サターニャ「誰を殺すか選べ…………?」
- 2017年03月22日 21:40
- SS、ガヴリールドロップアウト
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サターニャ(そしてみんなに変な形の首輪がつけられていた。私にはついてない……そして私の部屋にそれぞれの名前が書かれたボタンがついていた)
サターニャ「ここは……?」
ヴィーネ「ようやく起きたわね。なんか……やばいところに連れてこられたみたいなの……」
ラフィエル「出口がサターニャさんのいる部屋にしかないみたいで。その扉開きますか?」
サターニャ「……だめ、あかない……」ガチャガチャッ
タプリス「うぅ……私達どうなっちゃうんですかぁ……」
ヴィーネ「何か気づいた?」
サターニャ「そ、その……誰か一人選んで殺せって書いてる……そうしないと解放しないし、全員殺すって……」
ヴィーネ「は、はあ!?」
ガヴリール「殺せって……」
ラフィエル「愉快犯の犯行……でしょうか」
サターニャ「期限は……48時間みたいだけど……数字進んでないわね」
ヴィーネ「!?なんかでてきた!?」
ラフィエル「モニターみたいですが……」
ガヴリール「まさか……犯人か!?」
「ここは……?」「私達閉じ込められてるみたい……」
ガヴリール「……?私達と同じ状況みたいだけど……あ、場面変わった」
「誰か一人選べって……!」「そんなの無理に決まってるでしょ!!」
タプリス「……これは」
「でも本当に来るかな……」
ラフィエル(このタイミングでわざわざ映像を見せてくる……まさか……)
「誰かなんて選べないよ……」
ガヴリール「あぁ……タイムリミットが……」
「ひっ!?何か出てきた!?」
「なにこれっ……お゛ぇッ!!え゛ぇ゛ぇ゛……!!」
ラフィエル(これは……毒でしょうか……)
「誰か死なないとみんな死んじゃうなら……」
ラフィエル「これは……ひどい……」
「××ちゃんが死んじゃえ……!」ポチッ
タプリス「首がっ……!?」
ヴィーネ「うそうそうそ……この首輪……そんなっ……!」
ラフィエル「どうやら隔離された一人は誰を殺せるみたいですね……」
サターニャ「じゃあこのボタンは……」
ラフィエル「あの映像を見る限り、首輪のギミックを作動させるスイッチでしょう」
ラフィエル「時間が経つと毒ガスを流し込まれて全員殺される……」
サターニャ「……」ガクガク
ヴィーネ(今この映像を見せたってことは……私達も同じ目にっ……回避するには……誰か一人を……)
タプリス「なんで……なんでこんな目に……私達さっきまでみんなで遊んでただけなのにっ……」
ラフィエル「連れてこられるときの記憶ないですし……ここがどこなのかも……助けが来てくれるかもわからないですし……」
ガヴリール「ケータイとかはもちろんないし……天使の力も使えない」
サターニャ「……」
ヴィーネ「誰か死ねって……?」
ラフィエル「そ、そうは言ってないです……他に何かできることがあるかもしれないじゃないですか」
タプリス「ちょちょちょっいきなり険悪な雰囲気になるのやめてください!私たちは天使と悪魔!人間にはできないことが出来るかもしれません!」
タプリス「そうです!神のご加護で奇跡を起こすことだって……」
ヴィーネ「じゃあ……悪魔は邪魔かしら……」
サターニャ「あ、あう……」ワタワタ
ガヴリール「落ち着けヴィーネ。私達ならきっとなにかできるはずだ。力を合わせてここから脱出するぞ」
ヴィーネ「ガヴ……」
タプリス(でも……確かに悪魔は……)
ガヴリール「よし、じゃあまず部屋になにがあるか調べるぞ。私はこっちの方を調べる」
ヴィーネ「じゃあ私はこっちの壁側」
ラフィエル「では私はこちらを」
タプリス「じゃあ……」
サターニャ「こっちの部屋は任せて!」
サターニャ(一時はどうなることかと思ったけど……やっぱり私たちは友達!協力すればすぐに脱出できるわ!)
