元中学教師の父。シンナー欲しさに集ってくる不良どもを・・・

元中学教師の父。シンナー欲しさに集ってくる不良どもを・・・
父は中学の教師でした。

教師とはいえ、定時には家に帰ってくるし、カメラや車の修理などの趣味のほうが熱心な、うだつの上がらない風の教師でした。

定年退職した後、「もう働きたくない」と、昼ぐらいに起きてきて、趣味三昧!

そのころは毎日、車の塗装に精を出し、近所中にシンナーのにおいを充満させてました。

そこに目をつけた近所のシンナー中毒の不良ども。

ある日「車の修理したいからシンナー分け下さい」ってやってきました。

あんなのシンナー欲しいからに決まってる~。

とっとと追い返せばいいのに!!

と、やさしく対応する父をばかじゃないの?と思いつつ影から見てました。

「そうか、そうか!」と、昔の生徒が来たので、嬉しそうに丁寧に対応する父。

不良たちを応接間に案内して、とても優しく、修理や、塗装の仕方を馬鹿丁寧に語ってました。

人の良い父をうまく騙して、シンナーをもらいたい一心で、不良たちは延々とその話を聞くふりをしてました。

その話が半端じゃなく長かった!!

さすが元教師。延々とものすごく丁寧にいつまでも語ってました。

そして、最後に・・・

「方法はわかっただろう。シンナーは使わなくてもできるからね。」と一言。

「は、はい・・・ありがとうございました・・・」と、不良たちは帰っていきました。

後から聞くと、はじめから不良たちの意図はわかっていたけど、そのまま返すのもなんだし、暇だったのでわざと難しく長々と教えたらしいです。

あまり尊敬してなかったけど、なかなかやるじゃん!と思った出来事でした。

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