら、いつでもお出で下さいね!!」

くろこしょうをてにいれた!!


378 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 12:17:18 Wy1aJnF2
商人「やったね魔法使いちゃん、これで船が手に入るよ!!あたし達の船だよ!!」

魔法使い「ええ、まだちょっと信じられないけど…」

商人「ホントだね!!ね、船が手に入ったらさ、まずはどこ行こ?やっぱりあたし、1回アリアハンに行きたいな!!」

魔法使い「船でアリアハンか…いいかもしれないわね。みんなきっとビックリするわよ」

商人「だよね?じゃさ、船でアリアハン行ってさ、町のみんなを驚かせちゃおうよ!!じゃ、早速ポルトガに戻って船もらいに行こ!!ね、ね?」

魔法使い「気持ちは分かるけど…ごめんね、私今日はもう休みたいの…」

商人「あ…魔法使いちゃん、人さらいと戦ってからまだ休んでないをだもんね。ごめんね、あたし一人ではしゃいじゃって…」

魔法使い「良いのよ、嬉しいのは私も一緒。ただ、船は逃げないから…ね?」

商人「うん、分かってる。じゃあ今日は、もう休も?」

魔法使い「ええ、そうね。宿屋に行きましょう」

商人「…今回は魔法使いちゃんにばっかり大変な思いをさせちゃった。やっぱりあたし、今のままじゃダメなのかな…」


379 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 12:53:38 Wy1aJnF2
――65日目

商人「えっほ、えっほ!」ザッザッ

魔法使い「おはよう。今日も朝から精が出るわね」

商人「おはよう!!全部で6ゴールドしか出なかったけどね」

魔法使い「さあ、あなほりも終わったなら出掛けましょう。今日はいよいよポルトガに船をもらいに行くわよ」

商人「………それなんだけどさ魔法使いちゃん、ポルトガに行く前に、ダーマに行って良いかな?」

魔法使い「ダーマに?構わないけど…昨日はあれほどポルトガに行きたがってたのに、どうしたの?」

商人「うん……あたし、あたしね、やっぱり転職するよ。ううん、したい」

魔法使い「転職!?貴方が自分で決めたのなら反対はしないけど…本気なのね?」

商人「うん……あたし、人さらいとの戦いで役に立てなかったし、このままじゃ…」

魔法使い「だからあれは…」

商人「魔法使いちゃんに迷惑をかけたとか、そういう事だけじゃなくて…あたし、自分自身が許せなくて、それで…」

魔法使い「…分かったわ。そこまで言うなら、もう何も言わない。でも1つだけ。今回の事だけでそんなに思い詰める必要なんて、何一つないのよ?旅を始めたばかりの事、覚えてる?私、死んでばかりで、貴方に迷惑をたくさんかけたわ。それに比べたら、今回の事くらいなんて事ないのよ」

商人「うう…魔法使いちゃん…魔法使いちゃ~ん…」ヒック

魔法使い「泣かないの。それに、転職は商人としてのスキルアップの手段でしょ?貴方はこれから呪文をたくさん覚えて、呪文の使えるスーパー商人になるのよ?その門出はめでたいものよ、泣き顔じゃいけないわ。ね?」


380 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 13:03:24 Wy1aJnF2
――ダーマ神殿

「ね、ねえ、魔法使いちゃん…」

魔法使い「なあに?」

僧侶「ど、どうかな、このカッコ…ヘンじゃない?」

魔法使い「そんな事ないわ、良く似合ってるわよ」

僧侶「そ、そうかな…えへへ」

魔法使い「でも、貴方は今、レベル1に戻ってしまったわ。危ないから、しばらくは私の後ろにいるのよ」

僧侶「う、うん。ん~、後ろって初めてだから、なんか新鮮…」

魔法使い「さて、装備も持っていたもので大体間に合ったわね。じゃあ、ちょっとこの辺りで魔物退治してく?貴方も、今の実力の確認と、とりあえずのレベルアップ、したいでしょう?」

僧侶「うん、そうだね…ねえ、魔法使いちゃん。あたし、これからたくさん魔法使えるようになるんだよね?」

魔法使い「そうよ、私とは違う呪文を、私と同じくらいたくさんね」

僧侶「そっかあ…えへへ、楽しみだね!」

魔法使い「ええ、私も楽しみよ。貴方がどんな呪文を覚えるのか…じゃあ、行きましょう」

僧侶「うん!!」


381 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 14:23:02 PLfEYQy2
――夜、宿屋

魔法使いレベル23「1日無事に魔物退治出来たわね。私もレベルが上がったけど、貴方はたくさん上がったわね」

僧侶レベル11「すごいよ、あたしもう7つも魔法使えるようになったよ!!」

魔法使い「守備力はともかく、体力ももう私より多くなったし…これなら船旅が始まっても平気ね」

僧侶「いよいよ船旅かあ…楽しみだね。あたし、今夜寝れないかも…」

魔法使い「私も眠れないかもしれないわ。でも、少しでも寝ないと。貴方も今日は疲れたでしょう?」

僧侶「うん、でも今日は転職したし、明日は船だし、もう頭の中がいっぱいで…」

魔法使い「まあ、いろいろあったからね…」

僧侶「うん…あ、そうだ、魔法使いちゃん、魔法使いちゃんに言わなきゃいけない事があるんだ」

魔法使い「なに?」

僧侶「えっと、転職して、また1から勉強中の身ですが、これからも、末長く…」

魔法使い「なにそれ?似合わないわよ、そんなの」クスクス

僧侶「な、なによー!!せっかく精一杯悩んで考えたのに…」

魔法使い「はいはい、よろしくね」

僧侶「むー、納得いかない…」


382 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 16:05:00 cAgN7o1Q
――69日目

魔法使い「もう!すぐに船に乗れると思ってたのに、ダーマ神殿への報告とルーラとポルトガの王様への報告で、気がつけばもう何日も経ってたわ!!」

僧侶「ま、魔法使いちゃん、落ち着いて…神殿はともかく、ポルトガの王様への報告は、胡椒を手に入れるのと一緒に受けた依頼だったじゃない」

魔法使い「そうだけど…」

僧侶「王様も、見たことない土地の話をたくさん聞きたかったんだよ。仕方ないよ魔法使いちゃん、ね?」

魔法使い「そうね…貴方、僧侶になってから少し落ち着いた?」

僧侶「だって僧侶だよ?清らかで優しい心を持ってなきゃ!あたしなら元からオッケーだとしてもさ」

魔法使い「ああ、そうね…」

僧侶「あ、でもどうしよう魔法使いちゃん、あたし僧侶なのにこんなにせくしーだいなまいつだよ!?やっぱりまずいよね!?」

魔法使い「はいはい」

僧侶「転職したての新米の悩みだよ!?もっと親身になって聞いてよ!!」


383 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 16:12:08 cAgN7o1Q
魔法使い「そんな話より…いよいよ船に乗れるのよ、私達!」

僧侶「そうだね、こんな大きな船に乗れるんだ…ね、ね、早く、早く乗ってみようよ!!」

魔法使い「ええ、行ってみましょう」

僧侶「…うわあ、乗ってみると意外と揺れるね…あ、船乗りさん、これからよろしくお願いします!!」

魔法使い「よろしくお願いします」

船乗り「ああ、ポルトガ王のご命令だからな、地のはてまでも行ってやるぜ」

僧侶「すごいね!!で、魔法使いちゃん、まずはどこ行こっか?」

魔法使い「それは、前に行った通りアリアハンへだけど…まずはあの、向こうに見える灯台に行ってみない?」

僧侶「灯台…?あ、あれかあ、そうだね、行ってみよう!!」


384 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 16:22:47 cAgN7o1Q
――ポルトガ南の灯台

僧侶「うわあ、高い灯台だね…」

魔法使い「そうね、こんなに高いなんて…あ、頂上みたいね」

大男「なんだ?お客さんか」

僧侶「あ、こ、こんにちは

大男「お前さん達、ポルトガの王様から船をもらったクチだな?なら海の初心者ってわけだ、ならここに来たのは正解だぜ。海の男の俺がなんでも教えてやるよ」

魔法使い「頼もしいわね。なら、アリアハンへはどう行ったらいいか教えてくれるかしら?」

大男「アリアハン?ならまずは南だな。この大陸の南端がテドンの岬。そこから東へ行くとランシール、さらに東へ行けばアリアハンだ」

僧侶「すごい、ホントに何でも知ってるんだ!!」

大男「はは、ほめてくれたついでに教えてやるとな、この世界に散らばる6つのオーブを集めれば、船が要らなくなるって話だぜ」

魔法使い「船が要らなくなる…?どういうことかしら…?」

大男「それまでは分からんよま、とにかく南へ行ってみな」

僧侶「分かりました、ありがとうございます!!」


385 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 16:33:09 cAgN7o1Q
僧侶「でも、船が手に入ったばっかりなのに、もう船が要らなくなる話なんて…なんだかピンと来ないよね?」

魔法使い「そうねえ…まるで雲をつかむような話だわ。でも、私達に今すぐどうと言う話ではないわね」

僧侶「それもそっか。まずあたし達は、この船で行けるところまで行ってみたいよね!!」

魔法使い「ええ、まずは私達の故郷アリアハン。そういえば貴方、船に乗れるようになったらする事、覚えてる?」

僧侶「する事?…アリアハンに行って…あ、新しい仲間!!」

魔法使い「ええ、あの人さらいとの戦いも、結局数で負けてた時に押し込まれてなきゃ、あんなに苦戦はしなかったはずよ。今現在、特別な目的もないし、新しい仲間を育てながら、ゆっくり旅をする、というのも…」

僧侶「なるほど、あたしも転職したてでちょっと足引っ張りそうだし、そうしてもらえると助かるな。うん、じゃあそうしようよ!!」

魔法使い「決まりね。じゃあアリアハンへ向けて、張り切って行きましょう!」


386 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 17:01:32 cAgN7o1Q
僧侶「ねえ魔法使いちゃん、海って思ったほどモンスター出ないね」

魔法使い「そうね…さっき会ったくらげの群れだけね」

僧侶「この感じなら順調に行けそうだね!でも、今日はどこまで行くの?」

魔法使い「どうしようかしら?そういえばさっき寄った小さな教会で、南にテドンの村人がどうとか言ってたわよね」

僧侶「テドンって、あの灯台にいた人も何か言ってたよね、確かこの大陸の南の端だって…」

魔法使い「そう言ってたわね。じゃあ今日は、とりあえずそのテドンの村を目指しましょう」

僧侶「りょーかい!!迷わず行けるといいね!!」


387 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 17:34:40 cAgN7o1Q
――夜、テドンの村

魔法使い「ここがテドンの村…すっかり暗くなってしまったわね」

僧侶「うん、でも夜なのに賑やかな村だね」

魔法使い「そうね、お店もやってるみたいだし。でも…」

僧侶「やっぱり魔法使いちゃんも気になる?ボロボロだよね、この村」

魔法使い「いくら近くに大きな町もない田舎だって、これはさすがに…村の人達は気にしないのかしら?」

僧侶「うーん…とにかくいろいろ歩いてみようよ。あ、でも毒の沼地ばっかりだね。町の中なのに、なんでこんなに…」

魔法使い「それは大丈夫。未知、未踏、未見を貪る強き力を我らが足に!!トラマナ!!」ピカー

僧侶「あ、毒の沼地も平気になった!」

魔法使い「これで安全よ。さあ、行きましょう」


388 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 18:28:00 uou63mn2
僧侶「魔法使いちゃん、この村の武器防具屋の品揃えすごい!!あたしに装備出来るものもたくさんあるよ!!」

魔法使い「ふふ、僧侶に転職しても、やっぱりお店の品揃えは気になるのね」

僧侶「そうだよ、あたしは今でも商人が本業のつもりだもん!!」

魔法使い「それで、どれがいいの?」

僧侶「まずは、このまほうのよろい!!打撃にも魔法にも強いの!!あと、このとんがりぼうしも守備力が高いよ!!」

魔法使い「良いものなら両方買ってしまえば?お金は余裕あるんでしょ?」

僧侶「もっちろん!!18000ゴールド以上あるよ!!何でも買えちゃう!!」

魔法使い「じゃあ迷う必要はないわね。貴方は今レベルが低くなってるんだから、その分を装備で補わなくちゃ」

僧侶「そうだね、じゃあおじさん、両方下さい!!」

武器防具屋「はい、毎度!!」


389 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 21:47:53 SGXQAQYc
僧侶「うーん、安いのはいいけど、ベッドボロボロだね、この宿屋…」

魔法使い「村の様子を見れば、まあ仕方ないわね…もう夜も遅いし、別の町を探す訳にも行かないし…」

僧侶「そうだね、寝れるだけいいかな。船旅も結構疲れるから、寝ないで旅を続けるのも大変そうだし」

魔法使い「船は乗りなれないからか疲れたわね。そう考えると、なかなかいい位置にある村とも言えるかもしれないわね」

僧侶「ホント!!ここに村がなかったら大変だったよ。こんなベッドでも、休めるだけ感謝しなきゃね!」

魔法使い「さあ、もう寝ましょう。今日はだいぶ遅くなってしまったし、明日もまた船旅だし…」

僧侶「そうだね、寝よう寝よう!!じゃ、おやすみー」


390 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/15(土) 21:59:33 SGXQAQYc
――70日目

僧侶「ま、魔法使いちゃん、魔法使いちゃん!!起きて起きて!!た、大変、大変だってば!!魔法使いちゃん!!」

魔法使い「んん…なに、どうしたの…?」ファァ…

僧侶「む、村が…村が!!」

魔法使い「村が…?え、これは…!!」

僧侶「誰もいないの、いなくなってるの!!ううん、いなくなったっていうより…」

魔法使い「…滅ぼされてるわね」

僧侶「ど、どういう事なの!?あたし達が寝てる間にモンスターが攻めて来たの…?」

魔法使い「いえ、そんな感じではないわね…これはむしろ…もうずっと前に滅んでいたんじゃないかしら?」

僧侶「え、え、ど、どういう…?」

魔法使い「おそらくだけれど…この村はもうずっと昔に滅んでいて、理由は分からないけど夜だけは、人々が昔の姿で現れる…」

僧侶「そ、そんな事って…」

魔法使い「そうね、ありえないわね。でも、実際に私達は夜、この滅んだ村の村人達に会った。買い物までしたわ」


391 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/16(日) 07:42:23 iUcOZ1r.
僧侶「ど、どうしよう魔法使いちゃん…」

魔法使い「どうしようと言われても…とにかく、村の中を調べて見ましょう。何かあるかも…」

僧侶「う、うん…やっぱりこうして見ると、すごい荒れてるね…」

魔法使い「そうね、夜だから気づかない事もあったけど、明るくなって見ると…」

僧侶「ね、ねえ、魔法使いちゃん、これってやっぱり、魔王が…?」

魔法使い「そうでしょうね、昨夜の…村人達も、魔王の居城が近いって言ってたし…」

僧侶「…魔王って怖いんだね。村をこんな風に出来ちゃうなんて…」

魔法使い「ええ…話には聞いていたし、分かっていたつもりだけど…」

僧侶「…村ひとつをこんな風にしちゃう力も怖いけど…こんな事をしようと思う考えっていうか、心っていうか…それがなにより怖いよ…」

魔法使い「…」


392 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/16(日) 07:52:32 iUcOZ1r.
僧侶「やっぱり、生きてる人はいなかったね…」

魔法使い「分かってはいた事だけど…手に入ったのはこのランプくらいね」

僧侶「この、あたしの装備もだよ。鎧と帽子は、朝になっても消えないのにね。不思議だね…」

魔法使い「そうね…さあ、この村にこれ以上いても仕方ないわ。もう行きましょう。それに、魔王の居城が近いという話が本当なら、あまり長くこの場所にいるのは危険だわ」

僧侶「うん…ねえ、魔法使いちゃん。こういうのって、悲しいね。あたし達で、何とか出来ないかなあ…?」

魔法使い「今は無理でしょうね。でも…私達は今までも、無理な事をやってのけてきたわ。時間をかけて、じっくり力をつければ、もしかしたら…」

僧侶「…そうだね、今何とか出来ないのは悔しいけど…でも、いつかきっと…!」


393 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/16(日) 08:45:13 lxHBeWFk
応援


394 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/16(日) 11:36:56 Bid4e44.
魔法使い「さて、気を取り直して行きましょう。アリアハンに向かうには、次は――」

僧侶「ランシール、だったよね?」

魔法使い「ええ。ランシールを経由してアリアハンという話だったわね。今日中にランシールに着けばいいけど…」

僧侶「このテドンの岬から東だったよね?真っ直ぐ東でいいのかな?」

魔法使い「さあ…でもあの灯台にいた人の言う事を信じるしかないわ。もし見つけられなかったら…困るわね…」

僧侶「まさかまたこの村に戻ってくる訳にもいかないもんね…迷わず行けるといいなあ…」


395 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/16(日) 11:47:02 xNQ/oJCA
魔法使い「…夜になってしまったわね」

僧侶「うーん、今日中には見つからない?でも、やっぱり海ってモンスター少ないし、体力的には余裕あるよね」

魔法使い「そうね、思ったほど強くもないし…でも、出来れば夜はベッドで寝たいものね」

僧侶「結構長い間旅してきたけど、あたし達1度も野宿とか徹夜で歩いたりとかしてこなかったよね」

魔法使い「考えてみれば奇跡的ね。そして…ほら、今日も宿には困らなくて済むみたいよ」

僧侶「え…?あ、あれ、陸!?陸が見えるよ、魔法使いちゃん!!」

魔法使い「ええ、きっとあれがランシールなのね。さあ、上陸の準備をしましょう」

僧侶「うん!!楽しみだね!!」


396 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/16(日) 11:56:22 xNQ/oJCA
魔法使い「…上陸はしたけど、なかなか町が見えてこないわね」

僧侶「森とか山が多くて歩きづらいね。朝までに町、見つけられるかなあ?」

魔法使い「そんなに大きくない島に見えたから、そのうち見つかるとは思うけど…それにしても、この島の魔物は変わってるわね」

僧侶「テドンの周りにいるようなモンスターに、砂漠で見た緑のカニ…あとロマリア辺りにいたモンスターもいたよ。変だよねえ?」

魔法使い「そうねえ、それほど強い訳じゃないのが救いだけど…」

僧侶「待って!魔法使いちゃん、あれ、灯りが見える!!」

魔法使い「本当ね…あれ、町かしら?ようやく休めそうね」

僧侶「やっと見つけたね!どんな町なのかな?早く行こ、ね、ね?」

魔法使い「慌てないで…もう。暗いんだから、気を付けないと転ぶわよ」


397 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/16(日) 16:28:55 E5A8uRig
――ランシールの村

僧侶「…小さな村だね」

魔法使い「そうね。夜だから仕方ないけど、お店も開いてないし…」

僧侶「お店がやってないのは残念だけど…今日は宿屋があっただけ嬉しいね」

魔法使い「そうね、野宿しないで済んだわ。野宿だったら、誰かさんは寝たら朝まで起きないから私が見張りするようだったし…」

僧侶「え~、寝坊助さんな魔法使いちゃんの方が…」

魔法使い「いーえ、貴方は朝早いけど、それまではノンストップで爆睡だもの、交代で見張りなんて出来ないわ。何なら今度野宿になったら試してみる?」

僧侶「むー、やってやるよ、後悔させてあげるんだから!!」


398 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/16(日) 16:38:10 E5A8uRig
――71日目

僧侶「おはよーおはよー!!魔法使いちゃんおはよー!!ざ、起きて起きて!!ねえ、こういうときぱぱっと起きれないようじゃ、やっぱり交代で見張りなんか出来ないんじゃないのー?」ドヤドヤッ

魔法使い「んーもー、朝早いだけじゃ見張りに強い訳じゃないって…」

僧侶「早く早く、はーやーくー!!」バンバン

魔法使い「…はいはい、分かったわよ、全く…貴方ただ早く村を見て回りたいだけじゃないの?」

僧侶「え?まあ、それもあるけど…えへへ…」

魔法使い「…全く、村は逃げないわよ。今準備をするから、ちょっと待って…」

僧侶「じゃ、あたし外であなほりしてるから、準備出来たら読んでね!!」タタタ…

魔法使い「転職してもあなほりには熱心ね…」


399 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/16(日) 17:35:53 Bw6z99fM
僧侶「うーん、明るくなってから見てもやっぱり小さな村だね…」

魔法使い「小さくても、お店の品揃えはいいかもしれないじゃない。どうだったの?」

僧侶「うん、確かに品揃えは良かったけど、あたし達に必要なものはテドンと変わらない品揃えだね…」

魔法使い「そう、残念ね。でも道具屋には、名物があるって話よ」

僧侶「え、ホント!?見たい見たい、行こ、魔法使いちゃん!!」タタタ…

魔法使い「もう、本当に落ち着きがないんだから…」

僧侶「あ、これ、きえさりそう…?」

魔法使い「姿を消せる薬のようね。私達魔法使いも同じ事出来る呪文を覚えるけど、あれはかなり高位の呪文だから…」

僧侶「じゃあこれ、結構すごい道具なんだ?」

魔法使い「魔法使いの視点からみればそうなるわね。1つくらい買っておいたら?」

僧侶「そっかあ。じゃあこれ、1つ下さい!!」

道具屋「お買い上げありがとうございます」


400 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/16(日) 19:49:42 hiGX5J8w
魔法使い「この村であと見るべきものは…神殿かしら」

僧侶「そうそう、大きな神殿があるって話だったよね?でも、そんなに大きいのに、どこにも見当たらない…」キョロキョロ

魔法使い「神殿、だからね。きっと奥まった所にあるはずよ。ダーマ神殿だって、山の中にあったでしょう?」

僧侶「奥まったところ…この森の向こう?」

魔法使い「多分ね。さあ、行ってみましょう。私達の旅にとっても重要な、何かがあるかもしれないわ」

僧侶「神殿、だもんね。何かすごいものがありそう…」


401 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/16(日) 20:01:01 hiGX5J8w
魔法使い「ほら、見てみて。やっぱりここにあったわ」

僧侶「ホントだ、さすが魔法使いちゃん!!」

魔法使い「でも、見つけたはいいけど…入れないわね」

僧侶「あたし達が持ってる鍵じゃあ、この扉は開けられないね。もっとすごい鍵があるのかな?」

魔法使い「そういえばさっき旅の剣士が、さいごのかぎを探してるって話をしてたわね。もしかしたらその鍵で…」

僧侶「さいごのかぎ、かあ。確かその鍵を見つけるには、壺を見つけなきゃいけないんだよね?その壺って、どこにあるのかなあ…?」

???「きえさりそうは持ってるかい?」

僧侶「へ!?なになに!?」

魔法使い「貴方は…スライム!?持っていたら、なんなの?」

スライム「持ってるなら、エジンベアのお城に行きなよ」

僧侶「え?それってどういう…あ、行っちゃった…ねえ魔法使いちゃん、エジンベアって知ってる?」

魔法使い「いえ、聞いたことないわね。でも、覚えておかなければならない事のようね…」


402 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/16(日) 20:06:48 hiGX5J8w
僧侶「うーん、神殿に入れないなら、もうこの村にいても仕方ないね…」

魔法使い「そうね、でも全くの無駄ではなかったわ。きえさりそうを買えたし、さいごのかぎや、エジンベアの情報があったわ」

僧侶「さいごのかぎとエジンベア…もしかして、この2つって関係あるのかな?」

魔法使い「まだ分からないけど、もしかしたらね。さあ、この村を旅立ったら、いよいよ懐かしのアリアハンよ。やっとここまで来たわね」


403 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/16(日) 20:14:19 hiGX5J8w
僧侶「ポルトガを出発してからまだ2日しか経ってないのに、すごい時間が過ぎた気がしたよ…」

魔法使い「本当ね。この村もだけど、やっぱりテドンの村でいろいろあったものね…」

僧侶「そうだね…でさ、魔法使いちゃん!!アリアハンに着いたら、いよいよ新しい仲間、だよね?」

魔法使い「ええ、そうよ。3人での旅になれば、きっとずっと楽になるわ」

僧侶「楽しみだけど、ちょっと不安もあるなあ…そういえば魔法使いちゃん、もうどんな人を仲間にするか決めてるの?」

魔法使い「あら、分からない?」

僧侶「というと、やっぱり…」

魔法使い「まあ、アリアハンに着けば分かるわ。その前に、アリアハンまで無事に到着しないと。さあ、準備が出来たら行きましょう」

僧侶「そうだね。あと一息、頑張ろう!!」


405 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/17(月) 14:57:37 3wdkYqCw
僧侶「ねえ魔法使いちゃん、船旅ってさ…意外と時間がかかるんだね」

魔法使い「そうね…魔物が少ないから順調に進んでいるはずなのに、なかなか目的地は見えないわね。もう夕方に…」

マーマンがあらわれた!!マリンスライムがあらわれた!!

僧侶「あっ、モンスター!!2匹しかいないけど、バラバラに出ると倒すのに時間かかっちゃうね」

魔法使い「大丈夫よ――破壊の定めに生まれし者よ、我が呼び掛けに応え、目醒め、集い、弾け――世界が軋む音を奏でよ!!イオラ!!」キャボーン

マーマンをたおした!!マリンスライムをたおした!!