ガヴリール「……結局収穫はなにもなし、と」
ラフィエル「得られたのは食料がないという情報ぐらいでしょうか。一応水は用意されてるみたいですが……」
ヴィーネ「ねえ……本当にちゃんと探したの?」
ガヴリール「探したよ。何度も何度も」
ヴィーネ「……私そっちの面探すわ」
タプリス「こっちには本当になにもないですよ」
ヴィーネ「見逃してるだけかもしれないでしょ」
タプリス「なっ……!そんなわけないでしょう!!私のことが信用出来ないんですか!?」
サターニャ「ちょっ、落ち着いて……」
ヴィーネ「サターニャももう一度その部屋の中調べて。そこはあんたしか入れないんだから」
サターニャ「は、はい……」
ラフィエル「……わかりました。では私はこちらを」
タプリス「天真先輩がそういうのなら……」
ヴィーネ「ガヴの言う事なら素直に聞くのね……」
ラフィエル(ヴィーネさんにも言えることですよねそれ……)イラ
サターニャ(うぅ……なんとかしないと……)
…………
……
ガヴリール「なにもなし……と」
ラフィエル「そもそも……脱出の手がかりがあるとは思えません……」
ラフィエル「だって……いちいち少女たちの今際をいちいち映像に残して見せつける愉快犯ですよ!?」
ラフィエル「私達を殺すつもりとしか思えません……」
ヴィーネ「なによそれ……あんたが最初になにかないか探そうって言ったんでしょ!?」
ラフィエル「私はできることがあるかもしれないと言ったんです!それをいい出したのはガヴちゃんです!!」
ヴィーネ「ガヴのせいにするっていうの!?」
タプリス「ふ、二人共落ち着いてください……!」
ヴィーネ「……ッ!」ヒリヒリ
ラフィエル「……ガヴちゃんっ……」ヒリヒリ
ガヴリール「そうだ。落ち着け」
ラフィエル「で、ですが」
ガヴリール「ラフィエルの言うとおりこれは絶対愉快犯の犯行だ。そいつはこうやって仲間割れする様を見て楽しんでるに違いない」
ガヴリール「このまま喧嘩してたら相手の思うツボだ。仲良く協力していこう」
ガヴリール「仲間割れすら起こらずに、逆に奇跡を起こしてさ。脱出して犯人をとっ捕まえてやろうぜ」
ラフィエル「そ、そうですねっ!」
ヴィーネ「そう、よね。ごめん……取り乱してた……」
サターニャ「みんな……!うんっ……このボタンを押す機会は来ないわね!」
ラフィエル「ええっ!」
ヴィーネ「気を取り直して……頑張りましょう!」
タプリス「おーっ!!」
…………
……
12時間経過
ガヴリール「……」
サターニャ「……」
ヴィーネ「……」
ラフィエル「……」
タプリス「……」
ヴィーネ「こんなことしてる場合じゃ……もう四分の一も過ぎちゃった……」
ラフィエル「……天井」
ガヴリール「ん?」
ヴィーネ「そ、そっか!天井!もしかしたら天井になにかあるのかも!」
ガヴリール「でもこれ届かないぞ」
ラフィエル「肩車していけば……」
タプリス「天真先輩一番上お願いします!」
ガヴリール「お、おう!任せろ!」
サターニャ「が、頑張って!私もこっちは頑張るから!」
ガヴリール「いつつっ……」
ヴィーネ「が、ガヴ……」
ラフィエル「これは……もしかしたら、折れてるかもしれません……」
ヴィーネ「……あんたが、一番下のあんたが踏ん張らないから!!」
ラフィエル「なっ……わ、私のせいだっていうんですか!?」
ヴィーネ「だってそうでしょ!?あんたがしっかりやってればガヴは……!!」
ガヴリール「死んでないだけましだ……まあ、この際死んでたほうがみんなからすればよかったのかも知れんが……」
タプリス「そ、そんな……そんなこと言わないでください……」
サターニャ「な、なに……?」
ガヴリール「もし脱出できなさそうだったら……私を殺してくれていいから」
サターニャ「なっ!!」
ヴィーネ「何言ってるのよガヴ!!」
ガヴリール「いや、死ぬとはいってない。もし脱出できなかったらだよ」
ガヴリール「このまま仲間割れするお前らを見るのは嫌だ……。いざというときは私が犠牲になるからさ……喧嘩しないでくれ」
タプリス「天真先輩……!」
