1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 19:03:37.57 ID:c0X0XTcM0
小椋「マジ……? 彩が?」

恒一「う、嘘だ…」

鳴(私に話しかけてくれるクラスで唯一の女子だったのに……)

ザワザワ ガヤガヤ オレノアヤチャンガ マカセロー ユカリジャナクテヨカッタ フェアジャナイ

赤沢「今日学校休んでるでしょ? 彩……ショックで部屋に閉じこもってるらしいのよ」

勅使河原「し、しつもーん! それって、3組の性別が逆転するとか何とかーーって呪いのせいか?」

引用元: 小椋「彩が男子になった…?」赤沢「ええ」 




6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 19:09:49.59 ID:c0X0XTcM0
赤沢「多分そうね」

赤沢(本当は女性に   がはえる現象だけど、オブラートに包んだ表現になってるのはさすが先代の対策係ね)

赤沢(きっと私と同じで有能だったんだわ)ニヤニヤ

赤沢「とにかく彩を見てみないと何とも言えないから……放課後、私と由美で彩の家に行ってみるわ。小椋さん、いいわね?」

小椋「うん、分かった」

久保寺「同じ教室で共に学んだ綾野さんのうんたらかんたらーー」

小椋(彩……大丈夫かな……?)

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 19:15:53.03 ID:c0X0XTcM0
綾野家

綾野母「由美ちゃん達が来てくれて助かるわ。私じゃどうにもならなくって……」

小椋「彩はどんな様子ですか?」

綾野母「部屋にずっと……。けどここだけの話し、私は男の子が欲しかったんです。主人は女の子がーー」

赤沢「そ、それより…! 彩の部屋はどこですか?」

小椋「階段上がった正面だよ。早く行こ」

綾野母「彩を頼みますね……」シクシク

赤沢「お任せ下さい」キリッ

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 19:21:04.70 ID:c0X0XTcM0
小椋「ここだよ。彩の部屋」

赤沢「あなた、来たことあるの?」

小椋「うん。そりゃ幼稚園からの付き合いだから」

赤沢「へえ……(私呼ばれた事ない……)」コンコン

綾野『……誰?』

赤沢「私と由美よ。入っていい?」

小椋(声そのまんまじゃない。ホントに男になったのかな?)

綾野『泉美と由美だけ……?』

赤沢「ええ私たちだけよ」

綾野『じゃあいいよ……』

赤沢「入るわね」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 19:27:08.39 ID:c0X0XTcM0
ガチャ

小椋「……!!」

赤沢「彩……なのよね?」

綾野「そうだよ。ははっ、笑っちゃうよね。こんな姿……」

赤沢(まあ確かに一回り大きくなったけど、あれがあれになったからってそんなに変わる訳じゃないのね。下の確認の必要は……なさそうね)

小椋(こ、これは……)




小椋(や、ヤバい……ちょーカッコいいじゃん…)

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 19:33:01.96 ID:c0X0XTcM0
綾野「ジロジロ見て黙りこまないでよ……。余計落ち込んじゃうよ……」

小椋「あ、ごめん。見とれちゃって……」

綾野「何それー。やっぱり変だよね……」

小椋「そ、そんなことないよ!?」ガシッ

綾野「えっ?」

小椋「あれ? あたし何してんだろ?」アハハ

小椋(な…なんで彩でドキドキしてんのよ~)

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 19:37:18.82 ID:c0X0XTcM0
赤沢「彩、多分知ってると思うけど、3組を卒業するまでに元に戻った前例はほとんどないわ」

綾野「……」

赤沢「私も元に戻る方法を全力で探すから……辛いでしょうけど学校にはーー」

綾野「いやだよ! こんな姿、クラスのみんなに見せたくない!」

赤沢「……」

小椋「大丈夫だよ! むしろ今の彩も十分イケてるよ?」

綾野「そういう問題じゃないよ……」

赤沢「由美……なんかあなた変よ」

小椋「ご、ごめんなさい……」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 19:41:54.68 ID:c0X0XTcM0
赤沢「3組のみんなの事は彩が1番知ってるでしょ? みんな凄く心配してるんだから……」

綾野「……」

綾野「そうだよね。私が元気じゃないと、3組は盛り上がらないもんね!」

赤沢「その意気よ……ん?」チラッ

赤沢「あっ、この私達の写真、春休みに行った演劇部の合宿の時のやつね」

小椋「あっ……その写真、あたしなくしちゃった。部屋に置いてたんだけどなぁ」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 19:45:37.94 ID:c0X0XTcM0
赤沢「何でなくすのよ! とにかく、彩はこの写真の時みたいに早く元気を取り戻してね」

綾野「どうせ卒業までの辛抱だし、男を満喫しちゃおっかな~」ニシシ

赤沢「ちょっと聞いてるの? それで制服だけど、何か適当な物を着てきてくれる? 学校にはーー」

綾野「ナンパとかしてみようかな~。どう? 私結構イケメンだよね~?」

小椋「ナンパなんてダメ! 明日はあたしが迎えに行くから一緒に行こうね!」

綾野「由美、頼むぜ(キリッ。なんちてー」

小椋「あ……う、うん……」ドキッドキッ

赤沢「聞いてない……けど、この調子なら大丈夫そうね」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 19:51:13.85 ID:c0X0XTcM0
翌朝

小椋「ごめんごめん、遅くなっちゃったー」

綾野「遅いよー……って、あれ?」ジー

小椋「な、なに?」

綾野「うーん、いつもと雰囲気違うような……」

小椋「いつもと違うのは彩でしょ? 早く行かないと遅刻するよ!?」

綾野「そうかなー……」ダキ

小椋「きゃっ」

綾野「ほらー、いつもよりいい匂いもするし……」クンクン

小椋「な、何だっていいでしょ? それに急に抱きつかないでよ!」ガバッ

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 19:56:19.74 ID:c0X0XTcM0
綾野「なんで? いつもやってた事だよ?」

小椋「今の彩は一応男なのよ? いつも通りには出来ないよ!」

綾野「……やっぱり男になるなんて気持ち悪いよね」ショボン

小椋「あっ……違うの。そういう意味で言ったんじゃなくて……」

綾野「……」

小椋「彩は彩だよね! ごめんね! 今まで通りでいいから……ね?」

綾野「う、うわ~ん。由美大好き~」スリスリ

小椋(彩は彩なのよ! 落ち着けあたし!)ドキッドキッ

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 19:59:57.25 ID:c0X0XTcM0
教室

小椋(あたしは自分の席にいるけど……)ジー

小椋(彩の席の周りには人だかりが出来てる……まあみんな気になるよね)

勅使河原「へえー、確かに少し男っぽくなった……か?」

望月「変わったのかな? ちょっとおっきくなってるけど……」

中尾「元々無い胸が小さくなって、その分背がおっきくなっただけじゃねえか」

綾野「ひ、酷いよ……」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 20:03:22.45 ID:c0X0XTcM0
赤沢「ちょっと中尾? 何て事言うのよ! 彩に謝りなさい!」

ザワザワ スライスサレロ ゴミ ザッソウ ゴミ ザッソウ

中尾「す、すまんかった……」

綾野「……」

勅使河原「まあでもそのなんだ……! 綾野、その容姿はズリぃわ。男女関係なくイケてるぜ?」

杉浦「確かにこのクラスの女も男も相手にならないわね」

綾野「えっ! えへへ、そうかなー」パァッ

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 20:08:04.83 ID:c0X0XTcM0
中尾(ひがみで変な事言っちまったけど、何で格好いい上に可愛いんだよ……。クソっクソっクソぉ~)

高林(フェアじゃない……フェアじゃないよ)プルプル

赤沢「男子も彩が何か困ってたら、助けてあげてね」

勅使河原「綾野! 色々教えてやるよ!」

恒一「綾野さん、何でも相談してね……」

綾野「うん……」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 20:12:33.84 ID:c0X0XTcM0
小椋(中尾は後でぶっ飛ばすとして……)

