闇の魔王「地の四天王は、お前達の中でも最弱」

351:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 19:21:01.50 ID:y970MzfQo

闇の魔王(以下、魔王)「お前達が居れば、問題あるまい」


火の四天王(以下、火王)「……」

水の四天王(以下、水王)「……」

風の四天王(以下、風王)「……」


魔王「――捨て置け」


魔王(……と、命じておけば良いだろう)

魔王(奴が戻っては、二人の時間が取りにくくなってしまう)



352:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 19:26:33.70 ID:y970MzfQo

水王「――魔王様の仰る通りですわ」

水王「そもそも、私はあの男が四天王である事が疑問でしたの」

水王「あの男は……ねぇ?」


水王「――品位というものが、欠けていますでしょう?」


水王(いやあああああ!! いやあああああ!!)

水王(一刻も早く、彼を探したいのに!!)

水王(……ああっ、昔の私はなんて愚かだったのかしら!)

水王(職場では仲が悪いフリを続けよう、なんて……どうして!)



353:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 19:31:37.01 ID:y970MzfQo

火王「――確かに、水の四天王の言う通りだ」

火王「奴は、四天王を名乗るには力も足りていなかった」

火王「ふん! 居なくなって、清々した!」


火王「――真の強者しか、私は認めん」


火王(うわあああああ!! うわあああああ!!)

火王(浮気をしてしまって気まずいからと、何て事を!!)

火王(ででででも! 強くなったら帰って来ると!)

火王(……どんな顔して会えば良いんだあああああ!!)



354:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 19:38:43.80 ID:y970MzfQo

風王「――僕の意見も、似たようなものかな」

風王「彼は、美しくなかった」

風王「上に立つ者として、相応しい容貌とは言えなかったからね」


風王「――ブ男が居ては、気分が盛り下がるよ」


風王(――さあ、考えろ考えろ考えろ!!)

風王(如何に彼を――地の四天王を切り捨てさせるか!)

風王(戻るべき場所を失った彼は、僕の元へ来るしかなくなる!)

風王(いや、いっそ二人で何処か遠くへ……あっ、良い! それ良い!)



355:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 19:43:01.77 ID:y970MzfQo

魔王「……ふむ」

魔王「お前達の意見がここまで揃うとは、珍しいな」


火王・水王・風王「……」


魔王「奴が戻っても席が無いのならば……ふふっ!」

魔王「――いっそ、余の小間使いでもさせるかな」


火王・水王・風王「……」

火王・水王・風王「えっ!?」



356:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 19:49:35.45 ID:y970MzfQo

魔王「どうした? 何を驚く事がある」


魔王(……ふん、命拾いしたな)

魔王(余の前で、奴を侮辱するなど……到底許せるものではない)

魔王(――だが、今日の余は寛大だ)

魔王(昨晩、奴の所へ赴きイチャコラして来たばかり……)


魔王「奴でも、それ位は務まるであろう」


魔王(――そして!)

魔王(この案を通せば、二人の時間が増えると言うものよ!)



357:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 19:58:56.01 ID:y970MzfQo

水王「――まあ、そんな!」

水王「……魔王様、恐れながら申し上げます」

水王「あんな野蛮人に、小間使いが務まるはずがありませんわ」


水王「――ふふっ、お戯れも程々になさってくださいな」


水王(小間使いなんて出来るはずないわ!)

水王(彼は、全然気が利かないし、器用でも無いし!)

水王(だからこそ、誰かが支えてあげないと……!)

水王(……おはようから、おやすみなさいまで!)



358:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 20:05:22.30 ID:y970MzfQo

火王「――魔王様の側に仕えるなら、強くなくては」

火王「奴が、魔王様の戦いの邪魔になる事も有り得る」

火王「……例え、どこで何をしていようとも――」


火王「――奴が、その資格を持てるとは思えない」


火王(戻ってきたら、私と結婚するんだから!)

火王(強くなって帰ってきて、プロポーズを――)

火王(――された時……なんと言えば良い……?)

火王(お前以外の者に体を弄ばれ、喜んでしまっていたと!?)



359:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 20:14:22.67 ID:y970MzfQo

風王「――!」

風王(これは……好機!)


風王「――闇の魔王様」

風王「地の四天王が戻ったら、僕に預けて貰えませんか?」


魔王「えっ?」

魔王(ほう?)


水王・火王・風王「えっ?」


魔王「……」

魔王「……ほう?」



362:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 20:21:34.23 ID:y970MzfQo

魔王「風の四天王よ、其方は何を考えている?」

魔王「……申してみよ」


水王(今……魔王様、「えっ?」って素で仰ったわ)

火王(今……魔王様、「えっ?」と素で言われたぞ)

風王(今……魔王様、「えっ?」って素で言ったよね)


風王「……」

風王「僕が、彼を教育します」

風王「……魔王様の側に仕えるに相応しい者に」


風王(教育期間は……彼が、僕のものになるまで!)



363:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 20:28:13.87 ID:y970MzfQo

魔王「……ふむ、成る程」

魔王「其方ならば、属性の相性も良い」

魔王「……躾をするには、適任という訳か」


魔王(だが! それでは、余との時間が今よりも減ってしまう!)

