高校時代の、冬休みになる少し前くらいの数学の授業であった出来事。
急に腹が痛くなって、机の上につっぷしてしたら、先生に「おい、なに寝てるんだ!」と怒られた。
言い訳をする間もなく、先生は続けて
「罰としてこの問題解いてこい。年明けの授業まで待ってやる。」と言われた。
その問題がとても難しく、全く手の付けようもなかった。
そして正月が来た。
あまり話したこともない、頭の良いA君から年賀状が来た。しかも2枚!
そこには、数学の解答がぎっしりと書かれていた。
2枚目の終わりに、つけたしたみたいな小さな文字で
『これ黒板に書いといてやれ。あけましておめでとう』とあった。
年明けの数学の時間に、A君の解答を黒板いっぱいに書いた。
先生は、まさか本当に書くと思っていなかったのか、すごく驚いていたが、その解答に大きなマルをくれた。
授業後にA君にお礼を言うと、「うわ、いや、ゴメン、勝手に住所とか調べて……。」
と、なぜか焦っていた。(話すのは苦手らしい)
A君あのときはありがとう。
この件がキッカケで、それなりにA君ともしゃべるようになり、勉強も教えてもらったりして、自分も少し頭が良くなったような気がした。