小椋(彩……榊原くんには見られたくなかっただろうな……)ジー

有田「ねえ由美」

小椋「なに?」

有田「彩って……●●●もついたのかな?」

小椋「ななな何でそんな事あたしに聞くのよ!」ガタッ

有田「普通気にならない? 後で触らしてもらーーってあれ?」

小椋「彩が……彩にあれが……あやのん……?」ブツブツ

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 20:16:28.82 ID:c0X0XTcM0
有田「うわー、私より重症じゃない。これは凄い事に……ん?」チラッ

鳴(榊原くんは眼帯や店の人形が物珍しいから私が気になるとか言ってたけど、綾野さんは物珍しい私を普通の人間として接してくれている……)

鳴(綾野さんが男になったなら……逆に都合がいいかも)ウットリ

桜木(風見くんは狂気じみてるし……元気な彩ちゃんなら……)ポワーン

川堀(……ん、待てよ? 綾野は女だ。けど身体は男! これって合法ホ じゃねえか!)ウホッウホッ

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 20:21:20.90 ID:c0X0XTcM0
勅使河原(男になってまず困る事ってxxxxとかだよな? 戸惑いながら  る綾野……)

勅使河原(やべぇ、やべぇよ。見た目も声もそのまんまの綾野が、俺みたいに毎日……これはやべぇ、やばすぎんだろ)ゲスガオ

江藤「」キュンキュン

佐藤&渡辺(赤面しながらヒソヒソ……)

柿沼「」ギラギラ

有田(これも現象のせいなのかな? でも、凄い事になりそうだね!)

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 20:27:24.29 ID:c0X0XTcM0
昼食

綾野「由美と松子~一緒に食べようよ~」

小椋「うん……」

有田「そーだね♪」

綾野「いや~男にもなってみるもんだねー。色々ちやほやされるし、体はなんか軽いしさぁ」

小椋「へーそうなんだ……」

有田「話しぶった切るけど彩、●●●触らしてよ」

小椋「ぶぅっー!!」

綾野「ダメに決まってるでしょ! 私だってまだよく見てないのにさ~」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 20:32:50.50 ID:c0X0XTcM0
有田「そっかー残念。けど……改めて近くで見ると、よく分からないけどドキドキする!」

綾野「て、照れるなぁ~。背も少しおっきくなったし、由美が余計にちっちゃく見えるよー」

小椋「ちっちゃいって言うな!」

綾野「お胸も余計に小さくーー」モ モ

小椋「ちょっと……いつも通りとは言ったけど人前では……」

綾野「気にする事ないってばー。私と由美の仲じゃん」モ モ

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 20:37:57.54 ID:c0X0XTcM0
小椋「ちょ…ちょっと、松子も止めなさいよ……」

有田「止めて欲しそうには見えないけどな~」ニヤニヤ

オイオイ オグラガヤバイ マカセロー フェアダネ ユミチャンカオマッカ コウフンスルゾナ

小椋「だめだっあっ…てばぁ」

鳴「綾野さん」

桜木「小椋さんが困ってるじゃないですか!」ガシッ

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 20:44:14.32 ID:c0X0XTcM0
綾野「メイちゃんとゆかり?」

有田(おお。さっそく修羅場来たぁ♪)

鳴「ねえ綾野さん、屋上に行って2人で食べようよ」ニコッ

桜木「学食に新しいスイーツがあるんです! 彩ちゃん一緒に行きませんか?」

綾野「いやー私は由美たちと食べてるからさ。ごめんね。一緒に食べる?」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 20:48:13.83 ID:c0X0XTcM0
鳴「そう……」ションボリ

スタスタ

綾野「あれ? メイちゃんよかったのかな?」

桜木「食事はいいですから今日一緒に帰りませんか? 私の家は綾野さんの家のさらに向こうだから」

綾野「今日はせっかく男になったから演劇部で何か男役を演じてみようと思ってるんだー。だから、ごめんね。一緒には帰れないや」

桜木「そうですか……残念です」

スタスタ

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 20:53:56.19 ID:c0X0XTcM0
綾野「何だったんだろね? 人生に3回しかないモテ期って奴? 女子の時に来て欲しかったなー」フーヤレヤレ

有田「しらばっくれちゃって。彩と由美はいつもモテモテじゃない」

綾野「そうだったかなぁ? そういう松子だって……まあいいや。由美、今日は部活付き合ってね」

小椋「いいけど……。やりたい役ってなに?」

綾野「ロミオとジュリエットのロミオやってみたいなぁーって。由美にはジュリエットをお願いしたいな」

小椋「彩がロミオであたしがジュリエット……?」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 21:02:18.44 ID:c0X0XTcM0
ーーーーー
ーーー


小椋『たとえ……祈りにほだされても、聖者の心は動きませんわ』

綾野『では動かないで下さい。祈りの効しをいただく間だけ』接吻

オーロミオアナタハナゼー



ーーー
ーーーーー

赤沢「ーー彩が男役やってくれるなら幅が広がるわ」

綾野「でしょー? 泉美も来てくれるよね?」

赤沢「もちろんよ。これで千曳先生を裏方に引き戻せるわ」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 21:04:46.40 ID:c0X0XTcM0
赤沢「もちろんよ。これで千曳先生を裏方に引き戻せるわ」

綾野「楽しみだね~由美ぃ?」

小椋「」ニター

綾野「おぐりーん?」フリフリ

赤沢「まあ焦る事もないわ。昨日の今日ですし、彩も由美も疲れたでしょ」

綾野「そうだねー。また今度でいっかー」

有田(榊原くん以上の無自覚女たらし、綾野くんの誕生か。それにしても……)チラッ

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 21:11:47.64 ID:c0X0XTcM0
小椋(演劇なら役に入り込み過ぎたとか適当に理由つけて……そうよ、あたしはジュリエットなんだから、彩じゃなくてロミオが好きなんだよ)ニヤニヤ

赤沢(ふふっ恒一くんを巡るの最大のライバルの見崎さんが……彩には悪いけど対策探しは多佳子に任せて、恒一くんを対策しちゃうんだから)

風見(そんな……ゆかりが……ゆかりがァアあるあ!!ぶるあああ!!)プルプル

鳴「榊原くんごめんなさい。ストーカーの質問厨は私……嫌いなの」

恒一「そんな……見崎ぃいいいい!!!!」

江藤「水泳部に興味あるって彩言ってたよね?」
渡辺「私と一緒にスティーブハリスについて語らない?」
川堀「綾野、これも運命だ。やらないか?」
柿沼「図書室に行きましょう。秘密の第3図書室に」

綾野「遠慮しとくよー」

有田(ふふっ、どうなることやら♪)

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 21:19:26.15 ID:c0X0XTcM0
数日後

綾野「毎朝迎えにこなくてもいいのに~。もう大丈夫だよ?」

小椋「でも……彩が心配だから……」チラッ

小椋(どんどんカッコよくなってく……気がする。最近は言動も男らしくなってきたし……)

綾野「由美~私の顔に何かついてる?」

小椋「ううん! 何でもない……」

小椋(けど彩は彩だよね。早く元に戻らないかなぁ。今ならまだ……)

綾野「うわっ、アイツがこっちに来るよ?」

小椋「げっ!」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 21:23:52.56 ID:c0X0XTcM0
スタスタ

高校生DQN「由美ちゃん、ちぃーす! ん?」ジー

綾野「……」

高校生DQN「まあいいや。今日は俺たちのジャマするあの女はいないんだね」ガムクチャクチャ

小椋「今日は何ですか……?」

高校生DQN「どう? 俺と付き合ってみる気になってくれたぁ?」クチャクチャ

小椋「な、何度も言いますけど、あたしDQNさんとは付き合えません!」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 21:30:14.57 ID:c0X0XTcM0
高校生DQN「見る目ないなぁー。俺の彼女になれば、楽しい事ばっかだよぉ」ジトー

小椋(何回目だよこいつ……  い目で見やがってマジでキモい、死ね!)

