20年以上前、私は後に結婚することになる旦那と小学六年生で友達以上恋人未満という関係だった。
二人で夏祭りに行ったときに、数人の不良に絡まれてタカりにあった。
旦那は一見太っちょだけど、実は本当にただの太っちょで、私もヒョロヒョロ眼鏡。
二人して思いっきり文化系オタクの見た目で、良いカモだったんだと思う。
めちゃくちゃビビってた私たちは素直にお金を渡したけど、調子に乗った不良たちは解放してくれずに旦那を馬鹿にしだした。
ムカッとして「あなたたちに関係ないじゃないですか」って言い返したら、不良が怒りだして仲間を呼んで取り囲まれた。
小突き回されそうになったとき、俯いて泣いてた旦那が私の手を握って体当たりで不良の包囲網を強行突破。
そのまま旦那に引っ張られ無事祭りから帰還した。
あのときの不良を吹っ飛ばす姿、私の手を引いて走る旦那はヒーローだった。
泣いてたし、ついでにおしっこまで漏らしてたけど、それだけ怖かったのに私を助けてくれたってことがすごいと思う。
二人合わせて三千円もタカられたのはめっちゃ悔しかったけど、そのときの旦那は格好良かった。
今でもこの話をたまにするくらい印象にある出来事である。