僕には幼なじみがいます。
名前は菜穂って言います。
ほんと、ロクでもない女です。
色白で黒髪が似合い石原さとみに似てて可愛いけどロクでもないです
菜穂がいなければ僕の人生は全く違った物になってたと思います
頑張る意味も人を好きになる事も色んな事を教えてくれたけどロクでもないんです
何がロクでもないかを伝えるには一つ一つ書かないとイケないので聞いて下さい

幼なじみの菜穂のロクでもなさを覚えてる限り順番に書きます



【物心ついた頃】
僕の中の一番昔の記憶にすでに菜穂は登場してる。
隣の隣の家に住む女の子。
僕より7ヶ月早く生まれた同級生。
いつも隣にいた、僕の記憶にない所でも、それこそ赤ちゃんの頃の写真だって
事あるごとに菜穂が写ってる。
ほんとロクでもないな。
人の小さな頃の大切な写真にいつも一緒に写ってくれるなんて
ほんとロクでもないヤツだ

【5歳くらいの時】
僕と菜穂は同じ幼稚園に通っていた。
菜穂は僕より7ヶ月も前に生まれてるからいつもお姉さんみたいだった
僕はこの頃からいつも泣き虫でした。
朝、幼稚園に着いたらもう母ちゃんに会いたくなり
門の前でエーンエンと泣いていた、そんな時いつも決まって
菜穂が来て手をつないで教室まで連れていってくれた。
優しかった。
よくままごとをしてくれた。
いや、してくれたというより
大のままごと好きの菜穂に付き合わされていた。

「はいご飯ですよ」

って渡された泥だんごを食べたがまずかった
土はおいしくない、それを教えてくれた
記念すべき人生で初めての女の子の手料理を泥団子にしてくれた
菜穂なんてロクなヤツな訳がない

【小学校1年生の時】
事件が起こった、それは小さな僕にはあまりにも大きな事件でした。
菜穂が大好きだった。
だから学校に行く時も帰りもいつも手をつないで帰ってた。
ある日の帰り道、上級生にいじめられた。
上級生は3人で

「いやぁいやぁい、女と手つないで歩いてらぁ」

と僕達をからかった。
ついには菜穂が泣き出した。
もちろん泣き虫の僕が泣かない訳がない。
菜穂に続いて泣いた
次に上級生達は菜穂をからかって

「こいつ泣いてらぁ」

って菜穂をつついた。
…菜穂がやられる。
泣いてる場合じゃない。
僕はランドセルを振り回し、渾身の力で戦った
ランドセルはボロボロになりドブに落ちて使い物にならなくなったけど、菜穂は助かった
泣き止まない菜穂を

「泣いちゃダメだよ」

って泣きながら家に連れて帰ったんだ
いつも手を引っ張られてるからこの時ばかりは一生懸命手を引っ張って連れて帰った
でもこの日から、また菜穂がいじめられちゃイケないと思い菜穂とは一緒に帰らなくなった
ランドセルはなくなった。
学年で一番早くランドセルがなくなった生徒は僕だった
こんな不名誉な記録を樹立させ
大好きな菜穂と一緒に帰らないと僕に決断させた菜穂はロクなヤツじゃない

【小学校2年生の時】
菜穂とは一緒に帰らなくなったけど、とても思い出深い事がある
町内会で行ったホタル狩りだ。
もみじ狩りとかホタル狩りとか
見に行くだけなのになんで狩りって言うんだろう。
そんな事は気にせずに、楽しかった。
バスの席で菜穂が隣に座ってくれたからだ。
「あぁこうやって菜穂が隣にいてくれるの久しぶりだなぁ」って嬉しくて。
バスの車内、菜穂はよく僕に腕組みをしてくれるから僕は嬉しくてはしゃいだ
帰りのバス、あまりにもはしゃいだ僕は菜穂の服に捕まえたカエルを入れたら
菜穂は怒って口を聞いてくれなくなった。
何を言ってもだんまりしてるから
仕方なく反対隣に座ってた一年生のエミちゃんとはしゃいでいた
すると菜穂は急に

「ねぇ、仲直りしようよ」

って言ってくれて仲直りした。
今考えたらスネたりヤキモチやいたりとロクでもない女だ。

【小学校3年の時】
あぁ…また事件を起こしてしまった。
それは菜穂や他の友達と近くの川原でかくれんぼをした時の事だった。
僕は誰も見つけられない所に隠れてやろうと、遠くの水門の裏に隠れた
誰も見つけに来ない…1時間しても…2時間しても…誰も
しばらく見てたら、大騒ぎになってた。
出るに出れなくなった
そのうち大人達も出て来て大捜索になっていた。
母ちゃんも来てる、これはめちゃくちゃ怒られる。
出る訳には行かない。
夜になるまで隠れてた。
ようやく見つけた人がいた。
菜穂だった
菜穂は泣いていた。
もちろん僕も大泣きですよ。
僕が

「怒られるの嫌だからもう一生ここで暮らすから帰って」

と言うと

「大丈夫だよ、怒られないからおいで」

って手を引いてくれた
菜穂は真っ先にうちの母ちゃんの所に向かい

「絶対に怒ららないで」

って言ってくれた
こんな時、母ちゃんは決まってめちゃくちゃ怒るのに、菜穂がそう言ってくれたので怒られなかった。
菜穂のおかげで助かった。
ていうか、もっと早くに見つけてくれればよかったのに
ほんとロクでもない女だ

【小学校4年生の時】
菜穂とは1年から4年まで違うクラスだった。
4年生の林間学校、みんなで田舎に泊まった夜の事。
クラスの男子の一人が

「みんなの好きな子言い合おうぜ」

と言い出した。
Aくんが

「え、俺、菜穂ちゃんが好き」

と言った。
なんか…ヒヤッとした。
じゃぁBくんも

「あっ俺も菜穂ちゃんだ」

と続いた

C「あっ俺も菜穂ちゃん」
D「菜穂ちゃん」
E「俺も」
F「菜穂ちゃん」

菜穂ちゃん菜穂ちゃん菜穂ちゃん………
なんだよこれは…みんな菜穂かよ…
確かに、菜穂は勉強も運動もできて優等生で顔も可愛かったからモテるのは仕方ない
でも…まさかここまでとは…
誰かが僕にこういった

「どうせお前が好きなのも菜穂ちゃんなんだろ?」

この言い方が気にいらなかった「どうせお前も」って
僕はみんなと同じ温度で菜穂を好きなんじゃない大好きだ…
…そうとは言い出せなかった。
幼なじみの僕が菜穂を好きと言うとみんなにライバル視されるかな…恐いな
僕はこう言った

「え…違うよ、俺が好きなのは、え、黒岩先生だし」

黒岩先生、それは、もう教頭先生になるんじゃないかと思うほどの熟女先生である
笑い声とともに誰かがこう言った

「そうだな、お前には菜穂ちゃんは無理だな」

俺「あー、あはは、そうだね」

ってヘラヘラしてた。
まぁ何事も平和が一番だ。
うん、平和主義が一番だ…うん…うん
ほんとはとても悔しかったけどこの時の僕なんてこんなもんだ
こんな決断にさせた、菜穂なんてどうしようもなくロクでもない

【小学校5年生の時】
小学校5、6年は初めて菜穂と同じクラスになれた

「やっと同じクラスになれたね」

って言ってくれた菜穂は僕より背が高かった。
僕なんて背の順、前から3番目のチビ。
菜穂には見下ろされていた
5年生の時、[小説を書きましょう]という課題で小説を書く事になった
大して書きたい事も浮かばない僕は菜穂に

「俺、菜穂を主人公にして書くよ」

って言ったら

菜穂「ほんとに!?うん、うん、書いて書いて」

ってなんか喜んでるみたい。
早速小説を書いた。
原稿用紙18枚。
当時の僕からすれば超大作となった。
内容はひどかった。
菜穂はどこかのお城のお姫様。
退屈な城を抜け出しモンスターを倒して行くみたいな
あからさまにゲームの影響を受けた内容でひどかった
菜穂は進む度に原稿をチェックしてくれてワクワクしてくれたが
大したオチも思い浮かばずひたすら飽きそして急に恥ずかしくもなったので
ストーリーとは全く関係なく突然「そして菜穂姫はロケットに繋がれて宇宙に飛ばされ星になりました、おしまい」
という一行を書いて物語をあまりにも突然に強引に終了とした

「もうちゃんと書いてよー」

って菜穂はムッとしてたけど
最初の一行にかいた「菜穂姫は世界一可愛いお姫様」ってフレーズはずいぶん喜んでたみたい
どちらにしろ人の作品にケチをつけるなんてロクなヤツじゃない

【小学校5年生の時】
夏休みの宿題なんてやった事なかった。
やらなければ先生に怒られる。
みんなはこうやって考えるけど
怒られるのが得意な僕は「怒られるくらいでやらなくて済む」くらいに考えてた
ただ5年の夏休みにはいい事を思いた。
勉強ができ真面目で宿題なんか簡単に済ませてる菜穂に見せてもらえばいいんだ
あとは見せてもらうだけシメシメと菜穂の家に行った

