廊下

524:本当にあった怖い名無し:2013/06/22(土) 18:53:41.29 ID:x/AxiB8g0
喪女板より転載

657 名前:彼氏いない歴774年[sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:03:01.30 ID:08+Js8s0
さっきニュースでちゃぶ台返し大会っていうお祭りの様子が流れてたんだが
3歳くらいの息子の目の前で母親が「女の子が欲しかったのにー!」
と叫びながらちゃぶ台返ししてた…


普段言えないことを叫ぶらしいんだがそれは思ってても絶対言っちゃいかん言葉だろ…
男の子も十分意味分かるだろうし何かただの日常のニュースなのに
腹立たしいやら悲しい気分になってしまった…




526:本当にあった怖い名無し:2013/06/22(土) 20:02:24.22 ID:mIvaka1o0
>>524
3歳だから多分何もわからないと思ったんじゃねーかな…
まあ、酷いのはたしかだけど



530:本当にあった怖い名無し:2013/06/22(土) 22:36:50.58 ID:jWKepuyL0
>>526
いや、わかると思うよ
案外子供って理解していたり、強烈なシーンはずっと記憶に残していたりする
私も2歳の時に幼稚園であったこと、まだ覚えているもん
うちの長男(今10歳)は生後3ヶ月の時の記憶まである
ちゃぶ台ひっくり返しながら母親が叫んでいたら、しばらくシーンとして記憶に残るよ
だから言葉の意味を理解したときに覚えていたらかなり傷つく



565:本当にあった怖い名無し:2013/06/24(月) 09:21:26.41 ID:yU/YBQ0rP
アニメ「ダメおやじ」。
全体的に後味悪い話が多いが、個人的に特に後味悪く感じた一話。


いつも母親と一緒にダメおやじをいじめる息子だったが、ある朝おねしょをしてしまう。
母親に怒られるのが怖くて震える息子を見かねたダメおやじは
「このおねしょは私がやった事にしよう」と提案する。

「いい年こいておねしょなんかして!」と母親からボコボコに殴られるダメおやじ。
その姿を見た息子は自分をかばってくれたダメおやじに感動し、初めて「お父様」と呼ぶ。

この事件をきっかけにダメおやじと息子は仲良くなり、
母親がダメおやじをいじめようとすると、息子がかばってくれるようにもなった。

そして、ダメおやじの誕生日にプレゼントを買ってあげる為、
新聞配達のアルバイトを始める息子。

その様子が気に食わなかった母親はある意地悪を思い付く。

誕生日当日、母親はダメおやじに朝ごはんを食べさせずに仕事に行かせる。
お腹が空いてたまらなかったダメおやじはつい、近所の家の牛乳を飲んでしまう。
それを見ていたその家の主人は、後から新聞配達にやってきた息子を
「お前のおやじは牛乳泥棒だ!」とボコボコにする。


「おやじのせいで殴られた!」と泣きつく息子を見て意地悪い笑みを浮かべる母親。
そして、ダメおやじが誕生日プレゼントを期待して家に帰ったら、
息子が買ってきたネクタイで母親と息子に首を絞められるのだった。

その後、「束の間の幸せだったなぁ」とボロボロになったネクタイを握り締めながら、
野良犬と一緒に誕生日の歌を歌うのだった。




588:本当にあった怖い名無し:2013/06/25(火) 02:45:05.15 ID:mMiYrXwM0
割と明るい感じのヒーロー物の鬱展開

正義感の強い少女Aと、家庭での居場所のなさを感じていた内気な少女Bは親友同士で
優秀なキャリアウーマンであるAの姉に憧れていた
しかしある日その姉が執拗な暴行を受けた末に強姦されて酷いPTSDになってしまう
会社にも行けなくなり、裁判の方向性などを巡ってAの家庭は次第に崩壊していく
やがて犯人が逮捕されるが誤認逮捕だったとして釈放されてしまう
世界への憎しみを募らせるAと自分の無力さを痛感させられるB

その二人の前に謎の女が現れ、人間を越えた存在(これが主人公達の敵)にならないかと誘う
自ら定めたルール以外の下らない社会のルールから自由になり、
人間の生命エネルギーを喰らうことで永遠に生きることができるという
もはや世界に絶望していた二人はその存在になり法で裁けない悪人を殺して
その生命エネルギーを食うことに決める

人間でなくなった以上家族と共に暮らすことは出来なくなり二人は家出し行方不明になる
二人が同時に行方不明になったことに主人公達は「敵」の影を嗅ぎとる
二人が悪人を裁いていく中で、Aは釈放された犯人を見つけて殺害する
しかし、それは冤罪であり真犯人は別にいた

実はAの姉は会社で悪質なパワハラを行なっており女の同僚を自殺未遂に追いやっていたのだ
真犯人はその人に好意を持っていた同僚で、執拗な暴行はその報復だった
姉はそれに気付いていたが、会社に誇りを持っていた姉は
同僚が犯人だとはどうしても言えず、知らない男が犯人だと嘘を付いたのだった
しかし、良心の呵責に耐えられなくなった真犯人が自首した
そのことを知った主人公のライバル(ルール違反を行なった存在を粛清する役割)
はAにそのことを伝えると圧倒的な能力で葬り去る
Aは最期に呟く「狂っていたのは世界じゃなかったんだ、
私達が世界から守りたかったものが本当は壊れていたなんて……」



589:本当にあった怖い名無し:2013/06/25(火) 02:47:10.72 ID:mMiYrXwM0
しばらく後、Aの残骸を見て愕然とするBの前に
再び謎の女が現れ、Aを殺したのは主人公だと唆す

主人公とライバルは似た能力を持っており攻撃の痕だけでは区別が付かないのだ
主人公を襲うB、主人公はAを殺したのは自分ではないと言うが
謎の女に心酔しきっているBは聞く耳を持たず、
行方不明になったB達を探していた主人公は反撃できない


そんな主人公の態度を偽善だと感じたBは「自分はBの姿と記憶をコピーしただけの偽物で
AもBも自分が殺したので今までの態度は全て演技だ」と真っ赤な嘘を叫び、主人公を挑発する
しかし激怒した主人公の力はBの予想を遥かに越えており
Bは何も出来ないまま文字通り粉砕されてしまった
仇は取れたが、AとBを救えなかったことに落ち込む主人公だったが
仲間たちに励まされこの戦いを終わらせることを決意するのだった

その光景を物陰から見つめていた謎の女のところにライバルが現れる
ライバルは「あの二人は人間を超えた存在に成りきれていたのだろうか、
それともまだ人間のままだったのだろうか」と呟く
女は笑いながら「もちろん奴らはもはや人間でも何でもなかったよ、
奴らが自ら望んだ通りにな」と答えたのだった――

しばらく後、改心して別の仕事を始め、
使われる側の人間の気持ちを思い出すことが出来たAの姉と

留置所にいる男に面会に来た女の同僚が
笑顔を取り戻したことが語られたところで次回に続く




599:本当にあった怖い名無し:2013/06/25(火) 13:03:31.21 ID:lM476u6RO
大人向け特撮なら、シリアス路線なガロかな?
ギガゼウスやアキバレンジャーはギャグ路線だし。



604:本当にあった怖い名無し:2013/06/25(火) 14:51:27.83 ID:RdE2Eg5l0
牙狼は1期から今やってる3期まで大体みてる
今週のはまだみてないがそんな話はないはず
設定上、牙狼の世界で人間が怪物化してたら
「人間を超えた力で悪を裁いていく」なんてことには絶対にならない



600:1/3:2013/06/25(火) 14:00:59.29 ID:kow6cP/kO
女流ミステリ作家の短編

自己臭恐怖症のOL。
(私が臭いから、みんなわざと鼻を鳴らしたりくしゃみしたり、私の後ろで目配せしたりで馬鹿にしてる…)
ある同僚青年だけはそういう事がなく、OLは徐々に惹かれていった。

親しくなった彼にはおかしな所があったので、OLは疑問を持ち、ある実験を思いつく。
(機械的に食事をとる事、匂いに鈍感すぎる事)