魔王(風の四天王の目を欺くのは、余とて容易ではない!)

魔王(――いっそ、皆に余と奴の関係を告げるか!?)

魔王(嗚呼、そうだ! そうすれば――)


火王・水王「――お待ち下さい」


魔王「……む?」


風王「……!」



364:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 20:36:49.73 ID:y970MzfQo

水王「――教育係ならば、私にお任せを」

水王「主に仕えるとは、どういう事か……」

水王「この、水の四天王が教えて差し上げますわ」


水王(凄い……凄いわ、風の四天王!)

水王(教育係になれば、彼と二人っきりになり放題じゃない!)

水王(二人でお買い物に行って、ふ、夫婦と間違われたり……!)

水王(嗚呼、駄目よ! 「うむ!」だなんて……もう! もうっ!)


魔王「……ふむ」



365:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 20:43:14.35 ID:y970MzfQo

火王「――いや、私にお任せください」

火王「奴は、武人として私が鍛え直してくれる」

火王「魔王様、その任……この、火の四天王に」


火王(けっ、こっ、けこっ、結婚前に! 同棲期間が!)

火王(ぱ、パパ! 「孫の顔が見たい」なんて、そんな!)

火王(いや、しかし私は……ああっ、「うむ!」と、言われても!)

火王(だが……う、「生む!」なーんて……あ、出る! 翼出る!)


魔王「……ふむ」



366:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 20:49:43.05 ID:y970MzfQo

風王「――何を言ってるんだい、君達」


水王・風王「?」


風王「水の四天王」

風王「君は、属性的に彼を抑えられないだろう?」

水王「……確かに、そうですわね」

水王(相性は良いんですのよ! 何のとは言えませんけれど!)


風王「火の四天王」


火王「何だ?」

―バサァッ!


風王「……熱いから、翼をしまって貰えるかな?」



367:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 20:57:05.08 ID:y970MzfQo

火王「む……これはすまなかった」

火王「魔王様のお役に立てる喜びに、我が身の抑えがきかなんだ」

火王(あわっ! わ、わっわわっ!?)


風王「――君は、なんだかんだで情に厚いからね」

風王「訓練ならばともかく、躾は向いていないと思うよ」

火王「……確かに、お前の言う通りかも知れん」

火王(子供が出来たら……し、叱れない! 甘やかしてしまう!)


風王「闇の魔王様」


魔王「……」


風王「地の四天王の教育係は、僕にお任せください」

風王(ふふふ……ははははっ! やった! やったぞ!)



368:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 21:10:16.86 ID:y970MzfQo

風王「……」

風王(地の四天王……君は、僕の物になる!)

風王(当然だろう? 僕に、屈辱を味あわせたんだから!)

風王(ふふふ……! 楽しみでしょうがないよ……!)

風王(地の四天王、君が僕に直に与えてくれる――)


風王(――辱めの数々が!)


風王「……!」ゾクゾクッ!


水王・火王「くっ……!」

水王・火王(風の四天王め……!)


魔王「……」



369:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 21:19:00.29 ID:y970MzfQo

魔王「――其方達の申し出はわかった」


水王・火王「っ!」

風王「!」

風王「では――!」


魔王「が、決めるのは今ではない」

魔王「奴に――地の四天王に、選ばせようではないか」

魔王「……誰の元へ行くかをな」


水王・火王・風王「!」


魔王「……ふふっ、己の運命を選ばせてやると言うのだ」

魔王「これ程慈悲深い裁きはあるまい?」



371:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/11(日) 21:32:58.74 ID:y970MzfQo

水王「……成る程、さすがは魔王様」

水王(やりましたわ――っ! 私、とっても有利じゃないの!)


火王「……寛大なご処置を賜るとは、奴は幸せ者です」

火王(私も幸せです! 私達……幸せになります!)


風王「……それは、今から楽しみですね」

風王(彼は、僕を選んでくれる! ああっ、なんて待ち遠しいんだ!)


魔王「地の四天王が誰を選ぶのか……見物だな」

魔王(余を選ぶ事は、最早決まっているのだがな……うふふっ!)



魔王・水王・火王・風王「――ふふふふふっ!」




おわり



元スレ
地の四天王「光の勇者よ、助けてくれ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1540900012/
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         コメント一覧 (8)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年11月18日 09:14
          • どんどん外堀が埋められていく
            これもう光の勇者に寝取られた(嘘)で全てをうやむやにするしかないんじゃないか?
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年11月18日 09:55
          • 逃げ場は無くなったようだな
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年11月18日 10:41
          • ※1
            勇者死亡エンド不可避で草
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年11月18日 11:02
          • いつまで続くんだ
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年11月18日 12:03
          • 爆弾の起爆はもうすぐそこだと思ってたが引っ張るなぁ
          • 6. 知の歴史
          • 2018年11月18日 18:47
          • 物語がどう収束するのか気になって仕方ありません。
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年11月20日 23:08
          • 順調にこじれてきてますなあw

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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