僧侶「こ、こんな派手な魔法使えたんだ魔法使いちゃん……」

魔法使い「派手かしら?でも大丈夫よ、海は戦闘回数が少ないから、多少効率の悪い戦い方しても平気よ」

僧侶「なるほど…でもこれなら無事にアリアハンは着けそうだね!」

魔法使い「そうね、楽しみだわ。早く着くと良いわね」


406 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/17(月) 15:07:40 3wdkYqCw
魔法使い「結局夜になっちゃったわね…ってこの台詞、ポルトガ出てから毎日言ってる気がするわ…」

僧侶「でもそのパターンだと、そろそろ陸地が見えてくるはずだよね?」

魔法使い「そうだけど…あら?あれ、噂をすれば…」

僧侶「あ、あ、あの森、あの砂地、あの岬…!!」

魔法使い「間違いないわ。アリアハンね。ほら、ナジミの塔も見えてきたわ」

僧侶「てことは…あ、魔法使いちゃん、お城も見えてきたよ!!ほらほら!!」

魔法使い「もう、あんまりはしゃぐと船から落ちるわよ。でも…ようやく帰って来たわね」

僧侶「さあさあ魔法使いちゃん、早く陸に上がる準備して!!ねえねえ、アリアハンに着いたら何しよっか?まずはやっぱり…」

魔法使い「ちょっと、まだ陸地が見えてきただけよ。すぐにアリアハンに着く訳じゃ…全く。まあ、気持ちもわかるけど…」


407 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/17(月) 15:16:37 3wdkYqCw
――夜、アリアハン城下町

僧侶「着いたはいいけど…やっぱりみんな寝てるよね。うわあ、船だ!!すごーい!!みたいなのを期待してたのに…」

魔法使い「昼間のうちに着けばそうだったんでしょうけどね。こればかりは仕方ないわ」

僧侶「む~。じゃあどうしよう、ルイーダの酒場に行く?」

魔法使い「もう遅いし、明日にしない?私はもう、ちょっと眠いわ…」

僧侶「宿屋に行くの?じゃさ、あたし泊まりたい宿屋があるんだけど…いいかな?」

魔法使い「別にどこでもいいけど、アリアハンの宿屋じゃ駄目なの?それにこの辺りに他の宿屋なんて…」

僧侶「へっへ~、船があるってホント便利だよね、魔法使いちゃん!!」

魔法使い「船…?あ、まさか…!」

僧侶「ささ、早く行こうよ魔法使いちゃん、早くしないと夜、明けちゃうよ?」


408 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/17(月) 15:28:57 3wdkYqCw
――ナジミの塔、宿屋

宿屋「おお、久しぶりのお客さんだ…あ、あんたがたは!?」

僧侶「おじさんお久しぶり!!来たよー!!」

魔法使い「ご無沙汰しています」

宿屋「いやいや、ビックリしたよ。まさか本当にまた来てくれるとはねえ。しかもわざわざまた洞窟を通って…」

僧侶「へっへ~、それがねおじさん、あたし達船で来たんだよ!!洞窟通ってないの!!」

宿屋「へ?船?ど、どういう事だい!?」

魔法使い「私達、自分の船を手に入れたんです。船なら、アリアハンのお城からここまですぐに来られますから」

宿屋「船を手に入れた!?そいつは…いやはや、話が大きすぎて何がなんだか…しかもあんた、ここに来たときは商人だったはずだが…」

僧侶「あたしね、転職したんだよおじさん!!今僧侶なの!!」

宿屋「転職!?船に転職に…いやはや、なんと言ったらいいか…おっと、仕事を忘れる所だったよ。泊まって行くんだろう?」

僧侶「もっちろん!!」

魔法使い「ええ、お願いします」

宿屋「そうかいそうかい。船旅は疲れただろう、ゆっくりお休み…」


409 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/17(月) 15:39:23 3wdkYqCw
――72日目

魔法使い「ん…まだ眠いわね。僧侶は…さすがにまだ寝てるわね。昨日は遅くまでお話ししてたみたいだし…」

僧侶「ん~、魔法使いちゃん…おはよ…」

魔法使い「おはよう。まだ眠いでしょう、もう少しゆっくりしてていいわよ?」

僧侶「ううん、起きる…早くアリアハンの人達をビックリさせたいもの…」

魔法使い「大丈夫なの?別に無理して…」

僧侶「大丈夫……んっ…それぇっ!!」ガバッ

魔法使い「わっ!急に動かないでよ、驚いたじゃない!」

僧侶「じゃあ行くよ魔法使いちゃん!!おじさん、お世話になりました!!また必ず来ますから!!」

魔法使い「お世話になりました」

宿屋「ああ、またな。待ってるよ、道中気を付けてな」

僧侶「はい!!ほら行くよ魔法使いちゃん、早く早く!!」

魔法使い「もう、急かさないでよ!」

宿屋「…ああして見るとあの時と変わらないようなんだが…いやはや、すごいお嬢さん達だ…」


410 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/17(月) 17:36:16 vo9DLsnQ
――アリアハン、ルイーダの酒場

ルイーダ「あら、あんたたち!!すごいじゃないか、あれあんたたちの船なんだろ?町のみんなも、その話でもちきりだよ!!」

僧侶「そうそう、こういう反応が欲しかったんだよねー!!」

魔法使い「ふふ、わざわざ船で来たかいがあったわね」

ルイーダ「全く大したもんだよ。で、あんたその格好、僧侶になったのかい?」

僧侶「そうだよ、ルイーダさん、ダーマって知ってる?」

ルイーダ「ダーマ…?ああ、そういえば昔、聞いたことがあったような…そうかい、ダーマで転職したのかい」

魔法使い「さすがルイーダさんね、ダーマを知ってるなんて。それでルイーダさん、今日は…」

ルイーダ「ああ、確か言ってたね、船を手に入れたら仲間を迎えに来るって。誰にする?名簿を見るかい?」

魔法使い「そうね、一応…」

僧侶「あ、あたしにも見せて見せて!!」


411 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/17(月) 17:59:07 vo9DLsnQ
ルイーダの酒場 冒険者名簿

戦士 男 いくじなし

武道家 男 むっつり   

遊び人 女 せけんしらず

盗賊 女 おおぐらい

魔法使い「…前に来たときと変わってないわね」

ルイーダ「まあね。やっぱり古参が居座ってると新入りは来づらいし、最近は…」

盗賊「お、まほーつかいたち!!来たのか!?とーぞくがかんげーして料理をつくってやるぞ!!新メニュー、あいつらのくしやきだ!!」

戦士&武道家「ひいいぃ!!」ガクブル

盗賊「だいじょーぶ、こわくない、とーぞくじぶんがこわくないっ♪」

戦士&武道家「こえーよ!!」

ルイーダ「…毎日あんな感じでね。ここも滅多に人が来なくなっちまったよ…」

魔法使い「…なるほどね。分かったわ、じゃあ私達は、あの盗賊を仲間に入れます。貴方もいいわよね?」

僧侶「そうだと思ってたよ。いいよ、あたしは…あたし達を食べたりしなければ」


412 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/17(月) 18:09:28 vo9DLsnQ
ルイーダ「盗賊を仲間にするんだね。分かったわ。盗賊ー!!魔法使いが呼んでるよ!!」

盗賊「お、どうしたんだ?とーぞくになにか用か?」

魔法使い「貴方にはね、今日から私達と一緒に来て欲しいんだけど」

盗賊「まほーつかいたちといっしょにか?いっしょに行けば、うまいものたくさん食べれるのか?」

僧侶「そうだよ、いろんな国、いろんな町、いろんな土地のいろんな食べ物が食べられるの!!ね、ね、いいでしょ?」

盗賊「いろんなものが食べれるのかあ。いいな、じゃあとーぞく、お前たちについていくぞ!!」

魔法使い「決まりね。じゃあルイーダさん、そういう事だから。今までありがとう。盗賊、これからよろしくね」

僧侶「よろしくね!!」

盗賊「おう、よろしくだぞ!!ルイーダねえさん、じゃーな!!」

ルイーダ「ああ、元気でね…あんた達、いろいろと済まないね」

魔法使い「私達は何も。一番頼もしいと思った人を仲間にしただけよ。じゃあ失礼するわね」

僧侶「さようなら、また!」

盗賊「じゃーなー!!」


413 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/17(月) 18:16:01 vo9DLsnQ
魔法使い「さて、久しぶりのアリアハンだし…たまには王様に顔でも見せに行こうかしら。悪いけど貴方、盗賊と一緒にいてくれる?船の事とか、いろいろ説明しておいて」

僧侶「りょーかい!!お任せ下さい!!じゃあ盗賊ちゃん、お船見に行こ?」

盗賊「船?うまいのか?」

僧侶「うーん、おいしいものを食べに行くために必要な乗り物なんだよ。とりあえず行ってみよ、ね?」

盗賊「おう、分かったぞ!!」

魔法使い「…やれやれ、前途多難ね。さあ、私はお城に…」


414 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/17(月) 18:27:30 vo9DLsnQ
――アリアハン城内、謁見の間

魔法使い「…と、いうわけで、私達は旅の中で船を手に入れ、アリアハンに帰還した次第です」

王「おお、素晴らしい。まさか船まで手に入れて帰るとは…見事じゃ!!そなたのような者を配下に持って、わしも鼻が高いぞ!!」

魔法使い「は…」

王「して、そなたはまだ旅を続けるつもりか?」

魔法使い「…?どういう意味ですか?」

王「やがて旅立つ勇者の為に見聞を広げる、というのがお主の任務だったはず。それはもう果たしたと言っていい。どうじゃ?あとは勇者が16になるその日までアリアハンで待っているというのは。それに、お主程の魔法使いが王宮にいてくれれば、我が国の魔法研究も更に進むであろう。如何する?」

魔法使い「…せっかくのお言葉ですが、私は、私達は旅を続けます。まだまだやらなければならないことがあるようなので」

王「そうか…残念だが仕方ない。しかし、くれぐれも気を付けてな。死んではならぬぞ?」

魔法使い「はっ。肝に命じて」


415 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/17(月) 18:37:07 vo9DLsnQ
魔法使い「ふう…全く、結果を出した途端に手のひらを返すように…」

兵士「よう、久しぶりだな。すごいじゃないか、船まで手に入れて帰って来るなんてな」

魔法使い「久しぶりね。この前はいろいろもらって悪かったわね。そうね、自分でも驚いてるけど、仲間のおかげでね」

兵士「しかし、いいのか?この国に残ってれば、出世のチャンスだっただろ?」

魔法使い「あいにくだけど、1度旅に出たら、堅苦しい王宮で仕事なんてね…」

兵士「へえ、余程旅が楽しいと見える」

魔法使い「楽しいわよ、仲間もいるしね。貴方もどう?考えが変わるわよ」

兵士「そうだな、旅はいいかもしれんが…お前と一緒はやめとくよ、今のお前との実力差じゃあ、俺は精々荷物もちだ」

魔法使い「あら、残念。荷物持ちが欲しかったのに」

兵士「やっぱりな。ほら、馬鹿言ってねえで、とっとと大事な仲間の所へ帰れよ。達者でな」

魔法使い「ええ、貴方もね」


416 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/17(月) 19:59:49 Spk3PaAo
――73日目

魔法使い「ふう、王様への報告に時間がかかったけど、やっと出発出来るわね」

盗賊「おおー、船すごいなー!!船でかいなー!!」キャッキャッ

僧侶「ほらー、走り回らないの!!落ちちゃうよ!!」

魔法使い「…ふふ、僧侶がお姉さんみたいね。これであの子もしっかりしてくれるかしら?」

盗賊「なあ、まだしゅっぱつしないのか?早くうまいもの食べに行きたいぞ!!」

魔法使い「はいはい、もうすぐだから待っててね。僧侶、準備はいい?」

僧侶「オッケー!!いつでもいいよ!!」

魔法使い「じゃあ船乗りさん達、よろしくね」

船乗り「おう、じゃあ出航だ!!」

盗賊「おおー、うごいたうごいた!!すごいすごい!!」

僧侶「だからー、落ちちゃうって!!」


417 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/18(火) 17:43:25 e46s/Oqk
僧侶「ところで、今日はどこに行くの?」

魔法使い「今日は北に行ってみようと思うの。確か、アリアハンの北にも国があるって聞いた気がするわ。黄金の国、だったかしら?」

僧侶「あっ、聞いた事ある!黄金の国ってどんななんだろうね。家とか全部金で出来てたりするのかな?」

魔法使い「そんな事あるのかしら…?ちょっと想像がつかないわね」

盗賊「なーなーそーりょ、あれ食べれるのか?」グイグイ

僧侶「ちょっ、引っ張らないで…ってあれ、クラゲじゃない!?クラゲは、食べれないと思うけど…」

魔法使い「でも、キャタピラーさえ食べるこの子なら、もしかして…」

僧侶「えええ~、痺れちゃうよ!?」

しびれくらげがあらわれた!!

盗賊「おっ、こっちに来たぞ!!うまそうだな~」

魔法使い「…あれが美味しそうに見えるのね。まあいいわ、僧侶、戦闘準備よ!!」

僧侶「うん!!…盗賊ちゃん、もうちょっと離れて…」


418 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/18(火) 20:01:25 e46s/Oqk
魔法使い「クラゲは4匹か…ここは、ベギラマ!!」ゴオオォ

しびれくらげをたおした!!しびれくらげをたおした!!

魔法使い「2匹も仕留め損ねたわ…僧侶、お願い!!」

僧侶「任せて、それぇっ!!」ドゴォ

しびれくらげをたおした!!

魔法使い「よし、残るは…」

盗賊「とーぞくも戦うぞ!!いっくぞー!!」

魔法使い「待って、貴方は…」

しびれくらげのこうげき!!

盗賊「ふぎゃっ!?」

盗賊はしんでしまった!!

僧侶「と、盗賊ちゃん!?」


419 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/18(火) 20:10:30 e46s/Oqk
――しびれくらげをやっつけた!!

僧侶「ご、ごめん、あたしがついていながら…」

魔法使い「いいえ、盗賊にきちんと指示してなかった私が悪かったわ。身を守っていろって言うべきだったのに…流石に、貴方まだ蘇生呪文は覚えてないわよね?」

僧侶「あたし、ベホイミさえまだだよ…でも、僧侶としては未熟でも、商人として培った経験があたしにはあるよ!!」

魔法使い「…商人としての経験?」

僧侶「あたしが大声で呼べば、きっと神父さんが駆けつけてくれるはず!!すみませーん!!誰かー!!」ダレカー…

道具屋「お待たせしました、道具屋です」

僧侶「あ、すみません、道具屋さんを呼んだ訳じゃなくて…すみませーん!!」セーンセーン…

宿屋「お待たせしました、宿屋です」宿屋「お待たせしました、宿屋です」道具屋「お待たせしました、道具屋です」

僧侶「………」ゼーハー

魔法使い「…このまま船でレーベに寄りましょ?」

僧侶「そ、そうだね…」


420 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/18(火) 20:20:09 e46s/Oqk
――夜、レーベの村

盗賊「おおっ!?ここどこだ!?」

魔法使い「ここはレーベの村の教会よ。貴方、死んでしまったの」

僧侶「ごめんね、あたし達がついていながら…痛かったでしょ?」

盗賊「んー、痛かった気もするけど、あんまりおぼえてないや。それより!!おなかすいた!!はらへった!!はらぺこだ!!」

魔法使い「…多彩な表現で空腹を訴えてるわね」

盗賊「おお、それもだ!!くーふくだ!!くーふくだ!!」

僧侶「わ、分かったよ、魔法使いちゃん!?」

魔法使い「ええ、今日はもう宿屋に泊まりましょう。盗賊、宿屋では好きなだけ食べていいからね?」

盗賊「ホントか!?行こう行こう、宿屋行こう!!」グイグイ

僧侶「ひ、引っ張らないで…魔法使いちゃん、腹ペコの盗賊ちゃんが泊まったら、レーベの宿屋出入り禁止になったりしない?」

魔法使い「大丈夫でしょ………多分」

盗賊「はやく、はーやーくー!!」グイグイ

423 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/19(水) 15:21:39 8e2v9eSc
――74日目

僧侶「魔法使いちゃん、朝だよ、起きて!!」ユサユサ

魔法使い「ん…もう少し…」

盗賊「あさだぞー!!起きろ起きろ起きろ!!」バンバンバンバンバン

魔法使い「わ、分かったわよ…もう、朝の騒がしさが5倍になったわ…」

僧侶「起きた起きた!さ、出発の準備しよ!!盗賊ちゃんは準備出来た?」

盗賊「できた!!弁当もつくってもらったぞ!!」

僧侶「良かったね!!あとは魔法使いちゃんだけだよ!」

魔法使い「はいはい、今準備するから…じゃあご主人、お世話になったわね」

宿屋「ええ、お気をつけて」ホッ

僧侶「…やっぱり盗賊ちゃんの食欲にビックリしてたみたいだね」

魔法使い「もう1泊しなくて心底安心したようね」

盗賊「はやく行くぞ、ほら、ほら、はやくー!!」グイグイ

僧侶「わ、分かったよ、分かったから…」


424 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/19(水) 15:33:44 8e2v9eSc
僧侶「で、今日も昨日と同じく例の黄金の国を目指すんだよね?」

魔法使い「そういうことになるわね。昨日はハプニングもあったけど、何よりアリアハン大陸が思ったより大きくて、時間がかかってしまったわ」

僧侶「レーベに着いたらもう夜だったもんね。もしかして西回りの方が近かったのかなあ?」

魔法使い「そうかもしれないわね。いずれにせよ、この大陸を出るのに1日経ってしまったのは誤算だったわ」

僧侶「別に急いでから良かったけど…ジパングも、やっぱり遠いのかなあ?」

魔法使い「そうね、今までからすると…」

盗賊「おーい、島がみえるぞ!!ほら、ほら!!」

僧侶「え、ええ!?もう!?ホントだ…」

魔法使い「驚きね。まさかアリアハンからこんな近い所に別の国があったなんて…」

僧侶「ビックリだね。ね、魔法使いちゃん、もちろんおりてみるんでしょ?」

魔法使い「当然よ。その為に来たんだから。盗賊、あそこにおりるわよ。準備をしてね」

盗賊「おー!!たのしみだぞ、うまいものあるかな?」

僧侶「きっとあるよ!!あたしも楽しみ!!」


425 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/19(水) 17:06:45 xGORG8jg
――ジパング

僧侶「こ、ここが黄金の国!?な、なんだか想像してたのと大分…」

魔法使い「そう…ね。それに…今までいろんな国、いろんな町や村に行ったけど、ここまで特徴的な所はなかったわね…」

盗賊「なあ、なあ、ここにはやまたのなんとかってバケモノがいて、そいつがニンゲン食べるんだって!!いいなあ、とーぞくも食べたいぞ!!」

僧侶「と、盗賊ちゃん、おっきな声でそういう事言わないの…」

盗賊「おなかへったー!!くーふくだー!!」ギャーギャー

魔法使い「もうお弁当食べちゃったの!?困ったわね、この国は宿屋も見当たらないし…」

僧侶「あー、船の中にまだ食べ物残ってるかも…あたしが盗賊ちゃん連れてくよ、魔法使いちゃんは一人で大丈夫?」

魔法使い「ええ、町の中は危険でもないみたいだし。じゃあ、頼んだわよ」

僧侶「うん、気を付けて…ほら、盗賊ちゃん、行くよ」

盗賊「お?なんか食べれるのか?行く行く!!」

魔法使い「ふう…さてと、私は…」


426 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/19(水) 17:16:01 xGORG8jg
見張り「ここは、ヒミコ様の住まうお屋敷じゃ」

魔法使い「ここが、私達の国でいうところのお城になるのかしら…?」

近習「ここはヒミコ様のお部屋じゃ。粗相のないようにな」

魔法使い「そしてここが、執務室…?それとも謁見の間かしら?で、あの人がヒミコ…この国はイシスと同じで女王なのね」

ヒミコ「なんじゃ?そなたは」

魔法使い「私は…」

ヒミコ「答えずとも良いわ!おおかた、この国の噂を聞き付けてやって来たのじゃろう。愚かな事じゃ。妾は外人を好まぬ。直ぐに立ち去るが良い!良いか?余計な事をせん方が身のためじゃぞ!!」

魔法使い「…」


427 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/19(水) 17:26:57 xGORG8jg
魔法使い「…と、いうわけで、ここの女王様とは全く会話が出来なかったわ」

僧侶「ふうん、困ったね。っていうか、その女王様怪しくない?」

魔法使い「どうかしらね…いずれにせよ、今のままではこの国は若い娘をオロチへの生け贄に捧げ続けなければならないのに、それをどうにかしようとする意志は見えなかったわね…」

僧侶「うーん、やっぱり怪しい気が…それはそうと、なんで生け贄は若い女の人なんだろうね?男の人の方が大きくてお腹いっぱいになるんじゃない?」

魔法使い「私に聞かれても…」

盗賊「なんだ、二人ともそんなことも分からないのか?ダメだな~!」

僧侶「え、盗賊ちゃんは分かるの?」

盗賊「そんなの、女の方が柔らかくておいしいからに決まってるぞ!!」

僧侶「え、ええ~!?」

魔法使い「説得力があるのが嫌ね…」

盗賊「でも、そーりょみたいなのはちょっと固そうだな。まほーつかいなら、やわらかそうだぞ!!ちょっとかじっていいか?」

魔法使い「あら、貴方が私を食べるのと、私が貴方を丸焼きにするの、どちらが早いかしらね?」ニッコリ

盗賊「う、うう~…やめとくぞ…」

魔法使い「そう、いい子ね」

僧侶「そ、それでいいの!?」


428 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/19(水) 17:42:37 xGORG8jg
魔法使い「で、話を戻すけど、あの国、どうやら次の生け贄が近いらしいのよ。今までや様子だと、あと一月あるかないか…」

僧侶「大変だね…何とかならないかな…?」

魔法使い「本当はあの国が自分達で何とかするべきなんでしょうけど、トップの女王が全く動く気がないどころか、生け贄を提案したのが女王自身だというし、期待は出来ないでしょうね…」

盗賊「なんでじょおうさまがイケニエを出せって言うんだ?じょおうさまがイケニエを食べるのか?じょおうさまっていいな、とーぞくもじょおうさまになりたいぞ!!」

僧侶「じ、女王様が人間を食べるわけないじゃない!そんな事、そんな…ま、魔法使いちゃん!?」

魔法使い「まさか、とは思うけど…辻褄が合ってしまうのが怖いわね…いずれにしても、女王が動かない以上、やっぱり何とか出来るのは私達。でも、一人は新入りで、もう一人は転職してから日が浅い。難しいわね…」

僧侶「でもさ、今までだって敵わないと思った敵にも何とか勝って来たよ?また前みたいにモンスター退治で腕を磨けば、そのうち何とかオロチにもきっと勝てるよ!!そしたら…」

盗賊「そいつからイケニエ横取りして食べるんだな!!」

僧侶「ち、違うよ、助けるの!!」


429 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/19(水) 17:53:41 xGORG8jg
魔法使い「そうね、私達は二月半でここまで来たわ。あと一月あれば、オロチを倒せるようになるかもしれない。やってみる価値はあるかもね」

僧侶「だよね?じゃあ、また一月後くらいにここに来ようよ!!今よりずっと強くなってさ!!」

魔法使い「ええ、一月…私達が旅立ってからちょうど100日目くらいまでには戻ってきましょう。盗賊もいいわね?」

僧侶「この国の人達を助けてあげたら、きっとお礼にたくさん食べさせてくれるよ!!」

盗賊「たくさん!?やるやる、とーぞくがんばるぞ!!」

魔法使い「決まりね。とはいえ、今現在どこで魔物退治をすれば効率がいいのか分からないわね。もう何日か船で旅を続けて、良さそうな所があったらそこを拠点にしましょう」

僧侶「りょーかい!!いいとこ見つかるといいね!!」


430 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/19(水) 19:22:53 1J9uUriA
魔法使い「さて、今日はまだ明るいわ。もう少し進んでみましょ?僧侶、貴方の勘で行き先決めていいわよ」

僧侶「久しぶりだね、あたしのカン!!じゃあ…もっと北に進もう!!」

魔法使い「じゃあ北に行きましょう。盗賊もいいわね?」

盗賊「とーぞくはどこでもいいぞ!!さっきたおしたクマもあるから、お腹へってないし!!」

僧侶「さっそく食べてるのね、ごうけつぐま…」

魔法使い「でも、見事に捌くのね。食べる事に関しては超一流ね」

盗賊「なあ、二人にも少しわけてやるぞ!!クマの目玉とのうみそ、どっちがいい?」

僧侶「え、ええっと…ま、魔法使いちゃんは、どっち!?」

魔法使い「わ、私!?そ、そうね…あ、ほら、あそこ!!町が見えてきたわ!!」

僧侶「あ、ほ、ホントだ!!じゃあおりる準備しなくちゃ!!盗賊ちゃん、ごちそうはまた後でね!!」

盗賊「なーんだ、じゃあ食べちゃうぞ」

僧侶「う、うん、それでいいよ」ホッ

魔法使い「助かったわ…料理だけじゃなく、薄暗くなってきた所に町があって」

僧侶「今度の町はきっと宿屋もあるよね?ゆっくり休みたいなあ…」


431 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/19(水) 19:31:10 1J9uUriA
――夜、ムオルの村

魔法使い「ここは、町というより村ね」

僧侶「夜だからっていうのもあるんだろうけど、静かだね…盗賊ちゃんがお腹空かしてたら、騒ぎ声が響き渡るところだったよ…」

盗賊「ん…ねむい…」ムニャムニャ

魔法使い「おとなしくて助かったわ。でも、この様子だと、この村を見て回るのは朝になってからね」

僧侶「お店とか見て回りたかったけど…お楽しみは明日、かあ。盗賊ちゃんも眠そうだしね」

盗賊「ん…」コックリコックリ

魔法使い「ええ、騒ぐ前に宿屋に入りましょう。このまま眠ってもらえたら楽でいいわ」

僧侶「お腹減ってたらこうはいかないもんね…クマ肉は偉大だね…」


432 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/20(木) 17:33:38 oKzsanPQ
――75日目

魔法使い「さてと、今日はまずこの村を見て回るわよ」

僧侶「ね、ね、魔法使いちゃん、宿屋の人がね、あっちの方で市場が開かれてるって言ってたよ!!行ってみない?」

魔法使い「市場か…行ってみましょうか。盗賊、市場ならきっとおいしいものもたくさんあるわよ」

盗賊「おいしいもの!?たくさん!?行く行く!!早く早く!!」

僧侶「うん、行こう行こう!!じゃあかけっこ、よーい、ドン!!」ダダダ…

魔法使い「二人揃って元気ね…」


433 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/20(木) 17:43:00 oKzsanPQ
盗賊「おお!?あれも食べたい、これも食べたい!!」ジュルル

僧侶「もう、勝手に食べちゃダメだよ?ちゃんとお金払って…」

魔法使い「ああ、この子は私が見てるから、貴方はお店見て回っていいわよ。いろいろ見たいでしょ?」

僧侶「え、いいの?じゃあ、お言葉に甘えて…」

魔法使い「ええ、気を付けてね…ほら、盗賊!今買ってあげるから、ちょっと待ってなさい。そもそもそれ、なんの肉なの?」

盗賊「これか?えっとな、これはデッドペッカーの手羽先だって!!まほーつかいも食べるか?」

魔法使い「うーん…私は遠慮しておくわ。貴方はこれを食べるのね?」

盗賊「あ、待って!!なあなあ、このマーマンの刺身ってうまそうだな!!今日みずあげしたばっかりだって!!」

魔法使い「…なんでこんな食べ物しかないのかしら?」


434 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/20(木) 17:51:54 oKzsanPQ
僧侶「ねえねえ盗賊ちゃん、ちょっとこっち来て!」

盗賊「よんだかー?」モグモグ

僧侶「そこのお店でね、いい防具が売ってたから盗賊ちゃん用のを買ってみたんだ。どう?」

盗賊「おお、しんぴんだ!!」ピョンピョン

僧侶「えへへ、良かった、喜んでもらえて!!」

魔法使い「何を買ったの?」

僧侶「服はくろしょうぞく、盾はまほうのたてだよ!盗賊ちゃんに装備出来るのが2つもあって助かったよ!!」

魔法使い「へえ、これで結構あの子の守備力は上がったのね?」

僧侶「うん、これで防御ばっかりしてなくても良くなったはず!あとはいい武器があれば…」

盗賊「なあ、とーぞくはこんどあれ食べたいぞ!!」モグモグ

僧侶「ああっ!!買ったばかりの防具に食べかすこぼさないで!!」


435 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/20(木) 18:06:28 oKzsanPQ
盗賊「ふう~!お腹いっぱいになったぞ!!」

僧侶「盗賊ちゃんも満足したし、また船で出発だね」

魔法使い「そうね…しかし驚いたわ。あのオルテガ殿がこんな所まで来ていたなんて…」

僧侶「ホントだね。ねえ、魔法使いちゃん、オルテガさんがここまで来たって事は、ここってあのロマリアとかダーマとかがあった大陸と繋がってるのかな?だとしたら、ここからダーマって意外と近かったり?」

魔法使い「そうかもしれないけど…何せオルテガ殿は、アリアハンから泳いで別大陸までたどり着いたっていう噂もある方だし…」

僧侶「そうなの!?」

魔法使い「あくまで噂だけど…でも、ここからダーマが意外と近いかも、っていうのには同意だわ。以前ダーマでジパングの話を聞いたことがあったけど、ある程度近くなければそういう情報も出てこないと思うの。だから…」

僧侶「確かダーマの情報は、東にジパングがあるって話だったよね?なら、ここから西に向かえば…」

魔法使い「ええ、ダーマに行けるかもね」

盗賊「おーい、何してるんだ?早く次のまちにいくぞ!!」

魔法使い「はいはい…あの子のお腹の虫が騒がないうちに出発しましょう」


436 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/20(木) 18:16:13 oKzsanPQ
僧侶「さらば、ムオル!!またいつか…で、どうするの魔法使いちゃん、やっぱり西を目指すの?」

魔法使い「そうね、やっぱり…」

盗賊「なあ、なあ、ここからあっちになにかあるみたいだぞ、行ってみないか?」

僧侶「あっち?南西に、何かあるの?」

魔法使い「南西なら、多分ジパングじゃないかしら?でもよく分かるわね、まだ全然見えないのに」

盗賊「へへ~、とーぞくはタカのめをつかえるんだぞ!!」

僧侶「タカのめ?ずっと遠くを見れるんだ、すごいね!」

魔法使い「タカのめ…なら、船をもう少し沖に出してみましょう…ええ、この辺で。盗賊、もう1度タカのめで見てもらえる?」

盗賊「おう!!…あ、あっち!!あっちに、別のなにかがみえるぞ!!」

僧侶「あっち…?北東かな?何があるんだろう…?」

魔法使い「何かは分からないけど、まだ私達が行ったことのない場所の可能性が高いわ。行ってみましょう。盗賊、お手柄ね」ナデナデ

盗賊「へへ~、おやすいごようだぞ!!」


437 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/20(木) 18:30:03 oKzsanPQ
――アープの塔

魔法使い「ここは…塔ね。やっぱりまだ来た事のない場所だったわね…僧侶?」

僧侶「第二回!!ドキドキ☆あなほり大会!!inアープの塔~!」

魔法使い「!?またあなほりをえんえとやるの?」

盗賊「お、なんだなんだ?」

僧侶「魔法使いちゃん、盗賊ちゃん、この辺にはきっと良いものがあるよ!!きっとあるよ!!だからあたし、あなほりするね!!ちょっと時間ちょうだい?」

魔法使い「いいけど…あまり無理しないのよ。あとムキにもならないでね」

僧侶「分かってるって!盗賊ちゃん、ちょっと待っててね!」

盗賊「おう、さっきたくさん食べ物買ったから大丈夫だぞ!!」

――夕方

僧侶「うう…100回ずつ塔の中と外で掘って、中はアイテムどくけしそう1つ、外はせいすい1つ…」

魔法使い「ま、まあこういう日もあるわよ…」

僧侶「…ううん、まだまだ、あとちょっと掘れば…」ザッザツ

魔法使い「ほら、ムキにならないでって…」

なんと しあわせのくつをみつけた!!