601:2/3:2013/06/25(火) 14:03:33.45 ID:kow6cP/kO
二人の記念日に、OLは青年宅でディナーを作ることにした。
青年宅にはかすかな腐臭が漂っていたが、OLは何も言わなかった。
白ワインで乾杯するが、青年のグラスの中身は酢だった。

とても美味しい、僕のために奮発してくれてありがとう、
と微笑む青年を見て、疑惑は確信に変わった。

出来上がったディナーは、青年の分だけが調味料を省いたり入れすぎたりの、
わざと作った失敗作だった。

青年は喜んで完食した。



602:3/3:2013/06/25(火) 14:06:12.17 ID:kow6cP/kO
OLは押し入れで青年の母親の死体を見つけた。
死体は蝋で固められていた。
彼は、殺すつもりはなかった、腐らないように蝋で固めた、と言った。
OLは彼を抱き締めた。
(死体は私が始末してあげる。かわいそうに、蝋じゃ臭いは防げないのよ)
(この人はやはり、嗅覚と味覚がないんだわ。この人だけは臭い私をバカにしない…一生離さないわよデュフフフ)

彼は赤ん坊の頃、母親が目を離した隙に階段から落ちて頭を打ったせいで
嗅覚と味覚を失っていた。

自分に欠陥があると気づいた彼は、思春期から母親に暴力を振るった。
DVで死なせた母親の死体を、腐ると厄介だから蝋で固めたのでした。終。



722:本当にあった怖い名無し:2013/06/28(金) 21:06:56.59 ID:hBWyeKwV0
>>602
俺、たぶんその短編読んでいると思う。
10年以上前に読んでいて記憶が曖昧だし、手元に本がないから
確認しようがないんだが、その女性ってスバリ腋臭じゃなかったっけ?
間違っていたらゴメンね。



621:本当にあった怖い名無し:2013/06/25(火) 23:53:50.12 ID:wJAYVRfL0
後味の悪さならスティーブン・キングにも多大なインスピレーションを与えた、
アラン・ポーの「猿の手」が一番だな。


とある老夫婦が、呪われた力を持つといわれる干乾びた猿の手を入手する。
この猿の手は、その呪われた力で願い事を3つまで叶えてくれるという。
二人はそれを使わないようにと誓うが、ある年の感謝祭の前に七面鳥を買う金がなく、婆さんは「100ドル程度なら」と軽い気持ちでその「猿の手」にお願いしてしまう。

すると、その晩二人の息子が働く工場から電話がかかってくる。
最愛の息子が工場の機械に挟まれて亡くなった、という。
工場長は見舞金に100ドルを渡して、
事故は息子の責任だからこれ以上は払えない、と帰ってしまう。


100ドルは手に入った。息子の死と一緒に。悲嘆にくれるが、
後の祭りで爺さんは自分達の愚かさを呪い「二度と使うな」と猿の手をしまう。
が、婆さんはその悲嘆に暮れながら、その不公平さ受け入れることが出来なかった。

そして葬式が終わった後、そっと「猿の手」を取り出すと2つ目のお願いをした。



622:本当にあった怖い名無し:2013/06/26(水) 00:04:33.29 ID:n7OeS6na0
「息子を返して下さい」と。

その晩、家の外からズルッズズッー、ズルッズズッーと何か引き摺るような音がし、
腐臭が家の外から漂ってきた。家のベルが鳴らされ、老夫婦がでてみると、

「ママ、ただいま。」
と、機械で身体の半分が潰され、内臓がでて、
さらに腐ってカビが生えた息子が其処に立っていた。


直ぐに事態を飲み込んだ爺さんは、急いで「猿の手」を取り出すと
「今すぐ息子を墓に戻して安らかに眠らせてやってくれ!」と最後の願い事をした。

息子はクルっと踵を返すと墓に戻って行き、その場には効力が無くなった
「猿の手」と老夫婦だけが残された。。。


ってな感じ。



624:本当にあった怖い名無し:2013/06/26(水) 00:15:14.69 ID:p2Mjr2M00
せっかく書いてくれた所悪いが
「猿の手」はエドガー・アラン・ポー作ではなくW・W・ジェイコブズ作
あと、七面鳥のために100ドルっていう比較的安い金ではなく、家のローンのために200ポンド

しかしこの話はじめて聞いた時、3つ目の願いで息子が生前そのままで、とか時を戻してくれ、
とか考えつかなかったのか、と思った



626:本当にあった怖い名無し:2013/06/26(水) 00:25:45.68 ID:ZxbcuWJB0
ジェイコブズか。スマンかった。スティーブン・キングの中でしょっちゅう引用されてるから覚えてただけなんだけどね



627:本当にあった怖い名無し:2013/06/26(水) 00:36:08.61 ID:euE7Yxg50
>>機械で身体の半分が潰され、内臓がでて、さらに腐ってカビが生えた息子が其処に立っていた。

これは爺さんの想像で実際にそうなっていたかはわからないままだったはずだぞ



644:本当にあった怖い名無し:2013/06/26(水) 09:29:43.76 ID:DFNwfQs80
>>627
そうそう、ドアの外なんだよね。
怖くて開けられないまま、最後の願いを。
そこが上手いとこだと思う。



629:本当にあった怖い名無し:2013/06/26(水) 00:58:38.34 ID:TuSYTKE/0
CSで見た犬の虐待に関する海外ドキュメンタリー。

ある犬は背中に逆毛があり、それがその犬種の特徴になっている。
でも、時々その逆毛がない犬が生まれる。

英国の犬の血統を管理する団体の関係者の上品な初老の女性
(ドッグショーの関係者か、ブリーダーだったかも…)がさらりと
「逆毛のない犬はその犬種として認められません。ですから逆毛のない子が
生まれたらすぐに安楽死させます。

けれど気が利かない医者は、逆毛がないだけで他になんの病気もない
元気な子犬ですよ、と言って安楽死させないのです。
ですから昔からのなじみの医者に連れて行って安楽死させます。
逆毛のない犬なんて認められません」
と言ってた。内容も後味悪いけれど、そんなの当然でしょ?というような
女性の態度が後味悪かった。



632:本当にあった怖い名無し:2013/06/26(水) 01:29:45.36 ID:+C6eeNWhT
>>629
愛護団体は仮想動物の扱いには発狂してないで
こういうのに何か言えばいいのに
既に言ってたらゴメン



638:本当にあった怖い名無し:2013/06/26(水) 04:02:24.37 ID:aTjmc9CoO
>>629犬種書いて ggrksなしな



640:本当にあった怖い名無し:2013/06/26(水) 07:14:18.66 ID:fozdBkMn0
>>638
多分ローデシアンリッジバックじゃね?
名前にまでその特徴が出てる。



649:本当にあった怖い名無し:2013/06/26(水) 11:51:09.71 ID:gH2cb6g90
>>629
日本犬で秋田犬とかも同様だよね
長毛種は秋田犬としてはあり得ないってことで厭われる
闘犬時代にいろんな種と交配させて大型化させたもんだから
雑化を防いで種を保存するためには、仕方ない部分もある
同じ秋田犬でも、日本の秋田犬とアメリカンアキタだと全然別物み見えるし

でもなぁ、わさおもそうだけど長毛の秋田犬って可愛いんだよ



647:本当にあった怖い名無し:2013/06/26(水) 11:08:02.30 ID:hyemno3/O
昔々、ダイオキシン騒動よりも前
近所迷惑でさえならなければ(広い庭をお持ちなら)自宅焼却炉が非難されなかった頃
犬に沢山産ませては、出来の良い数匹を残して焼却処分してたブリーダーがいたな
でもそれが、そっちの世界では絶賛されてるトップブリーダー様
良い犬の為には犠牲はいとわない姿勢は立派なものらしい



630:本当にあった怖い名無し:2013/06/26(水) 01:07:36.64 ID:zge2jTGj0
学校の怪談系シリーズに入っていた「月夜のおまじない」