綾野「先輩、由美が嫌がってるじゃないですか」

高校生DQN「んだテメェ! あの糞アマみたいな見た目で糞アマみたいな事言いやがって! テメェにそんな事言われる筋合いはねぇんだよ!」

綾野「俺の彼女に手を出すなと言ってるんです」

小椋「!!」

高校生DQN「ちっ! 彼氏出来たのかよ。まあいいわ。正直貧 は嫌だったしな!」ペッ

スタスタ

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 21:34:34.72 ID:c0X0XTcM0
綾野「やっぱりしょうもない男だったね。由美、大丈夫?」

小椋「うん、その……ありがと」

綾野「よかった。DQNの言うことなんて真に受けたら……って、あれ?」

小椋「どうしたの?」

綾野(由美ってこんな可愛かったっけ……? それに胸や足も……ドキドキする……)ジロー

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 21:40:49.57 ID:c0X0XTcM0
小椋「そ…そんな目で見ないでよ……」ドキッドキッ

綾野(うう、●●●●●がなんか変……これがてっしーが言ってた●●てやつなのかな?)

綾野(えっ? こういっちゃんでは全然起きなかったのに、由美で? 私、由美でコーフンしちゃってるの?)

小椋「彩……それ以上見つめないで……」バックンバックン

綾野「え? あ、ああ。あはは~。そうだよね! 早く学校行こ♪」

小椋「……?」

綾野(親友に変な気を起こしたらダメ! 私はこういっちゃん一筋なんだから!)

小椋(歩き方変だけど、どっか悪いのかな? けど、さっきの彩……カッコよかったなぁ。それに彼女だなんて……どうしようあたしもう……)

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 21:49:08.32 ID:c0X0XTcM0
数週間後 教室

有田(いつも由美といた彩が、勅使河原くん達といる事が増えたね~。今日も屋上にいるのかな)

小椋「……」

有田(朝も別々に来てるし……ケンカでもしたのかな?)

有田「ねえ、彩が気になるなら屋上行ってくれば?」

小椋「だって……男ばっかだし、なんかいつも下ネタ話してるし……」

有田「彩は女でしょ?」

小椋「だから! 勅使河原達に変な事教えられてないか心配なの……。松子、聞いてきて。それで変な話ししてる様なら連れ戻して来てよ」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 21:54:34.18 ID:c0X0XTcM0
有田「自分で行けばいいじゃん。それに彩は自分の意志で向こうにいるんでしょ?」

小椋「そうだけどさぁー……」ジー

有田(出ました! 全ての男をたぶらかすような上目使い! さすが女優ね! けど残念、私は女の子なのよ……)

有田「……ハァ~。はいはい分かりました。今度ジュースおごってね!」

小椋「ありがとう! ありたん大好き!」

有田(はあ~、最初は楽しかったけど、最近はめんどくさいな~)スタスタ

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 21:59:10.61 ID:c0X0XTcM0
屋上

有田(おっ、いた。勅使河原、風見、望月、中尾、高林、川堀、榊原くんに彩か……。早く引き離さないと榊原くんみたいになっちゃうね……)

有田「やあやあ皆さん。いつもここでなんの話ししてるの?」

勅使河原「うわっ! 有田か!」

有田「何よ、うわっ…て!」

高林「女子にはフェアじゃない話題だったからね。屋上でしてるんだよ」

有田「女子にはっ……て、彩もいるじゃない」

望月「綾野くんは僕たちが色々と教えて、今はもうほとんど男になったんだよね!」

綾野「……」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 22:05:02.79 ID:c0X0XTcM0
有田「どういう意味? あんたら彩に何吹き込んだのよ?」

勅使河原「何って……せっかく男になったんだから、男の楽しみを教えただけだぜ?」ゲスガオ

有田「うわぁ……彩、教室に戻ろうよ。由美も心配してるよ?」

綾野「由美が……?」

中尾「おいおい有田。綾野は楽しいからこっちにいるんだよ。そうだよな?」

綾野「え? それは……」

ーーーーー
ーーー

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 22:14:10.36 ID:c0X0XTcM0
綾野ちゃんの回想

綾野(てっしーが教えてくれた男の慰め方……どうしてこういっちゃんで出来ないの……?)

綾野(あんなに好きだったのに……。女の時はちゃんと出来てたのに……。あれ? 何で好きだったんだっけ?)

綾野(違うよ……。私は女……。違う。私は由美が好き? 違う……。けど由美だとこんなに……親友なのに……私は男?)

綾野(由美は親友…? 泉美……この写真のもう1人の親友の泉美なら。いや。泉美は絶対いや。由美じゃなきゃいや)

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 22:21:31.18 ID:c0X0XTcM0
綾野(由美のお胸、由美のお声、由美のお顔、由美の全部……由美大好き。由美由美ゆみぃ~……うぅっ)

綾野(うっぅ……うっ…あっ、はぁ…はぁ。また由美で……助けた日から毎日由美で……。女の時は数えるほどしかしたことないのに…)

綾野(私どうしちゃったの? …こんなに●●●に…。最低だよ…。由美にあわせる顔がない……)

綾野(明日も由美で? 違う。明日こそ止めよう…。けど終わった後は毎回そう思うけど結局…)

綾野(しちゃだめなのに。やりたくないのに止められないよぉ。助けて……誰か助けてよ……)

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 22:28:36.59 ID:c0X0XTcM0

ーーー
ーーーーー

綾野「ダメ……ダメなの……」

有田「何がダメなの? 困ってるなら私でいいなら相談にのるよ? 私も由美もすごく心配してるんだから」

綾野「無理に決まってるじゃん!」

有田「!! ……私がいやならその……由美や赤沢さんに……」

綾野「由美にはもっと無理だよ……。泉美は私なんてどうでもいいみたいだし……」

有田「……」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 22:33:47.35 ID:c0X0XTcM0
恒一「さっきから何? 綾野くんを困らせて。有田さんって綾野くんのストーカーなの? おまけに質問ばっかり……ウンザリだね」

川堀「そうだそうだ。女はすっこんでろ!」

高林「男子の事に口を出すのは   だけにしてほしいね」

風見「僕は……君の知らない君の事を知っているよ」マジキチスマイル

有田(なんだコイツら……やっぱりこんな奴らといるから彩がおかしくなっちゃうんじゃない!)

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 22:41:23.09 ID:c0X0XTcM0
有田「彩、戻ろーー」

望月「これだから10代の女は(笑)」

中尾「それは違うな望月。10代でも赤沢さんはーー」

有田「私は彩に聞いてるの! あんたらは黙ってて! 教室に戻ろ? 前みたいに3人でガールズトークしよ?」

綾野「ダメ…ダメなんだよ。私は……男なんだよ。ごめんね松子……いや有田さん」

有田「!! そんな……」

綾野「けど安心して。由美は男になっても大切な親友だから」

勅使河原「そういうこった。綾野はもう男なの。あっち行った」シッシッ

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 22:49:14.41 ID:c0X0XTcM0
教室

小椋「どうだった?」

有田「ああ、うん。今は彩は男子といるのが楽しいんだって」

小椋「そうなんだ……」

有田「けど由美の事は気にしてたから、またすぐに元に戻るよ!」

小椋「そうだといいけど……」

有田(ハァ~。どうなるんだろな~それにしても)チラッ


鳴「霧果に作ってもらった綾野くんの人形……かっこいい」ヨシヨシ

桜木「綾野くんが嫌がってるじゃないですか!」ガシッ

鳴「返して……」ウルウル

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 22:55:29.82 ID:c0X0XTcM0
有田(あの2人はまだ諦めきれてないみたいだね。これも現象のせいなのかな? あっちは……)

杉浦「泉美元気だしてよ」

赤沢「」ポカーン

有田(赤沢さんはどうしたんだろ?)