僕「菜穂、宿題という物をやりたくなったので答見せて!!」

菜穂「いやだよ、あのね、宿題は写しても意味ないんだよ?」

僕「わかった、じゃぁいいや、やらない事にするよ」

菜穂「それもダメだよ、教えてあげるから部屋においで!」

ってやらされるハメに…
大きな家の菜穂の広い部屋でお勉強。
宿題だけでいいのに
菜穂は俺は国語だけ他の教科よりできるとか言い出して
宿題とは別に国語だけみっちりやらされた
菜穂の家で二人っきりの時間。
僕は宿題や国語はどうでもよかった、ただ
少し大人になった菜穂がブラジャーを付けていたのに気づいて
鼻血が出そうになった、この時生まれて初めて誰かに女性というものを意識した
毎日毎日勉強した夏休みの明けの国語のテストは人生で初めて100点取れた
やりたくない勉強させるとかロクでもないやつだ

【小学校6年生の時】
背が小さかったのが悔しかった
中学校に入学した時は142cmのチビって覚えてるから6年生もチビだった。
そんな僕でも跳び箱は大の得意だった、身長のわりにはずいぶん高い段を跳べる
でも、背の高い人よりは高く跳べない。
だから悔しかった
「俺だって背が高ければ負けないのに」
だからバック転でもできるようになって見返してやりたかった
毎日昼休みこっそり抜け出して体育館で練習してた
でも段を使うとできるのに平たいマットの上じゃなかなかできずにいた
そんなある日、毎日こっそり抜け出す僕を不審に思った菜穂がこっそり体育館まで着いてきてた

菜穂「ねぇねぇ、いつも抜け出して何してんの?」

俺「え?え?何もしてないよ」

出されてたマット見て。

菜穂「何か練習してるの?」

俺「あ、バック転だよ」

菜穂「え、やってよ!」

俺「やだよ」

菜穂「やってよ」

俺「やだよ」

菜穂「もぅ…」

俺「わかったわかった明日やるよ、明日」

そう言った。
明日だ明日。
明日菜穂に見せないとイケない、死ぬほど練習しました。
何回もあたまぶつけながら
次の日、菜穂の前でやったら見事一回で成功しました。

菜穂「すごーい!!絶対運動神経いいと思ってたんだ。パチパチ」

って拍手してくれた
無理な事だって菜穂の為ならできる気がしたんだ。
でも練習中ぶつけた頭は痛かった…菜穂なんてロクなもんじゃない

【小学校6年生の時】
修学旅行の夜

Aくん「好きな子言い合おうぜ、俺は菜穂ちゃん」

Bくん「俺も菜穂ちゃん」

Cくん「俺も」

Dくん「菜穂ちゃん」

E「菜穂ちゃん」

F「菜穂ちゃん」

菜穂ちゃん菜穂ちゃん…

「お前は?」

俺「く…黒岩先生」

林間学校の夜から一年たった黒岩先生は
ますます熟女っぷりに磨きがかかっててますます教頭先生候補だった
ロクなもんじゃない

【小学校6年生卒業式】
楽しかった小学校も終わり卒業式を迎えた
菜穂は昔からピアノをやってたからピアノを弾く係だった。
泣いてた。
みんな、同じ中学に行くのに何を泣く事があるんだろう。
俺は

「なぁなんでみんな同じ中学なのに泣く事があんの?」

ってからかってた

菜穂「なんか、わからないけど想い出が詰まっててジーンとくるんだよ」

うーん、よくわからない

菜穂「ねぇ、一緒に写真撮ろうよ。」

写真の顔は笑ってた
また人の想い出の写真に入ってくるなんてロクでもないやつだ

【中学1年生の時】
菜穂とは別々のクラスになった、隣のクラスでした
中学になると菜穂の人気も沈下するかなと淡い期待を寄せてたけど
その期待とは逆に菜穂の人気は以前にも増してますますあがっていた
「へぇ人気者の菜穂か…」
菜穂が少し遠い人になった気がしてた
菜穂が好きだって人が増えるとその菜穂の幼なじみの僕はよく使いっパシリにされました
菜穂へ手紙を渡して欲しいとかで僕はよく男子に郵便配達員にされていた
手紙を持って行くと菜穂には微妙な顔された、時にはため息さえつかれた
そうだよな、人伝いにラブレター渡されてもこんな感じだろう
そのうちわざわざ渡しに行ってそんな顔されるのは面倒くさいし
頼まれた手紙は受けとるだけ受け取って学校の掲示板に貼りに行ったりしてた
何やってんだか
幼なじみの郵便配達員を暴走させた原因になる菜穂なんてロクなもんじゃない

【中学1年生の時】
菜穂が人気者のせいで僕は相変わらずの使いっパシリぶりでした
そんなある日同じクラスの友達に

「俺、菜穂ちゃんの事好きだから菜穂ちゃんの好きな人を聞いて来てくれよ」

と。

僕「あぁ……いいよ」

と隣のクラスへ

僕「菜穂ぉぉぉぉ」

菜穂「なぁに?」

僕「ちょっと来て!あらたまった話があるんだ」

離れた渡り廊下まで菜穂を連れだした、なんか菜穂ニコニコしてた

僕「何、ニコニコしてんの?」

菜穂「こうやって誰もいない所で二人っきりとか久しぶりだね」

僕「そうだった?あ、そう聞きたい話だけど菜穂は好きな人いるの?」

菜穂「え!!!!!??うん、うんいるよ」

僕「え!?誰?」

菜穂「教えない」

僕「ヒントヒント!?
菜穂「ヒントねぇ、あなたがとてもよく知ってる人」

僕「えっ?マジ?じゃ協力するよ」

菜穂「え?協力?協力はいいよ」

俺「じゃぁ言わないから教えてよ」

菜穂「やだ」

俺「じゃぁひょっとして俺と同じクラス?」

菜穂「もぅ同じクラスに決まってるよ」

僕「やっぱりか!!やっぱりそうか、みなまで言うなじゃぁな」

すぐにクラスへ戻り友達に

「お前の事が好きと思う」

と告げ
その友達は菜穂に告白したがフラれてた
僕のクラスメイト振るなんてロクでもないヤツだ
菜穂はあれこれ告白されてたが全部断ってたみたい

【中学2年生の時】
菜穂とはずいぶんクラスが離れた、僕が1組で菜穂が5組でした
恒例のマラソン大会があった。
このマラソン大会は男子と女子が一緒に走る
菜穂はバレー部で走り速かったなぁ、学年で女子10位以内くらいだった
勉強は5位以内、どこまでも優等生な迷惑な幼なじみ
僕はビリじゃなければ満足です、最初だけ先頭集団に混じって目立ち
そろそろ手を抜こうとダラダラ走ってた時、菜穂が後ろから僕の隣に並んできた

菜穂「どうしちゃたの?ペース落ちてるよ?私に負けちゃうよ?」

僕「えっ?いいよ別に」

菜穂「ダメだよ、負けたら嫌いになっちゃうよ?」

え?なんで?なんでだよ、なんで負けたら嫌いになられないとイケないんだ
ふざけんなああああ、菜穂に負けたくない負けたくない
僕はその一心で思いっきり走った心臓が張り裂けそうになりながら
それでも思いっきり走ってゴールできた。
菜穂に勝った。。
酸欠で目の前が真っ暗になり運動場に仰向けで倒れた
しばらくすると

「おーい」

って僕のほっぺたをポンポンする人が来た。
菜穂だった

俺「菜穂か、俺は菜穂には負けないよ」

菜穂「ほんとだね、すごーいよく頑張ったね」

菜穂「絶対運動神経いいと思ってた、私の負けだよ」

とニコニコしてた

…うそつけ、手を抜いたクセに
菜穂なんてロクなもんじゃない

【中学3年生の時】
菜穂と同じクラスになった。
文化祭の時。
何かとみんなでワイワイするのが好きだった僕は
脚本を書く役を買って出た。
どうせやるなら学校賞1位になりたかった
書いたのはとても変なお話だった。
「鶴の恩返しが現代なら」
しがない一人ぼっちのサラリーマンが都会の川原で鶴を助けた
しばらくすると鶴のように色白で美しい女性「お鶴」が家を訪れ
二人は恋に落ち一緒に暮らし始めた。
なんか鶴の恩返しみたいだね…まさかね
そんな事考えながらサラリーマンはお鶴と一緒に暮らす事で生きる喜びを知る
しかしある日、男はお鶴の浮気を疑って見ないでと言われてた携帯を見てしまう
それは、人が人を疑う事を嫌った神様から与えられた
お鶴が人間から鶴へ戻ってしまう条件でお鶴は鶴に戻り空に羽ばたいていきました
お鶴のイメージと口調がうまく書けなかったので菜穂のイメージで菜穂の口調にするとうまく書けた
物語に抱き合ったりする場面がいくつもあり先生は大反対した
ロクでもない先生だ

【中学3年生の時】
秋になりそろそろ進路がどうのこうのと言い出す頃だった。
父ちゃんの体が悪くなり父ちゃん入院しちゃった
父ちゃんは元から体が強いほうじゃなかった。
才能ばかりある料理人で店でも立てれば行列できるほどの腕なのに
すぐ体壊してダメになる。
入院も初めてではなかった。
当たり前のように進学校へ行く菜穂にこう言った

「俺、高校行くの辞めとくわ」

菜穂「何言ってるの!?」

僕「父ちゃんが入院したから母ちゃんが大変になるから働く」

菜穂「ダメだよそんなの!!投げやりになってるだけでしょ!!」

生まれて初めて菜穂に真剣に怒られた。
菜穂はめちゃくちゃ泣いてた

「私がちゃんと勉強教えるから、お父さんが元気に退院した時には
 ちゃんとみんなみたいに笑って高校行ってる幸せなあなたでいてあげて
 それが家族の為なんだよ!!」

って
こんなに怒ってんのにとても菜穂が優しく感じて僕も泣いた
僕の泣き虫はあまり治ってなかったみたい
それから菜穂は毎日毎日勉強の猛特訓みたいに僕に勉強教えてくれました
菜穂も僕も志望校合格。
ありがとう。
でも僕は勉強が嫌いなんです
そんなに嫌いな事させる菜穂なんてロクなもんじゃない