小学生女児の仲良し3人組の1人が、姉から面白いおまじないを聞いたと持ちかける。
満月の夜に、自分の体の指定した一部分が一定時間だけ青く染まるというおまじないだ。
当日おまじないを実行するためには1ヶ月前からの仕込み(色を変えたい体の部位を書いた紙を肌身離さず持ち続ける)が必要なので、3人とも準備をして当日を楽しみに待つ。

ところが期間の半ばに、3人のクラスに転入生がやって来る。その少女も同じおまじないに向けて準備をしていることを知り、3人は「当日、私たちと一緒におまじないをしよう」と彼女を誘う。

決行の場所は、おまじないの言いだしっぺの少女の家のベランダとなり、4人が集まった。
おまじないは成功し、不思議な月の力でそれぞれ髪、瞳、爪の色を変えた友人達を見て、
その少女は「そんなもの、かつらとかコンタクトレンズとかマニキュアでいくらでも変えられるじゃない。あたしのは凄いからね」と息巻いて、最後に術を解き放つ。

ここで場面が変わり、例の言いだしっぺの少女の姉の帰宅場面になる。
姉は、今頃おまじないに高じているであろう妹に想いを寄せながら歩く。

(あの子ったら、この間「おまじないは体のどこを指定するつもりなの?」って聞いたら「肌!」なんて答えて、大胆なんだから…。それにしても、あのおまじないを行うときは同じ場所に3人よりも多くの人間が集まったらいけないってこと、教えておいたっけ?
4人目からは、青い色に変わった場所が2度と元に戻らなくなってしまうんだよね…
まあどうせいつもの仲良し3人組で集まってやってるんだろうけど…」

姉が家のドアを開けるシーンでラスト。



650:本当にあった怖い名無し:2013/06/26(水) 12:02:59.78 ID:Csxhn3L00
15年くらい前に、子供(当時10才)とゴムボートでダム湖に釣りにでた。
夕方、暗くなって上がって荷物を車に積み込み、汚れていた手を湖で洗った。
子供にも水辺(なだらかなスロープ)で手を洗わせようとして水辺を懐中電灯でてらしてやった。

子供は水辺まで降りてきたが、なぜか水の中まで入ってしまった。
後で聞くと、俺にはちゃんと見えていた水面が子供には見えてなかったらしい。
足がぬれたので子供はびっくりして、滑って転んでしまい尻餅をついてしまった。
スロープの横は段差があり、水深は5mくらいあったと思うが、
その段差に腰掛けるようになってしまった。

あわてた俺はすかさず子供の手を引っ張り結局何事もなかった。

2,3年前霊感のある知り合いにその話をしたら、
「子供は2本の手で両足をつかまれていた状態で、

3本目の手が伸びて来るまさにその時、俺のほうが先に子供の手を引っ張った。
3本目の手に引っ張られていたら、多分引きずり込まれて助からなかっただろう。」と言われた。

最近、別の霊感のある知り合いに、3本の手の話をしたら、1週後に「この前この話を聞いた時、
すごい寒気を感じた。向こうは子供でなく俺を狙ってるから、その場所には近づかないほうがいい。」と言われた。

俺には15年も前の出来事なのに、相手はしつこい奴だな。
でも俺は水泳部だったから、簡単には引きずり込めないと思うけど。



666:本当にあった怖い名無し:2013/06/26(水) 23:22:33.84 ID:7vJk9C130
>>650
霊感や霊能力が存在するんなら、アメリカの軍事機密もだだ漏れですね(>_<)(>_<)



653:本当にあった怖い名無し:2013/06/26(水) 15:51:25.70 ID:fKj4zqBgi
予言予知ならまだら信じる余地があるけど危ないことがあってからの後出しだしな
霊能力とか占いのほとんどは話術だと思う



655:神様の召し上がりもの1/2:2013/06/26(水) 18:05:12.23 ID:DcZaSGvTO
グリム童話だったかな?
タイトルは「神様の召し上がりもの」

昔、ある姉妹がいた。
姉は平凡な容姿、妹は美人。
妹は誰からも愛される愛嬌のある娘で、姉の事も慕っている。
姉はあらゆる面で自分より勝る妹に引け目を感じて、やや卑屈な性格になっていた。

やがて姉妹は成長して結婚した。
姉は親に勧められて中流家庭の平凡な男と。
妹は親の反対を押し切って貧しい職人と恋愛結婚。

生活の心配はないが、不幸ではない代わりに、幸福とも言い切れない平凡極まりない生活を送る姉。
家計は苦しいが、たくさんの子宝に恵まれ夫とも深く愛し合い支え合って暮らす妹。
ここでも姉は妹に対して微かな妬みを感じずにはいられなかった。
(姉には子供が出来なかったのも妬みの一因になっている)



656:神様の召し上がりもの2/2:2013/06/26(水) 18:06:19.52 ID:DcZaSGvTO
そんなある日、妹の夫が事故死。
働き手を失い、たくさんの子供を抱えた妹は瞬く間に貧乏のどん底に。

しばらく経って、やつれて見る影もなくなった妹が姉を訪ねてきた。
生活が苦しく子供たちに食べさせるパンすら手に入らない、
ほんの少しでいいからお金を恵んで欲しい、と。
姉は一瞬同情したが、今まで散々妹の幸福を見せつけられてきた事が頭をよぎり
(もちろん妹にそんなつもりなど全く無かったが)
「うちも余裕が無い」と妹を追い返してしまう。

その夜、姉が夕食の為にパンを切ると、パンの切り口から真っ赤な血が溢れ出た。
姉は驚き、そして自分の仕打ちの恐ろしさに気付いて妹の家に駆けつける。

しかし手遅れだった。
子供たちは皆寝床の中で冷たくなっていて、妹は末っ子の赤ん坊を抱いて蹲っていた。
私が悪かった、せめてあなたと赤ん坊だけでも助けたいと涙ながらに訴える姉。
妹は虚ろに笑い、「私達は“神様の召し上がりもの”を食べたから、もうお金はいりません」
と言って息を引き取る。
彼女の腕の中の赤ん坊も既に冷たくなっていた。
“神様の召し上がりもの”とは“神様の所へ行ける食べ物”即ち“毒”の事だった。


姉は根っからの意地悪ではなく、積もり積もった不満からつい冷たい態度を取ってしまっただけ。
パンから血が云々の後は、自分のした事を激しく後悔してる。
妹はなまじそれまでが幸福そうだっただけに、ラストが哀れ過ぎる。
何よりも妹の子供たちが不憫でならない。



657:本当にあった怖い名無し:2013/06/26(水) 18:27:58.29 ID:WzUfujf40
>>656
この話しをされた上で生命保険の勧誘をされたらイラッとしそう



679:1/2:2013/06/27(木) 17:22:53.63 ID:MIkAQFtG0
『合鴨農法』
知らない人の為に説明しておくが合鴨農法とは
水田に合鴨を放し飼いして害虫の駆除を行わせるという農法のひとつ。

主な効果として合鴨が虫や雑草を食べて被害が減り、さらに排泄物が肥料になる。
合鴨が動き回る事によって土が撹拌されて作物がよく育つ・無農薬栽培が可能などなど

これだけ聞けば非常に効率的なやり方に見える合鴨農法だが、
この合鴨達は稲作が終わりに近づくとシメて食べられてしまう

ネットの記事では「可哀想」「社畜みたいだな」という感想も多くみられた

田んぼの害虫駆除を頑張ってきたのに用済みになったら
すぐに殺されてしまう合鴨達を思うと後味が悪い…




680:本当にあった怖い名無し:2013/06/27(木) 17:23:55.06 ID:MIkAQFtG0
と、思うのはいささか短絡的な思考ではないか。
この合鴨農法、家畜全体で見れば生育環境はかなり恵まれている方である。
生まれてすぐに尻尾を切り取られロクに運動できない室内で一生を過ごす豚
無窓鶏舎というその名のとおり窓の無い部屋にスシ詰めにされて育てられる鶏
口にチューブを連結させ意志とは無関係に無理矢理餌を食べさせられる鴨(フォアグラ)