ヴィーネ(それにしても……)
タプリス(しかし……)
ラフィエル(この人達は自分が死ぬって言い出さないんですね)
ヴィーネ(こいつら、自分が死ぬって言い出さないのね)
タプリス(この先輩方は自分が死ぬって言い出さないんですね)
ガヴリール「さ、捜索の続きしようぜ。私は足手まといになっちゃうかもしれんが……」
サターニャ(結局ろくな手がかりが見つからないまま20時間経過してしまった)
サターニャ(一度は関係がよくなったかと思えば……)
ヴィーネ「このままじゃ……」ブツブツブツブツ
ラフィエル「どうにかして首輪を……でも首輪を外したところで毒ガスが……」ブツブツブツ
タプリス「主よ……どうか我らに救いの手を……」ブツブツブツ
ガヴリール「……今日はもう寝よう」
ヴィーネ「しょ、正気!?」
ガヴリール「このまま頭が働かないまま考えても無駄だ。一度寝て頭をスッキリさせよう」
タプリス「先輩がそういうのなら……」
ガヴリール「交代……?」
ヴィーネ「もしかしたら寝てるとこを襲われちゃうかもしれないでしょ。だから二人ずつ眠って起きてる方がお互いを監視するの」
ラフィエル「ちょ、ちょっと待って下さい。それは私達の誰かが寝首をかくかもしれないってことですか?」
ヴィーネ「一応、万が一のためよ!」
ラフィエル「そんなに……天使を信用出来ないですか……?」
ヴィーネ「……ッ。当たり前でしょ……この部屋に悪魔は一人だけ……落ち着けるわけ無いでしょうが!!!」
ガヴリール「……ッ」ビクッ
タプリス「つ、月乃瀬先輩考えすぎですよ……」
ラフィエル「信頼関係を作るのに証明とかは……」
タプリス「そうですよ……信じてくださいとしか……」
ガヴリール「やめろ!!いざって時は私が死ぬって言ってるだろ!お前たちが争う必要なんかない!!」
ヴィーネ「……嘘」
ヴィーネ「絶対に嘘。大俗物のガヴは未練たらたらのはず。死ねるわけがない」
ガヴリール「そんなことない……友達のためなら私は」
ヴィーネ「じゃあ今死んで証明してみなさいよ!!」
ヴィーネ「お前は黙ってろ!!」
サターニャ「な……」
ヴィーネ「一人だけ安全な所から見下して……誰を殺すか選べる立場ってのはさぞかし居心地が良さそうね?」
ヴィーネ「私があんたの立場だったらもう脱出できてるってのに……」ボソッ
ラフィエル「そ、それはどういう意味ですか……!ヴィーネさんは平気で誰かを……」
ヴィーネ「だって脱出できないんならそうするしかないでしょ!?私ならまっさきに……」
サターニャ「やめて……それ以上は聞きたくない……聞きたくない……」ポロポロ
ラフィエル「……ごめんなさい」
ヴィーネ「……そうね。悪かったわ……ごめんなさい」
ガヴリール「そうだ。諦めるのはまだ早い。あと1日もあるんだ……1日もあればきっと誰かが助けてくれる」
タプリス「そ、そうですよ!信じる者は救われます!」
サターニャ「ええっ!そうよねっ!!」
ヴィーネ「ねえ。その扉ピッキングとかできないの?」
サターニャ「私には……」
ラフィエル「そもそも鍵穴ありませんし……外側からしか開けられない作りになってるんでしょう」
ヴィーネ「……」チッ
ラフィエル「……」イラッ
ガヴリール「……」
タプリス「うぅ……」
ラフィエル「なぜ都合よく天使と悪魔だけが連れてこられたのか」
ヴィーネ「そんなのたまたまガヴの家にいたからでしょ……」
ラフィエル「それはそうですが、なぜ連れ去られる寸前の記憶が無いのか……」
ラフィエル「それに私達の力が使えなくなっているのも疑問です。人間にそんな技術があるとは思えません」
ガヴリール「つまり、天使か悪魔の犯行……ってことか?」
ラフィエル「おそらく……。記憶がないのも特殊な術を使ったからでしょう」
ヴィーネ「まさか……学年首席と次席だからじゃないの……あんたらが」
ヴィーネ「あんたらを狙おうとしておまけで私までさらわれたんじゃ?」
ラフィエル「それはないと思います……それなら私とガヴちゃんを殺すか皆殺しにしてると思いますし」
ラフィエル「わざわざ私やガヴちゃんが助かる可能性を残すとは思えません」