438 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/20(木) 19:55:32 gN7RIXmk
僧侶「ま、魔法使いちゃん、すごいよ、これすごい!!」

魔法使い「ちょっ、落ち着いて…この靴、そんなにすごいの?」

僧侶「すごいのすごいの!!どんなにかって…うーん…今あたし商人じゃないから上手く説明出来ないけど、すごいの!!」

魔法使い「そ、そう…確かに、ただの靴ではなさそうだけど…」

盗賊「なんだこれ?へんなくつ~。なあ、これとーぞくがはいてもいいか?」

僧侶「うん、いいよ!!盗賊ちゃん今装飾品装備してないからちょうどいいよね!!」

盗賊「いいのか?へへ~、またあたらしいそうびだな!!」ニコニコ

魔法使い「確かに、盗賊の装飾品はどうにかしたいと思っていたわ。あなほりの甲斐があったというわけね」

僧侶「うん!!さてと、この調子で全員ぶんの靴を…」

魔法使い「ちょっと、私達の装飾品は間に合ってるでしょう?それとも貴方、セクシーギャル辞めるの?」

僧侶「あ、辞めない辞めない!!じゃあ靴はもう要らないね、あなほりおしまい!!」

魔法使い「全く、すぐ調子に乗って…」


439 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/21(金) 16:36:34 6uJam2DE
僧侶「で、どうするの魔法使いちゃん?これからこの塔を上ってみる?」

魔法使い「うーん、もう夕方だし、それに結構手強いわよね、ここの魔物…あと、塔で思い出したんだけど、私達まだほとんど手をつけてない塔が他にあったわよね?」

僧侶「え…あ、あのダーマの北にある…何ていう塔だっけ?」

魔法使い「ガルナの塔ね。どうせ近いうちにダーマに行ってみる予定だったし、ついでに行ってみましょう。この塔は、その後でも良いでしょう?」

僧侶「そだね。そういえばあの塔にはさとりのしょがあるんだよね?使わないにしても、持ってはおきたいよね!」

魔法使い「使わない、か…」チラッ

盗賊「ん?なんだ?」

僧侶「え、魔法使いちゃん、まさか…」

魔法使い「さあ、ね。さあ、今日はもう帰りましょう。この時間だと、今晩はまたムオルの宿かしらね…」


440 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/21(金) 18:11:37 yJJMhYY.
――76日目、ムオル

僧侶「さらば、ムオル!!またいつか…ってこれ、昨日も言ったっけ?」

魔法使い「そうね。でも今日こそはきっと戻らないと思うわ」

盗賊「なあなあ、どこ行くんだ?」

魔法使い「これからね、ダーマ神殿っていう所に行くのよ。そこでは職業を変えられたりするの。貴方は盗賊から他の職業に変わりたいとは思わない?魔法使いとか、僧侶とか…」

盗賊「ん~、よくわかんないや」

魔法使い「例えば、魔法使いになったら、簡単にお肉を丸焼きに出来るわよ。僧侶なら、風の呪文でお肉を切り刻んだり…」

僧侶「ま、魔法使いちゃん、その説明の仕方…」

盗賊「おお、いいな!!とーぞくまほーつかいにもそーりょにもなりたいぞ!!」

魔法使い「そうでしょうそうでしょう」ニッコリ

僧侶「ま、魔法使いちゃん…」

盗賊「うー、お肉のはなししてたらおなかすいてきたぞ!!ダーマってところにはおいしいものあるのか?」

魔法使い「ええ、キラーエイプやマッドオックスを丸焼きにしてあげるわ」

盗賊「おお、なんだか分からないけどうまそうだぞ!!」

僧侶「魔法使いちゃん、盗賊ちゃんの扱い慣れてきたね…」


441 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/21(金) 18:26:57 yJJMhYY.
魔法使い「すっかり暗くなってしまったけど…僧侶、この風景、見覚えがない?」

僧侶「うん、この山がちな土地は多分、ダーマの近くじゃないかな?」

盗賊「お、何かおっきなたてものが見えてきたぞ!!あれがしんでんか?」

魔法使い「そのようね。予想通り、ジパングの西にダーマがあったわね」

僧侶「良かったね。なかったら大変だったよ、特に盗賊ちゃんのお腹が…」

盗賊「なあなあ、あそこがダーマなら、なんとかの丸焼きももうすぐ食べれるんだな?早く行こう!!早く!!」グイグイ

魔法使い「はいはい、引っ張らなくても、もう少しで食べさせてあげるわ。僧侶、おりる準備をしましょう」

僧侶「うん!!ダーマかあ、すごい久しぶり


442 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/21(金) 18:33:23 yJJMhYY.
僧侶「うん!!ダーマかあ、すごい久しぶりのような気がするけど、あたし達がダーマを旅立ってからまだ10日くらいしか経ってないんだね…」

魔法使い「濃い10日間だったわね。船を手に入れて、いろいろな町を巡って…」

僧侶「あたしは転職したのが一番印象的かな。あ、あと盗賊ちゃんの仲間入りもね!!」

盗賊「おう、なかまだなかま!!」

魔法使い「ふふ、本当にいろいろあったわね…さあ、感傷に浸るのもいいけど、過去ばかり見てはいられないわ。船も着岸したし、おりるわよ。二人とも、準備いいわね?」

僧侶「うん!!」

盗賊「おー!!食べるぞー!!」


443 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/21(金) 20:07:41 Jeopr6Po
――77日目、ガルナの塔

魔法使い「この塔は17日ぶりにもなるのね…僧侶、貴方はこの塔の構造、覚えてる?」

僧侶「ん~、あんまり…」

魔法使い「でしょうね。そもそもこの塔にはそんなに長い時間いなかったし…」

僧侶「あの時は結構モンスタもた強く感じたし、人さらいをやっつけるのが先だったし…」

魔法使い「それで、いつか来よう、と言っていたのよね。さあ、行きましょう。さとりのしょも探さなければいけないし」

盗賊「おう、行こう行こう!!とーぞくはくーふくだ、早くモンスターたおして食べよう!!」

僧侶「食べるのが目的じゃないけど、モンスターをたくさん倒して強くなるのも目的だよね!さあ行こう!!」


444 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/22(土) 22:30:34 BtlpOBS6
魔法使い「とはいっても、もうこの塔の魔物くらいだとさほど苦戦しないわね」

盗賊「とりはたべるところ少ないし、サルは肉がかたかったぞ。あのひつじみたいなのはおいしかったけど!!」

僧侶「味の話をしてるわけじゃないんだけど…」

魔法使いレベル24「ところで、貴方たちレベルはどれくらいだったかしら?」

僧侶「あたしは15!ベホイミも覚えたよ!!」

盗賊「とーぞくは13だ!!」

魔法使い「短い間に二人とも結構上がったわね。さとりのしょがみつかる前に、私はもう1つ、二人は2つ3つ上げたいわね」

僧侶「きっと上がるよ!!…さとりのしょは激レアっぽいから、すぐには見つからないと思うし…」

魔法使い「まあ、早く見つかればそれに越したことはないけれど。さあ、行きましょう。さとりのしょ探索に!!」


445 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/23(日) 16:28:26 EnMTZx5.
僧侶「…と、意気込んだのはいいけど…大体見て回ったのに3階より上に進めないよ…」

魔法使い「この塔の中からはこれ以上進めないとなると、外からね」

盗賊「なあなあ、あっちの方にちっちゃな塔があるぞ!!行かないのか?」

魔法使い「あっち…ここね、階段があるわ」

僧侶「ホントだ!!ここを上れば、先に進めるのかな?」

魔法使い「おそらくね。さあ、上ってみましょう…これは、ロープ?」

僧侶「こ、この上を綱渡りしなきゃいけないの!?ちょ、ちょっと怖いかも…」

盗賊「おー、おもしろそうだな!!はやくわたろう、な?」グイグイ

僧侶「ちょ、盗賊ちゃん、押さないで…ああっ!!」ピューン

魔法使い「そ僧侶!?」

盗賊「あはは、落ちた落ちた!!おもしろいなー!!」

魔法使い「…恐ろしい子ね…」


446 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/23(日) 16:36:23 EnMTZx5.
僧侶「うう…ひどい目に合ったよ…」

魔法使い「災難ね…」

盗賊「おー、ケガないんだな、そーりょすごいな!!」

僧侶「ははは…気をとりなおして、今度こそこのロープを渡るよ!!」

魔法使い「盗賊、今度は押しちゃ駄目よ?揺らすのも駄目。いい?」

盗賊「はーい、つまんないぞ…」

僧侶「ほっ…じゃ、じゃあ…うう、揺れる…怖いよ…」

魔法使い「これは大変ね…盗賊は…流石盗賊だけに上手いわね…」

盗賊「おおー、これおもしろいな!!きゃはは!!」

僧侶「すごいなあ…も、もうちょっと…よし、渡り切った!!」ホッ

魔法使い「ふう…なんとかクリアね…」

盗賊「あはは、おもしろかったな、またやるぞ!!」

僧侶「ちょ、お願いだから戻るのだけはやめて…」


447 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/23(日) 16:45:39 EnMTZx5.
魔法使い「で、ロープを渡った先には旅の扉か…」

僧侶「そういえばこの塔、旅の扉があったよね?この前来たときも、旅の扉の先でおじいさんが瞑想してたりしてさ」

魔法使い「瞑想の邪魔をするでない!!って怒られちゃったわよね。まあ、この旅の扉は別の場所に行くんでしょうけど…」

僧侶「ど、どこかすごい遠くに飛ばされたりしないよね…?」

盗賊「なあなあ、これにとびこむのか?すごいな、この塔はおもしろいのばっかりだ!!」

魔法使い「言われて見れば、凝った作りの塔よね…離れの塔から綱渡りして旅の扉…」

僧侶「なんだか一筋縄では行かない感じだね…さとりのしょ、見つかるかなあ?」

盗賊「なあなあ、早くこれに入ろう!!早く早く!!」グイグイ

僧侶「あ、また押して…!!」ニュイーン

盗賊「おお!?いなくなったぞ!!すごいな!!」キャッキャッ

魔法使い「…まあ、どうせ飛び込まなければならなかったし、いいか…」


448 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/23(日) 19:23:13 muF35qEs
盗賊「すっごいなー!!にゅいーんってなって気づいたらここまで来てて…すっごいなー!!」

僧侶「うう…最近あたし扱い悪い気がするよ…」

魔法使い「子供の面倒を見てるんだもの、そういう事もあるわよ。でも、やっと4階以上まで来られたわね」

盗賊「おー、たっかいなー!!シャンパーニの塔を思い出すぞ!!おやぶん、元気かなあ…」

僧侶「…そっか、シャンパーニの塔を思い出してたんだ。それで、張り切ってたんだ…」

魔法使い「そうね…そういえば盗賊、私達あの後一回だけ貴方の親分に会ったのよ」

盗賊「ええ!?どこでどこで!?」

魔法使い「ここからそう遠くない洞窟だけど…今はもう居ないわよ」

盗賊「そっか…いないのか…」

僧侶「大丈夫よ盗賊ちゃん、あの親分ならきっと元気にしてるから!!」

魔法使い「そうね、あの人なら大丈夫でしょ。並みの強さじゃないし…」

盗賊「そうかな?…そうだな!」

魔法使い「まあ、時間があったらあの人達が住んでた洞窟にも行ってみましょう。それより、今はこの塔を上る事よ」

盗賊「うん!!とーぞく頑張るぞ!!」


449 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/23(日) 19:32:26 muF35qEs
魔法使い「さて、5階まで来たけれど…また綱渡りね」

盗賊「おおー、向こうがわがみえないぞ!!」キャッキャッ

僧侶「すごい長いよ…やっぱり、ここ渡らなきゃダメなんだよね?」

魔法使い「そうでしょうね。大丈夫よ、さっきだって渡れたし、ゆっくり進めば…」

盗賊「早く行こう!!早く早く!!」グイグイ

僧侶「ま、待って、押さないで…急がなくてもいいんだから…あれ?」

盗賊「なんだ?あ、モンスターだ!!ビカピカだなー!」

僧侶「ま、魔法使いちゃん、あいつ…!!」

魔法使い「ええ、今度は逃がさないわ…!!」

盗賊「ど、どうしたんだ二人とも、かおこわいぞ!?」

魔法使い「盗賊、どくばりは持ってたわよね?」

盗賊「うん、これだろ?」

僧侶「準備はオッケーだね!さあやるよ!!」

しびれあげはがあらわれた!!メタルスライムがあらわれた!!


450 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/23(日) 19:40:12 muF35qEs
魔法使い「よし、じゃあとくばりで刺すわよ!!盗賊、貴方もあの銀色の方を狙って!!それっ!!」ドスッ

盗賊「よーし、とーぞくも!!そりゃあっ!!」ドスッ

僧侶「あたしは…あのちょうちょを混乱させてみる!!それっ、どくがのこな!!」バサバサ

しびれあげははこんらんした。

しびれあげはのこうげき!!メタルスライムを倒した!!

魔法使い「…!!ついに…!!」

僧侶「やったやった!!よーし、残りも…!!」

盗賊「のこってるぎんいろのやつか?たあっ!!」ドスッ

魔法使い「ええ、どうせならもう一匹…やあっ!!」ドスッ

僧侶「あたしも…とりゃあ!!」ガンッ

メタルスライムをたおした!!


451 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/23(日) 19:48:56 muF35qEs
――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ついにあの銀色の魔物を倒せたわね!すごい充実感だわ…どうしたの、二人とも?」

僧侶レベル16「おおお~、すごいすごい、レベル上がった!!」

盗賊レベル15「とーぞくは2つもレベル上がったぞ!!」

魔法使い「二人ともすごいわね…どうやらあの魔物を倒すと、レベルが上がりやすいみたいね。素晴らしいわ」

僧侶「ホントだね!!ねえ魔法使いちゃん、もしここで今のモンスターがたくさん出るなら、ここを中心にモンスター退治をすれば…」

魔法使い「ええ、ジパングの魔物にも勝てる強さを身に付けられるかもしれないわ。まだ分からないけれど、もしかしたらこれ以上ない場所かも…」

僧侶「ホントだね!!ね、盗賊ちゃん?」

盗賊「うう~、こいつかたいな…食べれなそうだぞ…」

僧侶「それも食べる気だったの!?」


452 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/23(日) 19:57:31 muF35qEs
魔法使い「長い長いロープを渡ったら、上り階段か…」

僧侶「次は6階?そろそろ頂上かな?ねえ魔法使いちゃん、今までの塔は頂上に目的のものがあったよね?今回も…」

魔法使い「そうだといいけど…」

盗賊「よーし、とーぞく先にのぼるぞ!!それっ!!」タタタ…

僧侶「あ、もう、待ってよ!!」タタタ…

魔法使い「二人とも落ち着きがないわね。さて、私も…どうやら本当に頂上のようね。そして宝箱…おそらくこれが…」

僧侶「きっとこれがさとりのしょだよね?開けてもいいでしょ?ね、ね?」

魔法使い「…インパス!!…うん、大丈夫よ。でも、今回は盗賊に譲ってあげなさい」

盗賊「お、あけていーのか?それっ!!」パカッ

僧侶「ああ、もうちょっとありがたそうに…ってあれ?」

なんとぎんのかみかざりをてにいれた!!


453 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/24(月) 10:38:32 Qlp3OmHU
僧侶「あれ?さとりのしょって本だよね?」

魔法使い「そうでしょうね」

僧侶「じゃあこれ、どうやって読むの?まず、ページの開き方が…」

盗賊「おー、これ本なのか?変わってるなー!」

魔法使い「そんなわけないでしょ。この宝箱は外れよ。早く戻るわよ」

僧侶「え~、戻るって…またあの綱渡り…?」

盗賊「おー、またあれやるんだな?早く早く!!」グイグイ

僧侶「ちょっと待って…ああ、また向こうの見えない長いロープ…」

魔法使い「仕方ないでしょう。ほら、私だって怖いんだから、ね?」

僧侶「は~い…うう、やっぱり怖い…ねえ、魔法使いちゃん、今どのくらい?真ん中くらいまで来たかな?」

魔法使い「そうね、多分…」

盗賊「うんうん、やっぱりまんなかがいちばんだな!」ユサユサ

僧侶「え?ま、待って、なんで揺らすの…ってきゃあああああぁぁぁアアア…!!」ピューン

盗賊「あはは、まんなかがいちばんゆれるぞ!!お、そーりょ落ちたな、とーぞくも!!それっ!!」ピューン

魔法使い「……………本当、仕方ないわね…」ピューン


454 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/24(月) 10:48:38 Qlp3OmHU
僧侶「うう…ここどこ?」フルフル

魔法使い「どのくらい落ちたかしらね?仮に1つ落ちて4階だとして…」

盗賊「お、今度は穴があるぞ!!また飛び下りるのか?」

僧侶「ええ~!?また飛ぶの!?」

魔法使い「…とはいえ、他に道もないようだわ。仕方ないわ、飛び下りましょう。もし行き止まりでも、最終的にはリレミトがあるから…」

盗賊「おおー!?なあなあ、あれなんだ?すごくおいしそうだぞ!!」

僧侶「あれ…?ってえええ!?ド、ドラゴン!?」

スカイドラゴンがあらわれた!!メタルスライムがあらわれた!!

魔法使い「しかもメタルが…7匹!?大当たり、かしらね?」

盗賊「なあなあ、あいつ食べていいんだろ?」ジュルル

魔法使い「…ええ、先に食べられなければ、だけど」

僧侶「あたしたちの方が美味しいご飯かもね…でも、やるしかないよね!!」


455 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/24(月) 10:59:21 Qlp3OmHU
魔法使い「じゃあ、例によって私と盗賊はどくばり、僧侶はどくがのこなね、それっ」ドスッ

僧侶「ドラゴン、これでも食らっちゃえ!!ってあれ?効かなかった…」

盗賊「それぇっ!!あ、しんだ」

メタルスライムをたおした!!

魔法使い「急所を突いたのね、流石盗賊は器用ね…いけない、二人とも気を付けて!!」

スカイドラゴンはもえさかるかえんをはいた!!

僧侶「ひえ~、熱い熱い!!」

盗賊「おお!?とーぞくたちを丸焼きにして食べるのか!?」

魔法使い「凄まじい炎ね…僧侶、盗賊の治療を!!」

僧侶「うん!!大いなる神々よ、この僕に祝福を!!ベホイミ!!」パアア

盗賊「おお!?いたくなくなったぞ!!」

魔法使い「まだ危機は脱してないわね…まず竜を片付けるわ、ヒャダルコ!!」ピキキーン

僧侶「倒れてくれないの!?タフだね…魔法使いちゃんにも、ベホイミ!!」

魔法使い「ありがとう。あとは貴方が竜を倒して。私達は、あのメタル達を…」


456 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/24(月) 11:03:15 Qlp3OmHU
僧侶「うん、あと一発叩けば…それぇっ!!」ガンッ

スカイドラゴンをたおした!!

盗賊「おお、おいしそうなのたおしたな!!どんな味がするのかな~?」ワクワク

魔法使い「こら、まずは目の前の敵に集中する!それっ!!」ドスッ

盗賊「おう!!こいつらたおして焼き肉タイムだ!!」

僧侶「よーし、あたしも…この銀色のヤツを倒して、レベルアップだあ!!」


457 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/24(月) 11:12:29 Qlp3OmHU
――まもののむれをやっつけた!!

僧侶レベル17「やった、またレベルアップ!!」

魔法使い「メタルを3匹たおせたのが大きかったわね」

盗賊レベル16「んー、こいつなかなか火が通らないぞ…なまじゃダメかなあ?」ガブリ

魔法使い「ちょっと、お腹壊すわよ!!」

盗賊「おお!?おいしい、すごくおいしいぞ!!」ガツガツ

僧侶「ああ、そんな生で…そ、そんなに美味しいの?」ゴクリ

魔法使い「止めときなさい、あの子のお腹は鋼鉄製よ。貴方はお腹壊すわよ」

僧侶「だよね…でも、ゆっくりじっくり火を通せば…」

魔法使い「まあ、火を通せば大丈夫でしょうけど…」

盗賊「おおー!!とくにしっぽがおいしいぞ!!」ガツガツ

魔法使い「焼いてる間にあの子に食べられない自信、ある?」

僧侶「…ううん、ない…」


458 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/24(月) 11:21:06 Qlp3OmHU
盗賊「おー、お腹いっぱいだぞ!!」

魔法使い「良かったわね。でも、これからここ飛び下りるんだけど、平気なの?」

僧侶「ああ、忘れてた、また飛び下りるんだっけ…」

盗賊「とーぞくは大丈夫だぞ!!そーれっ!!」ピューン

魔法使い「食べたばっかりなのに、すごいわね…私も行くわ、貴方も早くね」ヒピューン

僧侶「…仕方ないよね…ええいっ!!」ピューン

盗賊「おお、ほらほら、階段だぞ!!ほらほら!!」

魔法使い「本当ね…これはもしかして、ロープから落とされたかいがあったかもよ、僧侶」

僧侶「いたた…だといいけど…」

盗賊「この先になんとかのしょがあるのか?じゃあとーぞくが先にとっとくな!!とくにタタタ…

魔法使い「あら、これじゃあ先を越されちゃうわね、僧侶?」

僧侶「むっ…負けないよ、先にさとりのしょに目をつけてたのはあたしだ!!」タタタ…

魔法使い「…さて、今度こそ当たりだといいけど…」


459 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/24(月) 13:45:53 ey9tSMHQ
盗賊「おお、宝箱があったぞ!!」

僧侶「ほ、ホントだ…これは、あたしが開ける…!!」

魔法使い「ちょっと、呪文で調べてから…」

なんと さとりのしょをてにいれた!!

僧侶「おおおおお、これ、これ!!やっと見つけたよ!!」

盗賊「おー、本だ本だ!!」

魔法使い「…ふう、魔物じゃないから良かったけど、危なっかしいわね…」

僧侶「ごめんごめん魔法使いちゃん、でもほら、目的達成だよ!!」

盗賊「おおー!!じゃああとは帰ってご飯だな!!」

魔法使い「待ちなさい。まだこの塔全てを見て回った訳ではないわ。それに、あの銀色のスライムがたくさん出るようだし、魔物退治もしていきたいわね」

盗賊「ええ~、お腹へったぞ!!」

魔法使い「またあの美味しい竜のお肉が食べられるわよ」

盗賊「あ!!そうだな!!とーぞくまだこの塔にいるぞ!!」

魔法使い「と、言うわけだからね、僧侶」

僧侶「分かったよ。あの綱渡りさえなければ、いくらでもいていいんだけどね…はあ…」


460 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/24(月) 15:05:38 vrbrbpSQ
――夜、ダーマ神殿宿屋

僧侶レベル19「今日はさとりのしょが手に入った上にレベルもたくさん上がったね!!」

魔法使いレベル25「そうね、目標以上に上げる事が出来たわ。盗賊は6つもレベル上がったし…」

盗賊レベル19「ん…むにゃ…」ウトウト

僧侶「あたし盗賊ちゃんにレベル並ばれちゃった…でも、あの塔すごいね!!あの銀色のヤツがたくさん出てくるから、レベルどんどん上がっちゃうよ!!」

魔法使い「そうね、しばらくあそこで魔物退治も悪くないかもね」

僧侶「絶対それがいいよ!!でさ、魔法使いちゃん、あそこでモンスター退治するなら1つお願いがあるんだけど…」

魔法使い「何?」

僧侶「あのさ、最初に銀色のヤツ倒したとき、一緒に出てきたモンスターを混乱させて同士討ちさせたよね?あれ、すごくいい方法だと思うんだけど、もうどくがのこながなくなって…」

魔法使い「なるほどね、またあの塔に行く前に買い物したいって訳ね。良いわよ」

僧侶「やった、ありがとー!!明日はお買い物だよ、盗賊ちゃん!!」

盗賊「ん…」ウトウト

僧侶「もう寝ちゃったかな?盗賊ちゃんにとっては初めてのダンジョンだったし、しかも盗賊ちゃんモンスターからアイテム盗んだりしてたよね?あたしのあなほりと合わせて、いのちのきのみとすばやさのたねが2つずつ手に入ったもんね」

魔法使い「その意味でもいいダンジョンだったわね。でも手強いダンジョンだったわ。私も疲れたし…」

僧侶「あたしもだよ。それじゃ、今日はもう寝よっか?二人とも、お休みなさい…」


461 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/24(月) 15:34:34 vrbrbpSQ
――78日目

魔法使い「じゃあ今日は1度ムオルに戻る?」

僧侶「それなんだけどさ魔法使いちゃん、ゆうべよく考えたらあたし、おおごえで道具屋さん呼べたんだったよ!!」

魔法使い「ああ、あの…前神父さんを呼び損ねた…」

僧侶「あ、ああいう事もあるけどさ、今度は大丈夫、きっと大丈夫だから!!すみませーん、誰かーー!!」ダレカー…

武器防具屋「旅の武器と防具の店だ。何のようだね?」

僧侶「あ、えーと、武器屋さんじゃなくて…すみませーん、誰かーー!!」ダレカー…

神父「お待たせしました、旅の神父です」

僧侶「うう、前に来てほしかったです…だーれーかーー!!!!」ダレカーダレカー…

「武器と防具の店だ」「教会です」「教会です」「宿屋です」「武器と防具の店だ」「武器と防具の店だ」「教会です」

僧侶「……………」ゼーハー

盗賊「どうぐや、こないなー」

魔法使い「…ムオルまで行きましょうか」

僧侶「なんで…なんで来てほしい人が来てくれないんだろう…」


462 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/24(月) 15:49:27 vrbrbpSQ
――ムオルの村

魔法使い「正直、往復で2日はかかると思ってたけど、日が高いうちに着いたわね」

僧侶「ホント、良かった…あたしが道具屋さんさえ呼べたら、今日もモンスター退治出来たのに…」

魔法使い「まあ、こういう事もあるわよ。さあ、貴方は買い物するんでしょ?私は盗賊の食べ歩きに付き合うから。ね、盗賊?」

盗賊「おお、また市場だな!!マーマンの刺身食うぞー!!」

僧侶「じゃあ盗賊ちゃんは魔法使いちゃんにおまかせして…道具屋さん道具屋さん…こんにちは!!どくがのこな下さい!!」

道具屋「お買い上げありがとうございます。幾つほど要りますか?」

僧侶「んーと、50個!!」

道具屋「そうですか、それはそれはありがとうございます。それでは金額はこのくらいで…」

僧侶「あ、待って下さい、足りないから、これとこれを売って…はい、お確かめ下さい!!」

道具屋「ひい、ふう、………確かにお預かりしました。では、商品はこちらに…」

僧侶「48、49…確かに。じゃあ、ありがとうございましたー!!ええと、二人は…」

魔法使い「あ、僧侶、良いところに来たわ。お財布、貴方に預けてたから、私達お代払えなくて…」

盗賊「これとこれとこれとこれのお金、たのむぞ!!あ、あとこれとこれと…」

僧侶「ちょ、ちょっと待って、また要らないアイテム売って来なきゃ…」


463 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/24(月) 16:48:11 w.pthrq.
僧侶「――でさ、どくがのこな買ったときさ、道具屋さんに変な目で見られたの!!」

魔法使い「まあ、どくがのこなをたくさん買ったら、何に使うんだろうなとは思うでしょうね…」

僧侶「やっぱり悪用する人とかいるのかな?」

魔法使い「どうなんでしょうね…ちなみにいくつ買ったの?」

僧侶「50個」

魔法使い「そんなに!?それは怪しまれるわよ…よくお金足りたわね?」

僧侶「ううん、たりなかったから、少し物を売ったよ。おかげで少し荷物が軽くなったよ!!」

魔法使い「それはいいけど…これからの路銀は間に合うの?」

僧侶「大丈夫だよ、しばらくあの塔で修行パートでしょ?その間にお金貯まるって!!」

魔法使い「だといいけど…」

盗賊「おーい、たてものが見えたぞ!!ダーマについたみたいだぞ!!」

魔法使い「ふう、何とか1日で帰って来られたわね」

僧侶「陸路で行ったのが良かったのかな?でも歩きっぱなしで疲れたよ。帰ったらすぐ寝よう…」


464 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/24(月) 18:31:55 W/EKKNk2
――79日目

僧侶「そして、今日1日あたし達はモンスター退治に勤しんだのでした!!」

盗賊「つかれたー!!くーふくだー!!」

魔法使い「確かに疲れたわ…でも、みんなレベルがかなり上がったわね」

盗賊「26まで上がったぞ!!」

僧侶「あたしも26!!蘇生魔法も覚えちゃった!!そしてそして…念願のザキ!!!!」

魔法使い「呪文、たくさん覚えたわね。でも、回復が本分なんだから、あまりザキを使いすぎて魔力が足りないなんてことにならないようにね?」

僧侶「分かってるって!!魔法使いちゃんは、レベル30でしょ?すごいよね、30!!大魔法使いって感じじゃない?」

盗賊「おおー、だいまほーつかい!!」

魔法使い「そんなに大したことはないけど…かなり強くなれたのは確かね。勿論、パーティー全体がね」

僧侶「うんうん、絶対強くなった!!あたし達に敵はなし!!」

魔法使い「流石にそんなことはないけど…」


465 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/24(月) 19:23:26 4J7ppCyI
僧侶「じゃあさ、明日からはどうするの?今日1日で、予定よりレベル上がったよね?」

魔法使い「そうね…明日1日くらいは、続けて魔物退治をしましょう。強くなりすぎるって事はないでしょうから。ただ、最初の予定では3日間だったけど、明日だけで一旦切り上げてもいいかもね。盗賊も、同じ場所ばかりじゃ飽きるでしょ?」

盗賊「とーぞくはあそこでもいいぞ、肉おいしいし!!でも、他のところにも行ってみたいぞ!!」

僧侶「他の所って…もうジパングのモンスター退治!?」

魔法使い「流石にまだ早いと思うし、あくまで一旦よ。でも、ある程度強くなったら、今度は装備を調えるべきだと思うの。でも、今まで行った町では限界があるわ。だから…」

僧侶「船で新しい町を探すんだね!!」

魔法使い「そうなるわね。私達まだまだこの世界の大半を知らないと思うし…」

僧侶「うんうん、同じ場所に籠ってても面白くないもんね。盗賊ちゃんも、まだ食べたことないもの食べたいよね?」

盗賊「おう、食べたいぞ!!」

魔法使い「決まりね。明日1日は魔物退治を頑張って、次の日からまた世界を巡る。そして――」

僧侶「お買い物と!!」

盗賊「おいしいもの!!」

魔法使い「ええ、今から楽しみね」



467 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/25(火) 16:54:19 I8faYC3E
――80日目

僧侶「そういえばさ魔法使いちゃん、この前は盗賊ちゃんを賢者にするような話じゃなかったっけ?」

盗賊「お?よんだか?」

魔法使い「ええ、そのつもりだったし、そうするつもりよ。ただ、今転職するよりは、一仕事終えてからの方がいいと思ったの」

僧侶「なるほど、ジパングのモンスター退治してからだね」

魔法使い「ええ、そして賢者になったら、それからはこの子がこのパーティーの主力になるのよ」ナデナデ

盗賊「しゅりょくだぞー!!」キャッキャッ

僧侶「意味分かってるのかなあ…?」

魔法使い「さあ…それより、貴方こそいつかまた商人に戻るって言ってたけど、いつ戻るの?」

僧侶「え?それがね…あたしも、ジパングのモンスターを倒したら商人に戻ろうかな~って…やっぱり1度に二人転職したらまずいよね?」

魔法使い「そうね…でも心配いらないかもよ。転職したら、また今のように魔物退治すれば…」

盗賊「おーい、塔についたぞ!!」

僧侶「はーい!!そっか、そうかもしれないね。じゃああたしも盗賊ちゃんと一緒に転職しようかな」

魔法使い「それでもいいと思うわ。さあ、ガルナの塔に着いたわ。今日も魔物退治頑張るわよ!」


468 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/25(火) 17:04:20 I8faYC3E
――魔法使いはレベルが上がった!!