そんな家畜が当たり前のように各地で大量に消費されているなか、
合鴨は決められた水田から逃げられない意外は自由なのである。

鳥害対策がなされた屋外で気の赴くままに泳ぎ、
好きな時にそこら中に転がっている餌を啄ばむ。


合鴨を食べなくても逃がしてあげればいい・来年も使えばいいという意見もあるのだろうが
合鴨というのは人間が人為的に作り出した品種で自然界への放鳥は固く禁じられており、
大人になった個体は大きすぎて稲を倒してしまう上に
生育が非常に難しい為あまり現実的ではない。


それに、農薬で虫をただ殺すだけのやり方より
「虫を食べた鳥を人間が食べる」という合鴨農法の方が

食物連鎖の観点から見ても、よっぽど自然に優しいやり方なのである

上の話を見て「合鴨が可哀想」と思った方、
今日の夕飯に並ぶ合鴨より遥かに過酷な環境で育てられた鳥肉や豚肉を食べてみて、

後味の方はいかがでしょうか。



684:本当にあった怖い名無し:2013/06/27(木) 19:23:59.21 ID:aHMTbvCQ0
バレンタインデーのチョコレートに結婚指輪のダイヤモンド、どこからやって来たのか考えるとえげつないもんは多いな(´・ω・`)



690:本当にあった怖い名無し:2013/06/28(金) 00:12:28.71 ID:eFK3uAtP0
去年アニメになって有名なやつだけど
米澤穂信 古典部シリーズ第一作「氷菓」

高校OBの姉の命令で廃部寸前の古典部に入部させられた主人公は
古典部部長のヒロインに主人公の推理力の高さを知り叔父の過去の秘密を解くことを依頼される。

ヒロインの叔父は古典部初代部長で高校を
何らかの事情で中退しており、現在海外で消息不明。

ヒロインの叔父の記憶は子供のころに
叔父が創刊した古典部機関誌「氷菓」のタイトルの意味を聞いて、涙したことくらいしかない。
叔父の退学の真相となぜヒロインが叔父の話を聞いて泣いたのかを知るために
主人公は古典部の仲間と高校の過去を探る。

高校にまつわる過去の文献を調べてみると、
叔父が高校退学直前に執筆した機関誌「氷菓」の創刊号が紛失しているなど
一次資料の収集には苦労したものの、

学生運動が盛んな当時らしい勇ましい文面で
叔父が生徒の自治を守るために戦ったことを称える文書が見つかる。
この資料と当時の学校の沿革を記した資料から主人公は一つの仮説を立てる。

当時学校では教員主導の文化祭縮小の動きがあり、
叔父はその反対運動のリーダーだった。

叔父の運動が実り文化祭縮小は撤回されたものの、運動の責任をとる形で叔父は退学。

ついでに語源が不明だった主人公の文化祭の俗称は
叔父の名前にちなんだ名だとわかり、一度は全員この結論に納得する。




691:本当にあった怖い名無し:2013/06/28(金) 00:13:05.42 ID:eFK3uAtP0
しかし、検討する上で主観的評価に過ぎないとして資料として棄却された
叔父の後輩が執筆した氷菓第2号の「あれは英雄譚ではない」という述懐や、
ヒロインが叔父の過去を聞いて泣いた、という記憶が
明らかに主人公の仮説に矛盾することに思い至り、推理を一からやり直す。
そして第2号を執筆した叔父の後輩を見つけ出し真相を聞き出す。

叔父はもともと気弱で温厚な生徒で文化祭縮小反対運動のリーダーは
同級生に担ぎあげられただけのお飾り。

実際の運動は叔父を祭り上げる例の文書を書いた他のノリのいい生徒が中心に行い、
彼らが授業ボイコット中に校庭でやったキャンプファイヤーがボヤ騒ぎとなり、
その責任をとる形で叔父は退学。
叔父が退学直前に名付けた機関誌「氷菓」の意味は氷菓=アイスクリーム=I scream。
誰からも庇って何の釈明もできずに生贄になった叔父の心の叫びだった。

/////////////////
文集のタイトルに駄洒落で爪痕を残すことくらいしかできなかった気の弱い叔父と
叔父を切り捨てた後で英雄扱いする当時の生徒達が後味悪かったわ。



706:本当にあった怖い名無し:2013/06/28(金) 18:23:20.31 ID:9hm2WlxJ0
さっきやってたおじゃる丸が後味悪かった
アスファルトの下からど根性草が飛び出してくる
ど根性草はまったりしてたら欲しい物は全て周囲が用意してくれると言う
おじゃるに、根性を出せと説教する


例えば君はあの柿を食べられるのかい?と言ってど根性で木を登って柿を取るが、
手を滑らせて下に居るおじゃるの手の中に落として、おじゃるに食べられてしまう

おじゃるは去って行き、ど根性草がショックを受けていると、
アスファルトを突き破って小さな双葉が出ているのを見つける


ど根性草は僕だけじゃないんだ!と喜んで、
双葉が伸びていくのにずっとくっついて応援し続ける

しかし双葉のせいで盛り上がったアスファルトで躓く人が続出し、
子供が躓いたら危ないからと、ロードローラーで双葉の上から
アスファルトを流して平らに潰してしまう


呆然として涙を浮かべるど根性草の目の前で、
平らになったアスファルトの上を子供達が笑いながら走って行く

終り



708:本当にあった怖い名無し:2013/06/28(金) 18:28:45.81 ID:rSmYh2Hu0
>>706
だいぶ記憶が曖昧だけど、おじゃる丸ってそんな感じのほんわか救われない系の話多いよな
なんかオチつくんだろ?wwww → あ、あれ・・・ って何度もぽかーんってなった気がww



725:本当にあった怖い名無し:2013/06/28(金) 22:16:12.78 ID:9hm2WlxJ0
思い出したので書く

衝撃!100円めし大賞!これぞ価格破壊!頑固オヤジの100円めしって番組に出てきた
全メニュー100円の店、お勧めメニューのカツカレーも100円
その安さの秘密は、店が自分の持ち物なので
賃料がただ&母親と妻が働いているので人件費が要らない


母親は83歳だけど、腰が曲がって年以上に老けて見える
妻は看護師として8時間働いてから、夫の店で8時間働いている
過労で顔色が悪い妻に「大変じゃないですか?」と聞くと
「しんどいですね・・・」と疲れ果てたように答えた


店長だけがイキイキしている「儲けは出ているんですか?」と聞かれて
どや顔で「しっかり1人につき30円出てますよ!」と答えている

手間はただですから!というご主人の人柄だからこその低価格と店長を持ち上げるTV
ただの手間で妻の命削ってるよ・・・ってめちゃくちゃ後味悪かった



730:1/3:2013/06/28(金) 23:17:37.16 ID:883MuhDAO
J・G・バラード「殺す」原題は Running Wild

1988年、ロンドン西部の高級住宅地パングボーン・ビレッジで住人と
警備員と使用人32人が殺害され、子供全員(8歳から17歳の13人)が行方不明になった。

パングボーンの戸数はわずか10戸、フェンスで囲まれゲートは一つだけ、
警備員が常駐し監視カメラがそこら中にある超高級住宅地。

パングボーンが成功したので、近隣にも同じシステムの閉鎖的な住宅地が造成される予定。

軍の秘密兵器の毒ガスが漏れて住人が狂っただの、軍の特殊部隊が
訓練地を間違えて惨殺しただの、ロシアの特殊部隊が攻撃先を間違えただの、

はてはパングボーンの住人は皆外国のスパイで任務を終えたら
証拠隠滅のために互いに殺しあうよう洗脳されていただの、マスコミはやかましい。


当日休みだったため難を逃れた使用人たちは、
住人は皆優しく礼儀正しい人々で不倫もいさかいも全くなかった、と証言した。

不倫しようにも、屋内の一部にまで監視カメラがあるので不可能だが。



731:2/3:2013/06/28(金) 23:20:38.43 ID:883MuhDAO
事件の二ヶ月後、調査を命じられた精神科医は
パングボーンをくまなく調べてある仮説を立てた。