ヴィーネ「……そうとは限らないでしょ。結局誰か殺して脱出したらやっぱり皆殺しとか。そういう展開だってありえるでしょ」
ラフィエル「確かになくはないですが……愉快犯の性質を考えるに……」
ヴィーネ「私さ……あんたのそういうところほんと嫌い」
ヴィーネ「知性を振りかざして状況を分析(笑)して賢さアピール、マウンティング……」
ラフィエル「そ、そんなつもりは」
ヴィーネ「自覚ないの?尚更質悪いわね」
タプリス「や、やめてください!今喧嘩してる場合じゃ」
ヴィーネ「タプちゃんも……あざとさアピールやめたほうがいいわよ。かわいこぶってれば見逃してもらえるとか思ってる?」
ガヴリール「おいヴィーネいい加減にしろ!」
ヴィーネ「あは、みんなに嫌われちゃったかしら。あーあ。私殺されちゃうのかなぁ」チラ
サターニャ「……」
ヴィーネ「私……?」
サターニャ「いやよ……そういうこと考えたくない……」
ガヴリール「いい加減にしろって言ってるだろ!!助かりたくないのか!?」
ヴィーネ「助かりたいわよ……助かりたいに決まってんでしょ!?」
サターニャ(あぁ……またみんなが……喧嘩を……)
ガヴリール「……もう、寝るか」
タプリス「そう、ですね……言い争いして疲れました……」
サターニャ「そ、そうねっ。起きたらじっくり考えましょう
ヴィーネ「……サターニャはいいわね。いざとなれば適当に誰か殺すだけで生き延びれるんだから」
サターニャ「……おやすみ」
ラフィエル「……」
ガヴリール「おやすみ……」
タプリス「おやすみなさい……」
ラフィエル「……」
ヴィーネ「あんたは寝ないの」
ラフィエル「……」
ヴィーネ「寝たら……私に殺されるとでも思ってる?」
ラフィエル「……」
ヴィーネ「ねえ、どうなの?」
ラフィエル「そうですよ……思ってますよ」
ラフィエル「ええ。この部屋で身体能力が一番優れてるのは私。私を殺せばあなたはこの部屋の中では優位に立てる」
ラフィエル「ガヴちゃんやタプちゃんに文句を言われようと暴力で従わせることができる」
ラフィエル「……違いますか?」
ヴィーネ「……ほんと、そういうところ気に入らないわ。人の心を見透かしてる感じがムカつく」
ラフィエル「あら、図星ですか?」
ガヴリール(眠れない……)
タプリス(はぁ……明日どうなっちゃうんでしょう……)
タプリス「あと6時間ですね……」
ガヴリール「なあ、仲良くしてくれ……」
ヴィーネ「……」
ラフィエル「……」
サターニャ「ふぁ……おはよ……」
サターニャ「ってヴィネットとラフィエルはどうしたの……?」
タプリス「寝てる間にかなり口喧嘩したみたいで……」
ヴィーネ「サターニャは随分と余裕ね……ま、当然よね。そんなところにいれば、そりゃね」
ガヴリール「はぁ……もう……覚悟を決めるか」
サターニャ「へ……?」
ガヴリール「よし、死のう」
タプリス「ちょっ何を言ってるんですか!?」
ラフィエル「そうですよ!!あと6時間あるんですから!!」
ガヴリール「なに、すぐに死ぬとは言ってない。最後に思い出話でもしようぜ」
ガヴリール「ほら、天使学校のときからラフィやタプリスと付き合いあって……」
ガヴリール「憧れの人間界に来てさ……最初は優等生のままで……近所の人ともうまくやってて……」
ガヴリール「そのうちヴィーネにあって……こっちでの初めての友達になったんだよな」
ヴィーネ「……そう、ね」
ガヴリール「あの時、ヴィーネに会えた時さ。私めっちゃ嬉しかったんだぞ?天使以外の初めての友達だったから」
ヴィーネ「……」
ガヴリール「本当は嫌いとかじゃなくて……楽しかった……っていうのは酷いか。でも……サターニャと遊んだ日々は本当に楽しかった」
サターニャ「ガヴリール……」
ガヴリール「もちろんタプリスも……いい後輩だよ。ここまで駄目になった私を慕ってくれる……一番の後輩だ」
タプリス「天真先輩……」
ガヴリール「そういえば海に行った時もあったなぁ……あの時駄天してから初めてアウトドアが楽しいって思えたんだよ」
ガヴリール「それに……」