有田「ねえ? 赤沢さんどうしたのかな?」

小椋「……泉美、親友が男になって困ってるのに……対策係なのに、何もせず榊原くんに猛アタックしてたんだよ?」

小椋「彩の気持ちも知ってたくせに……けど榊原くんにストーカー呼ばわりされて……自業自得よ」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 23:01:36.05 ID:c0X0XTcM0
有田(それで赤沢さんが久保寺先生みたいなロボットになっちゃったのか)フムフム

有田「……ねえ由美、卒業したら彩は元に戻るんだからもう少し落ち着こうよ。ね?」

小椋「そうだけど……」

有田「もしかして、由美もあの2人みたいに彩の事好きになっちゃった……とかだったりして~」

小椋「……」

有田「……否定しないんだ」

小椋「分からない……分からないよ」

有田(何が分からないのかな……。けど私もどうしたらいいかわかりませーん)オテアゲ

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 23:08:43.10 ID:c0X0XTcM0
数日後 屋上

綾野「どうしたの? こんなとこに呼び出して」

小椋「うん……彩、最近部活にもこないし、あたしともあんまし喋ってくれなくなったし……あたし何かしたかな?」

綾野「いや、何もしてないよ?」

小椋「そう……なの?」

綾野(人気のないとこで、そんな目で見ないでよー……。こっちはこれ以上好きにならないように必死なんだから……)

綾野「……そうだよ。もう戻っていいかな?」

小椋「ま、待ってよ……。彩、ここんところずっと勅使河原や中尾達といるけど……仲いいの?」

綾野「仲はいいよ。まあ男同士にしか分からない事もあるし」

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 23:12:45.52 ID:c0X0XTcM0
小椋「ふーん……。それと……もう前みたいにスキンシップしてくれないのかな……?」

綾野「うっ……それは……やっぱり普通恋人同士がやる事だよ。男の私がやるなんて、今考えたらセクハラだよね。ごめん……」

小椋「ち、違うよ……彩は彩って言ったじゃない!」

綾野「この際だから言うけど、もう私……体だけじゃなく、心も男になりかけてるみたいなんだ」

小椋「そんな……」

綾野「だから……いくら親友でも前みたいに一緒に登下校したり、ベタベタしたりは無理だよ」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 23:20:15.67 ID:c0X0XTcM0
小椋「関係ないよ……あたしと彩だよ?」

綾野「少し前まではそう思ってたよ」

綾野「不思議だよね。あんだけ大好きだったこういっちゃん事を、ただの同性の友達としてしか見れなくなっちゃうんだから」

小椋「…………」

ガチャ

勅使河原「こんな所にいたのか綾野、早く行こうぜ。みんなが待ってるからさ」

小椋「彩、行かないで……」

綾野「……っ!」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 23:28:00.22 ID:c0X0XTcM0
勅使河原「なんだーお前。もしかして小椋と付き合ってんのか?」

綾野「…………まさか。ただの幼なじみだよ」

小椋「……!」

勅使河原「ふーん。まあ女の時から仲良かったもんな。じゃあ、話しが終わったら例の場所に来いよ」スタスタ

綾野「待って、行く行く。ごめんね由美。これからは彩じゃなく、綾野くんとしてよろしく……」スタスタ

小椋「あ……」

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/04(月) 23:35:21.17 ID:c0X0XTcM0
勅使河原「うわ! 雀のつがいがいる。珍しいな。はぁ俺も彼女欲しいな…」

綾野「あっ、てっしーが変な事言うから別々の方向に飛んでちゃったじゃん!」

勅使河原「へいへい、俺が悪かっーー」

ガチャン

小椋「……」




有田(ほほう……)

112: 疲れたから書きためがあるとこまで有田さんにまとめてもらうお 2012/06/05(火) 00:01:07.83 ID:o4qeYLN80
由美は悩んでるようでした! 初めて異性として好きになったのが男になった親友の綾野彩だなんて!

そして日増しに男になっていく彩と同じように、由美の気持ちも大きくなっていきました!

けど、彩は何故か自分から離れようとしている! あやのんが無意識にやっちゃってる恋愛の常套テクニックにおぐりんメロメロ~

親友と想い人が自分を避けるなんてつらい、つらいよね~

えっ? 何で屋上にいて、1人でこんな話してるかって?
鳥と語り、戯れる為ですよ! 雀には逃げられたけど、今はカラスと九官鳥のレーちゃんと鳥沢さんに話しをしているんです!!

そして、この様に激しく悩んでるのは由美だけじゃありません! 榊原くん、赤沢さん、そして勿論、彩もです!

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 00:11:26.10 ID:o4qeYLN80
まずは榊原くん! 榊原くんは気になっている女の子が2人いました! 見崎さんと赤沢さんと思ったでしょ?

ところがどっこい見崎さんと彩だったんだな、コレが! 赤沢さんも第3勢力だったみたいだけどね!

気になる彩が男になって、さらに見崎さんがその彩に惚れてしまいました!

その日以降、榊原くんは自我を失ってしまいーー
勅使川原・中尾・風見・望月・高林・川堀からなる【七人の変 】の一員として夜見北で猛威を奮ってます!

あっ、風見くんもゆかりが彩に惚れたんで、狂ったみたいです! けど彼は元から狂ってたか! テヘ☆

風見くんはどうでもいいとして、榊原くんはつらい、つらいよね~

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 00:32:08.63 ID:o4qeYLN80
そして赤沢さん! 赤沢さんは榊原くんにストーカー呼ばわりされた事と大好きだったその榊原くんが
大嫌いな勅使河原くん達にみたいになったのがショックだったみたいです!

無能だよね~接し方を間違えなければ榊原くんをゲット出来たかもしれないのに!

そして何より彼女を苦しめたのは自分の色恋沙汰にかまけて、現象に対する対策を放置してしまいーー
彼女にとって大切な演劇部3人娘の絆が崩れてしまった事でした!

今の彼女の表情と心は真っ黒です! 夜の闇? 漆黒のゴキブリ?
いやいや、ハワイコナのエクストラファンシーよりどす黒く、表情も心も珈琲の奥底にふさぎ込んでしまっています!

赤沢さん! 恋と友情のにらめっこ。つらい、つらいよね~

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 00:55:00.93 ID:o4qeYLN80
最後に彩! 彩は榊原くんの事が好きでした! ところが日をおおう事にその気持ちが薄れていきます!

あ~勿体ない! こんな現象がなかったら、お似合いのカップルになれていたかもしれないのにね!

そして、日をおおう事に変わったのは榊原くんに対する気持ちだけではありません!

親友の由美に対する気持ちも変化していきました! そう、日増しに男になっていく彩は恋に落ちてしまいました! なななななんと親友、小椋由美に!

どんな気持ちだったんでしょうか? 男と女。惚れてしまった榊原くんと由美。そして親友の由美。

日々刻々と変化するそれらの気持ちの中で、彩がどれだけ悩んでいるかは心中察するに余りあります!

大切な人の取捨選択、つらい、つらいよね~

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 01:03:22.87 ID:o4qeYLN80
他にも彩が男になった事で悩んでる人は沢山います! かくいう私も彩の●●●が気になって仕方がありません!

えっ? 私が変 ? ご冗談を! 普通なだけが取り柄な松子ちゃんですから! 年頃の乙女なら誰でも●●●に興味があるんです!

さあ、2人はどういう決断をするのでしょうか! どっちかが倫理観の壁をピョーンと越えれば、生物学敵には愛し合えるんです!

以上、みんなのアイドル有田松子が現場からまとめさせて貰いました!