(政府の調査チームが成果をあげられないので、はみ出し者の彼を抜擢したのだ)

子供達は皆文武両道で優秀だったが、数ヵ月前からスポーツをやめ、
クラスメートと遊ばなくなった。

(「あいつら、パングボーンに閉じこもるようになったんだ」)
ある少年の寝室ではポルノ誌の下から通販クーポンが
切り取られた銃火器専門誌が見つかった。


ある少年は大型の立体凧作りに夢中になっていた。
被害者の一人である警備員は、「立体凧そっくりの、
ベトコンがアメリカ兵に使った竹とロープを組み合わせた罠」で絞殺されたのだ。


精神科医は、行き届きすぎた愛情と監視に耐えられなくなった子供たちが
一斉に大人を殺し、田舎に潜伏している。という仮説を立てた。


ある日、行方不明の子供たちの中で最年少のマリオンが発見された。
口も利けないほど錯乱していて、祖母の面通しでやっと身元がわかった。



732:3/3:2013/06/28(金) 23:22:15.78 ID:883MuhDAO
マリオンは、窓の二重鍵をかける時のような不思議な動作を繰り返していた。
精神科医は、マリオンの父がバスタブにドライヤーを投げ込まれて
感電した所をキッチンナイフで刺殺された事を思い出した。

バスルームのコンセントは子供がいたずらできない仕組みで、
プラグを差すにはコツがいるのだ。

ちょうど窓の二重鍵をかける時のような。

マリオンが収容された病院が襲撃され、マリオンが拐われた。
小柄な犯人グループは手際よく警官や看護師を射殺した。
精神科医は看護師に扮して警護していた婦警のおかげで、手を撃たれただけですんだ。

精神科医は自分の仮説を報告書にまとめたが、黙殺された。
マリオンはまだ8歳。兄や年上の友人が感じていた、押しつけがましい愛情や期待(よくやった!次も頑張るんだぞ!)を普通だと思っていて、殺人は兄にそそのかされたのだろう。

五年後、「国民の母」と呼ばれる元首相が暗殺未遂テロにあった。
犯人グループのリーダーは小柄な少女だったという。
成長した子供たちは、様々な「押しつけがましい親」を殺そうとするテロ集団になっていた。完。



736:本当にあった怖い名無し:2013/06/29(土) 10:01:04.24 ID:zKg8CDkG0
>>732
この話、子供たち視点の行動や心境は全く触れられないから
余計に不気味だしモヤモヤするんだよね
実際には子供たちの間でどんなやりとりがあったんだろう?と

バラードがSF畑の作家と知らず
社会派犯罪小説だと思って読み始めた友人はそこが不満だったらしいが



739:本当にあった怖い名無し:2013/06/29(土) 22:30:39.73 ID:AnMVfzOp0
既出かもしれないが、藤子F不二雄の短編漫画でかなりキツイのがあった。

世は近未来。爆発的な人口増加と高齢化によって
食糧と福祉財源の枯渇が間近に迫っている時代の話。

政府は、国民の命だけはなんとしても保障しようとやりくりしてきたが、
とうとうどうしようもなくなり
高齢者に対する「政府からの食糧配給とあらゆる医療支援の打ち切り」を定めた法案を可決させる。
年寄りに対する事実上の「死の宣告」だった。

主人公の老人(のび太似)は、来る日に備えて自分の分の食事を少しずつ備蓄したり
支援打切りの免除枠(抽選)を得るために役所窓口へ
賄賂を渡したりと涙ぐましい努力を続けるが

結局主人公も支援打切りの対象となる日が来てしまう。

つづく



740:本当にあった怖い名無し:2013/06/29(土) 22:32:07.45 ID:AnMVfzOp0
家族は自分たちの分の配給からわずかずつ
老人の食べる分を捻出するが、主人公は拒否し、家から出て行く。

空腹で動けなくなり、同じ境遇の老人と公園のベンチで休んでいると
若いDQNから「座る場所がないから席を譲れ」と言われる。
相方の老人は「年寄りに席を譲れとは何事だ!」と憤慨するが、主人公は笑顔でこう言う。

「いいじゃないか、譲ってやろう。わしらの場所は、もうどこにもないのさ」


話自体も胸糞悪いが、いつかこんな時代が本当に来るのかもしれないっていう妙なリアリティがあって
いたたまれなくなる話だった。



747:本当にあった怖い名無し:2013/06/30(日) 09:41:25.70 ID:A4FX8fPY0
>>740
『定年退食』だね
おっとりしてて補助打ち切りに対しても「仕方ないよ」と構えていた主人公が
エントリーシートにツメの跡を付けて抽選する裏技(実際はデマ)をやって失敗して係の人に詰め寄る
というやり取りは胸にくるものがあった。

具合が悪くて倒れ込んだ主人公を助けようとした
監視ロボットが主人公の年齢が65歳以上と分かった途端
急に冷たくなった辺りも後味が悪い




781:1/2:2013/07/02(火) 10:14:35.75 ID:Mo1pDabEO
高橋葉介の初期作品「宵闇通りのブン」から、「おじさんの手紙」

20世紀初頭のヨーロッパを思わせる街「牧神街の宵闇通り」に暮らす少女
ブン(フルネームはブン・ブルルン・ブン)が主人公の連作。


クレメンタインおばさんの夫は冒険家のハイネケン・ビヤボトル、
5つの国で革命の指導者となり3つの戦争に参加した男の中の男。

ハイネケンおじさんはその戦争で片腕を失い、鯨と銛一本で渡り合って
片脚を失い、人食い駝鳥と格闘して片目を失った。


ブンはパパの言いつけで、時々ご機嫌伺いにおばさん宅へお邪魔する。
冒険家の亭主を持って年のほとんどを留守居では寂しかろう、というわけ。
しかしおばさんは、ブンが「お寂しくはございませんの?」
と訊ねると、
「そりゃ寂しいわ、でもあの人は大空を自由に飛び回る鳥。女のワガママで鎖をつけてはいけないわ、あたしは冒険家の妻というだけで幸せなの」
とうっとりしている。

手紙によると、おじさんは今人跡未踏のジャングルを冒険中。
仲間は恐竜に食われたりオオアリクイに耳の穴から脳みそを吸いとられて殺されたりで全滅。



782:2/2:2013/07/02(火) 10:19:16.93 ID:Mo1pDabEO
実ははおじさんは近所に隠れ住んでいた。
本当は法律事務所の事務員で、冒険は全部でっち上げ。
おばさん宅の土産(人食い巨人の大腿骨、雪男の頭の皮、ノアの箱船の残骸)は動物園の象の骨、駱駝のこぶ、ひっぺがした床板。

クレメンタインおばさんに一目惚れしたおじさんは、男らしい大冒険家が好みだと言うおばさんに即興で冒険譚をでっち上げて結婚にこぎ着けた。
(白熊5頭を相手に栓抜き一本で渡り合った話をお聞かせしましょうか?)