…………
……
ラフィエル「ってことがあったり……」
ガヴリール「そんなこともあったな……懐かしい」
ガヴリール「……今度は疲れそうだが山にも行ってみたいな。それに4月にはタプリスも入学するんだ」
ガヴリール「5人で遊びたいな……」
タプリス「そ、そうですよっ……!行きましょう!みんなで山にも海にもっ!」
ラフィエル「そうですっ!それまで勝手に死んじゃうなんて許しません!」
サターニャ「そうよ……それにあんたにはまだ負けたままだからね……勝ち逃げなんて許さないわよ!」
ガヴリール「……でも、でも」
ガヴリール「うぇぇぇ……やっぱり死にたくないよぉ……」
ヴィーネ「……嘘つき」
ラフィエル「なんで、なんでそういうことを言うんですか……!!」
ヴィーネ「もう時間がないからに決まってるでしょ!!」
ヴィーネ「あと1時間もないのにここにきてやっぱり死にたくない!?ふざけないでよ!!」
ヴィーネ「私が死ぬ死ぬ言っておきながら最後の最後でやっぱなし!?」
ヴィーネ「あーそういうこと!あんたの魂胆が理解できたわ!」
ヴィーネ「最後に感動話してやっぱり死にたくないっていうことでサターニャに殺すのを躊躇わせるつもりね!」
ヴィーネ「それで別の人をターゲットにしようとしたんだ!ほんと天使って下衆ね!!」
ガヴリール「そんな……私は……」
ヴィーネ「なに?じゃあ無自覚でこんなことしたの?じゃあもう才能としか言えないわね!」
タプリス「~~~!!!」
サターニャ「そうよヴィネット……ガヴリールは……」
ヴィーネ「黙りなさい。アンタに発言権はないわ」
サターニャ「……なんで」
ヴィーネ「じゃあ聞くけど……今アンタガヴリールを殺せる?」
サターニャ「……」
ヴィーネ「それなら今殺しても変わらないわ」
ラフィエル「まだ時間はあります!!まだ十分助けが来る見込みが……」
タプリス「そうです、信じる者は救われ」
ヴィーネ「それはもういいわ。私は悪魔よ。神が救うわけ無いでしょ」
サターニャ「うぐ……!」
ヴィーネ「あんたが誰か殺さないと全員死ぬのよ!?」
ヴィーネ「じゃあ誰か殺すしかないでしょ!!」
ヴィーネ「全員殺すつもりなの!?冗談じゃないわ!!」
ヴィーネ「それなら……私が誰か殺してやる……!!」
ガヴリール「やめろ……やめろヴィーネ!!!」
タプリス「やめてくださいっやめて……やめて……!!」
ヴィーネ「うるさい!!私はあんたたちも助けようとしてんのよ!!!」
サターニャ「やめなさい!!!!!!!!」
残り1分
ヴィーネ「……サターニャ?そ、それは」
サターニャ「ごめん……みんな……私ね、ずっと黙ってたことがあるの」
サターニャ「ほんとはね……こっちの部屋であるものを見つけてたの……」
ガヴリール「その銃……まさか……」
サターニャ「このガラスどんなに殴っても壊れなかったけど……この銃なら……なんてね」チャキッ
サターニャ「自分で自分の頭に拳銃を突き立てる……その意味、わかるでしょ」
タプリス「胡桃沢先輩……?なにを……」
ラフィエル「さ、サターニャさん……だめです……それは……それはぁ……!!」
サターニャ「これで金輪際喧嘩はなしっ!これからはみんな仲良く!」プルプル
残り10秒
サターニャ「サタニキア様との約束よ……!」
ヴィーネ「……だ、だめ……サターニャ、それはだめっ……!待ってサターニャ!やるならっ……やるなら私でしょ……私でしょおお!?」
3
サターニャ「ふふ……ヴィネットの考えなんてお見通しよ。同じ悪魔だもの」ニコッ
2
ヴィーネ「だめ……だめええええええええええ!!!!」
1
パァンッ
「「「「ああああぁぁぁぁ……!!!」」」」
ガヴリール「ああああ……?あ?なん……ここは……私の部屋……?」
ヴィーネ「はっ……!?い、今のは……夢……?」
ラフィエル「うぅ……ひどい、酷い悪夢を見た気がします……」
タプリス「いたた……頭痛が……」
サターニャ「……」
ガヴリール「……お、おいサターニャ?起きろよ」ユサユサ
ラフィエル(え……?さっきのは夢ですよね?でもみんな悪夢見た感じが……?)