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 01:07:38.06 ID:o4qeYLN80
数週間後 学校玄関

勅使河原「はあー、やっと学校終わった。今日はナンパに行こうぜ」

中尾「前にやった時はボロボロだったじゃん」

勅使河原「俺と中尾だけだったからな。けど今日はサカキと綾野を連れて行く」

中尾「2人が来てくれれば百人力だな!」

恒一「僕はいいよ。最近、女より男か人形の方がいいような気がしてきたんだ」

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 01:12:15.04 ID:o4qeYLN80
勅使河原「おいおい、ホ は2人もいらないぜ。それに人形とかどうしたんだよ?」

恒一「とにかく、疲れたんだ……行くなら3人で行ってくれよ」スタスタ

中尾「つれねーな」

勅使河原「まあ、あいつも色々あんだろ。綾野はくんだろ?」

綾野「どっちでもいいよ……」

勅使河原「うし決まり! じゃあ行こうぜ!」

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 01:16:59.01 ID:o4qeYLN80
通学路

中尾「ーーそりゃ赤沢さんよりいい人なんていない。けどナンパでもしないと、一生彼女なんて出来ないかもしれないからな」

勅使河原「赤沢はモテると見せかけてそうでもないぜ。チャンスはあると思うけどな」

中尾「そんな訳ないだろ、赤沢さんが1番に決まってる! 俺が3組の雑草なら、赤沢さんは俺の……3組の太陽だ! 毎日赤沢さんで光合成してるぜ!」キリッ

勅使河原「あいつが太陽ね~。分からんでもない。で? コーゴーセーって何だ?」

中尾「これだから馬鹿は困る。もうすぐ受験だろ? 俺は赤沢さんと一緒の高校に行く為に毎日勉強してるのさ」

勅使河原「女子校か東京の進学校だろ? どっちにしろムリムリ~」ヒラヒラ

138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 01:21:20.51 ID:o4qeYLN80
中尾「とにかく俺が言いたいのは赤沢さんは最高ということだ!」

勅使河原「けど残念ながら赤沢の事いいと思ってるのクラスで俺と中尾くらいだぜ?」

中尾「じゃあ聞くが赤沢さんを差し置いて誰が人気なんだよ?」

勅使河原「それはだな……」チラッ

綾野「……」

勅使河原「後は小椋と多々良だな」

綾野「えっ? 由美が?」

勅使河原「どうした急に会話に入ってきて。やっぱり小椋の事が気になるか?」

綾野「そりゃ……」

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 01:26:04.52 ID:o4qeYLN80
勅使河原「けど小椋がモテる事くらい綾野が1番知ってるだろ?」

綾野「……」

中尾「けど多々良さんは初耳だな? まあ赤沢さん程ではないが美人だしな。王子や猿田か?」

勅使河原「こういうのは言いふら……っておい、あそこ見てみろよ」

綾野(ん? あいつら……)

高校生DQN「……」
無職DQN「……」
ビ  「……」
オタクDQN「……」

勅使河原「おっかねえ集団だな」

143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 01:30:12.80 ID:o4qeYLN80
中尾「けどあのビ  かなり  くね?」

勅使河原「あんな奴らとつるんでる女だぜ? ヤバいに決まってんだろ」

綾野「……」

勅使河原「何だ綾野? あんなのがタイプなのか?」

中尾「早く行こうぜ。絡まれたくねえ」

綾野「ごめん。用事思い出したから、ナンパは2人で行ってきてよ」スタスタ

勅使河原「おい、綾野! なんだよ……。中尾、2人で行くか?」

中尾「無理無理、連敗記録伸ばしたいのかよ」

勅使河原「……サカキの家にでも行くか」

中尾「だな」

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 01:34:09.47 ID:o4qeYLN80
第2図書室

小椋「こんなとこで毎日なにしてんの?」

赤沢「あ……由美……」

小椋「いいよ……もう。探して見つかるくらいなら、こんな現象とっくになくなってるし」

赤沢「でも私……」

小椋「いいってば。だからそんな顔しないで」

赤沢「ごめんなさい……。あなた達がーー」

小椋「だからいいってば。それにあたしも……えっと……」

小椋(やっぱり彩がいないと泉美には言いたい事も言えないわ……)

147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 01:38:21.88 ID:o4qeYLN80
赤沢「…………わざわざありがとう。もう大丈夫だから……。私はもう少し手がかりを探すわ」

小椋「手伝おっか?」

赤沢「いいの。これは私の問題だから。……それより、私はともかくあなたも彩と何かあったの?」

小椋「彩とは……何もないよ。けど毎日男子たちといて楽しそうだよ」

赤沢「そう……」

小椋「演劇部にも顔だしてね。最近、3年で来てるのあたしだけだから」

赤沢「そうね……わかったわ」

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 01:43:09.20 ID:o4qeYLN80
小椋「あっ、そういえば泉美って備品や衣装持って帰ったりしてる?」

赤沢「いいえ。部室にオキッパだけど……どうしたの?」

小椋「どっかいっちゃったのみたいなの。まあ、探しとくよ。じゃあね。泉美も早く帰りなよ」

赤沢「待って」

小椋「なに?」

赤沢「う……いや……な、何でもないわ。明日は部活に顔だすからよろしくね」

小椋「うん、わかった。じゃあね」ガラガラ

赤沢(なくしたって言ってた写真、現像したんだけどなぁ。彩がいないと渡し辛いわね……。まあいいや、多佳子に頼んで渡してもらおっと)

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 01:47:28.25 ID:o4qeYLN80
杉浦「お互い言いたい事は言えたのかしらね?」

小椋「多佳子? 盗み聴きしてたの?」

杉浦「人聞きが悪い。泉美と帰ろうと思ったから、ここに来ただけ。まあ、ほとんど聴いちゃったけどね」

小椋「ふーん。あたしと泉美はいつもあんな感じだけど」

杉浦「……まあいいわ。それより玄関に彩がいたわよ。多分あなたを待ってるんじゃないかな」

小椋「待ってるのは望月とかじゃないの? あたしじゃないと思うけどな」

杉浦「どうだろうね。あなた最近ずっと1人で帰ってるでしょ? 一緒に帰ったら?」

小椋「……いいよ。1人で帰るから」

153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 01:51:51.38 ID:o4qeYLN80
杉浦「素直じゃないね、由美も泉美も。じゃあ言い方を変えるね。あなたと彩がギクシャクしてると泉美までおかしくなるから、泉美の為に彩と帰って頂戴」

小椋「……ふん。分かったわよ。しゃーなしだから。その代わり、あたしからも1つお願いいいかしら?」

杉浦「なに?」

小椋「泉美に謝っといて。彩の事できつく言っちゃったから……」

杉浦「そんな事言わなくても……まあいいわ。伝えとく」

小椋「ありがと……。それじゃあ泉美の事よろしくね。また明日」スタスタ


杉浦「演劇部の3人は扱いやすいね」ヤレヤレ

杉浦(……泉美の衣装返しとかないと)

155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 01:57:42.87 ID:o4qeYLN80
学校の玄関

小椋(ホントにいた……1人でなにしてるんだろ)

綾野「おっ、由美~。一緒に帰ろうよ」

小椋「! いいけど……」

綾野「最近ごめんね。てっしー達といるのが楽しくってさぁ」

小椋「……そう」

綾野「あれ? 焼き餅やいちゃってる? 可愛いなぁ」

小椋(私を見る目が……もう前の彩じゃないんだね……)

158: サルくらった 2012/06/05(火) 02:17:22.07 ID:o4qeYLN80
綾野「うーん。それならこうしてやる。えいっ」ダキ

小椋「……!! 嫌ぁ!!」

パチン

綾野「い、痛い……何すんのさ?」ヒリヒリ

小椋「セクハラで訴えるわよ! 何がしたいの?」

綾野「スキンシップして欲しかったんだよね? だからーー」

小椋「あなた自分でこれからは綾野くんとして頼むって言ったじゃない!」

綾野「な、泣かないでよ……謝るから。しばらく話してなかったから距離の計り方が分かんなくって。ごめんね……」

161: ありがとう 2012/06/05(火) 02:24:03.78 ID:o4qeYLN80
小椋「……わかったわよ。彩じゃない男だったら、先生に突き出してたけど……感謝しなさい」

綾野「あはは。確かにもう男になっちゃったよ。けど私は元は女の綾野彩なんだけどなぁ」ポリポリ

小椋「……」

小椋「それより何よ? あたしの事避けてたクセに急に一緒に帰ろうだなんて……」

綾野「DQNが帰り道にいたからさ。心配になったの」

小椋「えっDQNが?」

綾野「だから一緒に帰ろ? 守ってあげるから」

163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 02:32:07.68 ID:o4qeYLN80
帰り道

小椋(げっ! ホントにいた。しかも仲間みたいなのも連れてきてるし……)

高校生DQN「あっ! 由美ちゃんやっときた。なになに? 彼氏と一緒に下校?」ヒューヒュー

綾野「無視して突っ切るよ」

小椋「うん……」

スタスタ
ガシッ

無職DQN「逃げられると思っんの? 殺すぞ」腹殴り

綾野「っう……」

小椋「彩……雄くん、大丈夫? 何すんのよ!?」

高校生DQN「暴力はダメだよ暴力は。落ち着け無職DQN」

無職DQN「ふんっ……」

167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 02:36:32.00 ID:o4qeYLN80
小椋「大丈夫……?」

綾野「大丈夫だ……。高校生DQNさん、もう由美に近寄らないでもらえますか。迷惑なんです……」

オタクDQN「だせえだせえwwwふられたうえにストーカー扱いwww」

高校生DQN「まだふられてねえよ。今日はお前らが本当に付き合ってるのか確かめに来たの」

綾野「何言ってるんです? 僕達はちゃんと付き合ってますよ。なあ由美?」

小椋「うん」

高校生DQN「なら証拠を見せて貰おうか。熱い熱いキスでもしてみろよ」

小椋(何なのよコイツ。貧 は嫌いとか言ってたくせに未練タラタラでオマケにキスしろだぁ~……してみたいけど……)

169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 02:40:27.99 ID:o4qeYLN80
綾野「すいません。生憎僕達は中学生同士なんでーー」

無職DQN「おい。次、口答えしてみろ。今度は手加減しないから」

高校生DQN「まあまあ。ここではあれだから場所を変えるか」

オタクDQN「ぶひひwww近くで見るとかわいいwww」ガシッ

小椋「離して!!」

綾野「おい由美には手をーー」

小椋「い、いやああ……んーんー!」

オタクDQN「ハァハァwwwお口チャックチャックwww」口塞ぎ

172: 小さな夜見山の町ということにしといて下さい 2012/06/05(火) 02:44:40.17 ID:o4qeYLN80
高校生DQN「逃げようとか思うな。それとオタクDQN。変なとこ触るなよ」

ビ  「ふふっ坊やかわいいわね。私が彼女さんよりも凄い事してあげよっか。多分気持ちよすぎて泣いちゃうよ」

綾野「ふざけないでよ! 由美を離せ!」

高校生DQN「早く行くぞ。それとも路チューしたいの? 気を使ってやってるんだから騒がず歩け!」

小椋(このままじゃ……お願い誰か助けて!)




川堀「待てよ」

176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 02:49:40.60 ID:o4qeYLN80
綾野「み、みんな!」

小椋(川堀と望月と高林と風見! 助かった……のかな? 川堀以外モヤシだけど……)

オタクDQN「なんだコイツらwww」

高林「2vs4なんてフェアじゃない」

風見「ひゃはああっはぁっああ! ナイフ持ち歩いててよかったああああ!」

望月「まあまあ風見くん落ち着いて。こんなオムツ履いてるようなガキにナイフなんて必要ないよ(笑)」

高校生DQN「んだお前らああ! 口の聞き方も知らねーのか? ああ!?」

無職DQN「僕ちゃん達、俺の事知らないの? 今まで何人病院送りにしたかーー」

風見「このナイフでええ!! 自分の腕を刺すとおお! 気持ちいぃいいい!!!」ブシュー

ビ  「い、いやあああ!!!」

178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 02:53:50.31 ID:o4qeYLN80
小椋(この舞台用の偽ナイフと血糊……じゃあ演劇部の備品がなくなってたのはコイツらの仕業だったんだ……)

無職DQN「な、なんだよコイツ……」

高林「風見くんはナイフで人を刺したい衝動を自分の腕を犠牲に抑えてるんだ。フェアだろ?」

望月「あーあDQNさん達が先に風見くんを刺しちゃった。この場合、ナイフで刺しても正当防衛になるんじゃないかなぁ」スットボケ

川堀「そうだな。なあ、風見はどう思う?」

風見「僕はね……これでコイツらを刺そうと思うんだ」

無職DQN「ひぃっ……逃げるぞ!」
オタクDQN「ママ~」
ビ  「いや~」

スタコラサッサッ

川堀「待てよ」ガシッ

高校生DQN「うわぁ! 待てお前ら。俺を置いて逃げるな!」

181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 03:02:42.85 ID:o4qeYLN80
ごめん。もう睡魔がヤバい。明日は朝から授業なんで……
残ってたら朝から続き書きます。講義中もバッテリーが許す限り書きます。

194: 保守ありがとう 2012/06/05(火) 09:10:00.53 ID:o4qeYLN80
川堀「2度と2人に近づくなよ。もし近づいたらそこのサイコパスモドキが覚醒しちまうかもな」

高校生DQN「わわわかりました……アイツらにも言っときますから許して下さい……」

川堀「お前にはもうちょっと突き合ってもらう。行くぞ」ズズズ

高校生DQN「由美ちゃん……助けて……」ズズズ


小椋(助かったの……? こ、怖かった……)

198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 09:54:43.93 ID:o4qeYLN80
望月「綾野くんと小椋さん大丈夫だった?」

綾野「うん……助かったよ。由美、大丈夫……?」

小椋「ぅ……ぅ……」グスン

綾野「由美……ごめんね。私がしっかりしていたら……」

小椋「いいの……もう大丈夫だから……。彩もみんなもありがとう」

風見「何で絡まれてたの? ナンパ? カツアゲ?」

小椋「ごめん……これ以上聞かないで……」

望月高林風見「……」

綾野「由美……」

小椋「そ…それより風見! それ演劇部のでしょ? あなたが犯人だったのね?」

風見「何言ってるんだい? この血もナイフも本物だけど」

小椋「え……」

200: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 09:59:17.31 ID:o4qeYLN80
高林「冗談がすぎるよ風見くん」

風見「演劇部を騙せるくらいのレベルにはなかったか。言っとくけど衣装を盗んだのは僕じゃないから」

小椋「助けてくれたのは感謝してるけど……窃盗だよ?」

風見「もうやらないから見逃してくれよ」

綾野「違うんだよ。私が持ち出したのを風見くんが持ってたんだよね?」

風見「……そうかもね」

小椋「衣装もちゃんと返してくれたら……許してあげてもいいけど……」

202: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 10:10:47.19 ID:o4qeYLN80
風見「中尾に言っとくよ」

小椋「また中尾かよ! だから泉美が使ってた奴だけ……。あたしの大切な人ばっかり……! 今度こそぶっ飛ばしてーー」

望月「まあまあ元々返すつもりだったんだから許してあげてよ。さあ帰ろう。綾野くん、小椋さんを頼むね」スタスタ

高林「じゃあね気をつけてね」スタスタ

風見「備品盗ったりして悪かったよ。これはお詫びの気持ちとして受け取ってよ」

小椋「なによこれ?」

203: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 10:17:05.48 ID:o4qeYLN80
風見「スタンガンさ。またアイツらが来てもこれで安全だろ?」

小椋「あ、ありがと…」

風見「じゃあね」スタスタ

小椋「……何で風見はこんな物騒な物ばっか持ち歩いてんの?」

綾野「さあ? ゆかりを守るとか何とか言ってたけど、風見くんは変なことに使ったりしないから大丈夫だよ」

綾野「私達も帰ろっか」

204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 10:30:46.29 ID:o4qeYLN80
スタスタ

綾野「ごめんね。カッコつけて守るとか言ったのになんにも出来なくて……。別の道から帰った方が良かったね……」

小椋「ううん。あたし1人だったら、今頃アイツらに……」

綾野「……」

小椋「ねえ? DQN達が待ち伏せしてなかったら、もうあたしと喋ったり、一緒に帰ったりしないつもりだったの?」

綾野「そんな訳ないじゃん! ただ……」

小椋「……なに?」

綾野「女の子だった時みたいに親友として由美を見れなくなったから……」

207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 10:53:07.94 ID:o4qeYLN80
小椋「どう見ようといいから……前みたいに側にいてよ……」

綾野「けど……私は由美の事、その……女として見ちゃってるんだよ?」

小椋「何年一緒にいると思ってんの? そんな事……それに屋上に呼び出した時言ってたじゃない」

綾野「ああ、そっか。女の私が……」

小椋「女の私ってなによ……。あと、あんな目で見られたら、鈍感な泉美でも分かるよ……」

綾野「……引いちゃうよね。けど親友をそんな目で見たくないから距離を置いてたの。分かってよ……」

209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 11:05:05.89 ID:o4qeYLN80
小椋「……あたしだってその……あの……えっと……」

綾野「どうしたの?」

小椋「……いいの。彩ならいいの。親友として見られようと、異性として見られようとも」

小椋「だってあたしはーー」

綾野「あっ、家ついたよ?」

小椋「え……もう?」


212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 11:31:50.37 ID:o4qeYLN80
綾野「あはは、無事に由美を送れてよかったよかった!」

小椋「よかった……か。そうだね、今まで通りでよかったんだよね」

綾野「……」

小椋「じゃあまたね! これからは時々でいいからかまってね! あたし友達少ないから!」

綾野「……う、痛い……」グッ

小椋「えっ? お腹痛いの? もしかしてさっき……、見せーー」

ダキッギュッ

小椋「あっ…」

小椋(えっ? なになに? 何であたし抱きしめられてんの?)

