小学生の頃にビニールバットで虐めている奴がいた。職員は見てみぬふり。俺はそれにイライラして・・・

小学生の頃にビニールバットで虐めている奴がいた。職員は見てみぬふり。俺はそれにイライラして・・・

小学生の頃の話。

誰でも自由に出入り出来る児童館が隣の学区にあって、そこの体育館で同じクラスの友達と遊んでいた。

児童館の職員の人にアドバイスしてもらいながら友達と跳び箱を練習していた時、急に悲鳴と下品な笑い声が聞こえてきた。

悲鳴の主は細っこい色白の男の子。

頭をかばいながら体育館に転がるように入ってきて、その子を追うように下品な笑い声を出した数人の男の子が、ビニール製のバットを手に体育館に入ってきた。

自分も友達も何事?という感じで見てたんだけど、ビニールバットを持った男子集団の先頭に立ったリーダー格の男子が、ニヤニヤ笑いながら、頭を抱えて震えて蹲る細っこい男子の頭をビニールバットでフルスイングに殴った。

細っこい男の子は悲鳴を上げて、バットの男子集団は大爆笑。

目の前で数回、殴る、悲鳴、爆笑が繰り返された。

さっきまで優しく丁寧に跳び箱を教えてくれていた児童館の職員は見て見ぬ振り。

自分は血の気が引く感覚がしたのを覚えてる。

ビニール製のバットだから、そんなに痛くはないだろう。でもどう考えても尋常じゃないと思った。

何でそんなことをしたのかわからないけど、バット男子が数回目に振りかぶった時、自分は彼らの真横に立って、バットを掴んでいた。

真横に立ってみると、リーダー格の男子は意外にも小さくて、これならいける?と思った。もしかしたら下の学年かも、とも思った。

リーダー格が「……なんだよ」と小さく言った。その声を聞いたら、意外と気も小さい奴っぽいなと思った。

自分は何も言わなかった。ただそのリーダー格をずっと真顔で見つめた。

もしかしたら睨んでたのかもしれないけど、とにかく見つめ続けていると、そのうち向こうがバットを離して、仲間引き連れて体育館から去っていった。

自分もバットを職員に渡して帰った。

友達に勇気あるーと褒められたけど、でも自分は見て見ぬ振りした大人とか、悲鳴をあげる相手に寄ってたかって暴力振るう奴らに胸糞悪くて、帰って不貞寝した。

その夜、自室で不貞寝中、母親に呼ばれた。お客さんがどうのと言っていたが、眠いからと断った。

後から聞いたら、児童館で虐められてた子とその母親が来てたらしい。

「Tちゃんだよ、あんた覚えてないの?ってゆーかケンカしたの?」

それで思い出した。

児童館の時は頭真っ白に近くて、何も考えずに動いてたけど、確かに細っこい男の子に見覚えがあった。

保育園で一緒だった男の子だった。

ちょっと障害?があるのか、ワンテンポ遅いところがあったけど、優しい子だった。

「お礼言ってたよ。助けてもらったって。ケンカしたの?男の子と?」

「何もしてないよ…下の学年の子だったし…」

その日は程々に、と母親に言われてお終い。

件の児童館にはそれからもしばらく通った。

バット男子集団は自分を見ると逃げ出すようになっていて、Tちゃんもしばらくは安全だったようだ。

そして更に数年後、中学生になった自分は、隣のクラスの男子に「あ!お前!」と言われ、何だと振り返ると、声をかけるまもなく逃げられた。

数日後にその男子に「前に○○児童館で…遊んで…ませんでしたか…?」と妙に丁寧に聞かれて、バット男子集団のリーダー格だと思い出した。相変わらず背も気も小さかった。

とりあえず知らないふりをしておいたけど、その男子は入学初日からやりたい放題だったのが妙に大人しくなった。

おすすめサイトの最新記事(外部サイト)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする