モバP「隠れて準備」
清美「おはようございます!」ガチャ
杏「おー、清美ちゃん、おはよー」グデー
清美「……杏さん。ここは事務所なんですから、ソファに寝転がるのは止めてください」
杏「まぁ固いこと言わないでよ。これからお仕事だしさー、ちょっとくらい……ね?」
清美「駄目です」
杏「えぇー!」
清美「お仕事が終わった後に休みましょう」
杏「ちぇー、仕方ないかぁ」
清美「あれ、今日はやけに素直ですね?」
杏「そう?」
清美「いえ、良いことなんですけど。いつもならもっとごねていたような気が」
杏「せっかくやる気出したのに酷くない?」
清美「それはすいません。とにかく、やる気を出すのは素晴らしいことです! この調子で清く正しく頑張りましょう!」
杏「それじゃあまぁ、ちょっと早いけどレッスン室に行ってくるよ」ガチャ
清美「はい!」
清美(やっぱり素直過ぎたような気が……いや、折角頑張ろうとしている杏さんを疑ってはいけませんね!)
清美「あれ、杏さんの荷物がない……?」
清美(確か普段は持っていくのが面倒だからとプロデューサーの机周辺に置いていっているのに、今日は持って行ったんですね)
清美「何か、おかしいような。気の所為でしょうか」
泰葉「おはようございます」ガチャ
清美「あ、泰葉さん。おはようございます」
泰葉「あれ、清美ちゃん。こんな時間に事務所に居るの珍しいね。どうしたの?」
清美「はい。本来はレッスンに行ってる時間なんですけど、プロデューサーにちょっと来てくれと言われまして。でも、全然来ないんですよね。何か知りませんか?」
泰葉「うーん……どうしてだろう」
清美「泰葉さんはレッスンですか?」
泰葉「ううん。ちょっとフレデリカさんと待ち合わせをしててね。オフがたまたま合ったから……」
清美「お出かけですか。しっかりした休息もアイドルには不可欠ですからね! 生活のメリハリが大切です!」
泰葉「でも、フレデリカさんなかなか来ないなぁ」
清美「フレデリカさんって適当に見えて時間とかに気を使ってそうなイメージがありますけど……何か事情があるのでしょうか?」
泰葉「……何だろうね」フフッ
清美「?」
泰葉「私、ちょっと来ないか見てくるね」ガチャ
清美「あ、はい」
フレデリカ「ボンジュール! フレちゃんだよー!」ガチャ
清美「あ、フレデリカさん!」
フレデリカ「あれ、清美ちゃん、どうしたの?」
清美「泰葉さんが探していましたよ」
フレデリカ「えー、フレちゃん人気者?」
清美「いや、待ち合わせしてたんじゃないんですか」
フレデリカ「うんうん。そうなのよねー、思ったより手間取っちゃって」ドサッ
清美「随分大きな荷物ですね。何が入ってるんですか」
フレデリカ「えっとね、うーんと……あ、そうそう。お仕事でねー。差し入れを持っていこうかと思って」
清美「それは素晴らしい心がけですね!」キラキラ
フレデリカ「でしょでしょー。もっと褒めてシルブプレー!」
清美「というか、それは置いておいて。泰葉さんから連絡は無いんですか?」
フレデリカ「冷たいなぁ。じゃあフレちゃん、泰葉ちゃんを探しの旅に出るねー」
清美「それだと入れ違いになっちゃうんじゃ……」
フレデリカ「じゃあねー」ガチャ
清美「……行っちゃった。お仕事で使うものですし、荷物くらいここに置いても良さそうですけど」
清美「それにしても、プロデューサーはいつまで私を待たせるんでしょうか。何か不測の事態があったとか……?」
都『わ、わ、おっとっと……』
清美「ん……? 今の声は、都さん?」
都『中に誰か居ますかー。例のもので両手がふさがっていて、開けられないんですー』
清美「あぁ、はい。ちょっと待ってください」ガチャ
都「あぁ、ありがとうございます……って清美ちゃん!?」
清美「どうしたんですかそんなに驚いて……というか、すごい荷物ですね。持ちますか?」
都「えっと、すいません!」ダダッ
清美「え、どうして逃げるんですか!」ダッ
都「えっと、色々あるんです!」
清美「まさかその大荷物で何か風紀が乱れるようなことをする訳ではないでしょうね!」
都「さ、さささささぁ。何のことやら」ダラダラ
清美「こらー!」
都「すいませんー!」ピュー
清美「……逃げられてしまいましたか」ピロリン
清美「あれ、プロデューサーからメールが……。『遅くなってごめん。もう少しでそっちに行けるから、応接間で待ってくれないか?』って……何故応接間なんでしょうか?」
清美「今日はよくわからない一日ですね」スタスタ
杏『プロデューサー! どうするのさ!』
