結婚式の写真撮影のとき、白無垢を着て椅子に腰掛けているわたしに対してウトメが
「着物が白いのは、婚家の色に染まりますという意味だ」
と仁王立ちで解説してきた。
カツラが重いので、うつむきかげんにそれを聞くわたし。
続いて、帯に差し込んだ懐剣の意味を
「婚家で不手際をしたら、嫁はその剣で自害するという意味だ」
と鼻の穴最大で解説。
頭が重いので、更にうつむくわたし。
夫が、「へぇ、そういう意味なんだぁ」と、嬉しそうな声で相槌をうつ。
ぶっちゃけ本来の意味なんてどうでもいいんだけど、実家で聞いていた「懐剣を持つ意味」と違うと思ったので、動かしたらギギギと音がしそうな重い頭をゆっくり持ち上げて(立ってる人から見ると、ちょっと白目気味だったかも)
ウトメに向かって悪気なく「いえあの、夫がふがいない場合は、これで寝首を掻き切って戻って来い、と両親が言ってました。わたしの自害用じゃないと思いますよ。」と、親が教えてくれた通りに懐剣の意味を話してみた。
なぜか固まるウトメ。そして夫はのけぞっていた。
当時は本当に「寝首掻き切り用」だと思っていたので、どうしてみんながそんなに驚くのかわからなかったけど、その場では「わたし変なこと言いましたか?」と聞けずに今日まできた。
ウトメは、あれから変なこと(婚家がどうとか)言わないし、夫も優しい。
もしかしたら、あの時、「気に入らないことがあったらこれでおまえの息子を殺す」みたいな意味にとられたのかな。
あれ、真剣じゃないの・・・ウトメも知ってたと思うんだけど。
いま思えば、すごく失礼なことを言ったんだろうなぁ。
結婚式ってテンパるから、妙なことが起きるよねw
昨日、着物の片づけをしていたら、そのときの懐剣が出てきて懐かしくなったので思い出しカキコ。