07/09/10
もう10年くらい前、私は都内の某新聞社に勤めていました。
仕事柄、帰宅が深夜に及ぶこともしばしばで、そういう時は契約しているタクシー会社に電話をかけてタクシーを呼んで帰るのが常でした。
ある日、やはり仕事の終わりが0時を過ぎ、いつものようにタクシーを呼び乗り込みました。ところが、そのタクシー運転手の態度がとにかくひどいのです。
行き先を告げても一言も返事しない。ドアをいきなり閉める。ラジオを大音量でガンガンかけて飛ばし、音量を下げてくれと頼んでも聞かない。
そして運転が下手で乱暴で、普段なら帰宅までの車中でウトウトできる位なのに、その時は気分が悪くなるのを我慢しながら後部座席で踏ん張るというありさまでした。
タクシーに乗る機会は多いけれど、こんなひどいタクシーに出会ったのは初めてだった。無線で呼ぶのだからどんな運転手が来てもおかしくはないけれど、それにしても・・・という感じでした。
ようやく自宅マンションの前に車がついて、タクシーチケットに金額を書き入れて渡したけれど、やはり何の挨拶もなく、乱暴にドアが開けられました。
自分も疲れて少々機嫌が良くなかったこともありますが、そこでブチっとキレて、黙って『お客様カード(葉書大のアンケート用紙で近代化センターに届くもの)』を手につかみ取り、車を降りました。
近代化センター・・・現在の名称は東京タクシーセンター。タクシー運転者になるための試験や、研修・指導などを行っているところ。
その日のうちに『お客様カード』にその日の状況と感想とを事細かに記入し、翌朝ポストに投函しました。
それから1か月くらい経って、すっかりそのことを忘れていたある夜、またいつもと同じく職場からタクシーを呼び、到着した車に乗り込みました。
「とりあえず○○(町名)目指して行って下さい、詳しい場所は近くなったら改めてお伝えしますから」
と言い、運転手も一言
「はい」
と答えました。(暗いので運転手の表情や様子は分からない)
妙に静かな車内でした。
ところがなぜか車は○○町に入ってからも、私が説明するより先に自宅へとスルスル向かっていきます。
変だな・・・と思った時、運転手がバックミラーで私をちらちら見ながら、
「お客さん・・・私のこと、覚えていますか・・・」
と、低い押さえた声で話しかけるのです。
「えっ?」
「お客さん・・・センターに私の苦情を言ったでしょう・・・」
それで私は、あの時の運転手だったことに気づきました。
ちょうど自宅のマンション前にさしかかり、車が止まりました。
私はともかくも
「ここで結構です」
とタクシーチケットを渡しました。
・・・普通ならそこで後部座席ドアが開かれるはずなのに、開かない。
と、運転手が私のほうにいきなり身を乗りだしてきました。
「お客さんのハガキで、私はセンターに送られて1週間しぼられましたよ」
(近代化センターがかなり厳しい懲罰的な指導をすることは聞いていました)
「毎日、毎日・・・お客さん、私はね・・・私は・・・私は・・・」
運転手の声が震え、手もこちらに向けて震えています。
まずい、やられる、と思った瞬間、
「どうも、すみませんでありましたっ----!」
運転手の絶叫とともにタクシーのドアがいきなり開き、私は転げるように車から出ました。
タクシーが走り去るのをその場で見届けて、ようやく自宅に入ってからも、しばらく冷や汗が止まらなかったのを今も覚えています。
530 :おさかなくわえた名無しさん ID:Gt57Waq
怖い話@生活板Part6
コメント
コメント一覧 (57)
電話持ってないの?
2007年の10年ほど前の話だから
まだ持っていない人がいても不思議ではない
10年前なんて高校生でも持ってたしキッズ携帯すらあったぞ
社会人でなおかつ新聞社員がもってないなんてありえんわ
ちゃんと読め
2007年スレで10年前と書いてるだろ?
今からいうと20年前だ
1997年ってことだ
理解できるか?
