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340: 修羅場家の日常 2016/09/29(木)03:08:38 ID:s0k

該当スレがこちらであってるのかわからないんだけど、
俺にとっては衝撃的だった体験を一つ

俺は結構遊び好きな人間で、
中学くらいから遊びまくってた

親は勉強さえして成績トップを維持してれば、
金は出すが口は出さんみたいな環境だったんで、
大人からしたら相当厄介なガキと親だったと思う

俺も将来は親の会社を継げと言われ続けてたし、
学生の間しか好きなこと選択できないからって反発もあった

しかし誓って犯罪やそれに準ずることはしてない
幸いなことにそんなことをすれば
後々どうなるかの分別くらいはついていた

そんな俺が中学から大学まで好きなだけ遊びまくり、
色んな人間を網羅してきたと調子のってたとき、
1人の女に出会った

その女は同じゼミ生だが、
大学に編入で入ってきたのでゼミも途中参加
周りに打ち解けようとせず無口なので、
人間像をよく知らないままだった

夏のある日、たまたまレポートを出しに行ったタイミングで
その女と一緒になり、それをたまたま見かけた教授に頼まれて
大阪のとある大学におつかいに行くことになった

お駄賃も握らされ断れない雰囲気
ゼミの勉強もあったし卒論にも関わることだから、
仕方なく文句も言わず2人で休日に出かけることになった




341: 修羅場家の日常 2016/09/29(木)03:10:21 ID:s0k

休日、用事は午前中に終わり昼飯時
女に「なんか食べる?奢るよ」と言ったら
「なんでもいいです、奢らなくても」即答された

俺はなんでもいいと言う女は
自分が無いようで正直嫌いだった

ちょっとムッときたので、一人分の量が多い、
しかもニンニクなど女が嫌いそうな材料が
ふんだんに使われた料理がメインの店に入った

値段が安い代わりに店はちょっと・・・
いやかなり汚い

他の女は結構ドン引きするんだが、
その女は平気で席に座り、メニュー表を見た後、
もろニンニク使ってますな料理を大盛りで頼んだ

店員とは顔見知りなんで教えてやんなよ
という目配せが飛んできたので
「ここ、量多いよ」と言っても
「大丈夫」で注文

量にしておよそ3人前の分量が女の前に届くが、
平気な顔して完食

人目を気にせずよく食べる女は知ってるが、
ここまで人目を気にしない女は初めてだった

料理もメガ盛りスタミナ丼みたいなのだし・・・
奢ろうとしても黙サツされた

しかも店でたあと、クレープ屋さんを見かけて
「腹ごなしに食べませんか?」と言ってきた

「お前、腹ごなしの使い方間違ってんだろ、
てかまだ食うのかよ」

きょとんとされて、こっちが胃もたれ起こしそうだった
その後、電車賃を浮かしたいという理由から、
目的地の数駅手前で降ろされ、
日本橋を経由で定期券内の駅まで歩かされることになった

なんで俺まで・・・
「道わからないので案内してください」
という身勝手な理由で強制的に電車を降ろされたわ

加えて「電気店が沢山あるところを通りたいんですけど。
ソフマップとか」と注文までつけられた

しかも日本橋を歩いてるとき、急に消える
俺が先導してちょっと振り返るともういない

慌てて探すとオタクが好みそうなショップに捕まってた
「これ、可愛くないですか?」
あぁ女が可愛いって言うのは
自分を投影してるんだろ知ってるぞ

女が指を指してたのはシャア専用ズゴックだった
「それ、本当に可愛いと思う?」と冷静に突っ込んだら

「昔のフォルムが丸い頃のかわいいゲッターロボに
どことなく似ていて、でもこっちのほうが可愛いかも」
ゲッターロボは俺がわかんねーよ

念のためにシャア専用ゲルググを見せたら
「鼻の穴がバクみたいでブサイク」と言われた
謎の美学があるらしい

フィギュアショップをあとにして歩くも、
後ろを歩かせると直ぐに消えるので無理やり前を歩かせた

何かの病気かってくらい周りをキョロキョロするし、
気になるものにはすぐに吸い寄せられて全然進まん

しかも毎回変なものにかじりつくうえ、
ペラペラずっとよくわからないことを喋り続けてる
いつ息してんの?と言いたかったくらい

「アクセラレータってキャラクター知ってます?
あの人の能力ってドラえもんの
ひらりマントのパクリですよね?
お隣からミサイル飛んできても
ひらりマント開発するまでもなく
アクセラレータ1人置いといたら解決しますね、
日本最強です」
・・・その発想はいらなかったわ

パソコンの部品眺めてるから「自作でもすんの?」
と聞いたら「いえ全くわかりませんけど、
コレがパソコンになるって摩訶不思議ですよね、
頭痛くなりますけど」と返してくる
なんで眺めてるんだよ

その後ペットショップにも
俺が個人的な趣向のために寄ったが、
可愛い子犬を前に
「ダックスって、足を短くする必要はあっても
胴を長くする必要はあったんでしょうか」
と真顔で質問された

まだ可愛いしか言わない女の方が相手するの100倍は楽
目的地まで通常より5倍くらい時間がかかった気がする

駅についたら深々と頭を下げられ
「ありがとうございました」と言われた

正直ヘトヘトだった



342: 修羅場家の日常 2016/09/29(木)03:12:23 ID:s0k

あの落ち着きのなさ、絶対発達障害とか
そのへんの病気だろと思っていたが、
その後大学で会ったときには普通

むしろ無口で大変落ち着いていた
2人きりの時は小学生か!と突っ込みたかったが、
大学では立派な大人に見える

どちらかというと聡明で話す時は理路整然と喋り、
討論会でもアクセラレータがひらりマントだなんて
飛び出た発想もしない

データに基づいた論理的な意見ばかりで
教授も「さすが」と舌を巻くほど

そもそも編入って簡単なことではなく、
その大学で学ぶための専門的な知識を問う試験と論文を
パスしなければ俺の大学には編入できないと後から知った

多分ゼミの誰より、知識量と考察力は長けていた
あのずっとしゃべり続けて動き続けてた女とは
結びつかないほど別人

どれだけ観察しても片鱗さえみせない
ふつう人間ってこんなに素を隠せるものじゃなくないか?
どれだけ隠してもにじみ出てくるものなんじゃ?

しかもゼミのみんなで打ち上げでピザとった時も、
1人二切れなのにあんま食べられないと一切れだけ
コレ、絶対別人じゃね?

もしくは俺と別れたあとエイリアンに改造されたんじゃね?
周りのゼミの連中にもおつかいの日のことを話したが、
誰もが信じられないといった様子だった

教授に頼まれたおつかいの日以降、
二人きりになるような機会がなく、真相は闇の中だが、
あの時から数年たった今でもあの変化が
別人によるものかエイリアンによるものか気になっている


343: 修羅場家の日常 2016/09/29(木)05:27:22 ID:xO6

そんな彼女は今隣で子供抱いてて嫁で幸せですじゃねーのか
がっかりだわ


引用元: 今まで生きてきて凄く衝撃的だった体験 その15