【中学3年生の時】
卒業式。
菜穂は相変わらず泣いていた。
相変わらず卒業生代表でピアノ担当だった。
また、すぐ泣くとからかいたかったけど今回はみんなバラバラになるからいいか。
僕はと言うと自分で制服のボタンを引きちぎりゴミ箱に捨て
自作自演の「モテちゃってボタン完売しました。まいったなぁゴッコ」をしてた
するとまさかの菜穂に

「ボタンちょうだい」

と言われた

僕「遅かったね、僕モテちゃってさぁボタン売り切れだよ」

菜穂「うそつき」

って笑ってた

菜穂「あっ!腕のボタンなら売り切れじゃないね。腕のボタンでいいからちょうだい」

まぁいい、腕のボタンを引きちぎってあげた

菜穂「ねぇ写真撮ろうよ」

まーた人の思い出の写真に入ろうとする。
まぁいいや。
カシャッ
ボタンを引きちぎらせる菜穂なんてロクなまんじゃない

【高校一年生の時】
進学校へ行った菜穂。
普通の高校へ行った僕。
別々の学校になった。
チビだった僕は中学でずいぶん身長がのび175cmになってた
そんな僕には高校に入ってすぐに彼女ができました。
黒髪だけどヤンキーさんでした。
ヤンキーさんは茶髪だとわかりやすいけど
黒髪でヤンキーさんだもんなぁ。
この人がヤンキーさんとは気づかなかった
家の近くの自販機に行く時、二人で手をつないでたら前から菜穂が歩いてきた

「うわっ!!ヤベッ」

あわてて手を離した。
時すでに遅し
菜穂にはしっかり見られてて「プイッ」って顔をそむけられた。
あとから彼女とケンカになった

「なんで手をふりほどくの!?あれ誰?」

僕「いや、ご近所さんいや友達、友達じゃないか、あ、え、あ」

手をふりほどく理由はうまく答えられなかった
ケンカの原因になる菜穂なんてロクなもんじゃない

【高校1年生】
その彼女はやっぱりヤンキーさんでした
付き合う友達が悪くなり彼女は学校辞めて生活も荒れてたようです
あれこれややこしい付き合いも増えたみたいで半年経つ頃には
新しい彼氏ができてフラれちゃいました。
ボクシングやってる先輩だってさ
何故かその先輩に呼び出されて、僕が彼女と付き合ってたからって言う理由で
稲妻のような強烈ボディブローをくらった。
ボクシングなんて大嫌いだ
フラれてしょんぼりしてたら家の前で菜穂に出会った

菜穂「あれれー?あの可愛い彼女さん最近見ませんね?」(可愛くはない)

うちの妹と仲がいい菜穂は全ての情報が行き届いてるんだどうせ。

僕「あ、諸事情がございましてフラれちゃいました(笑)」

菜穂「そうなの?落ち込んでんの?」

僕「いや、落ち込んでませんよ(笑)枕を涙でぬらす日々が続いてるだけですよ」

菜穂「あはは、ヘコんでんじゃん。なんなら私が付き合ってあげようか?」

こいつ何を言っているの?哀れみ…?

僕「いえ、僕は一生、彼女はいらないのでいいですよ。またボディブローくらいたくないので」

菜穂「へぇ、痛かったね。じゃぁご飯作ってあげようか?」

僕「いらない」

菜穂「…そぅ」

僕「あ、あの、明日のお弁当作ってください」

菜穂「うん、いいよ」

次の日の朝、菜穂に渡された弁当はのりがドキンちゃんで
恥ずかしかったけど嬉しかった
高校生男子の弁当のノリをドキンちゃんにする女にロクなヤツはいない

【高校1年生の時】
それはバレンタインデーの日
家に帰ったら菜穂がいた。
うちの母ちゃんと妹と遊んでたらしい。
菜穂はうちの家族でも人気者で、

母「菜穂ちゃんが子供だったらよかった」とか
妹「菜穂ちゃんみたいなお姉ちゃんが欲しかった」

という言葉がよく飛び交ってる
頼むから僕んちで僕より人気者にならないでほしい
僕にはチョコレートを持ってくれたらしい。
菜穂が帰ってから食べたけど
よくできたチョコレートでした。
砕いたコーンフレークみたいなのが
入っててガリガリしておいしかった、コーンフレークかは知らないが
うまけりゃ何フレークでも構いやしない。
キレイな紙みたいな物を
イカソーメンみたいに切って鳥の巣みたいにクッションにしてチョコレートを置いていた
この紙みたいなのも何本か食べたけど、これは本当に紙だった
幼稚園の時に続きまた食べれない物を食わされた
この時、実は紙の下に一通の手紙が入ってたらしいが気付かずに捨てた
手紙が入ってたなんて聞いたのはずっとずっとずっと後の話になります
気付かずにごめんなさい…
と謝らないといけない入れ方するようなヤツにロクなヤツはいない

【高校2年生の冬】
この頃になるとようやく自分の携帯を持ち菜穂とよくメールした。
ある事、ない事、馬鹿な事。
内容なんてどうでもよかった
ただメールがしたかったから毎日のように、2件隣の家に向けて送信してた
何をそんなにメールする事があるのだろうと言う程メールをしてた
1度あまりにメールが遅いからわざわざ2件隣に行って

「何してんの?メール遅いよ!」

って催促に出掛けたらお風呂上がりの菜穂がパジャマで

「ごめんね、お風呂入ってた。メールすぐ返すね」

って。
なんかお風呂上がりの菜穂にドキッとしたのをよく覚えてる
1月の僕の誕生日には呼び出された

「いつも寒そうなマフラーしてるから買ってきた」

って当時流行ってた長いマフラーくれた
今見ると毛布みたいだけど当時はカッコよくて自慢のマフラーだった
よく

「巻き方がめちゃくちゃすぎるからちゃんと巻いて」

と菜穂に指摘を受けました
お返しは仏壇に供えてた塩ようかんを持っていったが
微妙な顔をされた。
ご先祖様にあげる物をあげて喜ばないとか
どうしようもなくロクでもないと思う

【高校3年生の春】
父ちゃんが死にました。
突然でもなかった。
もうみんながそれぞれに、そろそろって覚悟ができてたんだ。
学校から帰って、家でゆっくりしてたら病院に駆けつけた妹から

「父ちゃん死んだよ、病院にいるから…」

って連絡が入ったけど
僕は

「行かない」

って言った。
父ちゃんが死んだのはわかったけど
どうしても受け入れたくなかったから自分の部屋にいた。
誰にも悲しい顔なんてしたくなかったんだ。
父ちゃんが無言の帰宅をした時、菜穂の家族も家に来た
鍵を掛けてる二階の俺の部屋からも菜穂も菜穂の両親も泣いてたのがわかった
俺の親父が死んでそんなに悲しんでくれんだな。
優しい人達だ
ありがとう
ただその時はそう言えるほど大人じゃなかった
ロクでもない気持ちでいっぱいだった。

【高校3年生父ちゃんの葬式】
そうやって悲しい時には悲しい表情ができる素直な人達とは違い
当時の僕は部屋で一人

「親父のバカバカ、クソ親父」

ってつぶやきふてくされていた
母ちゃんが部屋の前に来て

「今から近くの公民館で葬式だからスーツに着替えておいで」

僕「いやだ!俺は行かないよ」

って意地を張った

母ちゃん「そう…今はそれでいいよ、だけどいつか必ず父ちゃんに手を合わせてあげて」

いつも怒ってる母ちゃんがこうして優しかったから涙が止まらなくなった
何も言い返さなかった。
みんながバタバタと家から出て行く中、一人だけ戻ってくる足音があった
すぐ誰だかわかった。
菜穂だ。
菜穂は僕の部屋の前に立ち泣きながらこう言った

菜穂「ねぇ聞いてる?あなたのお父さんは一人しかいないんだよ?
        情けない長男だね!そんな一人しかいない大切なお父さんのお葬式にいかないでどうするの?
        色々と考えた事があるんでしょうけど、今はそんな事全部我慢して行ってあげなよ」

って
菜穂は泣いてたけど僕なんかもっと泣いていた
ロクでもない状況だ

【高校3年生父ちゃんのお葬式】
だから、菜穂には泣いてるってバレないように精一杯明るい声で

「あ…あーわかってるよ、今、行こうと思ってたんだよ、すぐに行くから先に行っといてぇ」

って言った。
さぁ泣いたってバレないように、顔洗って行かないと
菜穂なんて…菜穂なんて…
人んちに勝手にあがって来るし、そして母ちゃんより
俺の事わかってるし、優しいしいい子だし
ほんとロクでもないヤツだ。

【高校3年生父ちゃんの葬式】
葬式場に行く事にはなったが喪服はしめっぽくて着るのが嫌だった
ジーパンにシャツに帽子深かぶりで行った。
何もかも受け入れ難くて今考えると
とても恥ずかしい。
葬式場につくと目一杯明るい声で

「ちわーすっ!!遅れてすみませーん」

って泣いてたのがバレないように明るく言った

「親父なんかドライアイス詰められてシューアイスみたいだね」

とか言って明るさを装った
こんなにもふざけてると菜穂の父ちゃんにぶん殴られるかと思ったけど
この日はこんな僕に何も言わないでいてくれた。
菜穂が優しいのは両親ゆずりなんだな。
菜穂はずっとずっと僕の隣にいてくれた。
こんな優しい菜穂なんてロクなもんじゃない