タプリス「胡桃沢先輩……?」
ヴィーネ「サターニャ……?」
サターニャ「どこっ!?」
ガヴリール「あ……サターニャ……よかった……よかったよかったぁああああ!!!」ダキッ
タプリス「よかったです……胡桃沢先輩ぃ……」ギュッ
ラフィエル「ふふ……息はありましたからね……っ。なんにせよ……よかったです……」ギュッ
ヴィーネ「ほんとっ……よかった……よかったぁ……!」
サターニャ「ちょっ、な、なによぉ……///」
サターニャ「ど、どうしたのよみんな……///」
ガヴリール「いや……サターニャが死んじゃう夢を見て……」
ラフィエル「私もっ……私も……」
タプリス「私もですっ……」
サターニャ「……ちょっとまって。私も自殺する夢見たんだけど……もしかしてみんな同じ夢を見たってこと?」
ラフィエル「見知らぬ部屋に閉じ込められ……誰かが死なないと出られないという内容で……」
タプリス「一緒です……」
ガヴリール「……ようやく少しずつ思い出してきたぞ。サターニャが用意した暗黒鍋で作ったものを食べてから意識がなくなって……」
ヴィーネ「……私も。ってことはみんな同じ夢を見てたってことよね……」
サターニャ「そういうことになりそうね……」
ラフィエル「サターニャさん……!!なんてものを食べさせるんですかぁ……私っ本気で泣いちゃいましたよ……」ギュッ
ガヴリール「あ、ず、ずるいぞっ……!!」ダキッ
タプリス「ほんとですよぅ……」ギュッ
ヴィーネ「み、みんなずるいっ!」ダキッ
サターニャ「ちょっ……なによ照れるじゃないの……///」
ガヴリール「うん……サターニャのこと、まじで見直した」
タプリス「私もですっ!!」
ヴィーネ「私だって……///」
サターニャ「て、照れちゃうわね……///」
ラフィエル「あと……ヴィーネさんも」
ヴィーネ「え……?」
ラフィエル「最後の一言でヴィーネさんの意図、察しました」
ヴィーネ「あ、そ、そこまで覚えてるんだ……」
タプリス「ど、どういうことですか?」
サターニャ「ヴィネットはめちゃくちゃ優しい悪魔ってことよ」
ガヴリール「なんだタプリスは気づいてないのか。ヴィーネはわざと嫌なやつを演じて自分を選ばせようとした……そうだろ?」
ヴィーネ「ちょっ、解説やめてぇぇえええええ……はずかしーっ///」
ヴィーネ「い、いやっ!最初はほんと素だったの!!でも……協力していくうちにみんなを助けたいって思うようになって……」
ヴィーネ「だって……他の人が死ぬなんて嫌だし……サターニャに誰かを選ばせるなんてできないと思って……だから……」
サターニャ「だからってあれはやりすぎよ!」
ガヴリール「うん……正直最後の一言がなかったらガチでヴィーネのこと嫌いになってた」
ヴィーネ「うっ……狙ってたとはいえ面と向かって言われるときついわね……」
ラフィエル「ふふ、ヴィーネさんのほうが一枚上手でした……///」
ヴィーネ「まあ、それを言ったらサターニャには敵わなかったけど……ね///」
タプリス「みなさんすごいですっ」
ヴィーネ「そうねっ!」
サターニャ「安心したらお腹空いちゃった」
ガヴリール「今日のMVP賞はサターニャだな。じゃあ特別にガヴリール様が手料理を……」
ラフィエル「ガヴちゃんはずっと料理してませんよねーここは私が♪」
ヴィーネ「ふふ、料理は私の役目でしょ♪」
タプリス「いえ、先輩方は疲れてると思いますしここは私が……」
サターニャ「ちょっちょっちょっ……いきなりモテモテ!?さすがのサタニキア様も困惑しちゃうわよ!」
サターニャ(でも……悪くないかも♪)
END
元スレ
サターニャ「誰を殺すか選べ…………?」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1490173860/
サターニャ「誰を殺すか選べ…………?」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1490173860/
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コメント一覧 (31)
-