モバP『いや、今メール送ったから!』
清美「……ん? 今、杏さんとプロデューサーの声が……? 仮眠室からですね」コソッ
杏『清美ちゃんは応接間で待たせるって言ったじゃん! 何でいつもの部屋に居るの! 杏が珍しくやる気を出したのに!』
モバP『いや、緊張しすぎてメール送る時頭真っ白でさ」
杏『全くもう!』
モバP『ごめんって。計画が狂っちゃったな。清美を待たせて見られないようにするのもそろそろ限界だし、どうしようか』ウーン
清美「……今の話は、一体?」
清美(そういえば杏さんは今日、何だか妙でしたね。妙といえば泰葉さんも……)
清美「というか、泰葉さんが『オフが合った』と言っていたフレデリカさんが何故あんな大量の差し入れを持ってくるんでしょうか。それに逃げた都さん……」
清美(もしかして、今日、私の邪魔が入らないところで何か風紀を乱すようなことが行われようとしている……? 私がレッスンに行っていると、もしかしたら戻ってくるかもしれないから、どこかに閉じ込めておく必要があったとか……?)
清美「いやいや、泰葉さんが居ますし、流石にそんなことは……」
泰葉「あれ、清美ちゃん、どうしたの?」
清美「あ、や、泰葉さん」
泰葉「あれから探したんだけどフレデリカさんが全然見つからなくて」
清美「あの……その手に持ってる、袋」
泰葉「うん。これがどうかしたの?」
清美「フレデリカさんが持っていた差し入れだったと記憶してるんですが」
泰葉「え? あぁ、フレデリカさんに、会ったんだ」
清美「はい。泰葉さんも会ったんですよね? おでかけはどうしたんですか?」
泰葉「……えっと」メソラシ
清美「……」ジト
泰葉「じゃあね!」ダッ
清美「えぇ!?」
清美「ま、まさか、泰葉さんまでグルなんて……」
清美(どうして皆さんこんなに風紀を乱すような真似を……しかもこんな、私に隠して、騙すようなことをして)
清美(もしかして、いつもうるさくしすぎたのでしょうか。だから……嫌われてしまって、反抗されている、とか)
清美「私は……」
清美(私は、部屋に戻って何かをしている皆さんを叱るべきなのでしょうか。それとも、気付かないふりをして応接間で待っているべきなんでしょうか)
清美「……」トボトボ
清美(迷ったまま随分ぼーっと歩いてしまいましたね……)
ライラ「おー、キヨミさん。こんにちはです」
清美「あ、ライラさん。こんにちは」
ライラ「何だか元気がなさそうですねー。大丈夫でございますか?」
清美「……大丈夫です」
ライラ「そうですかー」
清美「……」
ライラ「……」
清美「ライラさん」
ライラ「なんですか?」
清美「私、鬱陶しいでしょうか?」
ライラ「鬱陶しい、ですか?」
清美「いえ、変なこと聞いちゃってすいません。こんなの私らしくないですよね」
ライラ「ライラさんは、キヨミさんらしさというのが何なのか、よくわかりませんねー。でも、いつも一生懸命な人を、皆は鬱陶しいなんて思わないですよ」
清美「ライラさん……」
ライラ「あの、アイス、食べませんか? ライラさんのとっておきがありますよー。行きましょう」
清美「そう、ですね。はい、行きましょうか」
ライラ「アイスがあるのはこちらですねー」
清美「えっと、この部屋ですか?」
ライラ「はい。元気になること請け合い、でございます」
清美(この部屋、私がもと居た部屋なんですけど……。これ、入って大丈夫なんでしょうか)
ライラ「ほら、キヨミさん、どうぞどうぞ」グイグイ
清美「わ、わ、押さないでください!」ガチャ
清美「……え?」
「「「「「SSRおめでとう!」」」」」
モバP「いやー、何とか間に合った。ライラさん、ナイス誘導!」
ライラ「いえーい、でございます」
杏「あぁー、飾り付け疲れた……」
都「飾りを運ぶのも大変でした……」
清美「……」ポカーン
泰葉「ほら、清美ちゃん。フレデリカさんがね、お祝いでスイーツを買ってきてくれたんだよ!」
フレデリカ「皆の分買ってきたんだー。お気に入りの美味しいやつだよ!」
モバP「サプライズ大成功だな! ……おい、清美? 流石にびっくりしすぎじゃ」
清美「え、あ……」ハッ
清美「こ……こらー!」
杏「えぇ!? そこでまさかの怒る!?」
清美「全くもう! 皆さん、ここは事務所で仕事場なのに、こんな装飾をして……私の為に、こんな……自分が恥ずかしいです……」グズッ
モバP「え、泣、え?」アワアワ
清美「こんなの、超☆許可するしかないじゃないですか!」ポロポロ