僧侶レベル32「魔法使いちゃん、これでレベルいくつ?」

魔法使い「34まで上がったわ。かなり強力な呪文も覚ることができたわね」

盗賊「おおー、きょうりょくなまほー、見たいぞ!!」

魔法使い「私も試してみたいけど…」

スカイドラゴンがあらわれた!!メタルスライムがあらわれた!!

僧侶「あ、ドラゴンとメタルが7匹も!!魔法使いちゃん、新魔法で何とかならない?」

魔法使い「試してみましょうか――我が爪は大地を裂き、我が牙は天使を喰らい、我が吐息は世界を焦がす。見よ!!我が真の姿を!!聞け!!我が真の咆哮を!!そして刻め!!その脳裏に、恐怖と共に、我が真の名を!!――ドラゴラム!!」グググググメキメキメキ…

僧侶「え?え?え?ま、魔法使いちゃん!?」

盗賊「おおおー!!でかいでかい!!」キャッキャッ

魔法使いはもえさかるかえんをはいた!!

僧侶「ひ、ひえー!!」

スカイドラゴンをたおした!!メタルスライムをたおした!!メタルスライムをたおした!!メタルスライムをたおした!!


469 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/25(火) 17:15:24 I8faYC3E
――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「…ふう、上手く唱えられたわね」シュウウウ…

盗賊「おおー、元に戻ったぞ!!」キャッキャッ

僧侶「す、すごい魔法だね…モンスターが黒こげに…」

盗賊「おおおー!!ドラゴンの焼き肉だ!!すげー!!」ムシャムシャ

魔法使い「確かに凄い魔法だけど…変身してから炎を吐くまでに時間がかかるのがネックね。メタルを4匹も逃がしたわ。あとはやっぱり燃費が悪いわね…」

僧侶「これだけの大魔法だもん、しょうがないんじゃない?」

魔法使い「確かに、こんな呪文が軽々と使えたら、それはもう人じゃなくて、本物の竜かもね」

僧侶「そうそう、魔法使いちゃんは一応れっきとした人間なんだから!!」

魔法使い「一応って何よ…まあ、どんな呪文も使いどころだし、この呪文も…」

盗賊「おおおー!!ドラゴンの焼き肉すごくおいしいぞ!!二人とも食べるんだぞ!!まほーつかい、またこれつくってほしいんだぞ!!」

僧侶「…使いどころ?」

魔法使い「うーん…」


470 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/25(火) 17:29:25 I8faYC3E
――ダーマ、宿屋

僧侶レベル32「よし、じゃあこれでモンスター退治は一時中断だね!」

魔法使いレベル34「そうなるわね。これでそこら辺の魔物に負けることはそうないはずよ」

盗賊レベル32「どんなモンスターも食べほうだいだな!!」

魔法使い「食べ放題かはともかく、以前の戦力じゃ海の冒険も不安があったけど、今ならどんな所でも行けそうな気はするわね」

僧侶「それじゃ、明日からはまた冒険に戻るんだね?」

魔法使い「そうね。盗賊、またいろんな土地のいろんな食べ物が食べられるわよ」

盗賊「おおー、今日食べたドラゴンの焼き肉よりもおいしいのあるかな?」

僧侶「どうだろう、今日のドラゴン肉、まさかあんなに美味しいとは思わなかったし…」

魔法使い「本当ね。食べてみるものよね…でも、世界は広いわ。きっと、もっと美味しいものがあるはずよ」

盗賊「おおおー!!たのしみだぞ!!」ジュルリ…

僧侶「食べ物もだけど、あたしはお買い物が楽しみだなー、みんなの装備を買って、それから…」

魔法使い「私は、名前だけ情報があったエジンベアを探したいわね。さあ、明日からは船旅よ。今日はもう休みましょう…」



472 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/25(火) 18:39:27 I8faYC3E
――81日目

盗賊「おおー、船、久しぶりだな!!」

魔法使い「大袈裟ね、せいぜい四日ぶりくらいよ」

僧侶「でも盗賊ちゃんの気持ちも分かるな。塔の中にばっかりいたもん。で、今日はどこに行くの?」

魔法使い「そうね、まずはムオルに行きましょうか。そこで1泊してから、次にどこへ行くか考えましょう」

僧侶「まずはムオルかあ。あたしは、ムオルからは東に行きたいな」

盗賊「とーぞくは北!!北に行きたいぞ!!」

魔法使い「あら、意見が別れたわね。どうしようかしら」

僧侶「うーん、じゃあ北に行く?最近、盗賊ちゃんのカンが冴えてるし…」

魔法使い「さとりのしょを見つけたのも、盗賊にロープから落とされたのがきっかけだったわね。僧侶がいいなら、そうしましょう。じゃあ盗賊、北に行くわよ?」

盗賊「おう!!北はぎょかいるいがおいしいんだぞ!!」

魔法使い「そういう知識は大したものね…」


473 : >>471>>355とか>>332 :2014/11/25(火) 19:39:39 3AmTznD.
僧侶「あ、見えてきたよ、ムオル!」

魔法使い「やっぱり夕方になってしまったわね。予定通り、ここで1泊ね」

僧侶「そだね、あんまり疲れてないけど、ここで1泊しとかないと後で大変かもしれないし。ね、盗賊ちゃん?」

盗賊「くらげは、ここをとればしべれなくなって…で、ないぞうを…」

魔法使い「…食材の研究に夢中ね」

僧侶「何でも食べようとする努力はすごいよね。あたし達に味見させる事さえなければ…」

魔法使い「まあ、ドラゴンは美味しかったし…でもやっぱりくらげは遠慮したいわね…」

盗賊「…ん?なんだじろじろ見て。食べたいのか?まってろ、今解体して…」

僧侶「い、いいよ、いいってば!!」


474 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/25(火) 19:48:47 3AmTznD.
――82日目

僧侶「うーん、船旅だとあっという間に時間が過ぎてく気がするね」

魔法使い「そうね。塔にとじ込もっていると、ずいぶん時間が遅く感じられたものだけど…」

盗賊「みんなのったか?じゃあ北だ、北に行くぞ!!」

魔法使い「ふふ、すっかりキャプテンね」

僧侶「ホントだね…海峡を抜けて…外海にでたっぽいね」

盗賊「お?なあなあ、あれなんだ?」

魔法使い「あれは…浅瀬ね。こんな、何も無いところに浅瀬…」

僧侶「ねえねえ、あれさ、昔は陸だったりしたのかな?」

魔法使い「どうかしらね…自然物にしては、形が整い過ぎてる気もするし…一応、覚えておきましょう。それより盗賊、このまま北上するのかしら?」

盗賊「えーと、あっちは…西!!西に行くぞ!!」

魔法使い「大陸沿いに進むのね。確かに、その方が何か見つかりそうね」

僧侶「カンがいいのか、意外と考えてるのか…でも確かに、あたしのカンでも何かありそうな予感がするよ!!」


475 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/25(火) 19:55:39 3AmTznD.
魔法使い「二人の勘が導いた進路だけど…なかなか何も見えてこないわね…」

僧侶「も、もうすぐだよ、きっと…」

盗賊「あ、見てみろ、あそこ、何かたってるぞ!!」

魔法使い「何かしら…?夕日が眩しくて、よく見えないけど…」

僧侶「あ、確かに何かあるよ!ほこらじゃない?」

盗賊「なあなあ、とーぞくはあろこに行ってみたいぞ!!」

魔法使い「ええ、やっと見つけた建物だもの、行ってみましょう。僧侶、下船の準備をして」

僧侶「うん!!何があって、どんな人がすんでるのかな?楽しみだね!!」


476 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/25(火) 20:06:35 3AmTznD.
魔法使い「…しかしここは、物凄く深い森ね…」

僧侶「ホントだね…こんな所に、どんな人が住んでるんだろう…お邪魔しまーす」

ホビット「ほう、若い旅人だな」

盗賊「なんだ、小さいおじさんだな!!」

魔法使い「こらっ!!この人は、ホビットっていう種族なのよ!!」

ホビット「ははは。こうしてお前たちを見てると思い出す。私も、若い頃オルテガ殿という勇者のお供をして旅をしていたものだ」

魔法使い「オルテガ殿と…!!」

ホビット「お若いの、オルテガ殿をご存じか?」

僧侶「あたし達、アリアハンから来たんです!!オルテガさんの出身の…」

ホビット「なんと!そうであったか…ちと聞きたいのだが、噂によればオルテガ殿は亡くなったと…本当なのか?」

魔法使い「はい。私達も、そのように聞いております」

ホビット「しかし、実際に見たものは居ないのではないか?」

魔法使い「どうでしょう…確かな事は言えませんが…」

ホビット「私にはどうしてもオルテガ殿が亡くなったとは信じられんのだ。あれほどのお方が…まだ生きていて、どこかで旅を続けている…そう思えてならんのだ…」

魔法使い「………」


477 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/25(火) 20:14:36 3AmTznD.
僧侶「ビックリしたね。こんな所でオルテガさんの話を聞くなんて…」

魔法使い「そうね。流石に世界中を旅したオルテガ殿ね…あら、盗賊は?」

盗賊「おー、ねこだ!!おいしそうなねこだ!!まてー!!」ドタバタ

猫「フギャー!!」ドタバタ

僧侶「もう、猫ちゃんが可哀想でしょ!!ごめんね猫ちゃん、怖かったでしょ?」

猫「にゃーん?」

僧侶「ん?なあに、猫ちゃん?」

猫「では、ここから南。4つの岩山の真ん中を調べて下さい」

僧侶「しゃしゃしゃしゃべった!?!?!?」

魔法使い「驚いたわね…魔物でもないみたいだし…」

僧侶「ど、どうしよう魔法使いちゃん、猫ちゃんの言うこと、聞いてみる…?」

魔法使い「そうね、特に急いでる訳でもないし、その猫の言う通りに…」

盗賊「きゃはは、まてまてー!!」ドタバタ

猫「フギャー!!」ドタバタ

僧侶「だから、可哀想でしょ!!もー!!」


479 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/26(水) 16:47:49 rE03deBk
魔法使い「…夜になってしまったわね。闇の中、この深い森を歩くのはなかなか大変そうね…」

僧侶「まっからもーりーのー♪」

盗賊「やみのなかーでーはー♪」

魔法使い「…楽しそうね。怖がって泣かれるよりはいいけど…」

僧侶「だって、歌ってないと怖いし…」

魔法使い「ならなんでそんな怖い歌歌うのよ…しかも盗賊にまで歌わせて…盗賊?」

盗賊「なあなあ、たぶんこのへんが4つのいわやまのまんなかへんだぞ!!」

僧侶「盗賊ちゃん、分かるの?」

盗賊「おう!!ほら、あっちとあっちとあっちとあっちにいわやまがみえるぞ!!」

魔法使い「全く見えないけど…ねえ、僧侶。この木、見てみて…」

僧侶「この木?あ、なんだか他の木と少し違うような…わ、おっきい!!魔法使いちゃん、この木すごいおっきいよ!!」

魔法使い「あの猫が言ってたのは、この木の事かしら…?僧侶、あの猫最初は何て言ってたのか分かる?」

僧侶「……にゃーん?」

魔法使い「やっぱりそう言ってたわよね…どういう意味なのか…」


480 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/26(水) 17:00:28 rE03deBk
僧侶「でも…きっとこの木を調べてみろって事だよね?これ、登ってみないといけないのかな…?」

魔法使い「ちょっと大きすぎるわね。ここは1つ、盗賊に登ってもらおうかしら?ねえ、盗賊?」

盗賊「お、なんだ、盗賊?」ヒラヒラ

魔法使い「貴方、ちょっとこの木に…ってそのおっきな葉っぱ、どこから取ってきたの?」

盗賊「そこに落ちてたぞ!!」

僧侶「根本に?でもこの葉っぱ、とっても瑞々しいね。落ちてる他の葉っぱと形と違うし…」

魔法使い「ここは針葉樹林なのに、落葉樹のような葉っぱね。それにしても、落ちてたのに物凄い生命力を感じるわ」

僧侶「ただの葉っぱじゃないよね。僧侶のカンでは、すごく神聖なものだと思うし、商人のカンでは、すごく貴重なものに見えるよ」

魔法使い「とりあえず、これを持って帰りましょう。盗賊、お手柄ね」

盗賊「えー、この葉っぱ苦そう。もっとおいしそうなのがいいぞ」

僧侶「うん、それはまたいつかね?」


481 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/26(水) 17:11:04 rE03deBk
魔法使い「ふう、魔物も強かったけど、なんとか船まで戻って来られたわね。それにしても、二人ともどこに行ったのかしら?」

盗賊「おなかへった!!ごはんどこー?」ドタバタ

魔法使い「あんなに走り回ったらかえってお腹減りそうだけど…あら、僧侶もいたわね」

僧侶「ま、魔法使いちゃん!!さっきの葉っぱ調べて見たんだけどさ、多分これ、せかいじゅのはだと思うの!!」

魔法使い「世界樹の…って、もしかして…!!」

僧侶「うん、死者さえも蘇らせるっていう、あのせかいじゅのは!!」

魔法使い「驚いたわね…じゃああの猫は、これの在処を教えてくれたって訳ね?」

僧侶「そうだと思う…すごいよこれ、ホントにすごいよ!!あ、ねえ盗賊ちゃん、盗賊ちゃんの持ってきた葉っぱ、すごい葉っぱだったよ!!せかいじゅのはだよ!!」

盗賊「世界中の…歯?」

僧侶「歯じゃなくてさ…」

魔法使い「盗賊に言っても分からないわよ。それより盗賊、ご飯にしましょうか?」

盗賊「おう!!おなかペコペコだぞ!!」


482 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/26(水) 17:25:10 rE03deBk
僧侶「でも結局、泊まれるような所は見つからなかったね…」

魔法使い「仕方ないわね。未知の領域を進む以上、こういう事もあるわよ」

僧侶「うん…あ、魔法使いちゃん、盗賊ちゃん、見て見て、お日様が昇るよ!!」

盗賊「おー、おひさまだ!!」

魔法使い「眩しい…でも美しいわね」

――83日目

僧侶「朝日、キレイだね!!船の上で朝になるのもたまにはいいかもね!!」

魔法使い「たまにはね…毎日こうだと体が持たないわ。それにしても、明るくなったしそろそろ町でも見えてきて欲しいものだけど…」

盗賊「あ、なあなあ、あそこ、何かあるぞ!!」

僧侶「あそこ…?あ、魔法使いちゃん、町があるよ!!…ってあの町、どこかで見たことあるような…」

魔法使い「…あれ、ノアニールじゃないかしら?」

僧侶「え…?あ、ホントだ、あれノアニールの町だ!!」

盗賊「ノアニール…?聞いたことあるようなきがするぞ?」

魔法使い「ええ、昔貴方が住んでた所の近くよ。じゃあ、せっかく町も見えてきたし、あそこで一休みしましょうか。流石に、こんなに明るいのに宿に泊まる訳にはいかないけど…」

僧侶「そうだね、あの後町がどうなったのか見てみたいし。じゃあノアニールの町にレッツゴー!!」


483 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/26(水) 17:37:32 rE03deBk
――ノアニールの町

僧侶「うーん、あんまり変わってないね…」

魔法使い「まだ50日くらいしかたってないわよ。町が変わるには、少し短いんじゃないの?」

僧侶「50日かあ…町はともかく、あたしにはすごく昔のような気がするよ…」

魔法使い「それは私もよ。あれからそんなに経つのね…」

僧侶「あ、でも情報はちょっと新しいのがあったよ。世界のどこかには海賊の家があって、近くを通ると襲われちゃうんだって!!」

魔法使い「海賊か…気を付けないといけないわね。新しい情報と言えば、遊び人も、長く修行をすればただの遊び人じゃなくなるそうよ。貴方、遊び人はどう?」

僧侶「どうって…あたしは商人になるの!!遊び人なんてイヤだよ!!」

魔法使い「ふふ、冗談よ。さて、他に何もなさそうだし、船に戻りましょう。盗賊も、お留守番で飽きてるかもしれないわ」

僧侶「大丈夫だよ、町に着いたとたんに寝ちゃったし」

魔法使い「昨日夜更かししたから仕方ないわね。私だって、少し眠いしね」

僧侶「交代で仮眠取りながら来たけど、やっぱり大変だね…」


484 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/26(水) 17:55:15 rE03deBk
魔法使い「さて、ノアニールの近くと言ったら…」

僧侶「エルフの隠れ里?あそこに行っても…あ、でももしかしたら、エルフと人間の関係が変わって、お店で買い物出来たりするかも…!」

――エルフの隠れ里

エルフ商人「人間に物は売れませんわ。お引き取りあそばせ」

魔法使い「やっぱり駄目ね。じゃあ諦めて次に行きましょう…僧侶?」

僧侶「今なら…今ならザキを使える…ザラキだって…!」ブツブツ

魔法使い「もう、バカなこと言わないの!全く…僧侶、盗賊は?」

僧侶「あ、盗賊ちゃんならあっちで…」

盗賊「おおー、エルフもおいしそうだな、まてー!!」ドタバタ

エルフ「ひー!!さらわれてしまうわ!!」

魔法使い「…全く、二人揃って…」


485 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/26(水) 19:12:44 DT9cPq6s
魔法使い「…もう、二人揃って問題起こさないでよね!」

僧侶「あ、あたしはまだ問題起こしてないよ!それに、分かったこともあったし…」

魔法使い「分かったこと?」

僧侶「あのね、お店の近くにホビットが居たんだけど、もしかしたらホビットなら買い物できるんじゃないかなーって…」

魔法使い「へえ、じゃあ貴方がホビットに変装でもするの?」

僧侶「え?魔法使いちゃんの魔法でなんとかならないの?」

魔法使い「何ともならないわよ…そんな事より、今日ももう暗くなってしまったわ。どうする?ノアニールに戻る?」

盗賊「なあなあ、あっち、あっちの方に島が見えるぞ!!行ってみないのか?」

魔法使い「島…?本当、暗いのに良く見えるわね…」

僧侶「うーん、私にも分からない…」

盗賊「見えないのか?すぐ近くだぞ、行こう行こう!!」グイグイ

魔法使い「そうね、戻るよりは、新しい土地に行った方がいいかしらね?危険があるかもしれないけど…」

僧侶「でも、危ないと思ったらその時に戻ればいいんじゃないの?まずは盗賊ちゃんあ言う通りに行ってみない?」

魔法使い「それもそうね、じゃあ盗賊、案内してくれるかしら?」

盗賊「おー!!任せろー!!」


486 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/26(水) 19:25:12 DT9cPq6s
魔法使い「確かに、島があったわね。小さな島だけど…」

僧侶「そうだね…あ、魔法使いちゃん、お城が見える!!」

魔法使い「お城か…宿に泊まれればいいけど…」

盗賊「やど?ごはんおいしいかな?」

僧侶「どうだろうね…あ、モンスターだよ!!」

まじょがあらわれた!!じごくのよろいがあらわれた!!

盗賊「あんまりおいしくなさそうだぞ…」

魔法使い「テドンの周りにいたのと同じ種類の魔物ね。でも、私達はあの頃よりずっと強いわよ――白き力よ吹雪と来たれ!!冷たき刃を振りかざし、全てを凍てつく世界へ誘え!!ヒャダイン!!」ゴオオォ

まじょをたおした!!じごくのよろいをたおした!!

盗賊「おおー、すごいすごい!!」キャッキャッ

僧侶「魔法使いちゃんって、氷の魔法好きだよね。冷たい大魔導師、とかそんな感じの目指してるの?」

魔法使い「別に目指してないわよ…」


487 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/26(水) 19:35:31 DT9cPq6s
――夜、エジンベア

僧侶「やっとお城に着いたね!!疲れたなあ、早く宿に泊まって…」

門番「なんだ、お前らは?ここは由緒正しきエジンベアのお城。田舎者は帰れ!!帰れ!!」シッシッ

僧侶「むっ、何よその言いぐさ、通してよ!!」

門番「田舎者は通さん。帰れ帰れ!!」

魔法使い「通してくれそうもないわね」

僧侶「通れないのもだけど、何よ田舎者田舎者って!!自分たちだってこんなへんぴな離れ島の田舎者じゃない!!」

盗賊「なあ、通れないのか?あのもんばんをたべれば入れるんじゃないか?」

魔法使い「すぐに食べようとしないの。それにしても、ここがエジンベアなのね。あのランシールのスライムが名前だけ教えてくれた…」

僧侶「あ、そんな事あったね。あれ?確か、あのスライム、他に何か言ってなかったっけ?」

魔法使い「きえさりそうがあるならランシールに行け、って言ってたわ。つまり、きえさりそうで姿を消して…」

僧侶「あ、そうか!!そうすればあのイヤな門番に見つからずに中に入れるね!!」

盗賊「お?なかに入れるのか?」

魔法使い「ええ、でもきえさりそうは使わないわよ」

僧侶「え?な、なんで?」


488 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/26(水) 19:46:28 DT9cPq6s
魔法使い「あれ、高かったんでしょ?それより、呪文を使えばただで済むわ」

僧侶「え?でも姿を消す呪文は高度な呪文だって…覚えたの?」

魔法使い「さあ、ここでは門番に見えてしまうわ。物陰に隠れて…ヴェールの向こうに住まいし者よ、我々を隔たれた世界へと誘え!!レムオル!!」プァーン…

盗賊「お?お?お?」

僧侶「わ、見えなくなった!?ま、魔法使いちゃん、盗賊ちゃん、どこ!?」

魔法使い「ここよ。私には二人が見えるわ。でもはぐれるといけないから、手を繋ぎましょう。ほら、盗賊も…」

盗賊「おーてーてー♪」

僧侶「つーないでー♪」

魔法使い「もう!静かにしないとばれちゃうわよ!」


489 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/26(水) 19:54:54 DT9cPq6s
僧侶「…中に入れたのはいいけど…夜だから静かだね。みんな寝ちゃってるのかもよ?」

盗賊「なあ、やどやないみたいだぞ。ごはんないのか?」

魔法使い「そうみたいね。不便なお城ね…」

僧侶「やっぱりこのお城の方が田舎じゃない!!」

盗賊「おなかへったー!!」

魔法使い「二人とも騒がないで!!響いちゃうでしょ!」

僧侶「ご、ごめん…」

魔法使い「まあ、いいわ。中に入ってしまえば追い出されないみたいだし…」

盗賊「なあなあ、あそこ、階段だぞ!上らないのか?」

魔法使い「階段か…見たところ謁見の間に通じてるようにも見えるけど…」

僧侶「上ってみようよ!何かお宝があるかも…」

魔法使い「謁見の間ってそういう所かしら…?」


490 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/26(水) 20:03:14 DT9cPq6s
僧侶「ふーん、やっぱり王様達に挨拶する所だね」

魔法使い「ええ…待って、誰か玉座に…」

盗賊「おー、あれがおうさまか?えらそうだな!!」

???「!!」ソソクサ

魔法使い「もう、声が大きいわよ!」

僧侶「でも、何か様子がおかしいよ、あの人。王様じゃないんじゃない?」

魔法使い「格好からすると大臣かしら…」

大臣「あー、こほん。まずい所を見られてしまったな。この事は内緒にしておいてくれよ?」

僧侶「えー、どうしようかなあ?」

盗賊「かなあー?」キャッキャッ

大臣「内緒にしてくれるなら、良いことを教えよう。ここからはるか西の大陸、森に囲まれた小さな草原がある。行ってみるといい」

魔法使い「西…?西に大陸が?」

僧侶「へえ、行ったことない大陸かな?良いこと聞いたね、じゃあ大臣さん、黙っててあげる!!」

大臣「うむ。助かったぞ…」



492 : ネタが分かる>>491も… :2014/11/27(木) 15:58:30 94xgSd5.
僧侶「いい情報が聞けたね!」

魔法使い「そうね、次の行き先が決まっただけでも良かったわ。ただ、問題は今日これからどうするかね…」

僧侶「宿もないしね…ホント、田舎町なんだから!!ね、盗賊ちゃん…盗賊ちゃん?」

魔法使い「もうとっくに階段を下りてどこかに行ったわよ。私達も行きましょう、盗賊を見失ってしまうわ」

僧侶「もう、じっとしてられないんだから…盗賊ちゃーん!!」

魔法使い「だから大きな声を出すと響くわよ…ほら、あっちよ、扉が開いてる」

僧侶「あ、ホント…ここ、中庭?」

盗賊「おーい、このおっちゃんがいいこと教えてくれたぞ!!」

魔法使い「あら、情報収集してたのね、偉いじゃない。それで、良いことって?」

大男「ああ、この城には地下室があってな、そこにある3つの岩を青い床に並べると何かが起きるらしいぜ」

僧侶「何か…?何かってなんだろう…?」

魔法使い「きっと行ってみれば分かるわよ。情報ありがとう。じゃあ二人とも、行きましょう」


493 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/27(木) 16:10:05 94xgSd5.
僧侶「ここが地下室…池と岩が不自然に散らばってるね…」

盗賊「おお?いわ、おせないぞ…」

魔法使い「一人で押しても駄目よ。それにやみくもに押してもいけないわ。ちょっと待って、考えさせて…」

僧侶「頼りにしてるよ!よっ!!きれもの!!」

盗賊「よっ!!」キャッキャッ

魔法使い「静かにしててよ…分かったわ。まず、これをこっちに動かして…」

僧侶「う、うん…これ、か弱い乙女3人にはキツくない?」

魔法使い「仕方ない…わ…で、これをこっちに…」

盗賊「こっちか?そーれ!!」

僧侶「盗賊ちゃん、頼もしい…」

魔法使い「普段あれだけ食べてるからね…で、これをこっちで…こうして…こうして…こうで…」

僧侶「おおー、いったん右にやって…なるほどー!」

盗賊「すごいな、どんどんあおいゆかにならんでるぞ!!」

魔法使い「で、これで…こう!!」ゴーン!!