【高校3年生父ちゃんの葬式】
しかし、そうやって明るく装うのもすぐに間がもたなくなった
たまらず、退席して一人で裏の公園に行きで泣いていた

「バカ親父!バカ親父!バカ親父!また体良くして店やるって約束したじゃないか!
 嘘つき!嘘つき!病院で一人、一生懸命料理のレシピ書いてたクセに
 全部無駄になっただろ!嘘つき!嘘つき!嘘つき!バカ親父!」

って泣いていた。
すると菜穂が来た。
僕は泣いてるのが恥ずかしくて逃げようとした
じゃぁ

「待って」

そういって菜穂が駆け寄って来てくれた。
菜穂は何も言わなかった。
ただただ泣きながら僕の服の袖をギュって掴んでいてくれた

俺「親父、もっと生きるって約束したのに嘘つきなんだ!嘘つきなんだ!」

ってすごい泣いた

菜穂「…うん、うん、悲しいね、悲しいね」

菜穂もすごく泣いた

菜穂「でもね…こうして2人で泣いてたらお父さんに笑われちゃうんだよ
         だから、負けちゃダメなんだよ。お父さんいなくてもね、立派になるんだよ
         負けちゃダメなんだよ」

って言ってくれた。
その言葉はすごくひねくれていた僕の心に真っ直ぐに響いた
菜穂は同級生。
いつも菜穂ばかりがしっかりしてちゃいけない。
僕だって…
涙を拭いて、僕は

「わかった、俺父ちゃんが死んだ事にも、父ちゃんにも負けない
 だから勉強して大学行く、だから勉強教えて欲しい」

と言った。

菜穂「うん、えらいえらい初めて自分から勉強頑張るって言えたね、頑張ろうね」

って頭よしよしされた。
同級生をよしよしするヤツなんてロクなヤツじゃない

【高校3年生父ちゃんの葬式】
父ちゃんは1日家で寝て、次の日には灰になりました。
父ちゃんがいなくなって1番悲しいのも1番大変なのも母ちゃんだ
もう僕がいつまでもスネていられない。
次の日僕はちゃんと喪服を着て火葬場に行った
一通り行事が終わったあと、みんなに集まってもらった。
こんなダメな長男だけどちゃんと挨拶がしたくて。

「皆様、今日は父ちゃんの為に集まって頂いてありがとうございました。
 父ちゃんは若くしてなくなってしまい。大変な人生でしたが
 生前、これだけ多くの人達に囲まれて幸せだったと思います
 それも、皆様一人一人のおかげだったと思います。ありがとうございました」

って
菜穂の父ちゃんは挨拶を聞いて泣いてくれた

「こんな立派な息子になってお父さん喜んでるよ」

って。
昨日あんな態度だった僕なのにこんな優しい言葉かけられて嬉しかった
菜穂は少しだけニコニコして小さく小さく僕だけにわかるように
パチパチパチと指先だけで拍手してくれた。
葬式の挨拶で拍手は間違ってない?菜穂。
礼儀作法を間違えるヤツなんてロクでもない
本当に大好きだ菜穂

【高校3年生の夏】
それは夏休みが始まって間もない7月の頃だった。
菜穂から電話がかかって来た

僕「なに??」

菜穂「なに?じゃないんですけど?え?なに?ってなんですか?」

僕「え?なに?ってなんですかってなんですか?」

菜穂「なに?ってなんですか?ってなんですかってなんですか?」

僕「いや、何ってなん…(略)」

菜穂「なに?じゃないよ、勉強!!一緒に勉強するよ」

僕「えー勉強?やだ!!」

菜穂「やだじゃないの!!約束したじゃない!!もぅ…いいから」

と言って勝手に電話をブチ切りしたかと思えば次は勝手に家に来た
僕の部屋のドアの向こうに立つ菜穂に僕は

「え!?なに?」

と言った

菜穂「今から学校の教科書とノート全部まとめてうちに来て今日から勉強だよ」

僕「だからやだって」

菜穂「やだじゃないよ、そんな事言ってると勝手に部屋に入るよ?」

僕「やだやだやだ、それはもっとやだ」

菜穂「じゃぁ言う通りにして」

僕「かぁちゃぁぁぁん!!人さらいが来ましたよぉぉ!たすけてくださぁぁぁぁい」

すかさず菜穂が

菜穂「おばさぁぁん大切な息子さんお借りしますねぇぇ!!」

母ちゃん「ハイハイどうぞどうぞ、別に返さなくていいので持っていって下さい」

しぶしぶ用意を始める。
人の母ちゃんまで味方につけるなんてロクでもない

【高校3年生夏。菜穂の家】
言われた通り学校の教科書とノートを全部持って菜穂の部屋に。
俺の狭い部屋とは違い広い菜穂の部屋は快適空間でとても落ち着いた
そんな中、菜穂は教科書とノートをチェックしていた。
ノートを持って来たはいいがノートなんて落書きしか書いてなかった

菜穂「ねぇ?なんなのこれ、落書きしか書いてないんだけど?」

僕「うん、そうだよ、俺は適当にアドリブでなんとかなっちゃうからノート取らなくていいんだ」

菜穂「もぅ、大学受験なんて適当じゃ無理だよ?大学行くって約束したよね?」

僕「はい」

菜穂に新しいノートを買わされる。
こうして毎日毎日毎日毎日毎日朝から晩まで勉強の夏休みが始まった
夏休みは勉強しなくていいから夏休みって言うのに
勉強ばっかりって…夏休みの意味がわかってない菜穂はロクでもないヤツだ

【高校3年生、夏、菜穂の部屋】
小学校の時に菜穂に国語を教えてもらったなごりで国語だけめっぽう強かった
菜穂はそれを利用して、また足りない所は補い、志望校や試験対策を作ってくれた
僕の受験なのに菜穂のほうが楽しそうでうらやましかった。
毎日毎日朝から晩まで2人で机に並んで勉強した。
わからない所があれば菜穂に聞く
菜穂は何回同じような事聞いても覚えが悪くても怒る事はなかった。
こうやって優しくされれば、次は聞かなくていいように覚えようって気持ちが芽生えた
勉強ばかりだと息が詰まるのでたまに話していい時間も作ってくれたけど
その時間が短いように感じて仕方なかった。
またすぐに勉強。
たまに寝るとほっぺたツンツンされて起こされるそれでも起きなかったら揺り起こされる
その何回かに一回はそのまま寝かせてくれた。
起きたら体にタオルケットがかかってた
タオルケットはすごくいい匂いがしたけど、あれが菜穂の匂いか
でも寝ていい時の条件とダメな条件がまずわからなかった
明確な基準を知らせない菜穂はロクでもないヤツだ

【高校3年生の夏、菜穂の家】
たった一度だけ菜穂が寝ちゃった事があった。
疲れてたんだろう。
菜穂は僕が帰ってからも勉強してたみたいだし。
机で寝てる(笑)。。
というか、あれ?か、可愛い。。
菜穂の寝顔見た事なかったっけ。
とんでもなく可愛かった。
なんか、胸もまたデカくなってるか。。
何を考えてる俺。
……よし、そうだキスをしてやろう(笑)(笑)…起きるかな、バレるかな。
そうか、バレるとか関係ない、この場合、起きたら起きたで
「寝てるからキスをして起こしたまでです。起こしたまでです!!」と言えばいいから
僕は悪くないです。
寝てる菜穂が悪いです。
決まりです。
そして少し顔を菜穂に近づけた、うわっ!!やっぱりダメだ。
可愛い、可愛いすぎる。
ついに、どうしていいかわからず、とにかくここにいたら気がおかしくなるので
菜穂にそっとタオルケットをかけてそっと部屋から逃亡して家で高校野球を見ていた
しばらく後に菜穂から電話が掛かってきた。

菜穂「どうしていなくなってるの!!!!」

いやあのね、菜穂の寝顔が可愛くてキスしようと思ったけど可愛いからビビって逃げて
とは言えやしない

「勉強飽きたから甲子園だよ」

菜穂「ダメ!!すぐ帰ってきて!!」

僕「はい」

それから菜穂は寝るとまた僕が逃亡するからと寝なくなった
こんな猛勉強のかいもあって菜穂は公立大、僕は普通の大学に無事合格できた
寝たチャンスは一回だけなんて菜穂はロクでもない