216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 11:59:53.67 ID:o4qeYLN80
綾野「セクハラで訴えないの?」

小椋「え……あや……なんで…」

綾野「あはは♪ ごめん私、由美の事が好きみたいなんだ」

小椋「え……それは親友としてって……」

綾野「違うよ。異性として、だよ」

小椋「あ……え……」

綾野「混乱しすぎたよ。まあ仕方ないよね。私は元は女なんだし」

小椋「……おなかは?」

綾野「あっ、ごめん。全然平気だよ」

小椋「よかった……の……」

218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 12:12:25.80 ID:o4qeYLN80
綾野「ごめんね、変なこと言って。でも男の私がもう我慢出来なくって」

小椋「……」

綾野「1%くらい残ってる女の私が止めようとしたけど……そんな顔されたら女の私も……」

スッ

小椋「あっ…」

綾野「けど今抱きしめたので満足したから!」

小椋「……」

220: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 12:28:14.22 ID:o4qeYLN80
綾野「また明日から親友としてよろしくね! だって私は綾野彩なんだから!」

小椋「えっ……」

綾野「はあー、お腹すいた。今日はカレーだったかな? じゃあ帰るね!」

小椋「ま、待って!」

綾野「」ビクッ

小椋「あたしはーー」





敦志(ほほう……)

223: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 12:48:50.74 ID:o4qeYLN80
妹が……俺の妹が家の前で男か女か分からない奴に抱きしめられていた……
こいつ俺の妹に何ぉおお! と思ったがこの子よく見たらあの彩ちゃんだ。

引きこもり風情が彩ちゃんなんて馴れ馴れしく呼ぶなって?
HAHAHA! 彩ちゃんとは昔ビニールプールで一緒に泳いだり、
ままごととかしたりしてよく遊んだ仲なんだよ!

敦志お兄ちゃんのお嫁さんになる(ハァト なんて言ってくれてたからな!
クソ兄貴とか抜かす由美も見習って欲しいもんだ。

225: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 13:05:04.28 ID:o4qeYLN80
けどその彩ちゃんがただならぬ雰囲気で由美を抱きしめている。
窓をそおっーと開けて聞き耳してみると、ななななんと彩ちゃんが由美に告白してやんの!

待て待て! 由美から聞いた話しでは彩ちゃんが男でいる期間は来年の3月までだ。
それ以前にいろいろと問題ありすぎんだろ! と考えてたのは彩ちゃんもらしい。
気持ちだけ伝えて、明日からは親友としてよろしくね、と言ってる。
ぶっちゃけ男でもかわいい。余裕で抱ける。嫁にしたい。

229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 13:23:55.18 ID:o4qeYLN80
ふ~やれやれ。取り越し苦労だったかーーと思ったのも束の間、
今度は由美が彩ちゃんに抱きつきやがった!

この時の由美の顔! こんな嬉しそうで幸せそうな顔は初めて見た!
2人が抱き合う姿を見て、俺は思ったよ。たとえ禁断の恋でも、妹を応援しようーーってな。

時間にして約3分。今の2人には一瞬だろうが、俺にはただの3分だ。

言葉をなくした2人……いや、言葉なんていらない2人は名残惜しそうに身体を離し、見つめ合っている。

これは一気に口づけか!? なら俺がこのロミオとジュリエットに最高のBGMをーーと思い、
キス!キス!キス! と口ずさんで手拍子してたら2人に気付かれちまった。俺とした事がorz

232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 13:41:10.29 ID:o4qeYLN80
彩ちゃんが俺に会釈して帰っていった。やっぱり睨みやがったペチャ  妹とは違うぜ!

ドンッドンッドンッ

わざとらしい階段を登る音が聞こえて来る。マズい!   動画流しっぱなしだった! ポチッとな。

「おいクソ兄貴! 覗いてたのかよ!」

その後、スタンガンを持った妹に俺は罵られ続けた。

時間にして約10分。由美にはただのストレス発散タイムだろうが、俺にはご褒美だ。

家族で本音をぶつけてくれるのは由美だけだからな。

てかスタンガン持ってたのかよ。
何だよ男に付きまとわれてるって言ってたから、ネットで調べて買ってきてやったのに。
けどまあこれで安心か。

235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 14:01:36.41 ID:o4qeYLN80
怒鳴り散らし部屋を出て行こうとする自慢の妹に俺はこう呟いた。

「パンツはバレッタと同じ色か。あと恋も受験も頑張れよ」

さて……由美が出ていったら、こいつの部屋からくすねた彩ちゃん(女)の写真で一発抜くとするか!

ビリリッ

俺は気絶した。


239: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 14:25:17.93 ID:o4qeYLN80
約1ヶ月後 昼休みの屋上

赤沢「ごめんね、呼び出して」

綾野「もしかして、元に戻る方法が……?」

赤沢「(多佳子が)色々調べてるんだけど、まだ見つかりそうにないの。ごめんなさい」

綾野「別にいいよー。それよりさー……」

赤沢「なに? 困った事があったら言ってみて。何たって私はなくなった演劇部の備品をあっという間に見つけちゃうくらい有能なんだから」キリッ

綾野「うん……ずっとこのままでいる事って……出来ないのかな?」

赤沢「……何で?」

綾野「いやぁ……男の方が毎日楽しいからさ~……」

240: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 14:30:07.09 ID:o4qeYLN80
赤沢「へえ……。あなた、恒一くんの事はもういいの? それと私、恒一くんの事であなたに謝らないと……」

綾野「別に謝らなくてもいいよ。泉美がもし男になってたら、私も同じふうに行動してただろうし」

赤沢「彩……」

綾野「それにもう何で好きだったか忘れちゃったよ。女に戻ったら……どうなるんだろね?」

赤沢「……」

綾野「けどその時こういっちゃんは東京かー。泉美頑張りなよ? 応援してるから!」

赤沢「そう……。ありがとう」

赤沢「それで、戻る戻らないだけど……。今までに元に戻らなかった人はいないわ。ずっと男でいるなんて無理ね」

綾野「そっか……」

赤沢「まあ男が楽しいのなら、元に戻る時の事も踏まえて楽しむ事ね」

綾野「そだね……」

242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 14:32:20.68 ID:o4qeYLN80
赤沢「それより良かったわ。あなたと由美がまた仲よくなってくれて」

綾野「あ、心配してくれてたんだー」

赤沢「当たり前でしょ? けど今のあなた達……金木さんと松井さんみたいだわね」

綾野「そそんな風に見えるの!! もう泉美ったらやだなぁー」グイッグイッ

赤沢「ちょっと髪の毛引っ張らないでよ!」

綾野「……泉美、もう戻る方法は探さなくっていいよ。私は卒業まで男でいたいから」グイグイ

赤沢「分かった! 分かったから! 髪の毛離してよ!」

ポイッ

245: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 14:49:11.73 ID:o4qeYLN80
綾野「話しはそれだけ? じゃあ教室戻ろ♪」スタスタ