僧侶「!?今、でっかい音がしなかった!?行ってみようよ!!」


494 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/27(木) 16:21:31 94xgSd5.
魔法使い「こんな所に通路が…さっきはなかったけど、これがさっきの音の正体…?」

盗賊「とーぞくがさきにいくぞ!!…お、たからばこだ!!あけるぞ!!」パカッ

僧侶「ああっ、またそうやってすぐ…」

なんと かわきのつぼをてにいれた!!

盗賊「なんだ?なにも入ってないぞ…」

僧侶「つぼ?つぼって…どこかで話を聞いたような…」

魔法使い「ランシールね。さいごのかきを手に入れるのには壺が必要だっていう話だったわ

僧侶「ああー!!聞いた聞いた、じゃあ、もしかしてこれが…!」

魔法使い「そうかもしれないわね。でも、はっきりとは分からないし…明るくなったら、このお城の人達から話を聞きましょう」

僧侶「お城の人達なら分かるかな?って、ここで朝まで待つの?」

魔法使い「待つ必要はないわ。今からひっくり返すから」

盗賊「ひっくり返す?つぼをか?」

魔法使い「違うわよ…朝日よ来たれ!!眩しき力で暗き世界を裏返せ!!ラナルータ!!」ピカーッ

盗賊「お?お?お?」

僧侶「わ、どんどん眩しくなって…!?」


495 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/27(木) 16:30:58 94xgSd5.
――84日目

魔法使い「さあ、朝になったわよ」

僧侶「えええ!?魔法使いちゃんの魔法で、朝にしたの!?」

魔法使い「そうよ、驚いた?」

盗賊「すごいな、あさだあさだ!!」

魔法使い「凄いは凄いけど…魔力を使いすぎるわね。これなら、このお城にルーラすれば良かったわ…」

僧侶「ああ、そっちの方が魔力使わないんだ?まあいいじゃん、それより情報集めしようよ!!」

盗賊「しよーよ!!」

魔法使い「そうね、じゃあ手当たり次第…」

僧侶「あー!!しまった…」

魔法使い「どうしたの!?」

僧侶「魔法使いちゃん、あたし達最近宿屋に泊まってなかったよね?あたしがおおごえで宿屋さんを呼べば、朝になった上にみんな休めたのに…」

魔法使い「ああ、でもまた呼びたい人呼べないんでしょ?」

僧侶「さらっと酷い事言ってない!?確かに、今までは駄目だったけど…」


496 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/27(木) 16:42:53 94xgSd5.
魔法使い「で、情報を集めた結果だけど…この壺は、海を干上がらせる事の出来る壺らしいわね…とんでもない代物だわ…」

僧侶「でさ、どこかの浅瀬には、何かが沈んでるんだって!これってさ…」

魔法使い「ええ、きっとかわきのつぼで浅瀬を干上がらせれば、その何かが手に入る、あるいは何かに行けるって事だと思うわ」

盗賊「なあなあ、あっちのがきんちょが、さいごのかきはほこらにあるっていってたぞ!!」

魔法使い「貴方もガキんちょじゃない…でも、これで全てが繋がったわ。さいごのかぎを手に入るには、壺が必要で、壺は海を干上がらせる」

僧侶「で、どこかの浅瀬には何かが…きっとほこらがあって、そこにさいごのかぎが…!」

魔法使い「きっとそういう事ね。そして、私達は怪しい浅瀬も知ってる」

盗賊「ムオルの北にあったあさせだな!!」

僧侶「そっか!!じゃあそこに行けば…!」

魔法使い「ええ、さいごのかぎが手に入るはずよ。宿屋もないようなお城だったけど、私達の旅には大いに助けになってくれたわね」


497 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/27(木) 18:12:40 8cd5FPn2
――85日目

魔法使い「全く…どこの国も、王様に報告するのは時間がかかるわね…」

僧侶「まあ、それは仕方ないと思うけど…お店も何もないから1日待ってるのは退屈だったよ。しかも、どこに行っても田舎者、田舎者って…」

盗賊「いなかものだぞー!!」キャッキャッ

魔法使い「私だって、王様に何回言われたか分からないわ。でもまあ、もうこのお城にも来ることはないと思うし…」

僧侶「せいせいするね!!でも魔法使いちゃんは大変だね、もう来ない場所でも一応挨拶と報告に行かなきゃいけないなんて…」

魔法使い「勇者の露払いが私の使命だからね。そっちこっちで無礼を働く訳にもいかないのよ」

盗賊「たいへんだなあ、ほめてつかわす!!」キャッキャッ

魔法使い「うん、ありがとうね…」


498 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/27(木) 18:57:51 94xgSd5.
僧侶「さあ、こんなお城とも今日でお別れよ!!…で、どこ行こうか魔法使いちゃん、やっぱり西の大陸を目指すの?それとも例の浅瀬?」

魔法使い「そうね、まずは西の大陸に行ってみましょう。ここからあの浅瀬までの距離は良く分からないし…」

僧侶「確か西の大陸は新大陸って呼ばれてたよね? まだあんまり人が行ったことない大陸なのかな?」

魔法使い「かもしれないわね。未知には危険が付き物よ。気を引き締めて行きましょう」

僧侶「分かってるって!さあ、盗賊ちゃん、出港よ!!ヨーソロー!!」

盗賊「しんろはひがしへー♪」

僧侶「って盗賊ちゃん、西よ、西に行くの!!」

魔法使い「大丈夫かしら…」


499 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/27(木) 19:09:27 94xgSd5.
僧侶「結構進んで来たけど…あ、あれ!!陸じゃない!?ね、盗賊ちゃん?」

盗賊「………」スピー

僧侶「あれれ、寝ちゃったかあ…」

魔法使い「ここしばらくちゃんと宿屋で寝てないもの、無理もないわ…とはいえ、この子のタカのめがないと不便ね…」

僧侶「まあ、起きるまで直進でいいんじゃない?」

魔法使い「そうね、そうなると…おそらく大陸の北端を過ぎて…あ、盗賊、目が覚めた?」

盗賊「ん…ここどこ…?」

僧侶「今ね、それを盗賊ちゃんに調べて欲しいの。タカのめ、出来る?」

盗賊「ん…ちょっとまって…えっと、あっち、あっちに何かある…」

魔法使い「あっち?北東ね…ってあら、もう私にも何か見えてきたわ」

僧侶「あれ、ほこらだよね?こんな所にぽつんとあるなんて…」

魔法使い「何かあるかもね。僧侶、上陸の準備をして。盗賊も平気?」

盗賊「おう、大丈夫だぞー…」

僧侶「…ちょっと不安だね…」


500 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/27(木) 19:18:38 94xgSd5.
――旅の扉のほこら

盗賊「おおー、あのうにゅーってなってとおくに行けるやつがいっぱいあるぞ!!」

魔法使い「旅の扉が3つも…どれがどこに繋がっているのかしら?」

僧侶「悩んででもしょうがないよ、片っ端から行ってみよ?ね?」

魔法使い「それもそうね。じゃあ、盗賊…」

盗賊「きゃはは、それー!!」プァーン

僧侶「ああ、行っちゃったよ、仕方ないなあ…それっ!」プァーン

魔法使い「私も…ここは、どこかしら…?」

僧侶「うーん、見覚えあるようなないような…」

盗賊「お?カギがかかっててとおれないぞ!!」ギシギシ

僧侶「ホントだ。ねえ、魔法使いちゃん、これって…」

魔法使い「ええ、恐らくさいごのかぎが必要なんでしょうね。今はまだ早かった、という事かしら…」

僧侶「さいごのかぎを手に入れたらまた来ようね!それはそうと、まだあと2つも旅の扉があるわけだし、そっちに行ってみようよ!」

魔法使い「そうね、どちらかからどこかに行けるかもしれないし…」


501 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/27(木) 19:29:12 94xgSd5.
盗賊「うー、どこもカギがかかってたぞ!!」

魔法使い「そうね、まさか3つともだなんて…」

僧侶「でも、逆を言えばさいごのかぎさえあれば、いろんな所に行けるって事だよね?」

魔法使い「そういう事にもなるわね。やっぱり、さいごのかぎ入手が今やるべき事か…」

僧侶「でもさ、さいごのかぎが手に入ったら、行くとこたくさんあって大変だね!ランシールの神殿だって、確かさいごのかぎが必要っぽかったよね?」

魔法使い「ええ、正直どこから手を付けたらいいか…」

盗賊「ぜんぶ、ぜんぶ!!あっちからこっちまで、ぜーんぶ!!」キャッキャッ

魔法使い「…盗賊の言う通りね。結局、行ける所全てに行かなければ…」

僧侶「そうそう、今悩む必要ないよ!!まだ鍵を見つけた訳じゃないし、見つかるまでにまた何かヒントがあるかもしれないし!!」

魔法使い「そうね、あのエジンベアみたいな辺境の島国でさえ、あんなに情報があったし、これからどこかで何かを掴めるかも…」

僧侶「でしょ?だからもう出発しようよ、今はもうここに用はないし。ね?」

盗賊「おおー、しゅっぱつだー!!いくぞいくぞー!!」



503 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/28(金) 11:45:27 .BoYoAu.
魔法使い「さて、次はどっちにいこうかしら…」

盗賊「きた!!北!!おっきなしまに、ひろーいそーげん!!」

僧侶「島って…この辺島ばっかりだよね。どの島?」

盗賊「ほら、あそこあそこ!!」グイグイ

魔法使い「あそこって…この島?じゃあ上陸してみましょうか」

僧侶「はーい…確かに、エジンベアよりは大きな島…って寒い!!」ブルブル

魔法使い「そうね…私は未だにぬいぐるみ着てるから平気だけど」

僧侶「うう、人数分掘っておけば良かったかなあ…って、魔法使いちゃん、あれ!!」

ひょうがまじんがあらわれた!!

魔法使い「見たことない魔物ね。二人とも、気を付けて!」

盗賊「うう、おいしくなさそうだぞ…」

僧侶「歯もお腹も壊しそうだね…でも、食べられなくても倒さなきゃ!!」


504 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/28(金) 12:00:44 .BoYoAu.
魔法使い「見るからに氷の魔物ね。ここは――汝は知る、我の力を!!灼熱の炎、全てを喰らい、全てを飲みを干し、全てを白き灰へと還せ!!ベギラゴン!!」ゴオオオオオォ!!

僧侶「ひゃー!!凄い火力!!これならモンスターもひとたまりも…」

魔法使い「まだよ!!気を抜かないで!!」

僧侶「ええ!?1体も倒してないなんて…!?」

盗賊「食べれないけど、とうっ!!」ピシャーン

ひょうがまじんをたおした!!ひょうがまじんをたおした!!

僧侶「やった、じゃあ残りは…えいっ!!」ドゴッ

ひょうがまじんをやっつけた!!

魔法使い「よし、みんな無傷ね?」

僧侶「あんなにすごい魔法で倒せないからびっくりしたよ…すごいね…」

盗賊「ほらほら、あっちあっち!!あっちに何かあるぞ!!」

魔法使い「うーん、まだ私には見えないけど…行ってみるしかないわね」

僧侶「あ、魔法使いちゃん、悪いけどさ、二人で先行っててくれる?あたし、ちょっとここであなほりしていたいんだ」

魔法使い「あなほり…?何か良いのがありそうなのね。いいわ、じゃあ盗賊と先に行ってるわよ」

僧侶「うん、よろしくー!!」


505 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/11/28(金) 19:56:01 Zcv3U3c6
魔法使い「広い草原ね…」

盗賊「きゃはははは!!」タタタ…

魔法使い「これだけ広いと思いっきり走れて良いわね…あら、こんな所に家?」

盗賊「おーい、誰かいるかー?」ガチャッ

魔法使い「もう、ノックもしないで…」

老人「ほう、こんな所に訪ねてくる人がいるとは…いつぞやの海賊達以来かのう…?」

魔法使い「海賊…?」

老人「ときにお前さん達、へんげのつえを知ってるかね?」

盗賊「なにそれ?知らないぞ!!」

老人「何にでも変身出来るという杖じゃ。噂ではサマンオサの王様が持っているらしい」

魔法使い「サマンオサ…?聞いたことがないわね…」

老人「さいごのかぎさえあれば、ここの南にあるほこらからサマンオサに行けるそうじゃ。しかし、何にでも変身出来る杖とは面白そうじゃ。このふなのりのほねと交換してでも手に入れたいのう…」

盗賊「なんだそのほね?へんなのー!」

魔法使い「サマンオサ…さいごのかぎ…覚えておくべきでしょうね…」


506 : 週末は更新出来ない…? :2014/11/28(金) 20:04:29 Zcv3U3c6
僧侶「お帰りー!!どうだった?」

魔法使い「ええ、新しい国の情報があったけど、やっぱりさいごのかぎがないと…」

僧侶「そっかあ、じゃあやっぱりまずはさいごのかぎかあ…」

盗賊「なあなあ、そのぼうしなんだ?」グイグイ

僧侶「あ、これ?これはね、ふしぎなぼうしって言うの。これは、魔法使いちゃんにあげる!!」

魔法使い「私に…?」

盗賊「あー!!まほーつかい、ずるーい!!」

僧侶「盗賊ちゃん、これはね、魔力の消費を少なくする…魔法をいっぱい使えるようになる帽子なの。だから、魔法使いちゃんのものなんだよ」

盗賊「むー…」

魔法使い「ほら、盗賊にはあとで何か美味しいものあげるから、ね?」

盗賊「ホントか!?じゃあぼうしはまほーつかいにやるぞ!!」

魔法使い「でもこれ、本当に良いものね。守備力はほんのちょっと落ちるけど、かなりの魔力を感じるわ」

僧侶「へっへー、あなほり名人ここにあり、だからね!!じゃあ今度はさいごのかぎ探しだね!!」

魔法使い「ええ、場所に目星は付いてるし、必ず見つけて見せるわ」


508 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/01(月) 19:36:22 0mBkMqvU
僧侶「うーん、でもすっかり暗くなっちゃったね。これからどうしよう?」

魔法使い「そうね…今まで盗賊の言う通りに来ていろいろ見つけられたし、またこの子に決めてもらいましょう。どうするの、キャプテン?」

盗賊「また西!!ずっと西!!」

魔法使い「だ、そうよ。じゃあまだまだ西へ向かいましょう」

僧侶「はーい!!えへへ、何があるだろうね…ってわああ!!」

だいおうイカがあらわれた!!

盗賊「おおー!!イカがたくさん食えるぞ!!」

魔法使い「もう食べる話…?まあいいわ、私が…」

僧侶「ううん、今こそあたしの切り札の出番よ!!――闇より暗き冥界の主よ、我らの災いに暗き永遠を!!ザラキ!!」

だいおうイカをたおした!!だいおうイカをたおした!!だいおうイカをたおした!!

僧侶「へっへー、どう?あたしのザラキ!!」ドヤッ

盗賊「ああー!!これじゃ食べれないぞ…」

魔法使い「どす黒くなってしまったものね…」

僧侶「あー!?ご、ごめん…」


509 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/01(月) 19:51:40 0vOCWA.A
盗賊「カニってすごくうまいな!!まほーつかい、またたのむぞ!!」ガツガツ

僧侶「良かった…あのあとカニが出てきてくれて…」

魔法使い「全く、闇雲に即死呪文なんて使うからよ。そもそも貴方は回復係なんだから、魔力の使い方は慎重に…」

僧侶「ご、ごめんごめん!これから気をつけるから、ね?」

魔法使い「頼むわよ、本当に…それより僧侶、周りの景色、何か気付かない?」

僧侶「え?何か変かな?」キョロキョロ

魔法使い「変ではないわ。ただ、何となく見覚えがあるような…」

僧侶「そうかな?盗賊ちゃんはどう思う?」

盗賊「んー!!カニうまいぞ!!」モグモグ

僧侶「食事に夢中かあ…でも魔法使いちゃん、もし本当に見覚えがあるとしたら…ああ、あれ!!あれって!?」

魔法使い「ええ、間違いないわ、ムオルから船出してすぐに見つけた、あの怪しい浅瀬よ」

僧侶「て事は、やっぱりあたし達、世界一周したの?」

魔法使い「そうみたいね。でも、重要なのはそこじゃないわ。あの浅瀬をまた見つけたら、何をやるべきだったか分かってるわよね?」

僧侶「うん、かわきのつぼを使ってみて、もし本当に浅瀬が干上がったら…」

魔法使い「そこに何があるのか…いえ、そこに必ずあるはずよ、さいごのかぎがね。さあ僧侶、かわきのつぼを海に浮かべてみて。何が起こるか、見届けてみましょう…!」」



511 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/02(火) 22:03:13 yWh1QpI.
僧侶「じゃあ、ツボを海に浮かべてみるよ…」

ゴオオオオォオオオオオ…!!

盗賊「おおー!?なんだなんだ!?」

魔法使い「海が、海水が…壺に吸い込まれて…!」

僧侶「わ、わ、わあああ…!!な、何がどうなって…?」キョロキョロ

魔法使い「見て、二人とも。浅瀬が浮かび上がって…いえ、海水が下がって、浅瀬が…」

盗賊「おおー!!なにかたってるぞ!!ほこらか?」

僧侶「ほこら、だね…魔法使いちゃん、確かエジンベアでさ…」

魔法使い「ええ、さいごのかぎはほこらにある、と聞いたわ。きっとここが…行きましょう」

僧侶「うん!!これであたし達、また先へ進めるね!!」


512 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/02(火) 22:12:03 yWh1QpI.
盗賊「おおー、なかひろいな!!」キャッキャッ

僧侶「ホントだね…あ、魔法使いちゃん、宝箱があるよ!!」

魔法使い「ええ、これがきっと…開けてみましょう」

僧侶「うん…あ、ま、魔法使いちゃん、かぎだよ!!鍵!!」

なんと さいごのかぎを手に入れた!!

盗賊「おおー、これでさっきのカギがかかってたところみーんなあくんだな?」

僧侶「きっとそうだよ!!じゃあ行こう、今すぐ行こう!!ね、ね?」

魔法使い「待って、まだ…」

僧侶「もう何もない!!何もないよ魔法使いちゃん!!」

盗賊「なあなあ、おくのほうにがいこつがさあ…」

僧侶「何もないよ!!何もいないよ!!」

魔法使い「もう、私だって骸骨とかは苦手なのよ?貴方も…」

僧侶「イヤ!!イヤ!!あたし先に船に帰る!!」ダダダ…

盗賊「おお!?そーりょ、いっちゃったぞ!?」

魔法使い「…これじゃだだっ子じゃない。仕方ないわね…」


513 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/02(火) 22:22:32 yWh1QpI.
僧侶「あ、お帰り!!じゃあ出発だね!!」

魔法使い「ちょっと待ちなさいよ、あの骸骨から伝言が…」

僧侶「そういうのいいから!!行こ!!ね、ね?」

魔法使い「そうはいかないわ。大事な伝言だもの。『私を見て引き返した者に災いあれ…』」

僧侶「ギャー!!あ、悪霊退散!!ニフリャミュ!!」

魔法使い「カミカミじゃない…冗談よ、安心して」

僧侶「へ?冗談!?お、脅かさないでよ魔法使いちゃん!!」

魔法使い「ふふ、貴方私達を置いて逃げるんですもの」

盗賊「そーりょはこわがりだな!!なさけないぞ!!」

僧侶「うう…ごめんなさい…」

魔法使い「まあいいわよ。あの骸骨も、今の私達に必要な情報をくれた訳じゃないし…」

盗賊「ギアガのおーあなからわざわいがでたんだぞ!!」

僧侶「??ど、どういう…?」

魔法使い「分からないわ。もしかしたら、この先に必要な情報かもしれないけど…とにかく、もうここに用はないわ。行きましょう」


514 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/02(火) 22:41:11 yWh1QpI.
――夜、ムオルの村

僧侶「うーん、このままの勢いであの旅の扉がたくさんあるほこらに行きたかったけど…」

魔法使い「私達、ムオルを出てから世界一周する間に1泊もしてないのよ。休息は必要だわ」

盗賊「…」スヤスヤ

僧侶「そっかあ、そうだね…じゃあさ、明日は、明日こそはあのほこらに行くの?」

魔法使いレベル35「ええ。さっきこの周りで魔物退治してレベルも上がったし、きっとどこに着いても大丈夫なはずよ」

僧侶レベル33「この村の周りにもあのメタルなやつがいて良かったよね!盗賊ちゃんは、食べれないって不機嫌だったけど…」チラッ

盗賊レベル33「ん…にゃ…」ムニャムニャ

魔法使い「さて、私達ももう寝ましょう。明日からは予測のつかない旅になるわ。少しでも疲れを取らないと…」

僧侶「そうだね…ねえ、魔法使いちゃん。あたし達、もうかなり強くなったよね?」

魔法使い「?ええ、そのつもりだけど…?」

僧侶「じゃあさ、次の旅で装備を調えれたらさ、もうジパングに行かない?」

魔法使い「ジパングの魔物を退治したいのね?そうね…あの島国の人達に少しでも早く安心してもらいたい、とは思うわね…」

僧侶「でしょ?もちろん、手に入る装備次第だけどさ…」

魔法使い「ええ、そうね。もういいかもしれない。でもそれは、次の旅が終わってから考えましょ。さあ、今度こそもう寝るわよ。おやすみ…」



516 : >>515???「パーティーに商人を!」 :2014/12/03(水) 11:28:26 kFDyk2i.
盗賊「おきろー!!あさだー!!おきろー!!」バンバンバン

魔法使い「…分かったわ…今すぐ…」

盗賊「おきろおきろおきろー!!」バンバンバンバンバンバン

僧侶「盗賊ちゃん、魔法使いちゃんは放っといて出発の支度支度!!したくとーいっても、にーもーつーはいらーなーい♪」

盗賊「レベルのあーがーる、くつもいーらーなーい♪」

魔法使い「靴は…ちゃんと履きなさい…」

僧侶「あ、起きた。さあさあ魔法使いちゃん、今日はあの扉の向こう側だよ!!」

盗賊「ほらむこーがわのおーこくでー♪」

魔法使い「はいはい、二人とも元気ね…今準備するから、待ってて…ちゃんと

盗賊「はーやーくー!!」

僧侶「はーやーくー!!」

魔法使い「お願いだから、朝くらい静かに…」


517 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/03(水) 11:38:42 kFDyk2i.
僧侶「もうそろそろあの旅の扉のほこらに着くよね…」

盗賊「あと少しだぞ!!」

僧侶「ここまで順調に来れたね!!もう海のモンスターも怖くないっていうのもあるけど」

盗賊「ごはんにはなったぞ!!」

魔法使い「あまり油断しないのよ。特にここからは…あら、着いたわね」

僧侶「さ、早く中に入って!!…ねえねえ、三つのうちどの旅の扉に入る?」

魔法使い「どうする、盗賊?」

盗賊「ひだり!!ひだーり!!」

魔法使い「だ、そうよ。貴方も左でいい?」

僧侶「いいよ!さあ、どこに着いて、何が待ってるのか…」

魔法使い「楽しみね。さあ、行きましょう」

盗賊「おー!!」


518 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/03(水) 11:54:43 kFDyk2i.
僧侶「…また開かない扉の所まで来たね。さあ、さいごのかぎ初仕事だよ!」

魔法使い「初仕事じゃないわよ。貴方があの浅瀬のほこらから逃げたあと、骸骨と話すために使ったもの」

盗賊「そーりょ、おくれてるぞ!!」キャッキャッ

僧侶「ええー、がっかり…まあいいや、開けるよ、よっと…」カチッ

盗賊「おおー!!あいたあいた!!」

魔法使い「で、ここは…なんだか見覚えがあるような…」

僧侶「あたしも…あの階段を上ると…やっぱり!!」

兵士「ん?あんたらどっかで見た顔だな」

僧侶「ああー!!この人…」

魔法使い「この人は…じゃあここは、ロマリアの近くね?」

兵士「何だよその反応は…ああ、あんたら旅の扉で来たのか、すごいな、あの扉を開けたのか…」

僧侶「ほら盗賊ちゃん、あいつは食べていいよ!」

盗賊「ホントか!?ホルモンもいいのか!?」

魔法使い「もう、止めなさい!!」

兵士「なんだか身の危険を感じるが…」


519 : 516から87日目 :2014/12/03(水) 12:02:43 kFDyk2i.
――夜、ロマリアの宿屋

僧侶「と、いうわけで、せっかくなのでロマリアに寄ってみたよ!!」

盗賊「おおー、やっぱりここのごはんおいしいぞ!!」ガツガツ

魔法使い「そういえば最初に盗賊と泊まったのはこの宿屋だったわね」

僧侶「そうそう、あの時はまだパーティーの一員ではなかったけど…」

魔法使い「ええ、今はなくてはならないわね」ナデナデ

盗賊「お?ほめられたのか?」

僧侶「そうだよ!!ところで魔法使いちゃん、明日は王様に挨拶に行くの?」

魔法使い「そうね…挨拶くらいはしないとね。でも報告は止めておくわ、時間がかかるし…」

僧侶「やっぱりすぐ他の旅の扉も試したいもんね。じゃあ明日は早起きしなきゃね!!」

魔法使い「ええ、まあ…ほどほどにね…」


520 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/03(水) 13:32:08 jajidBIY
――88日目

魔法使い「ただいま…王様への挨拶、済ませてきたわよ」

僧侶「お帰り!!…ってあれ?なんかいろいろもらってきた?」

盗賊「おおー!!たてとナイフ!!」

魔法使い「ええ、ふうじんのたてとアサシンダガーって言うらしいわ…」

僧侶「へえー!!確か2つともすっごく良いものだったはずだよ!!…でも良いものもらったわりには、魔法使いちゃん元気ないね?」

魔法使い「ええ…ロマリアの王様がこれだけ物をくれたから、世界一ケチな王様はアリアハン王に決定だなあってね…」フゥ…

僧侶「あ、ああ…そうだね…」

魔法使い「まあ、いいわ。戦力アップには違いないし…このダガーは私が使っていいかしら?盾は…」

盗賊「とーぞくがそーびしたいぞ!!」

僧侶「いいと思うよ、あたし装備出来ないし…あーあ、2つも良いものもらったのに、あたしに装備出来るものはなしかあ~」

魔法使い「仕方ないわね、きっとまた良いものが見つかるわよ。さて、挨拶も済ませたし、もう行きましょう」

僧侶「そだね、レッツゴー!!」

盗賊「ゴー!!」


521 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/03(水) 16:11:07 1kYXbRAM
――旅人の教会

僧侶「また旅の扉のほこらから別の旅の扉に入って…それからまたいくつか旅の扉をくぐって…」

盗賊「きょーかいに出たな!!ここどこのきょーかいだ?」キョロキョロ

神父「ここは、サマンオサの東にある教会じゃ」

魔法使い「サマンオサ…!あの旅の扉のほこらより更に北にあったあの平原にいた老人から聞いたわね」

盗賊「あのへんなじーちゃんか?」

魔法使い「ええ、確か王様がへんげのつえを持ってるとか…」

神父「そのサマンオサの王様が、噂では人変りをしたらしい。勇者サイモンがその旅の扉から追放されたのも、そのためと聞く」

僧侶「王様が人変り…?何だかイヤな予感…」

魔法使い「そうね、もしかしたら危険があるかもしれないけど…神父様、そのサマンオサへ行くには…?」

神父「サマンオサへ行くなら、西の岩山に沿って歩けば、やがてサマンオサへとたどり着けるであろう。気を付けてな」

魔法使い「ありがとうございます。じゃあ二人とも、気を引きしめるわよ」

僧侶「う~、何もないといいけど…」

盗賊「おいしいものはあればいいな!!」

魔法使い「どうかしら、あまり期待出来ないみたいだけど…」


522 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/03(水) 17:42:57 NNeeNy2Y
――サマンオサの城下町

僧侶「外のモンスターつよかったけど、何とかたどり着けたね」

魔法使い「そうね…それにしても、この町…」

盗賊「なんかみんなくらいな。どうしたんだ?」

魔法使い「…もしかしたら、王様の人変りと何か関係が…」

盗賊「あ、なあなあ、あっちにたくさん人がいるぞ!!」

僧侶「あ、ホントだ、どれどれ…あれ、葬列だね…」

盗賊「そーれつ?誰か死んだのか?」

魔法使い「でしょうね。葬列自体は、別に珍しくもないけど…」

僧侶「さっきの神父様に聞いた限りは、もしかしたら王様に関係してるのかもね…」

魔法使い「少し調べるようね。また厄介な事にならなければいいけど…」


523 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/03(水) 18:07:52 NNeeNy2Y
僧侶「ねえ、さっきのお葬式で聞いたんだけどさ、あの亡くなった人、王様の悪口を言っただけで死刑になったんだって。これって、やっぱり…」