【高校3年生の冬】
母ちゃんに

「大学に合格できたのは菜穂ちゃんのおかげだからご飯ご馳走しておいで」

ってお金を渡され

「それもそうだね」

とすぐに菜穂にメールした

「大学合格の感謝とお祝いを込めまして菜穂と今からご飯に行く予定だけどあなたは来ますか?」

とどこかトボけたメールだったけどすぐに菜穂から

「うん、行く」

って返事が返って来ました。
家から歩いて3分の普通のスパゲティ屋さんに二人で出掛けると
菜穂がヤケにニコニコしてるから

僕「ねぇ、なんでそんなニコニコしてんの?こっちにまでうつるんだけど?」

と言うと

菜穂「こうやって男の子と二人でご飯屋さん来るの初めてで嬉しくて」

僕「男の子って幼なじみじゃん」

菜穂「うん、男の子じゃん」

僕「あれ?菜穂は高校の時は彼氏いなかったの?」

菜穂「いません」

僕「あれ?高校でも中学の時みたいに告白されなかった」

菜穂「された事もあるけどお断りしました」

僕「え〜っ。なんで?」

菜穂「他に好きな人がいるから。」

僕「あ〜好きな人はいるんだ。どんな人?」

菜穂「え、言えないよ」

僕「言えない人かよ(笑)不倫とかしちゃダメだよ?」

菜穂「そんなんじゃないし………バカ」

僕「じゃぁヒントヒント」

菜穂「あなたがよく知ってる人」

僕「?????」

…まあいっか

僕「それでは、勉強教えてくれてありがとうございました!!」

菜穂「はい、合格おめでとうございます」

ブドウジュースでカンパーイ!!
まぁあれですね、ブドウジュースで乾杯するタイプの人にロクなヤツはいません

【大学1回生の時】
大学生活初めは、あれこれと環境の変化に追われ大変忙しい物でした
服屋でバイトをする事になりました。
父ちゃんが死んで一番苦労したのは母ちゃん
そんな母ちゃんをできるだけ助けようと。
服屋で働けば服に困らずちょうどよかった
ただ悠々自適に親のお金で遊べる人達が少しだけうらやましかったです。
クリスマスが近付く頃。
バイト先にとてもキレイなマフラーが入ってきた。
フランス製でアルパカの毛を使用したサラサラで暖かい紺色のマフラー
「これ菜穂に似合うだろうなぁ」色白でキメが細かい菜穂の肌にはピッタリのマフラーだ
定価21000円也。
高い。
バイトの給料が5万ぽっちの僕には
バイトの社割効かせても16000円というのは血が出るほど高い。
でもどうしても菜穂に巻いて欲しいという衝動は抑えられなかったので買いました
菜穂の家に行ったが急に恥ずかしくなり。

「はい、これ拾ったからあげる」

って渡した

菜穂「ん?何これ?」

僕「拾ったからしらない、開けて見れば?」

菜穂は袋を開け

「うわぁマフラーだ素敵」

といい、プレゼントカードを見て僕に

「ありがとう」

って言った

僕「え、俺に言われてもしらないよ」

菜穂「じゃぁこのカードに[Merry X'mas菜穂]って書いた人にありがとうとお伝え下さい」

とニコニコしてた
マフラーを可愛い巻き方で巻いてあげた。
高校2年生の時には
マフラーの巻き方が悪いと指摘されてた僕は人にマフラーを巻いてあげれようになってた
すごく似合ってて可愛かった。
あんなマフラーが似合う女にロクなヤツはいない

【大学2回生の時】
とは言えども菜穂とは恋愛関係になる事もありませんでした。
まぁ幼なじみだしね、あちらはよくおモテになる方、僕には縁遠い人なのでしょう
彼女ができました。
彼女は誰に似ていたかと聞かれれば、ダンゴ虫に似てました。
ダンゴ虫はライバルと取り合いにならなくていいですね。
僕は満足でした。
自転車の後ろにダンゴ虫さんを乗せてると菜穂に遭遇して
また「プイッ」ってされました。
一年くらいでフラれました。
新しい彼氏ができたらしいです。
今度は柔道部の彼氏らしいです
以前ボクシングの彼氏にボディブローをくらったように
柔道部の彼氏には一本背負いをくらわなかっただけでも
僕は幸せだったと言えるでしょう。
マジ「プイッ」ってする菜穂なんてロクなもんじゃない

【大学3回生の時】
ダンゴ虫さんにフラれ僕はダンゴ虫が転がり落ちたみたいな顔してると菜穂に会った

菜穂「あれれー?最近、あの可愛い彼女さん見ませんね」(←ダンゴ虫が可愛い訳がない)

僕「フラれちゃいました(笑)また彼氏ができたらしいです(笑)(笑)」

菜穂「あららー、ヘコんでるの?」

僕「ヘコんでないですよ。ただ半年くらい部屋に引き込もってやろうかと考えてるくらいです」

菜穂「ヘコんでんじゃん。ご飯作ってあげようか?」

僕「いらない」

菜穂「あーそうですか」

僕「あの…よかったら明日のお弁当だけ作ってくれれば嬉しいです」

菜穂「うん、わかった。じゃぁ用意するね」

次の日の朝受け取った弁当はそぼろでピカチュウが書いていた
すごく恥ずかしかったけどおいしくて嬉しかった
こうやって女にフラれる度に菜穂の弁当が笑顔にしてくれた
まぁでもそぼろでピカチュウ書く女にはロクな人はいない

【大学3回生の時】
その日は嫌な物を見てしまった。
学校から帰ると菜穂の家の前に車が停まっていた
運転席には男、助手席には菜穂が乗っていた。
なにやら話しているらしい。
僕と思いっきり目が合った菜穂は「アッ」って顔してたので思いっきり「プイッ」ってやってやった。
異性と一緒の時に幼なじみと会った時の焦りようを菜穂も思い知るがよい
もう一度チラッと見るとまた目が合ったので「プイッ」ってしてやった。
菜穂には2回「プイッ」をされてるのでこれで引き分けだ
はぁ…菜穂も彼氏ができたかぁ。
そだな、これも遅すぎたくらいか
車か、大学生になると車で遊ぶんだ。
ただ車があるだけそれだけだったけど
車なんて買えない僕は相手がとてもレベルが高く輝いた人に見え少し悔しかった
家に帰り洗面台の鏡に映ってる人に向かって

「ほらお前は身長が181だし!!いいぞ!!顔もカッコいいお前の勝ちだ」

と励ましてやると
妹に

「なに自分に話しかけてんの?気持ちわるーい」

と言われた
あの車の中の人が彼氏じゃなく「ただのサークルの人」って知ったのは何年も後になります
妹に気持ちわるーい扱いされる原因になる菜穂なんてロクなヤツじゃない

【大学3回生の時】
学祭に菜穂を呼びました。
見せたい事があったからです。
あちらこちらのサークルを広く薄く転々と回ってた僕には
バンドサークルの友達がいました。
そんなバンドサークルの友達が
サプライズ演出をしようと言うのです。
学祭のステージで
客席から僕が乱入して歌ってるヴォーカルを引きずりおろして歌う
今考えるとありがちな茶番演出でも当時の僕らはワクワクして仕方なかった
菜穂と見に行って用意してた席に座り、そして出番のタイミングが来た

僕「俺が歌ってくる!」

菜穂「え!!!!?????」

勢いよく飛び出し
予定通りヴォーカルからマイクを取ったがヴォーカルの演技が下手過ぎて
会場にはバレてた感じもしないでもない。
そして歌った。
うーん…半分には受けてような半分はドン引きだったような。
歌が終わればすぐに「これは逃げたほうがいい」と感じた
一目散に菜穂のところに向かい

「逃げるぞ!!」

って手をつないで走って逃げた

僕「ハァハァハァ…ゴメン…ビックリした?」

菜穂「うん、ビックリした!!でもすごくカッコよかったよ!!」

僕「え?」

そんな事言われて頭の中がお花畑になった
その後学祭を回り帰りの電車で

「菜穂って彼氏いるの?」

って聞いたら

菜穂「いないよ、いない。だから今日はすごく楽しかったありがとう」

ってなんか喜んでもらえたみたいだ、菜穂が喜べばいいか。
学祭くらいで喜んでくれるありがたい女にロクなヤツはいない

【大学3回生の時】
また彼女ができました。
いえ、菜穂ではないです。
あちらが貴族のような身分ならこちらは庶民です。
庶民は庶民らしく
あちらこちらサークルを放浪していると一つの飲み会で彼女と知り合いました
同い年の彼女でこの子は明るくないけど可愛かった。
ただこの「明るくない」と言う事が負のオーラの固まりで
後に大変な事になって行くとはこの時は想像すらできなかった
菜穂には絶対に見せたくなかった、どうせまた「プイッ」ってされるから
こんな風にいつもどこかで存在を気にしてしまう菜穂なんてロクなもんではない

【大学4回生の時】
幼なじみとは不思議な関係で、事あるごとにあれこれ報告しなくても
お互いの近況を把握できていたりする。
何かあれば言わないとイケない義務も必要もないが
相手の近況は確実に知っているそんな関係。
来年から社会人の2人。
優秀な菜穂は国家公務員の試験をパスし公務員になる
それを菜穂からじゃなく母ちゃんから聞いた。
僕はもっぱら面接だけは得意だったのと大学名が考慮されない大企業狙いで
まぐれで大企業に採用されてしまった。
このニュースに母ちゃんが一番喜んだ
だから菜穂も喜んでくれてたんだろうなぁ。
菜穂に連絡しなかったのは彼女がヤキモチヤキで
菜穂に連絡するのはとても気が引けたからです。
でもこうやってどこか反応が気になってしまう菜穂なんてロクなもんじゃない

【大学を卒業したての頃】
就職が決まって大学を卒業すれば家を出ると決めていた。
会社が遠い訳じゃなかったけど早く自立して苦労してる母ちゃんを安心させてやりたかった
だから、実家からたった4駅しか離れてない場所だけどマンションを借りた
彼女と一緒に暮らせばいい、だらしない自分でも彼女がいれば大丈夫だろう
そう、うまい計算をしたつもりの自分だったが少しだけ寂しさがありました
菜穂か…
引っ越しの全ての荷物を運び終え、あとは自転車に乗って新居に行く時の事
そんな時に菜穂に会った。
何も報告しなくていい、そんな関係。
ただ全部知っているくらいはわかってる
こんなタイミングで会う菜穂なんてロクなもんじゃない