片目片腕片足は、冒険譚を手紙に書くうちについ筆が滑ったので、
辻褄を合わせるために自分でやった。

「デスクワークが性に合ってるんだ、暖炉の前で推理小説を読んで日曜日にはバラの手入れをして…」
「でも彼女はそんな僕を愛しちゃくれない、だから嘘の手紙を書かなくては」

帰り道、ブンは思った。
(もしまた筆が滑ったら?)
(大熊にお腹を食い破られたので代わりに鳥かごを吊るすことにした、なんて書いちゃったら…)
最後、読者に向けての
「馬鹿みたい、ねぇ?」
が後味悪かった。
毎回誰かがひどい目に遭って、ブンが「ばーか」って言うのがお決まりなんだが。



794:本当にあった怖い名無し:2013/07/03(水) 00:23:47.18 ID:qACA5lq/P
藤子不二雄A原作の「笑ゥせぇるすまん」もかなり後味悪いのあるよな
アニメオリジナル版の「余生」はかなり精神的に来る


向井誓司(65)は近所の老人達とゲートボール教室に入っているのだが、いつもコーチに怒られていた。
夕方一人練習していると喪黒福造というセールスマンが現れる。
向井の話によると数年前に妻を亡くし長男夫婦が住む様になったが、孫を可愛がろうとしても嫌がられるのだと言う。
そんな向井に喪黒は気合いを入れると言い「ドーン!」の呪文を放った。
すると気合いが入り、義娘に反論して孫を可愛がれる様になった。
しかし喪黒は、いくら気合いがあっても目上の人にだけは逆らってはいけないと忠告する。



795:本当にあった怖い名無し:2013/07/03(水) 00:30:04.30 ID:qACA5lq/P
>>794
続き

向井は気が強くなったことで嫁いびりもするようになる。
ご飯や、部屋の片づけ、孫を甘やかすようにもなり嫁を困らせる。
そんなある日、ゲートボール教室で向井を注意したコーチを突き飛ばしてしまう。
すると転んだコーチのかつらと入れ歯が取れる。
なんとコーチは向井よりも年上だったのだ。

喪黒「あなた私との約束を破りましたね。目上の人には逆らわないと約束したはずですよ」
向井「カツラをつけていたんで、年より若く見えたもんで」
喪黒「それは言い訳というものです」
向井「しかし・・・」
喪黒「約束を破った以上あなたは大切なものを失わなければなりません」

「ドーン!」の呪文を放った喪黒。
家に帰ると誰もおらず、テープレコーダーがあった。
そのテープを聞いてみると長男夫婦は向井の強い態度に嫌気がさし、出ていったのだという。
最後には孫の可愛い別れの声が入っていた。

それから向井は孫を失ったショックで廃人になり。
真っ暗な部屋で泣きながら孫の声を聞き続けていた。


老人だろうが容赦しないストーリにトラウマになったな。
笑ゥシリーズは感動が滅多にないうえ、オチが衝撃的なのが多い。



796:Wave1:2013/07/03(水) 01:29:36.68 ID:EEDmpe+rP
ドイツ映画「Wave」。いわゆる「es系」の洗脳実験もの。
そこそこ生徒には慕われているものの、短大卒の体育教師という学歴から同僚からはナメられ、自身もそれをコンプレックスに感じている高校教師が主人公。
彼が一週間受け持つことになった実習。

テーマは「独裁」。
生徒に問う。
「独裁とは何か?思う意見は?」
「はい、規律です」「画一されたイデオロギーってこと?」「国粋主義ってこともあるよね」「国を愛するのは悪くないだろ」…
あくまで生徒に、自主的な議論を促す。

そして、まとめとして明日からの実践要項を纏める。彼のした授業はそういうものだった。
規律、では、発言するときは立つように。
画一性、では、明日からはみな白いシャツで統一しよう……
そして、提案により、実習クラスに名前が付けられる。
「Wave」。

生徒たちの評判も上々だ。
普段怠け者の生徒が、自主的にホームページをつくったり、これまで交流なかったクラスメイトをいじめから救ったり、「Wave」としての振る舞いは実生活にも、主にポジティブに表れていく。



797:Wave2:2013/07/03(水) 01:55:34.34 ID:EEDmpe+rP
しかし、集団として団結が高まれば、部外者を排除しようという力学も必然する。
実習の方向に疑問を掲げる生徒を、何となく疎んじるようになったり、他校とのスポーツの試合で、必要以上の敵意を発して、暴力沙汰になったり…
また、ある生徒Aが、半ば心酔する程に「Wave」にのめり込んでいるのも問題だ。
なかでも極め付けは、工事中のビルにデカデカと描かれた「Wave」のロゴマーク。
 

ここに至っては、流石に教師も声を荒げる。
「誰が犯人かは問わない。知りたくもない。知ってしまったら、私は警察に通報しないといけない。しかし君たち、私はこんなこと望んでいない。これは犯罪だ!!」
職員室でも噂になっているらしい。
周りの視線が冷たい。
(俺は所詮二流教師。たまたま生徒に、ちょっと慕われたいい気になっちまった。しかし…誰だってそうだろ?生徒に慕われたいのは、教師の性だろ?)
授業は最終日を迎える。



798:Wave3 ラスト:2013/07/03(水) 02:50:11.19 ID:EEDmpe+rP
生徒の書いた授業の感想を読み上げる教師。
「団結の素晴らしさが分かった」「今後もこの活動を続けるべきだ」
「そうだ。『Wave』こそが唯一の正解!!私は、今後もこの活動を続け、全ドイツに、この活動を広める!!」
一同拍手喝采。しかし、
「今後も続けるって…それは流石におかしいです!」
一人だけ、異を唱える者が居て、生徒数人に強引に前へ引きずり出される。

「ハイル、異端者はどのように?」
「どうするのかね?私が殺せと言ったら、君たちは殺すのかい?」
これまでと空気の違う、教師の声に怯む生徒に、続けて言う教師。
「今君たちが置かれているこの状況、これこそが『独裁』なんだよ。私も、君たちに色々謝罪しなければいけない。さあ、解散だ。」
皆、我に返ったように、帰宅の準備を始めようと……
「まだ帰るな!!『Wave』は終わらない。終わらないんだよ……」
Aが拳銃を構えている。

教師の説得で、落ち着いたかのように見えたA。
しかし、その一瞬後、自らの口内に、銃弾を……

警察に連行される教師。
車から窓の外を見、目を見開いた……でエンド。



808:本当にあった怖い名無し:2013/07/03(水) 15:51:48.54 ID:jrFYP/tv0
フェイクありですが

叔父(同居してる)の勤める会社の部下Aさんが、
外国人の運転する車にぶつけられて顔を骨折

完全に相手の過失が原因の事故なので、
賠償うんぬんの交渉をしようとしたら外国人はとんずらしてしまった

しかもAさんは健康のためとかで最寄りじゃない駅で降りてたので労災もおりなかったらしい

踏んだり蹴ったりだったけど、とりあえず仕事には復帰
ところが元々抜けたところのあるAさんだったらしいんだけど、
とにかく仕事上のミスを連発
書類紛失は日常茶飯事、超大事な印鑑を家に持って帰って忘れる、
できもしない約束をクライアントと勝手にする等

なにか不具合が起こるとだいたいAさんのせい

叔父は部署の責任者だったので、そのフォローで帰りが遅くなることも結構あったらしくて、
あまり仕事の話をしない叔父もAさんには困ったとよく愚痴を溢してた
本人に注意しても反省してるのかしないのか要領を得ない
会社の飲み会でも、Aさんネタ(ちょっと悪口みたいになってたんだと思う)が鉄板になってたらしい
いわゆる大企業なのでそれですぐにクビになったりはしないんだけど、
とにかくあり得ないミスをすごい頻度で繰り返す


叔父もさすがにこれはおかしいと思い、
事故で頭打ったのが原因なんじゃないかと疑い始めた

しかし本人に頭大丈夫か?とも言いづらいしで
悩んでたらある日Aさんは会社で倒れてそのまま亡くなった

くも膜下出血だった

仕事できなくなったのが、直接その原因だったかどうかはわからないけど
叔父は早く検査を受けさせてやればよかったとすごく後悔してた

Aさんをネタにしてた会社の人も後味悪かったと思う
かくゆう自分も叔父からAさんのトンデモ失敗談を聞いて笑ってたりしたので超後味悪い
ごめんなさいAさん



814:本当にあった怖い名無し:2013/07/03(水) 16:22:14.55 ID:0c+wkZqZ0
>>808
以前からそういうミスが多発してたなら生来のものだったのかもしれないけど、
事故から頻発し始めたのならマジで脳に影響が出てたのかもしれないな

でもAは病院で精密検査受けなかったんだろうか?
交通事故で顔面骨折するような怪我したら、普通は精密検査受けるような気が・・・



817:本当にあった怖い名無し:2013/07/03(水) 16:31:55.76 ID:jrFYP/tv0
>>814
もちろん検査したけど、何も異常はなかったらしいです
だから叔父も再検査すすめるの迷ってた
初期症状ではわからなかったってことなんですかね