魔法使い「王様の人変りが原因でしょうね。ここと、もしかしたらジパングも、上に立つ人が下々を苦しめている…」

僧侶「町には魔王の噂も立ってるみたいだよ。もしかして、王様の人変りも魔王が…」

魔法使い「それはまだ分からないけど…可能性はあるわね」

盗賊「なあなあ、あっちにおしろがあるぞ。行ってみないのか?」

僧侶「どうしよう、魔法使いちゃん?」

魔法使い「一応、行くだけは行ってみましょう。話の通りの王様なら、私達に会ってくれるとも思えないけど…」


524 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/03(水) 19:12:02 qSVUSWf6
兵士「なんだ、お前達は?王様に呼ばれて来たのか?」

魔法使い「いえ、そういうわけでは無いけど…」

兵士「ならば帰れ!!関係のない者を城に入れる訳にはいかん!!」

僧侶「や、やだなあ魔法使いちゃん、あたし達王様に呼ばれてたよ、忘れたの?」

兵士「嘘をつくな!!お前達のような者が呼ばれているとは聞いておらん!!帰れ帰れ!!」

僧侶「このっ…あたしがザラキで…」

魔法使い「よしなさい。帰るわよ」

盗賊「お?おしろにはいらないのか?」

魔法使い「ここまで拒否されたらね…無理やり入っても、ろくな事にならないわ」

僧侶「そっかあ。さすがにお城の人全部を敵に回す訳にはいかないもんね」

盗賊「なんだ、とーぞくはぜんいん食べてもいいぞ!!」

魔法使い「そういうわけにはいかないわよ…とにかく、今日は諦めましょう。さあ、最初の目的を果たしに行くわよ」

僧侶「最初の目的…あっ!!」


525 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/03(水) 19:20:36 qSVUSWf6
盗賊「おおー、ぶきやか!!」キャッキャッ

魔法使い「もともとは、新しい町で装備を調えるのが目的だったからね。どう、僧侶?」

僧侶「うん、品揃えはすごいよ。今までの町で多分一番じゃないかな。ただ…あたし達が装備出来るものは少ないかな…」

魔法使い「そう、残念ね…」

僧侶「とりあえず、盗賊ちゃんにこのパワーナックルを買ってあげればいいんじゃないかな。ね、盗賊ちゃん?」

盗賊「おおー、あたらしいぶきか?」

僧侶「うん、新しい武器で、いっぱいモンスター倒して、いっぱい食べてね!」

盗賊「おー!!とーぞく、いっぱい食べるぞ!!」

魔法使い「まあ、少しでも装備を調えられたからよしとしましょうか。貴方達が転職したら、またお世話になるかもしれないし…」


526 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/03(水) 19:34:11 qSVUSWf6
――89日目、夜、ムオルの宿屋

僧侶「で、結局またムオルに逆戻りかあ…」

魔法使い「しかも1日かかってしまったわ。昨日はロマリアから出発したのだから、時間がかかるのは仕方ないけど…」

盗賊「とーぞくはムオルすきだぞ!!ごはんがおいしいしな!!」

僧侶「うん、ご飯はあたしもおいしいと思うな!!」

魔法使い「それで、明日の事だけど…貴方が前に言った通り、ジパングに行く?」

盗賊「お?なんとかオロチたいじか?」

僧侶「それなんだけどさ魔法使いちゃん、その前に1度アリアハンに戻らない?」

魔法使い「アリアハンに?何かあるの?」

僧侶「うん、あたし達今、30000ゴールド以上持ち歩いてるでしょ?それで、もし万が一の事があったら…」

魔法使い「ああ、お金を預けに行きたいのね?いいわよ、確かに現金を持ち歩き過ぎている気はしてたわ」

僧侶「ありがとう!!じゃあお金を預けて、それからジパングだね!!」

魔法使い「ええ、まだ時間に余裕もあるしね。でも、そんなにお金貯まってたのね。本当は、それで一気に装備を新調出来れば良かったけど…」

僧侶「うん…でも、無いものは仕方ないよ。あたし達は強くなったし、きっとどんな敵にも負けないよ!!ね?」

魔法使い「そうね…」



528 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/04(木) 19:02:39 Fp1uy4.6
――90日目

僧侶「ねえ魔法使いちゃん、確かアリアハンから北に進んだらジパングに着いたよね?」

魔法使い「ええ、そしてそこから更に北に進んでこのムオルね」

僧侶「じゃあさ、ここから更に北に進めば一周してアリアハン?」

魔法使い「………ということになるかしらね」

僧侶「じゃさ、北からアリアハンに行ってみない?どうせアリアハンにいくなら、今までとは違う行き方で行こうよ!」

盗賊「おおー、ちがううみのさちか?」

僧侶「それは分からないけど…」

魔法使い「…まあ、いいんじゃないかしら。ただ…」

僧侶「え?ただ、なに?」

魔法使い「いいえ、何でもないわ。じゃあ北からアリアハンに向かってみる?」

僧侶「うん、行ってみる!…ちゃんと着くかなあ、大丈夫かなあ…」

盗賊「ひさしぶりのアリアハンだな!!ルイーダねえさんげんきかな?」

魔法使い「そうね、ずいぶん久しぶりの気がするわね。まあ、そんなに変わってないでしょうけど…」


529 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/04(木) 19:10:21 Fp1uy4.6
僧侶「ねえ、魔法使いちゃん…」

魔法使い「なに?」

僧侶「ずーっと海ばっかりだね…」

魔法使い「まあそうでしょうね…」

盗賊「おおー!!だいおうイカのまるやきが3つもできたぞ!!」ガツガツ

魔法使い「ふふ、今度はちゃんとベギラゴンで焼いたからね」

僧侶「むー…でも盗賊ちゃんは楽しみがあっていいよね、あたしは退屈だよ…」

魔法使い「一緒にイカ食べれば良いじゃない」

盗賊「お?食べるか?」

僧侶「ううん、いい…あーあ、もう夜になったし…あ!!」

魔法使い「明かりが見えたわね。おそらくアリアハンでしょうね」

僧侶「やっと着いたあ…丸1日かかったね。南から来た方が近かったかな?」

魔法使い「どうかしらね…?まあ、今日中に着いたから良いじゃない。さあ、二人とも支度してね」


530 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/04(木) 19:20:24 Fp1uy4.6
――91日目

魔法使い「さて、お金も預けたし、もうここには用は無いけど…」

盗賊「そーりょがいないぞ?どこ行ったんだ?」

僧侶「ふふん、待たせたねご両人」

盗賊「あ!なんだそーりょ、へんなめがね!!」

僧侶「「ふふん、君には変なメガメにしか見えないだろうね。全く、これだから…おおっと!!」

魔法使い「取れなかった…!素早いわね…」

僧侶「ふふん、このあたしがメガネだけだと?全く、考えが浅いね。あたしには更にこのはやてのリングとパワーベルトまである。素早さでも、力でもあたしからこれらを奪い取ろうなんて…」

魔法使い「仕方ないわね。盗賊、僧侶は置いていきましょう」

盗賊「んー、そうだな、なんかそーりょイヤなヤツになったもんな」

僧侶「ええっ!?ま、待ってよ、冗談だってば!!はい、3つとも渡すから!!」

魔法使い「もう、貴方はすぐ装飾品で図に乗るんだから…」

僧侶「えへへ、つい…」


531 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/04(木) 19:30:05 Fp1uy4.6
――夜、旅人の宿屋

魔法使い「ジパングの近くにちょうどいい宿があって助かったわね」

僧侶「ムオルからだと、遠いって訳でもないけど、ちょっとかかるもんね」

盗賊「ここのやどのごはんもなかなかだな!!」モグモグ

魔法使い「さて、お金も預けたし、準備は出来たわ。明日はいよいよジパングの魔物退治よ。二人とも、覚悟はいいわね?」

僧侶「もっちろん!!…ちょっと恐いけど…」

盗賊「オロチってヘビなんだろ?おいしいかなあ、はやく食べたいぞ!!」

魔法使い「ふふ、盗賊は頼もしいわね。僧侶、見習わなきゃ駄目よ。」

僧侶「だ、大丈夫だよ、怖いは怖いけど、戦闘ではしっかりやるから!!」

魔法使い「ふふ、期待してるわよ。さあ、明日は決戦。今日はもう休むわよ」

僧侶「うん、おやすみ?

盗賊「また明日だぞ!!」


533 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/05(金) 16:04:21 GPXuk4Ls
――92日目、おろちの洞窟

魔法使い「ふう、暑いわね…」

盗賊「よーがんグツグツだぞ!!」

僧侶「魔法使いちゃん、ぬいぐるみだもんね、暑そう…」

魔法使い「全く、いつになったら魔法使いらしい服を着られるのかしらね…それはそうと、ここはあまり魔物が多くないわね」

僧侶「そんなに強くもないしね…あ、見てみて、宝箱があるよ!!」

盗賊「ホントだ、開けるぞ!!」ガチャッ

魔法使い「もう、また確認もしないで…」

なんと はんにゃのめんを手に入れた!!

盗賊「なんだこれ?へんなおめん~」

僧侶「!!待って盗賊ちゃん、それ被っちゃダメ!!」

盗賊「えー、なんでだ?」

魔法使い「見るからに怪しいじゃない…さて、この階はもう何もないわね。下に下りてみましょう」


534 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/05(金) 16:21:18 GPXuk4Ls
盗賊「ちか2かいに下りたら、なんかへんなにおいがするな」

魔法使い「ええ…この臭いの正体は…この祭壇ね」

僧侶「こ、これ…人の骨!?こんなにたくさんの人の骨が散らばって…」

魔法使い「ここが生け贄の祭壇…おろちに生け贄を捧げる場所みたいね」

僧侶「ま、魔法使いちゃん、あたし怖いよ…人をこんなに食べるおろちもだけど、ここに置き去りにされて、おろちが来るまで待ってる、そんな女の子達の気持ちを考えると…」

魔法使い「そうね…」

盗賊「おおー!!やっぱりおろちはニンゲン食べほうだいなんだな!!とーぞくも、うまれかわったらおろちになりたいぞ!!」

僧侶「え、ええ!?」

魔法使い「そうねえ、そうしたら生まれ変わって盗賊になった子におろちの焼き肉にされて食べられてしまうわね」

盗賊「う~、じゃあおろち食べてどっちがおいしいかかんがえてからどっちになるかきめるぞ…」

魔法使い「ええ、きっとおろちの方が美味しいわよ」ニッコリ

僧侶「盗賊ちゃんといると、あたしの感覚の方が変なのかとおもっちゃうよ…」

魔法使い「それはないから安心しなさい。それより、こんなものがあるって事は、ついにおろちが近くにいるって事よ。二人とも、気を引き締めてね!」


535 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/05(金) 17:41:17 DR.6YgWk
盗賊「お、なあなあ、おくにでかいのがいるぞ!!あれがおろちか?」

魔法使い「多分ね…大きいわね…」

僧侶「あ、あれと戦うんだ…てゆうかさ、あれってヘビじゃなくてもうドラゴンじゃない?」

盗賊「おお、ドラゴンならおいしそうだな!!あのスカイドラゴンとかいうのとどっちがおいしいかな?」

魔法使い「どうかしらね…?こっちの方が、肉厚で量は多そうだけど…」

僧侶「二人ともよくあんなのを目の前にして平気でいられるね…」

魔法使い「あら、やっぱり怖い?」

僧侶「実物を見ると、やっぱり…でも今、心の準備をしてるから、ゆっくり近づいて…」

盗賊「おいおろち、食べていいか?」

僧侶「え、ええ!?いきなり目の前に…!?」

魔法使い「どうせやることは一緒よ!さあ行くわよ!!」


536 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/05(金) 17:53:56 xKb9zOgo
やまたのおろちがあらわれた!!

僧侶「うわあ、近くで見ると、やっぱり大きい…」

盗賊「おおー!!ちかくでみるともっとおいしそうだぞ!!」

僧侶「ええ~…」

魔法使い「ほら、戦いに集中する!まずは…スクルト!!」ニュイーン

僧侶「えっと、あたしは…大いなる神よ、日照りの日も吹雪の日も我ら人の子を御守り下さい…フバーハ!!」ミニョーン

盗賊「おおー、バリアが2つ!!」キャッキャッ

魔法使い「これで少しは安心ね、思いっきり暴れて…」

やまたのおろちのこうげき!!

僧侶「!!ま、魔法使いちゃん、平気!?」

魔法使い「…ええ、大丈夫…よ…」

僧侶「ど、どうしたの!?やっぱり効いたの!?」

魔法使い「…いえ、逆よ。あまりに効かなかったから、ビックリして…」

盗賊「まほーつかい、じょーぶだな!!」

魔法使い「もちろん、呪文のおかげもあるけど…確信したわ、私達なら倒せる。さあ、やるわよ!!」


537 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/05(金) 18:09:42 xKb9zOgo
僧侶「よし、じゃああたしも攻撃するよ!!ていっ!!」ドゴッ

魔法使い「呪詛に潜みし力の主よ、我が友に溢れんばかりの祝福を!!バイキルト!!」ミュウウー

盗賊「おお!?すごいちからだぞ!!それー!!」バキッ

魔法使い「僧侶、貴方もよ!!バイキルト!!」ミュウウー

僧侶「すごいすごい!!もう目一杯殴っちゃうよー!!」ドガン

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!!

盗賊「あちち、あついぞ!!」

僧侶「ひゃー!!フバーハしてても、これは熱いよ…」

魔法使い「いくらバイキルトしたからって、攻撃に熱中しちゃ駄目よ!貴方は回復が一番の仕事なんだから!!」

僧侶「わ、分かってる!!魔法使いちゃん、ベホイミ!!」パアア…

魔法使い「ありがとう――空と海と大地を巡る水よ、冷たき姫君の手によって氷となれ!!汝、白き暴君よ、我が敵に凍てつく永遠を!!マヒャド!!」ドドドドド…!!

盗賊「おお!?れーとーにくになるぞ!!」

魔法使い「攻撃は私でも出来るわ!!僧侶、貴方は手が空いた時だけ攻撃すればいいからね!!」

僧侶「う、うん。相変わらずすごい魔法…」


538 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/05(金) 18:18:20 xKb9zOgo
盗賊「このー!!とりゃー!!」ドカバキッ

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!!

僧侶「あちち…まだ倒れないの!?」

魔法使い「そう簡単には行かないでしょうね。僧侶、盗賊を回復して!」

僧侶「オッケー!!大いなる神よ、傷つき疲れた貴方の戦士に今再び力を!!ベホマ!!」パアアアア…!

盗賊「おおー!!ケガなおったぞ!!」ピョンピョン

魔法使い「さあ、もう一息よ!マヒャド!!」ドドドドド…!!

盗賊「いくぞいくぞ!!そーれっ!!」ドガッ

僧侶「もひとつ、そーれっ!!」ドガン

魔法使い「いい調子よ!!私も…」

僧侶「待って、魔法使いちゃん、おろちが!!」

グラッ ドシーン…!

やまたのおろちをやっつけた!!


539 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/05(金) 18:25:28 xKb9zOgo
魔法使い「倒した、わね…」

盗賊「よし!!食べるぞー!!」

僧侶「ま、待って!おろちが…」

魔法使い「…立ち上がった?この傷で…!」

盗賊「ああ、逃げちゃうぞ!!」ニュイーン

僧侶「に、逃げられた!?これ、旅の扉!?」

魔法使い「即席で旅の扉を作ったのかしら…?流石に並みの魔物ではないわね」

盗賊「まて、食べさせろー!!」ニュイーン

僧侶「と、盗賊ちゃん!?追っかけて旅の扉に入っちゃったよ!!」

魔法使い「もう、しょうがないわね!いいわ、どうせ私達も行くしかないもの。この旅の扉がいつまであるかも分からないし…僧侶、行くわよ!」ニュイーン

僧侶「う、うん!!…もうあれ以上のモンスターがいませんように…」ニュイーン



541 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/06(土) 17:38:42 .nLjc9UU
盗賊「おお?ここどこだ?」

魔法使い「ここ…ジパングの…」

僧侶「あ、ねえ魔法使いちゃん、あの人すごいケガ!!」

近習「なんだあんた達は!?今ヒミコ様が大ケガをして帰ってきて大変なんだ、出てってくれ!!」

魔法使い「このタイミングであの怪我、やっぱりこの人が…!」

(…この事は…)

僧侶「!?頭の中に、声が…!?」

(この事はそなた達しか知らない事じゃ。黙っておれば、悪いようにはせぬ。分かったな?)

魔法使い「そう、ね…あちらも手傷を負っているけど、こちらにも消耗があるわ。ここは…」

僧侶「何言ってるの?あんたみたいなの、見逃すわけないじゃない!!」

盗賊「そーだそーだ!!はやく食べさせろ!!」

魔法使い「え?ちょっと、二人とも…」

ヒミコ「ならば生きては帰さぬわ!!」ガオー

やまたのおろちがあらわれた!!

魔法使い「ああ、もうっ!!」


542 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/06(土) 17:40:45 .nLjc9UU
僧侶「あれ?魔法使いちゃん、何怒ってるの?」

魔法使い「…何でもないわ。さあ、やるわよ!!戦法はさっきと同じ、さっきも勝てたんだから、今回も倒せるはずよ!!」


543 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/06(土) 17:49:10 .nLjc9UU
僧侶「分かってる!!まずは…フバーハ!!」ミニョーン

魔法使い「そして私がスクルトを唱えて…バイキルト!!」ニュイーン

盗賊「よっしゃー!!やるぞー!!」ドガン

やまたのおろちのこうげき!!やまたのおろちのこうげき!!

僧侶「痛いっ!!あっちも死に物狂いだね!」

魔法使い「当然よ、負けた方が焼き肉なんだから!」

盗賊「おお!?やきにくやきにく!!」ドカバキッ

僧侶「盗賊ちゃんが元気になった!!あたしも…」

やまたのおろちのこうげき!!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!!

僧侶「あちち、火はやっぱり熱いよ!!」

魔法使い「僧侶、さっき自分で相手は死に物狂いだって言ってたでしょ!?もう少し回復に気を配って!」

僧侶「ごめんごめん、盗賊ちゃん、ベホイミ!!」パアア…

盗賊「おう、げんきはつらーつ!!」ドガッ

魔法使い「それでいいわ。体力にさえ気を付けていれば、負ける相手じゃないはず。気を抜かないでね!」


544 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/06(土) 20:37:43 hjK7e/02
やまたのおろちはひのいきをはいた!!

盗賊「お?あんまりあつくないぞ!!」

魔法使い「弱ってきてるのかも…もうひと踏ん張りよ!マヒャド」ドドドドド…

僧侶「もうちょっと、もうちょっと…それっ!!」ドガッ

盗賊「もうふらふらだな!!はやくおにくに…なれっ!!」ドガン

魔法使い「!!効いたみたいね…二人とも離れて!!倒れるわ!!」

ズウウウ…ン…!

やまたのおろちをやっつけた!!

僧侶「やった、やったね魔法使いちゃん、盗賊ちゃん!!」

盗賊「やきにくだー!!」キャッキャッ

近習「そんな、まさか…ヒミコ様がおろちだったなんて…み、皆の衆!!おろちが、おろちがー!!」ダダダ…

魔法使い「…きっとこれからが大変ね、この国は…」


545 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/06(土) 20:47:52 hjK7e/02
――93日目

盗賊「おーい、あさだぞ、おきろー!!」バンバンバン

魔法使い「う…ん…」ムニャムニャ

盗賊「おきろ、おきろ、おーきーろー!!」バンバンバンバンバン

魔法使い「…分かったわよ…昨日遅くまで騒いだのに、元気ね…」

僧侶「はは、か昨日は結局国を挙げてのおろち焼き肉パーティーだったね」

魔法使い「船に乗せきれないくらい肉があったからね…火力係は大変だったわよ…」

僧侶「お疲れさま。でも、おろちの皮を剥いでた盗賊ちゃんも大変そうだったよ」

魔法使い「そうしないと火が通らなかったからね…でもまあ、美味しかったからいいわ」

盗賊「お、まほーつかい、おきたか?おろちは食べおわったし、つぎだつぎ、もっとたくさんのおにくを食べにいくぞ!!」

僧侶「あれ?盗賊ちゃん、その手に持ってるの、何?」

盗賊「これか?おろちからぬすんだんだ、いーだろ!!そーびできないけどな!!」

僧侶「見るからに凄そうな剣だね…ちゃっかり盗賊の仕事もしてたんだ…」


546 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/06(土) 20:59:38 hjK7e/02
魔法使い「さて、盗賊が満足したならここに用はないわね、そろそろ…」

???「お待ちください!!」

僧侶「え?誰?」

少女「あの…私、次におろちの生け贄になるはずだった者です。皆さんのお陰で、こうして無事でいられました。ありがとうございました!!」ペコリ

魔法使い「ああ、貴方が…良かったわね」

僧侶「あたし達は当然の事をしただけだよ、ねっ?…盗賊ちゃん?」

盗賊「ふーん、ねーさんがつぎのおろちのごはんだったのか。たしかにおいしそうだな」ジュルリ

少女「え?え!?」

魔法使い「こら、おどかさないの!ごめんなさい、この子は冗談ばっかり…」

盗賊「じょーだんじゃないぞ!!ならいますぐねーさんを食べ…フガッ」モゴモゴ

僧侶「冗談です!!冗談ですから!!さ、魔法使いちゃん、そろそろ行こ?」

少女「ま、待って下さい!国のみんなから、これを渡すようにと…」

なんと パープルオーブを手に入れた!!

魔法使い「これは…」

少女「ヒミコ様が…いえ、おろちがもっていたものです。私達にはこれが何なのか全く分かりませんが、皆さんのお役に立つのではと…」


547 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/06(土) 21:14:07 hjK7e/02
魔法使い「思わぬ物が手に入ったわね。オーブ、か…」

僧侶「わー、きれいな珠だねー…」ウットリ

盗賊「なーんだ、食べれないのかー」

魔法使い「何でも食べようとしないの。それより僧侶、前にポルトガの灯台で聞いたオーブの話、覚えてる?」

僧侶「え?えーと、確かオーブを6つ集めると、船が要らなくなるとか…あ、あ、もしかして、オーブってこのオーブ!?」

魔法使い「多分ね…もしかしたら、私達はこれを集めるべきなのかもしれないわね…」

僧侶「船が要らなくなるって、どういう事だろうね?船より凄い乗り物が手に入るのかな?」

魔法使い「どうかしら、船より優れた乗り物なんて、想像もつかないけど…でも、もしそうなら、その乗り物に乗って、船でさえ行けない場所に行けるようになる…?」

僧侶「す、凄い…そんな乗り物があったら…」

盗賊「このせかいのぜんぶのたべものが食べれるな!!」

僧侶「え~、ロマンがない…」

魔法使い「でも実際、盗賊の言う通りになるかもね。じゃあ、私達の次の目標は、オーブ探し。これでいいかしら?」

僧侶「うん!!すっごく楽しそう!!ね、盗賊ちゃん?」

盗賊「おー!!ぜんぶ食べるぞー!!」

魔法使い「ふふ、決まりね。オーブはあと5つ、早く集めたいわね…」


548 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/06(土) 21:23:21 hjK7e/02
僧侶「そうだ、魔法使いちゃん、あのさ、あたし達、おろちを倒したら転職するって言ってたけどさ…」

魔法使い「何?やっぱり僧侶のままがいいの?」

僧侶「ううん、そうじゃなくて、あともうちょっとだけレベル上げてから転職したいんだ。良いかな?」

魔法使い「いいも悪いも、自分の事ですもの、好きにしたらいいわ。じゃあちょっとこの辺で魔物退治していく?」

僧侶「うん、お願い。盗賊ちゃんも、いい?」

盗賊「ここのくまにくはおいしいからな、いいぞ!!」

魔法使い「じゃあそうしましょうか。それにしても…ふふふ…」

僧侶「な、何?」

魔法使い「やっぱり貴方は僧侶より商人が似合うわ。ニフリャミュ!!とか言っちゃう僧侶はちょっとね…ふふふ…」

僧侶「あ、あれは…魔法使いちゃんがおどかすから…!」

魔法使い「はいはい、じゃあ残り少ない僧侶の修行、頑張ってね」

僧侶「あ~、なんかバカにしてる!!あたしだって、好きであんな…」


549 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/06(土) 21:30:04 hjK7e/02
――僧侶はレベルがあがった!!

僧侶「うん!これでオッケー!!へっへー、魔法使いちゃん、あたしついに覚えたよ、ベホマラー!!」

魔法使い「全員を1度に回復出来る呪文ね?これでかなり楽になるわね」

盗賊「おー、なんだかすごいな!!」

僧侶「そうだよ!!あーあ、これ覚えてたら、おろちももっと楽に戦えたんだろうなー…」

魔法使い「それは仕方ないわ。私だって、もう少し早く鍵あけの呪文を覚えてたら、もっと早く色んな場所に行けてたし…」

僧侶「あー、魔法使いちゃんはさいごのかぎ見つけた次の日にアバカム覚えたんだっけ…」


550 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/06(土) 21:37:46 hjK7e/02
魔法使い「そうよ。だからそういうのは気にするだけ無駄よ。それに、おろちには勝てたんだし、今までは必要なかったって事よ、きっと」

僧侶「そっかあ、そうかもね…じゃあ切り替えて!ついにあたし、商人に戻る時が来たよ!!」

盗賊「とーぞくは、とーぞくじゃなくてけんじゃになるぞ!!」

魔法使い「あら、ちゃんと覚えてたのね。二人ともレベル1に戻るし、またゆっくり船旅しながらオーブ探しでもしましょうか」

僧侶「あ、それいい!まだ知らない町もあるかもしれないし!」

盗賊「まだ食べたことない食べ物もあるかもしれないな!!」

魔法使い「そうね、まだ私達の知らない世界の顔があるかもしれない。楽しみね。さあ、まずはダーマへ行きましょう。準備はいいわね?」

僧侶「うん!!さらばジパング!!」

盗賊「さらばだー!!」


552 : >>551「マヒャド!!」 :2014/12/06(土) 23:42:29 sAIrJi6c
――94日目

商人「んー、1ヶ月ぶりに商人復帰!!あたしやっぱり商人がいい!!」

魔法使い「だから昨日私もそう言ったじゃない」

商人「だからあれはバカにしてただけじゃない!!」

魔法使い「はいはい、それより今は元通りの貴方よりも…」

賢者「おー、服もきがえるのか!!なんかスースーするな!!」キャッキャッ

商人「大丈夫なのかな、こんな子が賢者で…」

魔法使い「大丈夫よ、むしろ小さいうちから色々覚えた方がいいわ」

商人「そういう話も聞くけど…」

賢者「なあなあ、これでじぶんでやきにくがやけるんだな?」

魔法使い「ええ、これから貴方はたくさん呪文を覚えるわ。そうしたら焼き肉も冷凍も自由自在よ」

賢者「おおー!!たのしみだなー!!」キャッキャッ

商人「…せっかくの賢者が、さとりのしょが焼き肉のために使われるなんて…」

魔法使い「何言ってるの、他にも色々覚えるでしょ。それより、今日は神官に報告するようだから、貴方達はもう休みなさい。転職したばかりで、色々やることもあるでしょうから…」


554 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 09:59:47 OFZHu6jc
――95日目

商人「さあさあ、今日から商人復帰冒険者生活の第一歩だよ!魔法使いちゃん、どこに行くの?」

魔法使い「前に言った通り、オーブ探しをしたい所だけど、これといった情報はないわね。ただ、いくつか気になる場所はあるわ」

商人「へー、どこどこ?」

賢者「どこどこ?」

魔法使い「そうねえ…とりあえず、一番近い所から行ってみる?ほら、入り口で引き返したアープの塔ってあったでしょう?」

商人「え?えーと…あ、あの近くでしあわせのくつを掘り当てた所!」

賢者「おおー、けんじゃもいったことあるぞ!!」

魔法使い「ああいうどこからも情報が出てこない、忘れられた場所には、きっと何かあると思うの。どうかしら?」

商人「うん、いいんじゃないかな。あそこ、いつか行ってみたいと思ってたし」

賢者「けんじゃはどこでもいいぞ!!」

魔法使い「決まりね。じゃあまずはアープの塔に行きましょう」


555 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 10:12:50 OFZHu6jc
――アープの塔

商人「ねえ、魔法使いちゃん…ここのモンスター、ちょっと強くない?」

魔法使い「いえ、そこまででもないと思うけど…貴方達が転職直後だという事を少し軽く見ていたかもしれないわね…」

賢者「あのよろいのモンスターじゃ食べれないぞ!!おなかへったー!!くーふくだー!!」

魔法使い「…仕方ないわ、ここは後回しね。他を当たりましょう」

商人「他?そういえば他にも気になる場所があるって言ってたっけ。どこなの?」

賢者「ごはんがおいしいところか?」

魔法使い「そうねえ…まあ、行けば分かるわよ」

商人「?なんか歯切れ悪いよ魔法使いちゃん」

魔法使い「…ええ、まあ、とりあえず塔から出ましょう…準備いいわね?ルーラ!!」バヒューンバヒューン


556 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 10:25:21 OFZHu6jc
――96日目、ポルトガ

商人「っと、ここは…ポルトガ?ここにオーブがあるの?」

魔法使い「いえ、ここではないわ。ここから船に乗るの。さあ、二人とも行くわよ」

商人「う、うん…」

賢者「けんじゃはここへんはじめてだぞ!!」

魔法使い「そう?私達とは初めてでしょうけど、貴方が前にいたシャンパーニの塔からそう離れてないのよ」

賢者「そうなのか?へ~」キョロキョロ

商人「あ、あのさ魔法使いちゃん、この船、南に向かってるよね?」

魔法使い「…ええ、そうよ」

商人「も、もしかして、今から行く場所って…!」

魔法使い「…ええ、テドンよ」

商人「やっぱり!!だから魔法使いちゃん、行き先ハッキリ言わなかったんだ!!」

魔法使い「…まあ、怖がるかなーと思ってね…」

商人「そ、そりゃあこ怖いけど、ああたしもぼ冒険者だから、そそそそんなに怯えびえててばっかりじじゃないよよ?」

魔法使い「…ええ、まあ、無理しないでね…」


557 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 10:38:28 OFZHu6jc
――夜、テドンの村

商人「よ、夜かあ…良かった、そういえば最初にポルトガからテドンに来たときも夜だったっけ…」

賢者「なんかぼろいむらだな。ごはんもおいしくなさそうだぞ…」

魔法使い「さあ、私達の目的は村の奥よ。行きましょう」

商人「奥って…ここ、牢屋!?」

魔法使い「二人は看守の気を引いてて。私が中に入るわ」

商人「わ、分かった。ねえ~ん、看守さぁ~ん」クネクネ

賢者「さぁ~ん」クネクネ

看守「…なんだ、気色悪いな…」

商人「あー!!気色悪いってなによ!!あたしだって…!!」ギャーギャー

魔法使い「…まあ、上手くやってるのかしらね…じゃあ失礼して…」ガチャリ

囚人「ああ、やっと会えた!!貴方のような勇者にこれを渡したかったのです!」

なんと グリーンオーブを手に入れた!!