【大学卒業したての時】

菜穂「…あっ…」

僕「…うん…」

菜穂「今から出発するんだね…」

僕「あぁ」

…菜穂こんなタイミングに出ちゃダメだよ…
菜穂の顔を見たら色んな事を思い出してじんわり涙が出て来た
大好きだったこの街。
小さい頃菜穂とよくままごとした公園
菜穂と隠れんぼした汚い川のその川原。
そして事あるごとにそばにいてくれた菜穂
この大好きだった街のほとんどが菜穂との暖かい思い出だった
そして今、目の前にいる大好きだった全てと今日でお別れかと思うと急に寂しくなった。

僕「うん…行って…くるよ」

菜穂「どうしたの(笑)そんな元気ない声で」

菜穂も泣いていた

僕「元気あるよ」

菜穂「うん、家も近いんだし寂しくなったらいつでも戻って来ればいいんだよ」

こんな優しくしてくれるからまたボロボロ泣いた

菜穂「(笑)ほんと泣き虫な所は治らないね」

僕「菜穂だって泣いてるじゃん」

僕「じゃぁ行ってきます」

菜穂「はい、いってらっしゃい」

自転車で出発した僕を菜穂はいつまでもいつまでも小さくなるまで見送ってくれた
菜穂が小さくなっても僕の中ではとても大きな存在だった
こんな優しいヤツはロクなもんじゃない

【22歳社会人1年生の時】
晴れて社会人になった僕は彼女と二人暮らしをはじめました。
順風満帆な社会人生活。
そんな事を夢見てたけど想像してたようにはうまくは行かなかった。
原因は彼女がすごくヤキモチヤキだった事。
会社に入るとあれこれと仲良くなったりする人も現れ
業務連絡も兼ね女の子と些細なメールくらいもした。
何一つやましい事もないので

「会社の女子社員とメールしてる」

と言うと気に要らないらしく
キレ出した。

「え?何考えてんの?そんなメールする必要あんの?すぐ辞めて」

と言った
僕は言われるまま辞めた。
平和主義ですから。
それが

「男とメールするのも浮気の原因になるからダメ」

会社帰りの付き合いもダメと生活がダメダメ尽くしになって自由がなくなってた

「うん、わかったよ」

って僕は言う事を聞いた
彼女は気に要らなかったら暴れるようになった。
ガラスが割れ戸が壊れ時にはカッターナイフを持って暴れ殴られもした
生傷が絶えない毎日になり一緒に暮らしているのに
こんなに心が通ってなかったから寂しかった。
こんな大変な毎日を送ってる時に菜穂は華の公務員生活か
ほんとロクでもない

【22歳社会人1年生の時】
休みをもらっても退屈なだけだった。
メールする人もいない、じゃぁ友達もできない。
休みの日には一人ショピングモールや公園をプラプラして仕事の企画書ばかり書いていた
企画書はまず最初は自分が考える事を書いていいから仕事してる時だけが自由で楽しかった
職場の勤務時間だけは楽しくて終われば暗い顔して帰る。
そんな毎日だった
彼女は相変わらず暴れた。
僕は殴られはしたが殴り返す事はなかった
「女には優しくしろ」これが死んだ父ちゃんの遺言だったから
彼女には

「殴り返す根性もないんだね」

と馬鹿にされたけどそれでよかった
その頃、菜穂はいい子だから友達いっぱいできてただろう
ほんとロクでもない

【22歳社会人1年生】
だんだん疲れてきた。
学生時代いつもヘラヘラするなと怒られて来た僕も
この頃になると家ではあまり笑わなくなってた。
仕事の時だけ目一杯明るかった
彼女に1番勘弁して欲しい事があった。
それは夜中に怒って大声で叫ぶ事
これをすれば近所からの苦情が不動産会社に行きそれが保証人の実家に行く
実際にそういう経路で実家に苦情が入り母ちゃんから

「女の人の叫び声がするって不動産屋さんから苦情の電話があったんだけど」

って
僕に電話があった。
でも

「それ俺んちじゃないから心配いらないよ」

と言った
母ちゃんに苦労掛けない為に出て来た俺が心配を掛けてどうする?
それを彼女に一生懸命説明したが聞いてはくれなかった
明日会社なのに彼女は深夜激怒してパジャマのまま出て行き
彼女になんかあってはイケないからと朝まで探してからヘトヘトで会社に行ったり
そんな相手の親には「彼女を大切にします」と約束したので
自分が我慢すればいいと思ったけど気付けば我慢ばかりで疲れてた
菜穂と暮らせればこうはならなかったのにね…会いたい。
何言ってんだかロクでもない

【23歳社会人2年生】
1年が経つ頃ついにこんな生活に疲れてしまい

「別れよう」

と切り出したが

「いや、別れるんだったら死ぬから」

そう言われて何も返せなかった
その頃わずかながらになってしまった友人に連絡して一人の女の子と知り合った
俺と同じように彼氏と同棲して悩んでる子だった
ただ傷を舐め合うような腐った関係だったけどそれでよかった
浮気した。
彼女にバレれてしまえばいいんだよ、そうやって別れればいい
そしてまた違う人と浮気した。
もう僕は腐ってたんだ
どうすればいいのか?そうやって考える力もなくなってた。
そんな時、菜穂から一通のメールが来た。
それが実家を離れてから初めてのメールでした
こんな時にメール送ってくるなんてロクでもないヤツだ

【23歳の時】
菜穂からのメールはとてもとても短い文章だった

「頑張ってね…このメールは消しておくんだよ」

こんな短いメールは僕と菜穂にしかわからない内容だけど全てがわかった僕は
どんな長文のメールより心を打たれて涙が止まらなかった
菜穂は母ちゃんに苦情の話聞いて全て理解したんだろう
大ゲンカして僕が苦しがってるのも、どうしていいかわからなくなってる事も
メールして来ないのも彼女がヤキモチヤキだからってのも。
大変だって事も
だから「忘れないようにメール消しておくんだよ」
と付けてまで僕を励ましたかった。
菜穂はどこまで可愛いんだ
どこまで僕の事をわかってくれるんだ。
すぐに「会いたい」って送りたかったけど
こんな腐ってしまった僕に返事を送る資格はないと思った
返信の言葉すらも思い浮かばずただ台所で一人体育座りで

「どうしてこんな風に…ごめんなさいごめんなさい菜穂ごめんなさい」

って泣いていた
また泣き虫だって笑われるね
こんな可愛い女はたった一通のメールでもロクでもないくらい可愛いかった

【24歳】
あれこれと、こんがらがってしまった人間関係がうまく行くはずもなかった
あの人に別れを告げられた、そして違う人にも別れようとフラれた
俺が悪いんだしそれでよかった。
ただ別れを受け入れて行くしかなく
また、一人減り二人減りまた寂しく彼女一人だけになった
そして

「浮気なんてこりごりだ、寂しいだけだった
 これからは真面目になるから、これから一緒にいよう」

と言ったら

彼女「ううん、私も別れるよ、このままだともう二人にとってよくないよ」

とフラれた

僕「はぁ、わかった」

と彼女に次に暮らすだけのお金だけはもらってもらった
結構な額だった
俺は人に金払ってんのに自分の為にだけ金使ってるはずの菜穂はロクでもない

【24歳】
ついに一人になってしまいました。
まがいながらにあれこれと賑やかだったのに
急に一人になったので寂しくて寂しくて仕方なかった
会社に入り人付き合い禁止令を受けてた
僕が今から友達作るのはなかなか大変な物です
寂しい部屋で気がおかしくなりそうだけど誰もいない。
ご飯も上手に作れないからあまり食べなかった、寂しくてあまり寝れなかった
寂しくて苦しくて何もなくて毎日が歪んで見えたせめて寝るそれも許されない
負けて帰って来ましたなんて実家に帰れず一人でした
何もかも嫌になる寂しい生活で一つ気付いた「このままじゃダメなる。」
負けでいいんだ、俺は負けたんだ、だから認めよう。
認めないと進まない
自分の失敗や不甲斐なさを認めて頭を下げてやり直せばいい
だから母ちゃんに電話した

「今のままじゃダメになるから1ヶ月だけ帰りたい
 1ヶ月したらまた笑って暮らすから今は助けて欲しい」

って。
母ちゃんは厳しい母ちゃんだけど1ヶ月してまたちゃんと頑張れるならって
家に帰っておいでって言ってくれた。
菜穂お嬢様はずっと実家暮らしだロクなもんじゃない

【24歳】
実家に帰ってきた。
失態帰りでカッコ悪い帰り方になったけど母ちゃんのご飯は
今まで母ちゃんに反抗した事がある全ての事柄を反省しないといけないくらいうまくて
そしてありがたい物だと実家を出てみて初めて知った。
菜穂にはしばらく連絡は取らなかった。
隣の隣に住んでいて意識しない訳がない
あれ?今、帰って来た物音菜穂かな?今、隣の隣の家で菜穂何してんのかな?
そんな事考えて目一杯意識してしまっているけど。
メールか…一通目はなんて送れば、直接か…なんて言えばどうすればいいのか
菜穂は何を知ってるのか何からどう話せばいいのか
そんな事がわからなかったから連絡はしなかった、というかできなかった。
こんな風に僕を悩ませる菜穂はロクなもんじゃない


【24歳】
そうは行っても家は隣の隣。
会わない訳がない。
ついに菜穂に会う。
そんな瞬間が来た。
僕が実家に帰って一週間ほどした会社の帰りの家の前だった。
家の前に自転車を止めようとすると菜穂が出て来た
2年半ぶり。
2年半ぶりの再会だった。