よく読め2007年の10年ほど前だ
契約書の類はしっかり読んでから判つけよ
「一回持ち帰って精査してからにさせてもらいます」って言っても恥ずかしくないんだからな
当然の要求をしたら逆恨みされるとは怖い世の中だ。
密室だから怖いね
新聞・雑誌、各docomo担当の広告部門を中心に行きわたった頃だね。
「圏外」になってしまうところが多くて、あまり意味なかった。
ポケベルの方が便利だったよ。
只の密室ではない。気分次第で心中できる鉄の檻です。ガキが運転してはいけないモノです
密室でお客さんと一対一になることの多い商売なのに、最初の態度だったら苦情入れられて当然じゃん。
謝っただけだろうよwww
この程度でビビるくらいなら苦情なんか入れんなwww
二度目の乗車の時の、運転手の様子はどう考えても反省してる感じじゃないでしょ(笑)
大口客失ったあげく新聞に何か書かれた日にゃタクシー会社なぞ傾くか消し飛ぶか。
自分は月1回使うかどうかだったけど、それでも何度か同じ人に当たった
相手から言ってくるパターンもあれば、こっちが気付くパターンもあり
見知らぬ他人に変な恨みかってもロクな事ないから、苦情カードとかは辞めた方が懸命だと思うわ…
後、名前を確認。配車依頼の電話する時に「(運転手名)以外で」とひと言いうか、自分の会社から「(うちの会社からの)配車に(運転手名)を使わないでくれ」と言える。
そういう苦情って、ちゃんと現場まで届くのか。
本当かな。
どう見てもより悪質になった脅しじゃん。
※19みたいに口では謝ってるからクレーム入れられないはずだと思ってしたんだろうね。
出られなくした上で殴るそぶりをしてるんだから入れられるんだけどね。
小娘だと思って舐められたんだと思う。
お客様カードと陸運局と営業所にも連絡したけど思い出してまた腹たってきた。
不謹慎だけど
これ報告者が読者を笑かしに来てるんかと思った
97年でも携帯電話は普通に持っている人多かったよ。
お仕事をちゃんとしていた人は持っていた。
凄い勢いで職種によるぞ。
会社支給以外は持ってない人の方が多い時期だ。
97年だとPHSが流行ってた頃だな
クレームの永久機関できるじゃん
95年10.6%/96年24.9%/97年46.0%/98年57.7%
急激に増える前後だね
あの頃は代理店に規制が無く、携帯本体をただであげてでもバックマージンがかなり入ったんだよ
商売人だけでなく、個人でも小遣い稼ぎに携帯を配っていた
新聞社勤めだったら逸早く持っていてもおかしくないんだけどね
乗用車の構造上、後方からの方が有利だから勝率は高い
頃さなければ頃される覚悟でツメ立てられようがしにものぐるいで絞め続けろ
ドア空けるかしぬか選べ!それとも車ごと崖にでも突っ込むか?しにたいんならな!と
本気で頃す覚悟を決めて絞めながら言ってやれば十中八九ドア開けてくれるだろうよ
しぬ覚悟決めた運転手という残りの1~2割を引いたらそれはもう仕方無い
指示するよりも先に自宅に向かうってなんやねん
曲がり角に着いてから指示してんの?
お前自体にムカつく
とあるから、多分数日でその運転手に指導が入ったんだろう。
97年代とはいえタクシー業界ならそれなりに運行管理はなされてると思うし、その日の運行ルートを記帳してるはずで、自宅が割れたのかも(やってはいけない事だが)・・・新聞社と契約してるタクシー会社だったようだし尚更、物覚えの良い乗務員よっては記者の顔を覚えている事も、ありえない話ではないかも・・・あくまで憶測。創作なら「なにそれこわい」で済むんだから良いよ。
胸ポケットにボールペンを常備しておくんだ
いざとなったらそれで目潰し
ただの文房具だから悪質な護身にはならないだろ
大人も学生も普通にピッチ持ってたけどな
あの頃はキャリア統合の前でいろんなキャリアがあったし、安いPHSも学生に流行ってて、契約したらお金貰えたw
俺も就職直前でPHSでデビューした。でも、出張中新幹線で通話ができなくて即携帯に買い替えた。
稀にポリシーで持たないって人もいたけど、通話とメッセージだけで3000〜5000円程度(プランによるが)なので、働いていれば維持費も苦ではなかった。
地方都市とその郊外だけど、そんなに圏外で困った記憶がないし、ドコモ回線契約数も4000万件位行ったって記事を読んだ頃だと思う。
不毛
とか思ったけど、20年前(2018年から21年前)だったらギリギリ高校生でも持ち始めた時期じゃね?
その時はポジティブな出会いだったから良かったけど、こういうのは怖いなー
身内が数年タクシー会社にいたけど、ムショ上がりの人間が普通にいたって言ってたわ
いやいや今でも普通にいるよ自分も近代化センターにクレーム入れた事あるけど。
言っちゃ悪いけどタクシードライバーってちゃんとした方も沢山いるけどどこでも人格的に問題があって働けなくて・・・っていう輩もやっぱり多いんだよ。
そういうのはタクシー会社を転々としてるから今はそのうちどこにも勤められなくなって消えるけどね。
因果応報
覚悟もなしに一時の感情でやるからだろ
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