魔法使い「これは…ありがとう。でも…」

囚人「ここからはるか南、レイアムランドのほこらにある祭壇に、6つのオーブを捧げて下さい。貴方方ならきっと…お願いします!!」


558 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 10:46:49 OFZHu6jc
商人「わー、オーブ手に入ったんだ!!今度は緑色なんだね!!これもキレイ…」

魔法使い「じゃあ、どうしようかしら?ここで一晩泊まってく」

商人「え?やだやだ、こんな、ほろ…えっと、も、もう少し先に行ってみようよ、ほら、新しい行き先聞いたんでしょ?」

魔法使い「ええ、ここから南、レイアムランドという所ね。そこの祭壇に…」

商人「じゃあじゃあ今すぐそこに行こ?良いでしょ?ね、ね?」グイグイ

魔法使い「賢者はどうしたい?やっぱりお腹すいたわよね?」

賢者「うーん、そうだな~…」

商人「減ってない減ってない!!賢者ちゃん、レイアムランドにはきっとおいしいお肉があるよ?早く行こ、ね、ね?」

賢者「おおー、ならはやくいきたいぞ!!」

商人「よし決まり!!さあレイアムランドにしゅっぱーつ!!」

魔法使い「…よっぽどここに泊まりたくないのね。まあ無理もないけど…」


559 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 11:02:50 OFZHu6jc
――97日目

商人「うーん、船から見る朝日、まぶしー!!」

賢者「ん…ひつじ…おいしい…」コックリ

魔法使い「テドンの周りに羊がいて良かったわね。賢者も満足してくれたわ」

商人「おかげで静かだったもんね。良かった…」

魔法使い「全く、貴方がおいしいお肉があるなんて騙すから…」

商人「ま、まあいいじゃん、レイアムランドではないけど、お肉は手に入ったし…あ、魔法使いちゃん、ほらほら、陸が見える!!」

魔法使い「本当ね。あれがレイアムランドかしら…?」

商人「結構大きそうな島だね…賢者ちゃん、起きて!上陸するよ!!」

賢者「お?おいしい肉だな?」パッチリ

商人「え、ええっと、それは…」

魔法使い「ほら商人、ちゃんと責任取るのよ。さ、行きましょう」

賢者「おー!!」

商人「ま、待ってよ…!ど、どうしよう…」


560 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 11:17:20 OFZHu6jc
賢者「おおー、寒いなー!!」

魔法使い「そうね、私はぬいぐるみ着てるから良いけど…」

商人「うう…お肉…お肉…」

賢者「お?しょーにんもはらぺこか?はやくやきにく食べたいな!!」

商人「そ、そうだね…あ、ああ!!」

スノードラゴンがあらわれた!!

魔法使い「良かったわね、お肉よ」

賢者「おおー!!すごくおいしそうだぞ!!」

商人「よ、良かった~…ってドラゴン!?」

魔法使い「大丈夫よ、メラミ!!」ゴオッ

賢者「おおー、やきにく!!それっ!!」ザシュッ

スノードラゴンをやっつけた!!

賢者「よーし、やきにくだー!!」

商人「はは、良かった…」ホッ


561 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 11:49:47 OFZHu6jc
――レイアムランドのほこら

魔法使い「ここは少し暖かいわね…」

賢者「お?ながいはしごだー!!」

商人「これ上るんだ…大変だな…」

魔法使い「肉体労働は苦手だけど…仕方ないわね…」ギシッ

賢者「よいしょ、よいしょ…ついたー!!」

商人「ふう、疲れた…あれ?誰かいる…」

???「私達は」

???「私達は」

商人「わ!?双子!?」

賢者「けんじゃより小さいな!」

???「卵を守っています」

???「卵を守っています」

魔法使い「不思議な二人ね…この祭壇を守る…巫女?」


562 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 11:57:56 OFZHu6jc
巫女A「世界中に散らばる6つのオーブを祭壇に捧げた時…」

巫女B「伝説の不死鳥ラーミアは蘇りましょう」

魔法使い「魔法使い伝説の…不死鳥?」

賢者「ふしちょう?」

商人「死なない鳥の事よ。見たことないけど…」

賢者「しなない?いくら食べてもへらないのか?」

商人「た、食べれるのかなあ…?」

魔法使い「なんでも食べようとしないの。それより、せっかくここまで来たもの、オーブを捧げてみましょう。まずは、パープルオーブを…」ボッ

商人「あ、祭壇に火が点いた!」

魔法使い「次はグリーンオーブね…」ボッ

賢者「おおー、すごいすごい!!」

魔法使い「これで2つ…残り4つか…先は長そうね…」


563 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 12:07:36 OFZHu6jc
魔法使い「さて、次に行きたい所だけど、流石にダーマを出てから宿に泊まってないから疲れたわね…テドンに戻る?」

商人「や、やだよ絶対!!こういう時こそあたしが大声で宿屋さん呼ぶから!!」

魔法使い「本当に呼べるの?頼むわよ」

商人「あー、信用してない!!見ててよ、絶対宿屋さん呼ぶから…すみませーん、誰かー!!」ダレカー…

武器屋「おまたせ、武器屋だ」

賢者「あー、はずれだー!」

魔法使い「待って、悪くないわ…ね、商人?」

商人「うん、あたし武器買いたい!!このゾンビキラー下さい!!…あ、お金足りない…」

魔法使い「貴方さっきあなほりで何か見つけてなかった?それを売れば…」

商人「あ、そうだ!このみかわしのふく売ります!!今掘ったばっかりで、ちょっと汚れて、あとちょっと凍ってるけど…」

武器屋「…あー、まあいいぜ、みかわしのふくには違いないからな」

商人「やったー!!おじさん、すてき!!」


564 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 12:14:49 OFZHu6jc
魔法使い「武器が手に入ったのは良いけど、もちろん本当の目的は忘れてないわよね?」

商人「もちろん!!次は宿屋さん呼んで見せるから!!」

賢者「やどやよんだらごはんだな!!たのんだぞ!!」

商人「任せて!!すみませーん、誰かー!!」ダレカー…

宿屋「お待たせしました、宿屋です」

商人「やった!!来た!!あたしすごい!!優勝!!」

賢者「おおー、すごいすごい!!」キャッキャッ

魔法使い「良かったわね、おめでとう」

商人「ふ、二人ともありがとう!!やったよ!!あたしやったよ!!」

宿屋「…えーと、ご利用ですよね…?」

商人「あ!す、すみません、1泊お願いします…」

魔法使い「ついはしゃいでしまったわね。でもやっと休めるわね…」

賢者「ごはんだー!!」


567 : >>566間違えだよザキ! :2014/12/07(日) 14:29:07 yCoEGhMA
――98日目

魔法使い「こんな氷の世界で宿屋に泊まれるなんて、すごいわね。ついつい寝過ぎたわ…」

賢者「もうつぎのひのよるだぞ!!」

商人「うわあ、ホントだ…あ、宿屋さん、ありがとうございました!!」

宿屋「それではお気をつけて」

商人「はい!宿屋さんも気を付けて!!」

宿屋「ありがとうございます。失礼します」シュタタタタ…

魔法使い「…行ったわね。すごい人ね…」

商人「この世界で旅をしてるのはあたし達だけじゃない。あたし達も頑張ろう!!」

賢者「なあなあ、つぎはどこにいくんだ?」

魔法使い「次?そうね、ここから近いし、ランシールに行きましょうか」

商人「あ、あのカギの掛かった神殿!!」

魔法使い「ええ、さいごのかぎも手に入ったし、きっとあの神殿にも入れるわ」

商人「そだね、あそこにはきっと何かあるよね。うん、行ってみよう!!」


568 : >>566間違えだよザキ! :2014/12/07(日) 14:38:08 IPTQWMKg
――99日目、ランシール

賢者「へー、ちいさなまち!!」キョロキョロ

商人「神殿は大きいんだよ賢者ちゃん!」

魔法使い「さて、その神殿に行ってみましょうか…ここね」

商人「じゃあ開けてみるね…よっと」ガチャリ

賢者「お、あいたあいた!!」

商人「あ、神官さんがいるよ!こんにちはー!!」

神官「おお、よくぞ来た。ここに来たということは、たった一人で戦う覚悟がおありだな?」

商人「え?一人で?」

賢者「いっしょにいけないのか?」

魔法使い「困ったわね…いいわ、私が行ってみる」

商人「ええ!?危ないよ!!」

魔法使い「大丈夫よ、危険だと思ったら引き返すから。それでいいですよね?」

神官「では、わしについて参れ!」


569 : うっかりザキ2発 :2014/12/07(日) 14:43:34 IPTQWMKg
商人「し、心配だよ魔法使いちゃん…無事に帰って来てね!」

魔法使い「大丈夫よ、本当に無理はしないから」

賢者「きをつけろよー!!」

魔法使い「ありがとう。行ってくるわ」

神官「では、行け、魔法使いよ!!」

魔法使い「ええ、お願いします」

商人「…行っちゃった。大丈夫かなあ、モンスター強くないかな…?」

賢者「だいじょーぶだぞまほーつかいならきっとだいじょーぶだぞ、かきっと…」

商人「そ、そうだよね…頑張れ、魔法使いちゃん!!」


570 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 14:53:01 IPTQWMKg
――地球のへそ、地下1階

魔法使い「…いつも仲間といるから、いざ一人になると心細いものね…」

マミーがあらわれた!!

魔法使い「…あまりいい思い出のない魔物ね。ヒャダルコ!!」ピキキキーン

マミーをたおした!!マミーをたおした!!マミーをたおした!!

魔法使い「…流石に今この魔物に苦戦はしないわね。さて…宝箱ね。インパス!!…青か、じゃあ開けて…」

248ゴールドを手に入れた!!

魔法使い「お金か…良い装備が欲しいけど、なかなか都合よくはいかないか…」

メタルスライムがあらわれた!!アントベアがあらわれた!!

魔法使い「出たわね!ドラゴラム!!」グググゴゴゴメキメキメキ…!

メタルスライムのこうげき!!アントベアのこうげき!!アントベアのこうげき!!アントベアのこうげき!!

魔法使いはもえさかるかえんをはいた!!メタルスライムをたおした!!アントベアをたおした!!アントベアをたおした!!アントベアをたおした!!アントベアをたおした!!


571 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 14:59:58 IPTQWMKg
商人「…遅いなあ、魔法使いちゃん…大丈夫かなあ…」

賢者「うー、おなかへったー…」

商人「賢者ちゃん、先に宿に戻ってていいよ。あたしが魔法使いちゃんを待ってるから」

賢者「うー…いい、けんじゃもまってる…」

商人「そっかあ、じゃあ二人で待ってよっか…あ、魔法使いちゃん!!帰ってきてくれたのね!!」

賢者「おおー!!まほーつかい、おかえりだぞ!!」

魔法使い「ただいま。待ってなくても良かったのに…」

神官「よくぞ戻った!一人で寂しくはなかったか?」

魔法使い「…正直、心細かったわね。呪文を使う間、フォローしてくれる人もいないし…」

神官「では、お前は勇敢だったか?いや、それはお前が一番分かっているであろう。では、行くがよい」


572 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 18:47:58 W.FObQ7s
商人「え、じゃあ洞窟最後まで行かなかったんだ?」

魔法使い「ええ、途中までよ。どうも、魔法使いというのは一人旅には向いてないみたい。魔物を倒す度に魔力を使うし、回復呪文もないし…仲間のありがたさが見に染みたわ」

商人「そうでしょうそうでしょう。で、ここはもう諦めるの?」

魔法使い「何言ってるの、貴方達がいるじゃない。回復呪文が使えて、魔力を使わずに魔物が倒せる…」

商人「え、ええ!?あたしは、ちょっと…」

賢者「おおー、じゃあけんじゃがやるぞ!!」

商人「ええ!?大丈夫なの、賢者ちゃん!?」

賢者「おおー、やってやるぞ!!」

魔法使い「分かったわ。じゃあ賢者、貴方から行ってもらうわね。まずはまっすぐ行って、それから…途中に残してある宝箱は危険で…」

賢者「うんうん、分かったぞ!!」

商人「…まずは?もしかして、あたしもやっぱり行かなきゃいけないのかなあ…」


573 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 19:31:28 HJgiGvls
賢者「よーし、じゃあ行ってくるぞ!!」

魔法使い「行ってらっしゃい、気を付けてね」

商人「無理しないでね?回復ちゃんとするんだよ?」

賢者「わかってるぞ、じゃあな!!」タタタ…

魔法使い「怖いもの知らずね。頼もしいけど、不安もあるわね…」

商人「やっぱり心配だよ…賢者ちゃん、大丈夫だよね?」

魔法使い「無理さえしなければね。あの子はもうリレミトも使えるし、そろそろベホイミだって…」

商人「そっか、じゃあ大丈夫かな…でも…」

魔法使い「心配なのは分かるけど、あの子は私よりずっと時間がかかるはずよ、心配しっぱなしじゃあ持たないわ」

商人「ええ!?なんでそんなに時間かかるの!?」

魔法使い「なんでって、それは…」


574 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 19:40:05 HJgiGvls
賢者「おー、ひつじだひつじだ、おいしそうだぞ!!」ドカバキッ

――まもののむれをやっつけた!!

賢者「よし、おにくだ!!んー、でもさっきのさるも食べおわってないし、こまったぞ…」

「引き返せ!!」「引き返した方が良いぞ!!」

賢者「んー、やっぱりさいしょにたおしたやつからたべるぞ!!まずはかわをはいで…」

「引き返せ!!」「引き返せ!!」

賢者「んー、さっきからうるさいぞ…で、ないぞうをとって…」テキパキ

かえんムカデがあらわれた!!

賢者「おお!?またあたらしいにくだ、食べきれるかなー?」キャッキャッ


575 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/07(日) 19:50:45 HJgiGvls
商人「ホントに遅いね…夜になっちゃったよ…」

魔法使い「そうね、あの子の事だから、無事だとは思うけど…」

賢者「おーい、かえったぞー!!」

商人「おかえり!!遅いから心配したよ!!」

賢者「んー、ずっとあるいたからつかれたぞ!!」

魔法使い「貴方、リレミト使わなかったの!?脱出用の呪文…」

賢者「お?ああ、忘れてたぞ、キャハハ!!」

魔法使い「…あきれた」

商人「そ、それにしても、たくさんお肉持ってきたね…ってぎゃー!!ムカデ!!」

賢者「へへへ、ムカデにさるにひつじに…ああ、ちっちゃいアクマにキノコもあるぞ!!」

魔法使い「うん、その辺は捨てましょうね?流石にマタンゴは危ないわ…」

賢者「えー…まあいいか、他にもにくはたくさんあるし…あ、あとこれ、おみやげだぞ!!」

なんと ブルーオーブを手に入れた!!

商人「こ、これ…!!賢者ちゃん、これすごいよ!!」

魔法使い「驚いたわね…でもお手柄だわ。これでオーブは半分集まったわね、この調子なら、いずれ…」


578 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/08(月) 16:30:11 g6cv1Xiw
魔法使い「それで洞窟はどうだったの?」

賢者「えっとな、かいだん下りたらひろいへやがあって、それから…あ、これもおみやげだぞ!!」

なんと だいちのよろいを手に入れた!!

商人「こ、これもすごい鎧…!あたし達じゃ装備出来ないのが残念だけど…」

賢者「それで…もっと下までおりて…わかれみちをきたに…」

魔法使い「なるほど…頑張ったわね」

商人「でも、オーブとこの鎧を見つけたなら、もうこの洞窟は探索終了だね。良かった、あたし一人で洞窟に行くとか怖いもんね…」

魔法使い「はい、じゃあ最後、商人行ってきなさい」

商人「はいはーい…ええ!?なんで!?」

魔法使い「なんでって…話聞いてた?賢者は地下3階の別れ道の南側は探索しないで来たのよ。貴方、そこ行ってきてくれる?」

商人「えええ~!?も、もう良いんじゃないかな、これだけお宝見つけたら、もう…」

魔法使い「何言ってるの、このままじゃ貴方だけこの洞窟に入らずじまいですもの、仲間外れは悪いわ」

賢者「いってこーい!!」

商人「うう、行かないで済むと思ったのに…」


579 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/08(月) 17:10:03 g6cv1Xiw
――地球のへそ、地下3階

商人「…ここまでは無事に来れたけど…早く帰りたいよ…えっと、ここを南に…」

「引き返せ!!」

商人「ひぎゃあっ!?!?な、何?…これ、仮面?石像?な、なんでおどかすの!?」

「引き返した方が良いぞ!!」

商人「ぎゃー!!目が光った!?!!」

「引き返せ!!」「引き返した方が良いぞ!!」「引き返せ!!」「引き返せ!!」

商人「もう、もうやだ…なんでこんなに怖がらせるの!?…あ、ああ!!お、終わりが見えた…あそこで終わりだ…って終わり!?何もないよ…?」

「ここまで来た勇気はほめてやろう。だが…」

商人「え?え?え?」


580 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/08(月) 17:22:26 g6cv1Xiw
――ランシールの神殿

商人「でさ!!そいつさ、勇気はほめてやるけど、人の話はちゃんと聞け、だって!!あそこまでおどかして、ひどいと思わない?そもそも人じゃないじゃん!!大体…」

魔法使い「はいはい、分かったわよ」

商人「あー!!ちゃんと聞いてない!!第一、最初に魔法使いちゃんが行けって言うから…!!行っても何も無かったのに…!!」

魔法使い「もう、悪かったわよ!そんなに怖かったとは思わなかったわ。賢者も同じように脅されたの?」

賢者「うーん、なにかいわれたきがするけど、おぼえてないぞ!!」

商人「ええー…」

魔法使いレベル36「…まあ、どちらが良いかは良し悪しね。とにかく、オーブは手に入ったし、それぞれレベルも上がったし、成果は上々ね」

賢者レベル15「あがったぞー!!」

商人レベル17「確かに、レベルはあがったけど…」

魔法使い「でしょう?さあ、目的は果たしたし、次に向けて今日はもう休みましょう」

賢者「やどやだ!!ごはんだ!!」

商人「むー、強引にまとめられた…」


581 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/08(月) 20:08:51 UdTae0zw
――100日目、夜、旅人の宿屋

商人「今日は、なんと100日目!!」

魔法使い「思えば長かったわね…」

商人「そうかなあ?あたし3年くらい旅してた気がするよ!」

魔法使い「それは流石に言い過ぎね…」

商人「でさ!今日はせっかくの100日記念日なのに、何もしないで終わっちゃうんだけど!!」

魔法使い「え?何かしたかったの?なら早く言ってくれれば良かったのに、移動して終わっちゃったじゃない」

商人「むー…まあいいや、これからもきっと記念日はあるよね!」

魔法使い「そうね。その時は何か美味しいものでも食べましょう」

賢者「おいしいもの!?」ガバッ

魔法使い「あら、起こしてしまったわね」

商人「そだね。じゃあ二人とも、あと皆さん、これからもよろしくお願いします!!」

賢者「おねがいするぞ!!おいしいものを!!」

魔法使い「…皆さんって誰?」


584 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/09(火) 17:52:47 EZPvrGE6
――101日目、アープの塔

商人「で、今日はアープの塔にリベンジだね!」

魔法使い「そうね、前に断念した時と比べてレベルも上がったし、大丈夫なはずよ」

賢者「きょうはとうか?けんじゃはとう、すきだぞ!!」

商人「そっかー、やっぱり塔に住んでた賢者ちゃんは塔が好きなんだね」

魔法使い「それはいいけど…張り切りすぎて無茶しないのよ。以前魔物が手強くて撤退したんだから、慎重に…」

賢者「おおー、かいだんだ!!4つもあるな、これに上るぞ!!」ダダダ…

商人「ああ、言ってるそばから!!」

魔法使い「…仕方ないわね。商人、お目付け役頼むわよ」

商人「う、うん!賢者ちゃん、待ってー!」タタタ…

魔法使い「ふう…さて、ここには何があるのかしら?オーブがあるといいけど…」


585 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/09(火) 18:04:32 EZPvrGE6
商人「ふう…上がったり下りたり大変だね…」

魔法使い「そうね、でも貴方が大変なのは、階段上り下りする度にあなほりしてるからじゃないの?」

商人「やっぱりそうかな…?でも…」

賢者「おおー、またロープがあるぞ!!」キャッキャッ

商人「ロ、ロープ!?あああ、ガルナの塔の苦い記憶が蘇る…」

魔法使い「今度はあまり揺らさないのよ、賢者?」

賢者「これ、あみだくじみたいだな!!どこいこっかなー?」

商人「話聞いてないよ…」

魔法使い「まあ、ついていくしかないわね。幸い、あの子の行き先に宝箱があるし…」

賢者「おおー、たからだ!!あけるぞ!!」

魔法使い「待って、インパスで…駄目ね、赤いわ」

賢者「えー、つまんないつまんない!!」ユサユサ

商人「あ、賢者ちゃん、ちょっ、待って、あ、あああぁぁぁアアア…!」ピューン

賢者「おおー、おちたおちた!!」キャッキャッ

魔法使い「結局こうなるのね…」


586 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/09(火) 18:19:06 EZPvrGE6
商人「ふう、えらいめに遭ったよ…」

賢者「たのしいなー、ぴゅーん!!だって!!」キャッキャッ

魔法使い「もう、あまり遊ばないのよ…さて、また上まで来たけど、残りの宝箱は1つ…大丈夫、インパス使ったけど青かったわ。賢者、開けて良いわよ」

賢者「おう、あけるぞー!!」パカッ

なんと はくあいリングを手に入れた!!

賢者「なあしょーにん、これなんだ?」

商人「魔法使いちゃん、賢者ちゃん」

魔法使い「何?」

商人「大好き」ギュッ

賢者「ど、どうしたんだしょーにん!?けんじゃを食べるのか!?やだやだ!!」ジタバタ

商人「食べるわけないじゃない、あたし、二人が大好きだもの。でも賢者ちゃん、すぐに人を食べようとしてはダメ。人は食べるものじゃない、愛するものよ」

賢者「しょーにん、なんかへんだぞ!?どうしたんだ!?」ビクビク

商人「変?違うの、変わったんじゃないの、目覚めたのよ。人は愛するために…ああ、魔法使いちゃん、それ取っちゃダメだよ!!」

魔法使い「もう、いつまでやるのかと思ってたら、ちっとも終わらないんだから…」

商人「えへへ、つい…」


587 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/09(火) 18:30:14 EZPvrGE6
魔法使い「それにしても、頂上上まで来て一番のお宝が、この商人を目覚めさせる指輪だけっていうのは期待外れね…」

商人「えーと、一応これ、装備品としても使えるけど…」

賢者「なあなあ、ふたつしたのかいでおたからのにおいがしたぞ」

商人「3階で?でも、確か階段は全部チェックしたし…」

魔法使い「となると…やっぱりあれしかないわね…」

商人「え?魔法使いちゃん、何か心当たりあるの?」

魔法使い「ええ…こういう時はやっぱり、以前と同じ方法を取るべきだと思うの」

商人「同じ?以前っていつ?」

魔法使い「ほら、ガルナの塔でさとりのしょを取った時…」

商人「ま、まさかまたロープから飛び下りるの!?やだよ、それにさっき落ちた時、何もなかったじゃない!!」

魔法使い「ええ、だからあの時と同じように、真ん中辺りから…」

商人「やだやだ!!もう落ちたくない!!ってあれ?いつの間にあたし達ロープの上に…!?あ、賢者ちゃん、押さないで!!あ、ああっ…!」ピューン

賢者「よーし、けんじゃもおちるぞー!!」ピューン

魔法使い「…まあ、結果オーライかしらね。さて、私も…それっ!」ピューン


589 : フローミしょっちゅう使う :2014/12/09(火) 19:24:38 /vR7XLX6
商人「いたた…もう、賢者ちゃんは…あ、あれ?宝箱だ…」

賢者「ほらほら、あったあった!!」

魔法使い「思ったとおりね。さて、インパスで…うん、全部大丈夫よ」

賢者「よーし、じゃああけるぞ!!」ガチャ

なんと やまびこのふえを手に入れた!!