清美「……本当に、すいませんでした。皆さん、私のために色々してくださったのに、それを疑ったりなんかして……」
モバP「いや、むしろ、こんなガバガバなサプライズを企画した俺が謝りたいんだが」
杏「本当にねぇ。普通サプライズ相手を呼び出す部屋間違える?」
泰葉「部屋に入った時内心物凄く焦ったんですからね!」
モバP「本当にごめん。清美も、重ね重ねごめんな」
清美「いえ、そんな……。私のために色々してくださって本当にありがとうございます」
フレデリカ「めでたいことお祝いしないのはパリジェンヌの恥だからね! 多分!」
都「SSRですからね! それにサプライズもなかなか楽しかったですから!」
ライラ「嬉しいことは、皆で分け合いたいですねー」
清美「……なんだか、ようやく実感が湧いてきました」
モバP「SSRの?」
清美「いえ、それもありますけど……私がこうしてアイドルをやってこれているのは、沢山の人に助けてもらったからなんだなぁ、と」
モバP「そうかもなぁ。そうやって皆と頑張って……遂にSSRかぁ……」
清美「これでもっと、皆さんに知ってもらう機会が出来ましたね」
モバP「あぁ、そうだな。ここがゴールじゃ、ないもんな」
清美「勿論です。私が超☆シンデレラガールの腕章をつけるまで、一緒に頑張ってもらいますよ!」
モバP「あぁ! どんどん仕事持ってくるから、覚悟しとけよ!」
清美「それでこそ私の超☆プロデューサーです! これからも一緒に風紀を正していきましょうね、プロデューサー!」ニコッ
これでおわりです。清美がSSRになったので今更ですがお祝いに。
忙しすぎて急いでもこれが限界でした。これを機に清美ss増えろ。声つけ。
過去作
冴島清美に恋した日
モバP「どうすればいいんだ!」
モバP「破廉恥?」
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コメント一覧 (11)
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- 2018年07月23日 05:28
- ありがとう、良いお話でした
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- 2018年07月23日 07:23
- 俺は担当ではないが愛を感じた
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- 2018年07月23日 07:25
- ええ話や…。
ところで風紀を乱しそうな蒼や紅はどうしてるのかな?もしかして今日だけ清美の為に自重したとか?
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- 2018年07月23日 10:19
- お祝いにこの皿の中で泳ぐ魔界竜の稚魚が描かれた皿を。
-
- 2018年07月23日 11:45
- ※4
ホラーの気配だ!
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- 2018年07月23日 11:52
- 一方Twitterでは杏botの件でバカP共が荒れてた模様
C5のでれぽになんの悪意を感じたんや彼らは
2次元女子と3次元女子を混同してはイけない(戒め)
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- 2018年07月23日 11:55
- ※5
あっちの業界では一般的な品なのに……。
じゃあこのステンドグラスの様な色鮮やかに輝く卵を。
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- 2018年07月23日 12:14
- 一昔前から続くテンプレストーリーですね
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- 2018年07月23日 15:37
- ※3
蒼はあと少しで自分の誕生日だからそわそわしてるんでしょ
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- 2018年07月23日 17:12
- ※7
それは橘にやってくれ
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- 2018年07月24日 01:16
- ※6
満開組をC5だと思ってるガチエアプじゃん