菜穂「ねぇ?」

2年半ぶりに見た菜穂は
やっぱり可愛いかった。
いやまた可愛くなったかな。
菜穂だぁ。
倒れるほど可愛かった。
また胸がでかくなったかな。
どこまででかくなるんだ
恥ずかしいのであぁ菜穂?そんなヤツいたなぁみたいな感じで

「よぅ!!」

って言った
でも隠しても顔はニコニコして仕方なかったと思う
こんな心にもないリアクションをさせる菜穂はロクなもんじゃない

【24歳】
菜穂もニコニコして小走りて近づいてきた。
僕はもっとニコニコしてただろう

菜穂「ねぇ?」

僕「ん?」

菜穂「あのー帰って来てるのはわかってるんですけど?帰って来たら普通あなたから私に連絡くれるよね?」

僕「あー、そうそう今日!今日連絡しようと思ってた」

菜穂「もぅ。せっかく帰って来たんだからうちでご飯食べて行きなよ」

僕「あ…うん」

そうか何も気を使う事もなかったんだ、それでよかったんだ
こんな風に帰省した僕に気さくに声掛けてくれる優しい
菜穂なんてロクなもんじゃない

【24歳の時】
菜穂の家でご飯を食べました。
菜穂の父ちゃんも母ちゃんも久しぶりでワイワイと楽しかったです
菜穂の父ちゃんに

「カッコよくなったな」

って言われ
菜穂にも

「うん、またカッコよくなったね」

って言われた
そういえばスーツ姿見るの初めてだったけ?カッコいいのはスーツの事?
いや、菜穂はもっと可愛くなったけどそれは恥ずかしいので言いませんでした。
仕事の話はしたけど、彼女との暮らしの事は聞かれなかった
気のせいかどことなく気を使ってくれてるのかな?と言う感じがした
菜穂もニコニコニコニコして楽しそうで目一杯、可愛かった。
こんな風に優しい家族を持ち笑顔が可愛いなんてロクなヤツじゃない

【24歳の時】
ご飯を食べ終わる頃、菜穂が

「部屋に行こうよ」

って誘ってくれた

僕「わかった!ゲームしようよ!」

って実家から弟のゲームを持ってきた
菜穂の部屋かぁこの広い部屋で勉強したっけって懐かしかった。
僕がゲームを取りに行ってた間菜穂は着替えていてタンクトップだった
胸がめちゃデカかった。
菜穂どうした。
何があった?
すごい事になってるんだけど?気になる気になる気になる気になる
特に僕は昔から菜穂の女性っぽい所はとことん気になり打たれ弱いフシがある
こんなに気になるなんて菜穂はロクでもないやつだ

【24歳】
菜穂はやっぱり僕が幼なじみだからって警戒はしてないようですね
ソファーに二人並んでゲームした。
菜穂はスト‖が下手で
手を抜いてないフリしながらも絶妙に負けてあげるのに苦労しました。
やたらボディタッチが多くポンポン人の腕を叩いてくるので
嬉しくなってポンポンポンポンとやり返した時。
胸が大きくて視界に入って来て気になったので
できるだけ見ないようにしたけど楽しくて楽しくて楽しかった。
昔の思い出話したり。

「菜穂彼氏いるの?」

菜穂「いません。」

こんな話もした
こちらもあれこれ聞かれると困るからこういう話はこのへんにしようと思った
こんな風に気を使わせる菜穂なんてロクなもんじゃない。

【24歳の時】
遅い時間までまぁワイワイと遊んだ、童心に帰れたような時間で
とても短く感じました。
菜穂が

「あー眠たい」

と言い出した

菜穂「あー眠たい…寝るよ?」

俺「??」

…寝るよ??もしかして「一緒に寝るよ?」って事?
でもここで「なんだよ、一緒に寝る訳ないよ」みたいなリアクション取ったら
余計恥ずかしがりみたいになるのが恥ずかしくて

「あ、あぁ、寝よう、うん寝よう」

と、菜穂がベッドに行くのに着いて行った。
菜穂は掛け布団をめくり中にチョコンと座っている
僕もベッドに入り座ってる菜穂を横から抱きかかえベッドに倒し菜穂を腕枕した
え?これどんな展開?菜穂を抱っこしてる僕。
幼なじみだよ。
え?菜穂だよ
菜穂は白くて細くて柔らかくていい匂いがした。
そして僕の体にピッタリですごく落ち着いた
何かあるのかと言う期待?とは裏腹に菜穂はすぐに寝てしまった
こんなに抱き心地がいい女にはロクな女がいない

【24歳の時】
菜穂寝ちゃったかぁ。
なにもしないんだな。
そういう事ね。
菜穂可愛いなぁ、キスしたい。
この大きな胸を触りた…
いやダメだ。
菜穂は幼なじみだからこうやって懐かしくてこうしてるかもしれない
相手がなんとも思ってないのに僕だけ発情してどうする。
とても落ち着くけどその落ち着きの中で邪心を捨て修行僧のように寝よう
…眠れない。
当たり前だ寝れる訳がない。
寝たのかなんなのか浅い睡眠だった
2時間くらい経った頃だろうか。
異変が起こった。
突然、菜穂が

「うーん」

って動いて
僕の上に乗っかり僕のほっぺに手を当て…そしてキスをしてきた。
…な!なにこれ!?

菜穂とキス?菜穂だよ!?
というかシャレにならないくらい可愛い
一生懸命キスのお返しをして頭をよしよしした。
胸触りたかったのにおしりを触っていた
要するにテンパっていた。
菜穂は次に僕の下のほうをゴソゴソしてきた
え?これ始まっちゃうの菜穂
僕を戸惑わせるなんて菜穂はロクでもない

【24歳】
そんな行為のあと菜穂はすっと布団に潜った。
え…な、め、た?
その時、何かハッとした「これは止めないと」って。
「俺、菜穂に何させてんだって。」家を出てクズになってしまった自分じゃ
菜穂に申し訳ないって。
菜穂は何も知らないかも知れない。
菜穂みたいな子を僕みたいなクズに引きずり混む訳には行かない。
それと…少し女が怖くなっていた…。
菜穂をそっと引き上げた

「もう寝るよ」

って言って菜穂の頭をよしよしってした
僕が見たあれは気のせいじゃなかったなぁ、うん…菜穂は泣いていた
それは見ないフリした。
なんで泣いたんだろう。
そんな事考え少し眠ると6時だった
菜穂が寝たままこっそりと着替えて家を出て仕事に向かった
なんか悲しい朝を迎えたそんな菜穂はロクなヤツじゃない

【24歳の時】
仕事は珍しく手につかなかった。
1日中ぼんやりしてた。
何回も怒られたが怒られた事すら上の空だった。
菜穂の事ばかり考えていた
「どうして泣いたんだろう」家に帰り12時を越え深夜4時になっても考えてた
そんな時、ごく自然な一つの答えに当たった「菜穂は俺の事が好きだからあんな風にしたかもしれない」
菜穂が好きでもない人にそんな事するって考えは菜穂に失礼すぎる。
菜穂はそんな子じゃない
それ以上にわかった答えがあった。
僕は菜穂がずっと大好きだったって事
小学校の時もみんなに菜穂が大好きだと言ってやりたかった
中学校の時も菜穂が大好きだから一生懸命マラソン走った
勉強は嫌いだったけど大好きな菜穂といれる空間が大好きだった
高校の時には菜穂が大好きだから勉強中にキスしようとした
大学の時には少ないバイト代崩してマフラーをあげたかった人は大好きな菜穂だった
それどころか彼女がいてもいつも意識しているのが大好きな菜穂一人だけだった
他にあれもこれも思い返すと菜穂が大好きで大好きで仕方ない過去ばかりだった
ただ認めてなかっただけだった。
よし今からでもいいからメールしよう
こんな大好きで大切な気持ちに気付かせた菜穂なんてロクでもない

【24歳】
まずとりあえず心配で仕方なかった。
謝ろう。
あわてずにしっかり送ればいい
「こんな朝方にごめんなさい。
 昨日は一緒に寝てくれたのに
 何も言わずに帰ってごめんなさい。
 また起きたらメールください」
って送った。
返事はいつ返るのかもう返って来ないかもしれない
そんな事を考えてたら10分くらいでメールが返ってきた
きっと菜穂も同じような気持ちで眠れずに起きてたんだ
メールは
「ねぇ?なんで起きてるの?明日。
 ってか今日仕事だよね
 女の子にフラれて情けなく返って来るような人が
 なにを人の心配してるの?ありがとう。
 ちゃんと寝て仕事行って
 おばちゃん安心させてあげるんだよ。
 メールいつでもしておいでね。
 てかするからね」
って
やっぱりフラれたって知ってて聞かなかったんだ。
菜穂が一番たまらない気持ちでいただろう自分が泣くような事はそっちのけで
自分よりも僕や母ちゃんの事を先に考えてくれる
菜穂が優しいからまた涙が止まらなかった
そんな優しい子だから僕は一番に菜穂の事を考えてあげたかった
大好きだ「会いたい」とメールしてその日仕事が終わったら会う事になった
菜穂の家でご飯も用意してくれるって。
菜穂は一つ一つが優しいから見逃さないようにするのが大変だロクでもないくらい優しかった

【24歳の時】
菜穂の事大好きなんだ。
ただそれをちゃんと素直に伝えられればそれでよかった。
菜穂に言わせようとするんじゃなくて自分からちゃんと。
フラれたらもうちょっと離れた所で暮らせばいいか。
そして相変わらずの毎日を過ごせばいい。
その日、仕事が終わると菜穂に会った。
帰ると菜穂は家の近くの曲がり角で待っててくれた