賢者「お?ふえか?」

商人「こ、これは結構すごいものじゃないかな!?こう、吹いてさ、何かあると山彦が帰ってくるの!!」

魔法使い「何かって何?」

商人「えっと…分からないや、えへへ…」

魔法使い「ある程度分かってるのがかえってもどかしいわね…まあ仕方ないわね、旅を続けているうちに分かる事も…」

賢者「んー、けんじゃどこかでやまびこのふえのこときいたきがするぞ?たしか、ちいさなむらで…」

商人「あ、そうだよ!!確かランシールで、イエローオーブはやまびこのふえを使っても探すのが難しいって…!」

魔法使い「確かに言ってたわね!となると、やまびこのふえはオーブを探すための物、と考えるべきでしょうね」

商人「これを町やダンジョンで拭いて、山彦が返ってきたらそこにオーブがあるって事だよね?これでオーブ探しが楽になるね!!」

魔法使い「ええ。これから行く町、行く洞窟で、これを吹いてみましょう。伝説の不死鳥の復活も、夢物語ではなくなってきたわね!」


590 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/10(水) 00:22:20 .it8cHRw
――102日目、おろちの洞窟

商人「祝・1000日突破記念!!第3回ドキドキ☆あなほり大会inおろちの洞窟~!!」

賢者「おおー!!」パチパチパチパチ

魔法使い「…また唐突に始まったわね…」

商人「と、いうわけで、ここおろちの洞窟の地下1階と地下2階でそれぞれ150回ずつあなほりしてみたよ!!ではさっそく…結果はこちら!!」

賢者「じゃじゃーん!!」

地下1階:どくがのこな8個

商人「地下1階ではどくがのこなしか出てこなかったよ。数はすごいけど…」

魔法使い「これだけでしばらくはどくがのこな買わなくて済むわね」

商人「そして次は地下2階!!結果はこちら!!」

地下2階:どくがのこな5個、ちからのたね2個、ぬののふく2個、せかいじゅのは2個

商人「どう?このあなほり名人芸は!!」ドヤドヤッ

賢者「おおー!!すごいぞ!!」パチパチパチパチ

商人「結論!!あなほり最高!!商人最高!!商人をパーティーに!!以上、第3回あなほり大会でしたー!!」

魔法使い「最後の一言が言いたかっただけね?」


591 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/10(水) 08:21:13 BORvFUQw
――103日目、アッサラーム

商人「祝・100日突破記念!!第4回ドキドキ☆あなほり大会inアッサラーム・夜~!!」

魔法使い「まだやるの!?」

商人「だってだって、あたし昨日1000日突破記念って言っちゃったんだもん!!突っ込まれる前にやり直したいの!!」

魔法使い「誰の突っ込みを恐れてるの…?」

商人「とにかく、今回は夜のアッサラーム周辺で200回あなほりしてみたよ!!では結果はこちら!!」

賢者「じゃじゃーん!!」

全財産の半額ゴールド(2236G)1回ラックのたね:1個 ちからのたね:1個 どくけしそう:1個

商人「………」

魔法使い「ま、まあ、調子悪い時もあるわよ…」

賢者「そーだぞ、きにするな!!」バンバン

商人「ありがとう…でもね、ちょっと分かった。たねとかきのみだけ集めようとしても、なかなか集まらないんだ。でもね、前回みたいに、ついでだったり、他にも欲しいものがあったりすると、あなほりってとっても効率がいいなって思ったの」

魔法使い「まあ、とってもかはともかく、使いどころを押さえて使いたいって事ね」

商人「そうそう、そういう事!!そんなわけで、皆さんも良いあなほりライフを!!あとパーティーに商人を!!」

魔法使い「だから皆さんって誰…?」


595 : 突っ込み回避!! :2014/12/10(水) 19:14:47 XwIJxXZs
商人「あなほりの結果は冴えなかったけど…突っ込み回避出来たからよし!!」ドヤッ

魔法使い「うん、それはいいけど、その突っ込み回避のためにかなり予定変更になったんだけど…」

賢者「ここからどこにいくんだ?」

商人「その件につきましては大変申し訳なく…でも!あたしだって、何も考えないでここまで来たわけじゃないよ!!」

魔法使い「あら、なら何か他の目的があるの?」

商人「あのね、あたし前に商人仲間から聞いたんだけど、ここから西にあるピラミッドの地下にね、すっごいお宝があるんだって!!」

賢者「おたから?おいしいものか?」

商人「いや、多分食べられないと思うけど…」

魔法使い「お宝、か…もしかして、オーブが…?」

商人「そうそう、もしかしてそうかな?って!ほら、やまびこのふえも手に入ったし、行ってみる価値はあるんじゃないかな?」

魔法使い「そうね、確かにピラミッドの地下はほとんど調べてないし…じゃあ行ってみる?」

商人「うん、行ってみよー!!」

賢者「みよー!!」


596 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/10(水) 19:24:04 XwIJxXZs
――104日目、ピラミッド

魔法使い「ピラミッドか…苦い思い出があるわね」

商人「あたし達が全滅した所だよね…でも!あたし達、あの頃とは違うよ!!」

魔法使い「もちろんよ、あれから成長したし、それに賢者もいるし」

賢者「いるぞー!!」キャッキャッ

魔法使い「…とはいえ、地下に行くのよね?確かピラミッドの地下は呪文が使えなかったはず…多分、戦闘は二人に頼りっきりになるわよ」

商人「だいじょーぶ、魔法使いちゃんは弾除けになってさえくれれば!!」

魔法使い「それはそれで嫌ね…まあいいわ、とりあえず貴方にやいばのブーメラン渡しておくわね、力の強い方が使った方がいいでしょうし」

商人「ありがとう!じゃあ行こっか、賢者ちゃん、準備はいい?」

賢者「いつでもいいぞー!!」

商人「よーし、じゃあピラミッド地下探検にしゅぱーつ!!」


597 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/10(水) 19:33:24 XwIJxXZs
魔法使い「さて、地下へ来たわね…やっぱり呪文は使えないか…」

商人「うう…あたしのあなほりも使えない…」

賢者「とーぞくのはなもつかえないぞ…」

魔法使い「でも、笛は吹けるはずよ。商人、やまびこのふえを吹いてみて」

商人「うん、吹いてみるよ」ペッポッパッポー…

賢者「なにもおきないぞ」

魔法使い「外れかしらね…まあ仕方ないわ」

商人「ううん、ちょっと待って。ほら、あそこ、なんか怪しくない?」

賢者「あ!なにかありそうだな、いってみるぞ!!」タタタ…

魔法使い「ずいぶんあからさまに怪しいけど…」

賢者「おーい、かいだんがかくれてたぞ!!もっとしたに下りれるぞ!!」

商人「やった!!まだ可能性アリだね!!」

魔法使い「オーブなのか、それとも別の何かか…確かめてみるしかないわね」

商人「うん、行ってみよー!!ドキドキするね!!」


598 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/10(水) 19:44:21 XwIJxXZs
魔法使い「階段を下りたら、まるで祭壇みたいね…それともお墓…?」

商人「どうだろう?どっちにしても、何かありそうな雰囲気!ああ、ドキドキのワクワクだよ…!」

賢者「おお?なんかおっきなはこがあるぞ!!」

魔法使い「これは…柩かしら?ずいぶん古いもののようだけど…」

商人「じゃあやっぱりここはお墓なんだね…どうしようかな」

魔法使い「そうね、お墓となると、勝手に荒らすのもね…でも、もしオーブなら、見逃す訳にもいかないし…商人、またやまびこのふえを吹いてみてくれる?」

商人「オッケー!!ちょっと待ってて…」

賢者「んー、よいしょっと!!」パカッ

魔法使い「ちょっと、賢者!?開けちゃったの!?」

賢者「おおー!!ほら、ピカピカだぞ!!」

商人「こ、これはおうごんのつめ!?すごい、オーブではなかったけど、すごいお宝が…」

…おうごんのつめを奪う者に災いあれ…!

商人「あ、あれ?魔法使いちゃん、何か言った?」

魔法使い「何も言ってないわよ。これはもしかしてまずい事に…」

あやしいかげがあらわれた!!マミーがあらわれた!!


599 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/10(水) 19:54:38 XwIJxXZs
商人「モ、モンスター!?いきなり…!?」

魔法使い「ほら、驚いてないで戦うわよ!!それっ!」ザクッ

賢者「そりゃあっ!!」ピシャッ

まもののむれをやっつけた!!

商人「ふう、びっくりしたよ…」

あやしいかげがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!

商人「え!?ま、またモンスター!?」

あやしいかげがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!

魔法使い「また出たわ!次から次へと…!」

ミイラおとこがあらわれた!!あやしいかげがあらわれた!!

賢者「うう、みんなおいしくなさそうだぞ…」

マミーがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!

商人「こ、これもしかしてまずいかな!?ど、どうしよう!?」

あやしいかげがあらわれた!!

魔法使い「多分その爪を持ち出したのがいけなかったのよ。返してみたら?」


600 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/10(水) 20:00:50 XwIJxXZs
マミーがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!

商人「や、やだよ、こんなすごいお宝…」

マミーがあらわれた!!

魔法使い「じゃあ仕方ないわ。このまま抜け出すしかないわ」

ミイラおとこがあらわれた!!あやしいかげがあらわれた!!

商人「そ、そんな~!」

マミーがあらわれた!!

魔法使い「あら、レベル上がったじゃない」

だいおうガマがあらわれた!!

商人レベル19「ええ!?今!?喜んでる余裕ないよ…」

ミイラおとこがあらわれた!!

賢者レベル17「けんじゃもレベルが上がったぞ!!」

ミイラおとこがあらわれた!!あやしいかげがあらわれた!!

魔法使い「やったわね。きたかいがあったわね」


601 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/10(水) 20:09:02 XwIJxXZs
商人「ふう…やっと外に出れた…もうへとへとだよ…二人はすごいね、あたしはレベルアップの感動も吹っ飛んじゃった…」

魔法使い「何言ってるの、貴方今持ち出したものを思い出してみなさい」

商人「え…?あ、そうだ、おうごんのつめ!!やった、おうごんのつめが手に入ったよ、やったやった!!」ピョンピヨン

魔法使い「全く、ゲンキンね…」

賢者「ううー、けんじゃはおなかすいたぞ…」

魔法使い「ああ、ごめんなさい。じゃあこれからイシスに行きましょう。イシスにもおいしいものがあるわよ、カニとか…」

賢者「おお!?行く行く!!」

魔法使い「せっかくここまで来たし、イシスでもやまびこのふえを試してみたいしね。商人、いつまではしゃいでるの?行くわよ」

商人「え?あ、はいはい、行きます!!」

魔法使い「全く…でも、ピラミッドの外まで魔物があの調子で出なくて良かったわ。さすがにあのままじゃ疲れてしまうものね…」


602 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/10(水) 20:18:07 XwIJxXZs
――イシス

商人「うーん、町でもお城でも、やまびこのふえに反応はなかったね…」

魔法使い「ここにはオーブはないみたいね…残念だけど仕方ないわ。今までが少し順調過ぎたのかもね」

商人「あっという間に半分の3つが手に入ったもんね。もう3つはそう簡単にはいかないかなあ…」

賢者「おーい、ふたりはカニ、食べないのか?おいしいぞ!!」ムシャムシャ

魔法使い「はいはい、今行くわよ」

商人「うん、とりあえずはじごくのハサミでも食べて気分一新しよっか!…でも、これからどうしよう?」

魔法使い「そうね、アッサラームに来る前に予定してた、アープの塔よりさらに南の探索に行きましょう。まだあの大陸、調べてない所が多いはずよ」

商人「ああ、そうだね!じゃあ明日からはまたあっちに行くようだね…それにしても、カニおいしいね、賢者ちゃん!!」

賢者「おお!!おいしいぞ!!」ムシャムシャ

魔法使い「二人とも、明日からはまた冒険だから、たくさん食べるのよ。今日も大変だったけど、やっぱり未知の世界を行くのはもっともっと大変だから…」


603 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/11(木) 17:54:52 Kj.YKWrE
――105日目

商人「あれからルーラでジパングに移動して、そこから西、大陸が見えたら南に向かって来てるけど…」

賢者「なにもないなー」

魔法使い「そうね、山と岩山しか見えないわね…でも、確かこの岩山の向こうがサマンオサだったはずよ」

商人「ああ、この辺なんだ!旅の扉で来たからどの辺かよく分からなかったんだよね」

賢者「サマンオサ?あのお城に入れなかったとこか?」

商人「そうそう。そういえば、あの国も大変そうだったよね。そのうちまた行ってみないとね」

魔法使い「そうね、ほったらかしには出来ないわね…」

賢者「お?なあなあ、むこうになにか見えるぞ!たてものだ!!」

商人あ、ホントだ!おっきな家!」

魔法使い「ここから上陸すると少し歩くようね…東側の海岸から上陸して行きましょう」


604 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/11(木) 18:00:50 Kj.YKWrE
――海賊のすみか、夜

男性「ここは海賊達のすみか。近寄らない方がいいですよ」

商人「ひえ~、海賊だってよ魔法使いちゃん!」

魔法使い「海賊…厄介事は避けたいけど…」

賢者「おおー!!かいぞくか!!すごいな、おやぶんとどっちがつよいのかな?」タタタ…

商人「あ、賢者ちゃん、待って!」

魔法使い「行ってしまったわね。一人にしてはおけないし、私達も行かないと…」

商人「うう、いきなり捕まえられて売られたりしないよね?特に、あたしくらいきゅーとになると…」

魔法使い「はいはい、行くわよ」

商人「もうちょっと真剣に聞いてよ!?」


605 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/11(木) 18:09:50 Kj.YKWrE
海賊A「なんだお前ら?ああ、お前らか、魔王を倒す旅をしてるってのは」

商人「魔王を倒す旅!?」

魔法使い「驚いた…私達、そんなに有名なの?」

海賊A「俺たちは7つの海を股にかける海賊だ、お前らの話は聞いてる。お前らなら歓迎するぜ!」

商人「ど、どうも…」

魔法使い「それなら…私達、オーブを探しているんだけど、知らないかしら?色は違うかもしれないけど、こういう…宝玉なんだけれど」

海賊A「オーブ?さて…おい、知ってるか?」

海賊B「ああ、確か前に盗んで来た奴に、そんなのがあったな。どこにしまったか…」

商人「ホントに!?」

魔法使い「ここで見つかるなんて、運が良いわね」

海賊B「ああ、ただどこにしまったかは分からないぜ。大した価値も無さそうだし、魔王を倒そうってお前達にならくれてやってもいいが、自分達で探してくれよ?」

商人「分かった!おじさん達、ありがとう!!」


606 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/11(木) 18:24:56 Kj.YKWrE
商人「ふふ、おじさん達ったら物の価値が分からないんだから!」

魔法使い「それはそうと…賢者はどこ?」

商人「あ!ど、どうしよう…すみません、あの、小さな女の子見ませんでした?」

海賊C「ああ、あのお嬢ちゃんならここだ」

商人「良かった、はぐれなくて…じゃあ失礼して…」

海賊C「ああ、ちなみにここは俺らのお頭の部屋だ。粗相のないようにな」

商人「お、お頭!?」

魔法使い「参ったわね、賢者は粗相の塊よ。何もしてなければいいけど…」ガチャ

お頭「はっはっは、なかなかハッキリ言うじゃないか、気に入ったよ」

賢者「おおー、けんじゃもおかしらがきにいったぞ!!」

商人「けけけけんじゃちゃん!?」

お頭「なんだいあんた達は?ああ、この子の連れだね?なかなか面白いじゃないか、あたしの小さい頃みたいだよ」

魔法使い「…ごめんなさい。色々と驚き過ぎて、何から聞いていいか…」

お頭「はは、そうだろうね。まずあたしがこの海賊達のお頭だ。女のお頭はおかしいかい?」

魔法使い「まあ、正直意外だったわね…」


607 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/11(木) 18:33:23 Kj.YKWrE
お頭「はは、あんた達がそれを言うのかい?魔王を倒そうって連中が女だらけのパーティーだって聞いたときは、あたしの方が驚いたけどね」

魔法使い「まあそうでしょうね…」

賢者「でも、けんじゃたちはつよいぞ!!」

お頭「でも、本気なのかい?あの魔王を倒そうだなんてさ」

商人「え、えーと、それは、なんていうか…」

賢者「たおすぞ!!ぜんぶ、ぜーんぶ!!」キャッキャッ

お頭「はは、威勢がいいね。なら…もし魔王を倒せたら、またここに来な。あたしらはいつでもあんたらを歓迎するからさ。ああ、あたしらは夜しかいないからね、会いたいなら夜に来てくれ」

魔法使い「ありがとう。また来るわ」

お頭「あ、そうだ!あんた達、ルザミって知ってるかい?」

商人「ルザミ?えっと、確かまだ言ったことないけど…」

お頭「なら行ってみるといいよ。ここから南に行って、ちょっと西さ」

魔法使い「何から何まで…ありがとう」

お頭「なあに、お安いご用さ。気を付けてな」

賢者「おー!!おかしらもきをつけてな!!」

お頭「はは、ありがとう。それじゃな」


608 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/11(木) 19:44:39 VHExN4Fg
商人「あんなに若い女の子が海賊のお頭なんだ…でも、いい人で良かった…」

魔法使い「そうね、きっと賢者のおかげね」

賢者「そーか?おかしらはやさしいものだぞ!!おやぶんもやさしかったし!!」

商人「そっか…」

魔法使い「さて、後はオーブだけど…商人、一応笛を吹いてみてくれる?疑う訳じゃないけど、あの様子だと…」

商人「うん、どこにあるか分からないなんてね。じゃあ吹いてみるよ…」ペッポッパッポー

ペッポッパッポー ポッパッポー ポッパッポー…

賢者「やまびこだな!!」

魔法使い「ええ、ここにあるのは間違いないようね」

商人「でも、どこだろう?中は怪しい場所なかったよね?」

魔法使い「となると、外かしらね…ちょっとでてみましょうか」

商人「…外も、これといって怪しい場所は…」

魔法使い「待って。あの岩…少し不自然じゃない?こんな所にあんな大きな岩…」

商人「あ、怪しい!じゃあ押してみようよ、せーのっ!」

魔法使い「それっ!」グググ…ゴロッ!


609 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/11(木) 19:53:17 VHExN4Fg
商人「う、動いた!!」ゼーハー

賢者「お?このした、なにかあるぞ!!」

魔法使い「…階段!やったわね、じゃあ下りてみましょう」

商人「うん!!…あ、宝箱が並んでる!!」

賢者「あけるぞ!!それっ!」パカッ

なんと ヘビメタリングを手に入れた!!

魔法使い「またずいぶん個性的なリングね…商人、見てくれる?」

商人「見る?あたしに頼んでるの?」

魔法使い「?そうよ、お願い…」

商人「はん、お願いされてもね…あたし達は、しょせん最後は一人…馴れ合いなんてごめんだよ」

賢者「しょーにん、どうしたんだ?」

商人「心配したふりされてもね。結局、最後はみんな自分が可愛くなって…ああ!待って魔法使いちゃん、もう少し、もう少し!!」

魔法使い「待ってられないわよ、全く、オーブが目前にあるかもしれないって時に、だらだらしないの」

商人「えへへ、つい…」


610 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/11(木) 20:09:50 VHExN4Fg
賢者「じゃあつぎあけていいか?」

魔法使い「いいわよ、どうぞ。」

賢者「じゃああけるぞ!!」ガチャ

なんと レッドオーブを手に入れた!!

商人「お、オーブだ!!オーブだよ!!」

魔法使い「やったわね!でも一応、海賊達にことわっていかないと…」

商人「そうだね…大丈夫だよね?気がかわったりしてないよね?」

魔法使い「きっと大丈夫よ、きっと…ああ、いたわねさっきの人。ごめんなさい、オーブを見つけたんだけれど…」

海賊B「それは…!どこで見つけたんだ?まあいい、約束通りお前達にやるよ」

商人「やった!!おじさん、ありがとう!!」

海賊B「ああ、魔王退治、頑張れよ」

賢者「おー!!がんばるぞ!!」

商人「あはは、それじゃあ…はあ、成り行きとはいえ、魔王退治する事になっちゃったね…」

魔法使い「正直、まだまだ魔王には遠い気はするけど…どうなるかしらね?」



612 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/12(金) 16:14:23 zZo2k.IQ
商人「で、これからどうするの?このまま東海岸を北上するの?それともお頭が教えてくれたルザミに行ってみる?」

魔法使い「そうね…最初は北上する予定だったけど、せっかく教えてもらったんだし、ルザミに行ってみる?」

賢者「けんじゃはおかしらのいうとおりにしたいぞ!!」

商人「そだね、ここから~って教えてもらったんだし、他から行こうとしても行き方分からなくなっちゃいそうだし」

魔法使い「じゃあ次の行き先はルザミね。さっそく出発しましょう。準備はいい?」

商人「もっちろん!!ね、賢者ちゃん?」

賢者「おー!!ルザミに行くぞ!!」


613 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/12(金) 16:25:19 zZo2k.IQ
――106日目

魔法使い「朝になってしまったけど…ルザミ、見えないわね…」

商人「もしかして、行き方間違えちゃったかなあ?」

魔法使い「そうね…南に行ってちょっと西、って考えてみればアバウトな説明だったわね…」

商人「そして、頼みの綱の賢者ちゃんは…」

賢者「くー…くー…」zzz…

魔法使い「まあ仕方ないわね…」

商人「うん…でも、ルザミが見つからないのは良いとして、どこまで進んでみるの?このままだと、どこに行くか…」

魔法使い「…待って。商人、あれ、陸じゃないかしら?」

商人「あ、ホントだ!!…あれ、なんか見覚えが…」

魔法使い「ここは…確か、エジンベアを出てから西に向かった時、ここに来たわね」

商人「て事は…ぐるっと回って大陸の北端に来ちゃったんだ!?」

魔法使い「やっぱりルザミには行けなかったけど…でもちょうど良いわ、このまま南下して東海岸を進んでみましょう」

商人「うん…あ、魔法使いちゃん、あそこ、ちょっと拓けてる所があるよ!!」

魔法使い「本当ね、何かあるのかしら…行ってみましょう」


614 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/12(金) 16:38:03 zZo2k.IQ
商人「拓けてはいるけど…何もないね…あ、家が一軒あるよ!」

賢者「おー、じーちゃんがいるぞ!!」

老人「おお、旅人か、よく来た」

魔法使い「こんにちは。こんな所で何を?」

老人「私、ここに町作ろう思てる。でも、商人いないと町作れない。貴方、ここ残って欲しい。一緒に町作って欲しい」

商人「え!?あ、あたし!?」

魔法使い「それは、流石に突然ね…」

老人「確かに突然。それは申し訳無い。ただ、考えて欲しい。私待ってる」

商人「そ、そんな事言われても…」

魔法使い「…まあ、どちらにしろ今すぐは無理でしょう?待ってると言ってるし、少し考えてみたら?」

商人「ええ!?魔法使いちゃん、あたしが抜けていいの!?」

賢者「けんじゃはいやだぞ!!ずっといっしょだ!!」

魔法使い「私だって困るわよ。ただ、貴方が頼まれた以上、決めるのは貴方よ。だから…少し落ち着きなさい、ね?」

商人「あ…うん、ごめん…」

魔法使い「いいのよ…ご老人、そういう訳なので、今すぐという訳にはいきません。またそのうち、彼女の意志を伝えに来ますから…」


615 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/12(金) 17:44:29 vrQegVvc
魔法使い「さて、と…じゃあまた南へ向かうわよ」

商人「………」

魔法使い「商人?」

商人「え?あ、ううん、ちょっと考え事してただけだから…」

魔法使い「…さっきは悪かったわ。私も配慮が足りなかったわね」

商人「ううん、いいんだ。そうじゃなくて…あのおじいさん、誰か商人が来るまでずっとあそこでああしてるのかな?」

魔法使い「…そうね…諦めない限りは…」

商人「だよね…少し、かわいそうっていうか…」

魔法使い「まあ、貴方の事だからそう考えると思ってたわ。ただ、貴方の気持ちも分かるけど、まずは貴方がどうしたいかよ。分かるわね?」

商人「うん、分かってるよ…」

賢者「なあなあ、あのじーちゃん、ごはんどうしてるんだ?あそこじゃたべもの、あんまりなさそうだぞ」

魔法使い「さあ…どうなのかしらね…?」

商人「ふふ、賢者ちゃんはいつも変わらないね…うん!あたしも元気出して行こう!!」

賢者「お?げんきになったな!おなかすいたのか?」

商人「あはは、そうかも。だからさ魔法使いちゃん、早く町を見つけて、おいしいもの食べようよ!!ね、ね?」


616 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/12(金) 19:06:04 vST1fdks
魔法使い「さて、じゃあ南下を続けるわよ」

商人「町があるといいねー!」

魔法使い「そうね…川があるけど…」

賢者「このかわいきたい!!いきたい!!」

商人「そだね、川があるなら上流に町があったりするかも…」

魔法使い「このままやみくもに突き進んでも仕方ないし、この川を遡ってみましょうか」

商人「うん!…結構複雑にいりくんでるね…」

賢者「めいろみたいだぞ!!」キャッキャッ

魔法使い「橋があるわね。橋があるって事は、近くに…あ、ほら、何か見えない?」

賢者「おおー!!うちがあるぞ!!」

商人「ホントだ!!町っていうより村かな?とにかく行ってみよー!!」



618 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/13(土) 21:35:51 n9cqrwxM
村人「よく来た。ここスーの村」

魔法使い「スー、か…のどかな村ね…商人?」

商人「ここの人達…あのおじいさんと同じしゃべり方だね…」

魔法使い「ああ、そういえば…」

村人「あのおじいさん?それはここから東の草原にいた男か?」

商人「そ、そうです!やっぱりこの村の人だったんだ…」

村人「そこはまだ草原のままか?町は出来てなかったか?」

賢者「うちがいっけんあっただけだぞ!!」

村人「そうか…やはり…」

商人「……」

魔法使い「…さ、村を見て回りましょ?」

賢者「むらみつかったし、おいしいもの食べるぞ!!」

商人「うん、そうだね…」


619 : 忘れてた107日目 :2014/12/13(土) 21:45:45 n9cqrwxM
魔法使い「村を回ってみたけど、何か真新しい情報あった?」

商人「うーん…古い情報がちらほら…かわきのつぼの事とか、やまびこのふえの事とか…」

魔法使い「もっと早くこの村を見つけてたら、色々冒険が楽になってたのかもしれないわね…」

商人「そうかもね…ねえ、魔法使いちゃん、あたしなんだか疲れちゃった。まだ朝早いけど、今日はお休みじゃダメかな?」

魔法使い「そうね…実は六日前を最後に宿に泊まってないし、早く休むのもいいかもね」

商人「ありがと…さーて!!賢者ちゃんも言ってたけど、おいしいもの食べなきゃね!!この村は何があるかなー?」

賢者「おーい、ここにおいしいものあるぞ!!アカイライの手羽先!!」

商人「ホント?今行く、待ってて!」タタタ…

魔法使い「ふう…こっちまで悩ましくなってくるわ…私もおいしいものを食べようかな…」


620 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/13(土) 22:09:39 n9cqrwxM
――夜

賢者「くー…くー…」

商人「魔法使いちゃん、起きてる?魔法使いちゃん?」

魔法使い「…何?」

商人「ごめんね、いろいろと。気を使わせてるでしょ?」

魔法使い「…まあ、正直に言えばね…」

商人「あはは、ホントに正直だ。ごめんね、明日からはちゃんとやるから」

魔法使い「そうしてもらえると助かるけど…別に考えることは悪いことじゃないわよ」

商人「うん、考えないって訳じゃなくて、もっとこう、前向きにっていうかさ。あんまりウジウジしてると、あたしのきゅーとさが台無しだからね!!」

魔法使い「きゅーとさ、ねえ…素手でごうけつぐまにでも勝てそうな貴方がきゅーとねえ…」

商人「ええ!?あたし、そんなこと…」

魔法使い「出来ないの?」

商人「………多分、出来るけど…」

魔法使い「でしょうね」クスクス

商人「もう!!真面目な話してたのに!!」


621 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/13(土) 22:14:39 n9cqrwxM
魔法使い「真面目な話?きゅーとさがどうとか言ってたような…」

商人「だから、真面目な話じゃない。きゅーとでせくしーだいなまいつなあたし」

魔法使い「ああ、うん、そうね」

商人「あー!!本気にしてないんだ!!大体魔法使いちゃんはいつもいつも…!」

魔法使い「はいはい。じゃあまた明日から頼むわよ、熊殺しのあなほり名人さん?」

商人「違うよ!!きゅーとでせくしーだいなまいつなみんなのヒロイン商人ちゃん!!」

魔法使い「だんだん肩書きが増えてくわね…」

商人「あたしのきゅーとさは成長してるの!」

魔法使い「はいはい、そうね」

商人「むー、また人の話を適当に聞いて…」


622 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/13(土) 22:22:58 n9cqrwxM
――108日目

賢者「おーい、あさだぞ!!おきろー!!」バンバンバン

魔法使い「待って…今……」

商人「うう~、遅くまでおしゃべりさしてたからあたしも今朝はきついよ…」

賢者「きのうもはやくねてきょうはねぼうか?おきろー!!」バンバンバンバン

魔法使い「分かったわよ…やれやれ」

商人「ん~、おはよ…で、今日はどこ行くの…?」

魔法使い「そうね…もう一度、ルザミを目指してみない?もともとはそこを目指してたんだし…」

賢者「おかしらがいってたところだな!!いきたいぞ!!」

商人「うん、いいんじゃないかな。他に情報もないし…」

賢者「ほらいくぞ、したくだ!!ほらほらほら!!」グイグイ

魔法使い「分かったわよ、もう、朝から元気ね…」

商人「よっぽどおかしらが気に入ったんだね。じゃあ早く準備しよっか?」

魔法使い「たまに宿に泊まった時位朝もゆっくりしたいものだけど…やれやれね」



624 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/12/14(日) 14:27:23 RkqlHzWI
商人「で、北から行くの?それとも南?」

魔法使い「南から行きましょう。まだこの海岸沿いは最後まで行ってないしね」

商人「そいえばそっか。じゃあしゅっぱーつ!!」

賢者「おー!!」

魔法使い「…この川、中々の難所よね。船乗りさん達には頭が下がるわ」

商人「ホントだねー…おお、海が見えた!!」

賢者「またぎょかいるいだな!!」

魔法使い「すぐ食べ物の話になるわね…」

商人「南には何があるかなー?」

魔法使い「さあ、それもすぐにわかるわよ、きっとね…」