- 2017年03月22日 21:53
- サターニャがいい奴だってのは十分すぎるほど分かった
-
- 2017年03月22日 22:19
- サタニキアハーレムと化すのか
暗黒鍋仕事し過ぎだろ
-
- 2017年03月22日 22:23
- これは大悪魔サターニャ様をすこらざるをえませんわ
-
- 2017年03月22日 22:34
- コレは大天使サタニキア=マクドエル
-
- 2017年03月22日 22:43
- 大どんでん返し
-
- 2017年03月22日 23:17
- タイトルでブレスオブファイア2を想像したおっさんは如何かね
-
- 2017年03月22日 23:20
- 魔〜ん(笑)のくせにカッコいいじゃないですか…
まあ天……ガヴリールが一番に決まってるけどね!!
-
- 2017年03月22日 23:39
- このヴィーネはグズ
-
- 2017年03月22日 23:46
- 8
ようタップリン
-
- 2017年03月22日 23:50
- 嘘つきヴィーネしね
-
- 2017年03月22日 23:52
- 保健所に連れていかれそうになった犬が見せた夢という可能性が···?
-
- 2017年03月23日 00:02
- とってつけたハッピーエンドって大嫌い
-
- 2017年03月23日 00:24
- ヴィーネかっこいい。
クズとか言ってる奴は話最後まで見てないのか
-
- 2017年03月23日 00:57
- サタニキアageしてるけど元凶がこいつの暗黒鍋なんじゃが...
-
- 2017年03月23日 01:21
- ※14
アホかよ
悪意があってとか自分の意志とかで元凶になったわけじゃないし全く関係ない
極限の状態でそういう選択を取れる精神があるというだけで格好いいんだよ
-
- 2017年03月23日 01:26
- ヴィーネの言動の意図は途中で読めたけど、あっさりめに流されちゃったからな
-
- 2017年03月23日 02:02
- 結構序盤であからさまに自分が選ばれるよう誘導してたしな
-
- 2017年03月23日 02:13
- ガヴですら欺きおおせかけたヴィーネの真意に、アホの子サターニャだけが早々に気付いてたって所が熱いんだよ
まあラフィタプがほぼ空気だったとも言えるが…
無理にハッピーエンドに持ってかずに胸糞エンドでも面白かったと思うわ
-
- 2017年03月23日 02:19
- 胸糞にしたら文句言うくせにwwww
-
- 2017年03月23日 05:32
- ヴィーネが自分選ばさせる気なのはなんとなくわかった
真面目なはなしだとサタニキア様かっこよくなるな
-
- 2017年03月23日 08:08
- これだよこれぇ!!
-
- 2017年03月23日 14:16
- 胸糞!書いたやつもげろ!ってコメントするつもりだったのに
チクショウ!やられた!
ほっこりさせられた!!!
-
- 2017年03月23日 17:52
- もしサターニャ側にピストルなかったらと思うと、ヴィーネの覚悟たるや
-
- 2017年03月24日 07:44
- 3つの選択というやりきれない話を思い出したわ、みんないい子の話で良かった
-
- 2017年03月24日 19:18
- あー...よかった......
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- 2017年03月25日 02:41
- デスゲームよりこういうのがいい
-
- 2017年03月26日 10:55
- サターニャぁぁぁ…
なんて良い子なんだ
-
- 2017年03月31日 17:55
- BAD ENDはどこ...?ここ...?
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- 2017年08月07日 22:50
- サターニャ様すこすこのすこ
-
- 2017年10月04日 01:36
- 嫌悪のBAD ENDも見たいぜよ
-
- 2017年10月16日 02:20
- 何度読んでもいいな
サターニャ万歳!!!