目隠し

15/12/21
こないだリアルに体験した話。

家族で実家に帰省。両親とうちの家族で晩御飯を食べてた。その途中、窓の外を見る嫁さんの顔色が変わった。俺も窓の外を見てみると、知らない女性が窓に張り付いていた。

なんか口をパクパクさせてるので怖かったが窓を開けると、かなり錯乱した様子で

「知らない人が入って来たので、かくまって下さい」

といいながら、勝手に入り込んできた。

しばらく洗ってなさそうなヨレヨレのパジャマ。これまた洗ってなさそうなボサボサの髪。何より体から発する臭い。一目で引きこもりのアレな人だと分かった。

話を聞くと、

「急に知らない人が家に入ってきた。怖いので警察に電話して下さい」

と、かなりおびえた感じで言った。というか聞かなくてもボソボソつぶやいてるかんじで。

それを見て、昔の仕事柄アレな人はたくさん見てたから、糖質系だろなーとピンと来た。

両親いわく、隣に住む人の娘さんだろう、という話だったが、なぜ"だろう"なのかというと、ここ3、4年姿を見ていなかったそうだ。

そして3、4年前まで水商売をしていた感じだったが、その時にはここまで太っていなかったと。



その人(以下パジャマ)は頭を抱えてへたり込んだり、

「怖い‥怖い‥」

とボソボソ言ったり、マジでガクブルしていた。

俺はとにかく110番に電話した。警察の人が出たので受話器をパジャマに渡すと、何かボソボソやり取りしてたけど、

「やっぱりもういいです」

と言って電話を切ってしまった。

すぐに電話が掛かってきて俺が出た。俺が起こったことを説明すると、すぐに警官を出してくれることになった。

警官が来るまでパジャマは部屋の隅にボーッと立っていた。

俺は万が一本当に不審な奴がいて、近所をウロウロしてたらそれはそれで怖いので、親父にパジャマのことを頼み(暴れられると困るから)、家の周りを捜索した。

色々探したが案の定不審な奴などいなかった。しばらくしてから警官が来た。

俺が自分の住所とか名前とかを聞かれている時に、別の警官がパジャマの家にピンポンした。すると中から母親が出て来た。

ここの母親は一日中学会のお題目を大声でとなえているこちらもアレな人だが、一応日常的な生活は送っていたようで、俺の両親とも話したりはしていたようだ。

俺の親父がパジャマを連れて来ると、ここの母親がパジャマを罵倒した。するとパジャマは錯乱状態になり暴れ始めた。

警官が落ち着かせて話を聞こうとするけど、警官に向かって

「警察呼んでください~」

とかわけわからないことを言って、駄々っ子みたいにジタバタしだした。

警官が3人がかりで抱えてパトカーに乗せて

「こりゃダメだ。病院連れてくしかないな」

と言ってた。警官がパジャマの母親に、手続きが必要だから警察署まで来て、と言ってた。

暗くて俺にはよく見えなかったが、母親はよっぽどの格好をしていたのだろう、警官が

「来てはいいけど、お母さんお金もってるのかな」

と言った。

だったらパトカーに乗せてってやればいいのに、と思ったけど、ミニパトに4人乗ってきたからパジャマを乗せたらもう乗れないとかなんとか。

家に戻って両親から話を聞くと、3、4年前までは水商売をしていたようだが、鬱をわずらって引きこもっていると、パジャマの母親から聞いていたとのこと。

引きこもっている内に鬱が糖質にメガ進化しちゃったんだね。