825:本当にあった怖い名無し:2013/07/03(水) 22:22:47.80 ID:7+9VTX/gO
流れを読まなくて申し訳ないが新選組血風録の
「胡沙笛を吹く武士」が後味悪いというかやりきれなかった。

読んだ人も多いだろうけど以下簡単にあらすじ。

奥州出身の新選組隊士、鹿内薫と、京都の髪結いの娘、小つるが出会い恋に落ちる。
鹿内は新選組隊士としてはかなりの切れ者で腕がよかったが色恋沙汰にはかなりの奥手で、
嫌われたくないばかりに小つるに手を出せなかったが、
そのうちに体を重ねて内縁の夫婦となり、小つるは身ごもった。

平隊士から助勤(指揮官)に抜擢されて給料も増えた鹿内は
上司の原田左之助にも祝われて幸せに過ごしていた。


(長くて悪いけどつづく↓)



826:本当にあった怖い名無し:2013/07/03(水) 22:28:29.87 ID:7+9VTX/gO
(>>825から続き)

ある日、不逞浪士たちがきなくさい相談の為に会合を開くという情報を得て、
新選組を二つに分けて討ち入る事になった。

副長、土方が率いる大隊は最も怪しいとされる料亭「丹虎」へ。
局長、近藤の少数精鋭の隊は「池田屋」に向かう事になり、鹿内は土方隊に配置された。


だが、二人の隊士をつれて会所に向かう途中で酔った薩摩藩士たちに出くわして
斬り合いになり、「妻子の為にも死にたくない」と剣が鈍ってしまう。

結局隊士二人は殺され、それから着いた丹虎に浪士は現れず、
池田屋へ向かい近藤隊と合流してからも戦果は挙げられなかった。


(↓続く)



828:本当にあった怖い名無し:2013/07/03(水) 22:32:14.95 ID:7+9VTX/gO
(>>826の続き)

その後、隊の再編成の折に降格になり平隊士に戻ってしまったが、
鹿内を気に入っていた土方は名誉挽回の機会を与えた。

しかしその任務でも怯えてしまい士道不覚悟とされた結果、小つると1歳少しの娘そのを残し、
同じく妻子のある原田左之助によって誅殺される。

みたいな感じの話だった。長くなってごめん
誰も悪くないのがまたやるせない…しいて言うなら鹿内が原田みたいに
「妻子の為に勝って生き延びるぞ!」と思える男じゃなかったのが悪かったんだろうけど…。
鹿内自身は架空の存在だけどこういう話は実際にゴロゴロあっただろうし、
この時代の武士は大変だな。




829:本当にあった怖い名無し:2013/07/04(木) 04:33:40.40 ID:q96enSRO0
新撰組とか武士がなんだか説明されていないので後味云々

映画化されてたよね



832:本当にあった怖い名無し:2013/07/04(木) 08:15:59.24 ID:jNj/S2buO
>>829
ごめん、勝手に知ってるだろうと思って省いた
この話はあまり(幕末当時の)政治的、思想的なネタは出てこないので簡単に

新選組:京都の警察組織(時代柄わりと過激)
武士:将軍の臣下でどうこうとかあるけど新選組は百姓とか浪人なんかもいるので合法で刀持ってる人ぐらいの解釈でいいです

現代の警官や自衛隊員と同じで、家庭より仕事に命を捧げなきゃならない時もあるけど
妻子がいたら普通死にたくないよなと思うと臆病になったのも責められなくて後味が悪かった。



842:本当にあった怖い名無し:2013/07/04(木) 17:34:12.11 ID:OuR2ZOyAP
藤子不二雄A原作の笑ゥせぇるすまんより「愛犬物語」

犬貴狛太は犬のベルと楽しく暮らしていた
だが田舎から東京に栄転になり、そこでは犬は連れていけないので悩んでいた。
そんな時セールスマンの喪黒福造とであう。
話を聞いた喪黒は何とかしましょうと、一時的にベルを預かる。
東京についた数日後、犬貴が帰宅するとそこには犬貴そっくりの人間が。
なんとそれは特別な催眠術によって人間のような行動ができるベルであった。
それから二人は東京でも一緒に暮らせるようになる。
ただし喪黒は必要なとき以外はベルを犬に戻すように忠告する。



844:本当にあった怖い名無し:2013/07/04(木) 17:41:10.18 ID:OuR2ZOyAP
>>842 続き
ある日、犬貴が犬を連れ込んでいると聞いた管理人は部屋をチェックする。
危機一髪のところでベルを人間の恰好にして事なきを得る。
またいつ管理人が来るかもしれないのでベルを家でも人間の恰好をさせることにした。
外に出るときも人間の恰好で一緒に買い物行ったりする。
ベルは料理も片づけもできるので犬に戻すことは滅多になくなった。

また数日後、夜二人でテレビを見てみるとチャイムが鳴る。
管理人かと思い犬貴が扉を開けると・・・

喪黒「こんばんわ。あなた約束を破りましたね」
犬貴「で、でもベルも喜んで・・・」
喪黒「それは人間のエゴでしかありません・・・残念です」

犬貴に「ドーン!」の呪文を放つ喪黒。
ベルは大声で泣き声をあげてしまった。
騒ぎを聞きつけた管理人がやってくるとそこには犬貴と犬状態のベルが。
管理人の命令によりベルは保健所に送られることになる。
憔悴した犬貴は失意の中風呂に入る。

だが鏡に映ったのは人間の恰好をした状態のベルであった。



845:本当にあった怖い名無し:2013/07/04(木) 19:36:22.41 ID:/pRqArTTO
ベルの人間姿って犬貴そっくりなんじゃなかったの?
どこで区別できたの?



847:本当にあった怖い名無し:2013/07/04(木) 20:37:25.08 ID:OuR2ZOyAP
>>845
ベルは犬貴そっくりのマスクをつけて人間の顔をしていた
風呂に入る時不意にマスクが落ちて・・・そこでこいつはベルだとわかったんだよ



891:1/3:2013/07/06(土) 07:30:53.52 ID:Aqd6wzZDO
まつざきあけみ「すてきな仲間たち」

真紀は学校にも通えないほど病弱な美少女だが、裕福な母とメイドに保護され、
週末になれば従兄姉四人が遊びに来る何不自由ない生活を送っていた。

五人はある日海辺の洞窟探検に出かけるが、
地震で入り口の岩が崩れて一晩閉じ込められてしまう。

翌朝、心臓が弱かった真紀は恐ろしい形相で死んでいた。

四十九日の法要の後、真紀の母は四人を人殺しとなじり、猟銃で脅して問い詰めた。
(紅茶に酩酊状態になる薬を盛って、毒を入れたと思わせて解毒剤をエサにした)
最初は否定していた四人だが、互いに真紀への恨みを告発した。

イケメンのA男は真紀に片想い中で、たびたび高価なプレゼントをしていた。
あの日洞窟の中で真紀にフィアンセがいる事を知り、(裏切られた!)と
言いたげな顔つきになっていた…と告発した秀才のB男。

B男は名門私大を志望していたが、私生児で母親が水商売だから絶対無理、
かわいそう。と真紀に悪気なく同情された事があった。


一番年長のC子は、A男が真紀に片想い中だと知りながら告白してあっさり振られた事があった。



892:2/3:2013/07/06(土) 07:32:46.24 ID:Aqd6wzZDO
A男はC子を年上だからと笑い飛ばし、真紀はお前と違って気品がある、とも言っていた。
嫉妬で人を殺す程バカじゃない、と反論したC子を庇うように立ち上がるD子。
「そうよ、それくらいなら私だって」