「おーい」

って手を振ってくれた。
一昨日の事はまるで何もなかったように接してくれた
菜穂の家族とご飯を楽しく食べた、その時も菜穂はずっと明るくしてくれた。
ご飯が終わり菜穂の部屋で菜穂と並んでソファーに座り長い沈黙が続いた
僕は切り出した

「昨日は…勝手に帰ってごめんね」

菜穂「うん…いいの」

僕「うんごめん」

ここで予想もしていなかった答えが返ってきた

菜穂「いいの…起きてたから」

起きてたんだ。
起きてたのに声掛けれなかったんだ。
切なかっただろうな。
と、考えさせる菜穂はロクなもんじゃない

【24歳の時】
菜穂は続いてこう言った

「わかってないなぁ」

って。
わかってない。
菜穂の事はわかってない、そうやって言われても仕方ないかもしれない
僕がわかる事と言えば僕が菜穂の事が大好きだって事くらいかもしれない
だから

「わかってるよ」

って言った。

菜穂「何をわかってるの?」

僕「俺は…菜穂が好きなんだ。大好きなんだ、それは自分でわかってる」

菜穂は信じてくれなかった。

「何を言ってるの?からかってるの?」

って。
僕が菜穂の事好きだなんて今さら気付いて口にしても信じてもらえないくらい
時間が経ってたのかな。
少し残念な気持ちでいると。
菜穂がこう言った

「あなたじゃなくて、ずっと好きだったのは私のほうだよ」

って。
え?今、聞き間違えたかな?
そうやって聞き間違えを疑いたくなる菜穂なんてロクでもない

【24歳】
菜穂は泣いていたけどちゃんと言った

「ずっと、ずっと好きだったんだよ!わかってるの?」

って
でもそう言われてさっき菜穂が僕の言う事信じなかった気持ちがわかった
菜穂が俺をずっと?いや、え?信じられない。

僕「でもさ、大学の時彼氏いたよね…」

菜穂「はぁ…いません。見た人の事でしょ?あの人はサークルの人
        もぅ、絶対勘違いしたと思ってた、結局告白はされたけどお断りしました」

僕「え?じゃぁ高校の時は?…好きだったの?」

菜穂「好きに決まってるよ、学校違うのにマフラーあげたじゃん。なんでマフラーのお返しが塩ようかんなの?」

僕「あ…仏壇の前に置いていたので」

違うよ菜穂。
俺だってマフラーあげたじゃないか、大好きだから
マフラーのお返しが塩ようかんだと思ってるとかでも言い訳はしなかった
菜穂はロクでもない。

【24歳】
ずっと…ずっと…彼氏もいなかった…あれ…ひょっとして…え?

僕「あれ?菜穂…変な事聞くよ…菜穂はキスした事ある?」

菜穂「うん、あるよ」

僕「あぁまぁそれくらいはあるね、普通、うん」

菜穂「あなたとだけ」

って指さされた
マジで?この子、初めてさん?
こんな可愛い、菜穂が、あんな人気者で告白ばっかりされてた
菜穂が初めてさん?
菜穂はヘナチョコの僕なんかが敵わないくらい意思が強くて偉大だった
可愛い過ぎてロクなもんじゃない

【24歳】
菜穂はボロボロ泣きながら

「ほんとにわかってくれてるの?小さな頃から小学校の時も中学校の時も高校も大学も今も大好きなんだよ?」

って言った
ただただ驚きで僕はどうやって答えたらいいかわからなくなってた。
すると菜穂は席を立って机の引き出しをあけて何かを取り出して僕に見せた

「はい、恥ずかしいから今日は隠してたけどいつもは飾ってる」

って
それは俺と菜穂が5歳くらいに撮った二人がニコニコして手をつないでる写真だった
それを見た瞬間、涙が止まらなくなった。
5歳の二人がニコニコ手をつないでる写真
その二人はお互いの事が大好きだから大好きと言い合い当たり前みたいに一緒にいる
僕は大人になるにつれそんな当たり前ができなくなってしまってた
菜穂の事をみんなが好きって言うから自分は遠慮しておこうとか、自分にはお高い人だとか
菜穂はあの頃と変わらずずっと真っ直ぐに見てくれてた
菜穂がよく言ってた「好きな人」「あなたがよく知ってる人」それは他の誰でもない僕でした
それなのに菜穂の事好きで好きで仕方なかったのに自分をごまかしては逃げてばかりで
僕ばっかりが曲がり続けて当たり前から目を反らしていた。
[好きだから好きと言って一緒にいる]そんな当たり前の事を写真の中の二人が
今の僕に教えてくれた。
僕は菜穂の手を取り抱きしめてもう離さないようにして

「もぅねずっとずっと一緒にいるから僕の彼女になって下さい」

って言ったら
菜穂は

「…はい…じゃぁね今日を記念日にするんだよ」

ってやっと笑ってくれた
そしてキスをした
僕を泣かせる名人の菜穂なんてロクなもんじゃない

【それからとこれから】
ただの幼なじみだった僕と菜穂は彼氏と彼女になりました。
菜穂は僕の事をダーリンって呼ぶ事に決めたみたいです。
早々に菜穂と菜穂の両親には結婚しますと伝えました。
菜穂だからもうちょっと落ち着いたお付き合いになるのかと思いきや。
毎日毎日大好きと言ってくれるので嬉しくて負けないように言い返すのが大変です
いつもしっかりしてたお姉ちゃんみたいだった菜穂ですが最近はちゃんと甘えてくれるから
ちょっと僕もお兄ちゃんになったのかなと調子に乗ってしまいます
今まで男の子とお付き合いした事ない菜穂だから学生時代にできなかった事を
全て取り返してやろうと思い、遊園地にも水族館にもカラオケにも色んな所に行きました
菜穂はほんとロクでもないヤツです。
可愛くていい子で誰からも好かれて天使のような笑顔で
僕の事を誰よりもわかってくれて誰よりもいつも優しくしてくれるロクでもないイイ子です
僕にとっては世界中探してもこれ以上の人はいない、ロクでもないくらい大切な人だから
こうやってしてくれたロクでもない菜穂の素晴らしい仕打ちに対しては
一緒にいてクリスマスにはプロポーズして結婚して一生かけて
一番幸せにする事で仕返ししてやらないと気がすまないのです。

菜穂が僕の幼なじみに生まれて来てくれた事はほんとロクでもないくらい幸せな宝物です

【終わり】

コメントの数(18)
コメントをする
コメントの注意
名前  記事の評価 情報の記憶
この記事のコメント一覧
1 . 名無しさん  ID:11kjMAQN0編集削除
くっそ長いただのSS
2 . 名無しさん  ID:cx0qvBEm0編集削除

以下、俺含め大半飛ばしたやつのコメント
3 . 名無しさん  ID:MGVKyX8e0編集削除
俺はここの記事は『おもしろテキスト』も含めて全部読んできた
だが今回初めて挫折した。後悔はしない
4 . 名無しさん  ID:Sqw3Bncm0編集削除
長くて読んで無いが元ネタはVIPのSSじゃないか
5 . 名無しさん  ID:ndnCXMne0編集削除
三十行でたのむ
6 . 名無しさん  ID:mzlhMz1I0編集削除
※5
3行じゃないところに諦めを感じた
7 . 名無しさん  ID:ljFQ2VNu0編集削除
死別エンドじゃなくてよかった
8 . あ  ID:.NQTHLCk0編集削除
オチだけ教えて
9 . 名無しさん  ID:.zLnsm3d0編集削除
>>8
セクロス
10 . 名無しさん  ID:5OAiz.rw0[評価:2 ]編集削除
途中で飽きる文章
11 . 名無しさん  ID:06mjCgXo0編集削除
お前らちゃんと読め!
普通に読みやすくて楽しい物語だったぞ!

あー終わっちゃった、もっと読みたい!って思った。
12 . 名無しさん  ID:i5cnpSi60編集削除
隣の幼馴染みが美少女とかどこのラノベだよ。
うちの隣の布団屋の娘なんか深海魚だったぞ。
小1まで付いて歩かれて無茶苦茶怖かったんだからな。
13 . 名無しさん  ID:6xV0vC5k0編集削除
よくこれだけクソつまらん話をダラダラと書きやがったな。読んでないけど。
14 . 名無しさん  ID:etgP4SeE0編集削除
幼馴染をロクでもないとか連呼してるが、自分のほうがロクでもない奴と延々長文で自己紹介してるだけやん
15 . あ  ID:xQK.Q5Ts0編集削除
こんなろくでもない奴ですら6人と経験出来るというのに、俺ときたら。

そんな絶望感をお手軽に味わえる作品になっております。
16 . SEXマシーン  ID:ZZpDxt6z0編集削除
ただのノロケじゃねぇか!ガチでマジでむかつく!!
お詫びにそのロクでもない女の菜穂ちゃんとSEXさせろ!
顔射させろ!!
17 . 名無しさん  ID:H2A1eC7R0編集削除
>>何がロクでもないかを伝えるには一つ一つ書かないとイケないので聞いて下さい

ここで読む気をなくした。最後まで読んだ暇人に聞きたい。感動したか?
18 . 真一  ID:jHqbaNiE0[評価:5 ]編集削除
20年振りに泣きました。

コメントを書き込む

今月のお勧めサイト



週間人気ページランキング
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

記事検索
月別アーカイブ
タグ
ブログパーツ ブログパーツ