赤沢「ハァ、全く……」

赤沢(確かに多佳子は今も学校内で解決方法を探しているけど……。私は私で現象を体験してきた人から色々な話しを聞いてきたんだから……)

赤沢(解決法が見つからないのは単純に見つからないって事には違いないんだけど……)

赤沢(それ以上に対象者が戻りたがらなくなるケースが多く、それで対策探しがおざなりになってしまうーーこれも大きな理由の1つみたいね……)

赤沢(そして、この現像が終わった後も悩んでる人がいる。その人はその現象の対象者ではなく……)

赤沢(伝えた方が良かったのかしら……。うーん)

赤沢(どうしたものかしらね。彩が元に戻って1番辛いのは、元の心境に戻れるか分からない由美でしょうに……)

248: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 15:20:04.71 ID:o4qeYLN80
教室

有田「あっ戻ってきたよ」

綾野「ただいまー」

小椋「泉美と2人で何の話しだったの?」

有田(妬いてる妬いてる♪ 2人は親友以上の関係を隠してるみたいだけど、松子ちゃんの目はごまかせませんよ~)

綾野「それがね……元に戻れる方法が……」

小椋「えっ、まさか……」

有田「……」

綾野「見つからなかったんだって!」

小椋「お、驚かさないでよ!」

250: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 15:34:54.27 ID:o4qeYLN80
有田「何でホッとしてるの? 戻れた方がいいよね?」

小椋「それは……」

綾野「まあいいじゃん。私も今楽しいしさ」

有田「へ~。話しぶったぎるけど、彩、●●●触らしてよ」

綾野「えっ」

小椋「ダメに決まってるでしょ? 調子に乗んなよこの貧 !」


253: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 15:58:34.61 ID:o4qeYLN80
有田「なんで由美が怒るのよ! それに貧 ですって? 由美にだけは言われたくないよ!」

小椋「ふふふっ、残念ね。あたしは彩のおかげで少しおっきくなったのよ!」

綾野「ちょっと由美……」

有田「彩のお・か・げってどういう意味なのかな~?」

小椋「……彩が調べてくてたのよ。おっきくなる方法を」

有田「じゃあ私にも教えてよ」

小椋「忘れた」

有田「なんで忘れる訳~?」


小椋「う、うっさいわね! 別に  でもらうくらい前からやって貰ってたでしょ?」

有田「へー。同性にやって貰っても効果あるんだ。私が聞いた話しでは女性ホルモンがーー」

綾野「まあまあ2人とも。こういうのって団栗の背比べって言うんだよ」

255: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 16:14:55.18 ID:o4qeYLN80
有田「酷い! 綾野くん……私もおっきくしてよ」ジー

有田(由美直伝の上目使い……どうだ!)

綾野「あ、進路希望書だすの忘れてたんだった。2人ついてきてよ」

有田(む…無視……)

小椋「なんでそんな大事な物を出し忘れんのよ! 早く行きましょ」

有田「……私はいいや。2人で行ってきてよ」

綾野「そっかー。じゃあ由美行こっか」

小椋「うん!」

スタスタ

256: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 16:16:14.80 ID:o4qeYLN80
有田(いつか彩は元に戻るのに……いいのかな? まあ由美と彩が元気になったし、いっかー。それにみんなも……)チラッ

鳴「榊原くん……前は酷い事言ってごめんなさい」

恒一「み、見崎いい…。もう質問なんてしないから……ストーカーなんてしないから……」

鳴「これからは特別に認めます」

赤沢「ちょっと見崎さん。今まで酷い扱いしてたのにそれはないんじゃない?」

恒一「いいんだ……もう、いいんだよ。赤沢さんもごめんね。ストーカー呼ばわりして」

赤沢「えっ、そんなっ…恒一くんがそういうんだったら……」

257: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 16:21:44.86 ID:o4qeYLN80
恒一「お詫びにイノヤのコーヒーをおごるよ」

赤沢「恒一くんったら、2人きりっでコーヒーデートだなんて……」ブツブツ

恒一「見崎も来るよね?」

鳴「ええ。けど榊原くんは紅茶を飲むでしょ? コーヒーなんてだめだよ」

恒一「あはは、どっち飲もっかな。けどコーヒーと紅茶なんて、男と女で悩むのに比べたら……」

勅使河原「俺と望月も行っていいか?」

小椋にボコボコにされた中尾「赤沢さんが行くなら俺も!」

杉浦「私も」

恒一「そうだね。みんなで行こう。けどおごるのは赤沢さんだけだよ」

260: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 16:26:02.10 ID:o4qeYLN80
桜木「風見くん。西高諦めたんですか? 一緒に行きたかったな……」

風見「ゆかり! ああ……XX日と6時間21分30秒ぶりにゆかりが僕にしゃべりかけてくれた……」

桜木「あっ多々良さん。待って下さい」スタスタ

風見「僕……今から勉強頑張るよ。だから西高に受かったら僕とーーってあれ?」キョロキョロ


261: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 16:30:22.32 ID:o4qeYLN80
川堀「なあ高林聞いてくれよ」

高林「なんだい?」

川堀「前に綾野と小椋に絡んでたDQN3人いたろ?」

高林「アイツらがどうしたの?」

川堀「3人とも喰っちまったんだけどよ? 笑えるぜ、今のアイツら俺をめぐって大喧嘩してるんだからな!」

高林「フェアじゃないね。僕はビ  だけで我慢してるというのに」


有田(見崎さんもゆかりも諦めがついたみたいだね。まあ彩と由美をみてたらつけいる隙がないもんね)

有田(やっと彩の●●●以外は元の3組に戻ってめでたしめでたし! 鳥たちに報告報告っと!)

264: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 16:38:30.76 ID:o4qeYLN80
屋上

綾野「私は前から夜見山高校に決めてたからねー」

小椋「あたしも志望校、夜見高に変えたんだ。一緒に勉強頑張んないとね」

綾野「え? なんで志望校変えたの?」

小椋「勉強したくなっただけ。(それに3組の人も多いし、彩や松子もいるし……)」

綾野「由美が勉強ね~。けど由美の偏差値じゃ頑張らないと厳しいんじゃないの? 多分内申もボロボロだよ?」

小椋「分かってるわよ! だからクソ兄貴に頭下げて勉強教えてもらってるんだから」

265: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 16:39:50.89 ID:o4qeYLN80
綾野「敦志お兄ちゃんかぁ、前は懐かしいかったな~」

小椋「ねえ……兄貴に邪魔された事、ここでしてよ……」

綾野「ええ~? 学校ではダメだよ~」

小椋「……! やっぱりいいわ。松子が見てる」

綾野「あははー。けど松子やみんなと一緒の高校行けるといいね。泉美と一緒のとこに行けないのは残念だけど」

270: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 16:48:55.86 ID:o4qeYLN80
小椋「……高校生になったら……彩が元に戻ったらあたし達どうなるのかな?」

綾野「どうなるのかな~? けど、どうなってもいいじゃん。どっちにしろ一緒にいるのは変わりないんだからさ」

小椋「……そうだね!」

綾野「教室戻ろ! 3組のみんなといれるのも、夏休みとか除いたらあと半年くらいしかないよ!」

小椋「うん!」

271: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/05(火) 16:56:55.73 ID:o4qeYLN80
小椋(彩が女に戻ったら、あたしの今の気持ちも元に戻ってくれるのかな?)

小椋(そもそも男になったのが彩じゃなくて、泉美や松子とかだったら……)

小椋(やっぱり彩だからだよね……。ホントにどうなっちゃうんだろ……)

小椋(彩は多分榊原くんみたいにあたしの事を忘れて行くだろうし……。迷惑だけはかけないようにしないと)

小椋(ううん。まだどうなるか分からないじゃない! それにどうなったとしても、彩の言うとおりこれからもずっと一緒なんだから!)

綾野「何してるの由美~早く戻るよ~」

小椋「彩、待っててばぁ」

ガチャン


有田(お)
雀A(わ)
雀Y(り)