D子は真紀の一番のお気に入りで、よくお下がりを貰っていた。
汚れちゃったからあげる、安っぽくて嫌いだけどD子なら似合うわよ、
使い古しだけどまだ使えるわよ。

「悪気はないのはわかるけど、私は乞食じゃないのよ」

洞窟の中で四人はちょっとした意地悪を発揮した。
夜光時計で正確な時間がわかるのに、まだ数分しか経ってないと言う。
満潮になったら水がどこまで来るかわからない、息が苦しくないか?
冷静なはずのC子が、死ぬのは嫌!と叫ぶ。
優しいはずのD子が、真紀が発作を起こしたらどうするの!?と叫ぶ。

告発が終わる頃、薬物の効き目が切れた。
真紀の母は、真紀が死んだ時の恐怖を味あわせるためにこの茶番を仕掛けたのだった。
真紀の母は、メイドに猟銃を地下室に戻すよう命じて傷心旅行に出た。
(あの子が死ぬ運命だったとしても、あなた達に優しく見守って欲しかったのに)



893:3/3:2013/07/06(土) 07:34:51.73 ID:Aqd6wzZDO
メイドは貧乏家の生まれで、給料は父親の借金の返済で消えてしまう。
同じような年頃でちゃんと学校に通い、週末には遊び呆ける五人に反感を持っていた。
あの日、午後は従兄姉を連れて洞窟探検に行くと打ち明けられていたが、
真紀の母や捜索隊には何も言わなかった。

(いい気味だわ、事故にでもあえば面白いのに)

(真紀のやつ、あたしにない物を全部持ってやがる。死んでくれてすっきりしたわ)
地下室に入ったメイドの背後で、分厚い扉の掛け金が偶然下りた。
因果応報とはいえ、密室で餓死が想像できて後味悪い。



904:1/3:2013/07/06(土) 21:40:20.16 ID:eZg+3ce/0
漫画「アウターゾーン」より、39話「無常の街」

近未来の、とある地球人の移民星での話。
厳しい環境と徹底管理された生活環境、そして人口密度の高さから
そこに暮らす人間たちは人間性を失ってしまっていた。
目の前で老人がひったくりにあっても、
また交通事故が起きても「自分には関係ない」と我関せず。

そんな状況が当たり前の世界だった。

主人公のリサはそんな環境にどうしても馴染めなかった。
カウンセリングを受けに行っても、カウンセラーから
「他人に干渉しないのは人間として当然。君は間違っている」と言われるばかり。
(自分の考えが間違っているのか)
そんなことを考えながら、リサは勤め先の工場で上の空で作業をしていた時、
手元が狂い、目の前のローラーに服の袖が挟まれてしまった。
このままでは体が巻き込まれてしまう。慌てて助けを呼ぶが、他の作業員たちは見向きもしない。
もうダメか、と思ったとき、一人の男性が間一髪彼女を救出する。

その男の名はルークといった。
リサが「なぜ自分を助けたのか」と尋ねると、ルークはただ「それが当然だと思ったから」と答えた。



905:2/3:2013/07/06(土) 21:41:06.13 ID:eZg+3ce/0
リサは、同じ価値観を持つルークに次第に親しくなり、同時に
この世界にはない「やさしさ」を持つ彼に愛情を感じるようになっていった。
ある日、リサはルークに愛の告白をし、「愛してると言って」とお願いをする。
しかしルークは「その言葉だけは言えない」と突っぱねる。

何故かと理由を問い詰めるリサに、ルークは真実を語った。
自分が「アンドロイド」であること。
そして、自分の製造過程で思考回路に「感情」というバグが発生したことにより
廃棄処分となるところを逃げ出してきた、ということ。
「自分には心がない、だから愛を語ってもそこには何の中身もない」
ルークはさびしげな表情でそう言うだけだった。



906:3/3:2013/07/06(土) 21:42:18.45 ID:eZg+3ce/0
その時そこへ、警察隊が逃亡したルークを処理する為にやってきた(近所から通報があった)。
リサとルークはすぐに車で逃走、警察隊もそれを追う。
もう少しで振り切れる、というところで警察隊の放った銃弾が
リサの心臓に命中、彼女は車の外へ投げ出されてしまう。

ルークは車を反転させ、投げ出されたリサの元へ向かう。
そこへ警察隊がもう一発発射、ルークは車と共に大破する。


「あのまま女を捨てて逃げれば助かれたのに、なんで戻ってきたんだ?」
「さあ、機械の考えることは分からん」
そんなことを話しながら、警察隊はその場を後にする。

ラストシーンで、首だけになりロボット部分がむき出しになったルークが、リサの亡骸の横で
「リサ、アイシテルヨ、リサ・・・」
と、ただ繰り返していた。


後味悪い話が多いアウターゾーンの中でも
この話だけはぶっちぎりだと個人的に思う。

あと、タイトル正しくは「無情の街」でしたスマソ



923:1/2:2013/07/07(日) 20:31:12.67 ID:c5Rnnum+0
大橋薫 「あなたのうしろ」

小学生の洋介のクラスで怪談話が流行っていた。
ある日同級生の女の子がこんな話を紹介した 


 『小さい男の子が学校から帰る途中、女の人が毎日後をつけてくるようになったんだって
 その女の人はすごく痩せていて、目ばかりギョロギョロ大きくて
 ただ後をつけてくるだけだったの
 それでも日ごと距離が近づいてきて・・・明日にはきっと手が届いてしまう
 男の子は怖くて家から一歩も出てこれなくなっちゃったんだって』
 
全然怖くない話だとみんなでバカにしたが、学校帰りその謎の女の正体で盛り上がる
幽霊、病院から逃げてきたアレな人、子供が好きな変人など
洋介は何となくその男の子の生き別れのお母さんなんじゃないかと思った。
そこへ洋介の母親がやって来て仲間の前でヒステリックに
「寄り道しないで真っ直ぐ帰ってきなさいと言ったでしょ!」と怒鳴りつけ、洋介を引きずっていく。

実は最近洋介にはさっきの話のように帰り道、毎日後をつけてくる人がいた。
お母さんと全然違って、若く痩せていてとても綺麗な女の人だった
家に帰ってもお母さんはお父さんにまで怒鳴り散らしててうんざりする、
こんな怖いお母さんいらない、あの人が本当のお母さんだったらどんなにいいだろうと思う。

次の日学校であの話をした女の子に昨日の腹いせなのか、
怖いお母さんのことをからかわれた

思わず自分の本当のお母さんは帰り道にそっと見守ってくれる優しくて綺麗な人だと言い返す。
すると女の子は「昨日の話と現実がごっちゃになってるの?あれ本当の話は別にあるのよ」と話してくれた



924:2/2:2013/07/07(日) 20:33:49.76 ID:c5Rnnum+0
 『あの女の人は昔その道で子供を殺されてしまったんだって、あまりにも悲しくて信じられなくて
 病気になって死んでしまったの。でも自分が死んだことも気付かずに今でもずっと子供を探してるのよ』

その帰り道洋介は思いきって後をつけてくる女の人に自分から話しかけてみた
突然話しかけられてひるんだ様子の女性。やっぱりあの話と違って現実に生きてる人だった
期待を込めて「あなたは本当のお母さんですか」と聞こうとした時
「死ね!」と恐ろしい顔でナイフを取り出し振りかざした。あまりに予想外のことで固まっていると
お母さんが駆けつけてきて力強く抱きしめ助けてくれた
女の人は鬼のような顔で何度もナイフをお母さんに突き刺し、洋介はどうすることも出来ずお母さんの下で
固く抱きしめられたままお母さんの身体が冷えていくのを感じているしかなかった。

(あの女の人はお父さんの浮気相手だった、離婚しないとボクを殺してやるってお母さんを何度も脅してたんだって
お母さんはボクが心配で、だからあんなに寄り道を怒っていたんだ)
(ボク知らなかったんだ、本当はお母さんが誰よりも優しくて、強くて
ボクの事を自分の命よりも大事にしていたなんて…)

それからしばらくして町にある怪談が流れだした

 『女の人が夜道を歩いていると、いつの間にか男の子が後をついてくるんだって
 その道で母親を殺された男の子が悲しそうにずっと お母さんどこ…? って言いながら』



転載元:http://toro.2ch.net/test/read.cgi/occult/1369920708/