「非遵守団体に分類されればオリンピック、パラリンピック、世界選手権大会など国際スポーツイベントを開催したり誘致できない」というWADA規定が昨年4月に新たに導入され、4カ月以内に北朝鮮がWADAの要求を満たさなければ、韓国・北朝鮮オリンピックの共同開催推進に赤信号がともった。

国内外の反ドーピング専門家が「南・北朝鮮五輪共同開催のため一日も早く韓国が北朝鮮ドーピングを支援しなければならない」とアドバイスしたのも事案の重大さのためだった。

しかし、北朝鮮のドーピング防止委員会は4ヵ月が過ぎた今年1月21日までも。WADAが要求した違反行為を是正しなかった。また、異議申し立ての期間にも異議を唱えなかった。結局、WADAは北朝鮮もドーピング防止委員会を批准水団体に分類することを最終確定した。

批准数団体に分類された北朝鮮ドーピング防止委員会は、資格回復前まで規定によって様々な制裁を受けることになる。まず、北朝鮮・平壌(ピョンヤン)防止委員会の関係者は、「WADA事務処や委員会などに参加、あるいは活動できず、WADA独立監視団やボランティア活動プログラムなど、WADA活動にも参加できなくなる。WADA加盟団体の理事会,委員会への参加資格も制限される。

また、北朝鮮もWADAが主催または共同主催するいかなる行事にも開催できない。WADAからいかなる直接・間接的な資金支援も受けられない制約も伴う。北朝鮮ドーピング防止委員会のすべての検査活動が第3者の管理・監督を受けることになるのも制裁に含まれる。これには、最大年6回の現場訪問が含まれており、すべての費用は北朝鮮ドーピング防止委員会が事前に払わなければならない。

南北は平壌首脳会談の成果をもとに、2020年東京オリンピック単一チーム構成に入った状態だ。また,2月11日、忠清北道鎮川の国家代表選手村で開かれた大韓体育会代議員総会で、ソウルが2032年夏季五輪国内誘致都市に選ばれれば、ソウル-平壌夏季五輪の準備にさらに拍車をかける状況だ。しかし、北朝鮮のドーピング問題が浮き彫りになり、南北オリンピック単一チームと共同開催に赤信号が灯った。

WADAは北朝鮮のどのような行為が「重要なドーピング規定違反活動」に該当するのか公開しなかった。 しかし、北朝鮮はこれまで数回にわたって禁止薬物の使用で物議をかもした。

08年北京五輪では、北朝鮮の射撃選手がドーピング問題で銀メダルが剥奪され、11年W杯でも女子サッカー代表チームの中核選手がドーピング検査を通過できず、北朝鮮代表チームの主治医が資格停止6年の重い懲戒を受けた。

実際、WADA反ドーピング検査結果報告書によると、2015年基準の韓国は2,884回のドーピング検査の分析と試料をWADAに報告したのに対し、北朝鮮は0回にとどまった。16年にも韓国は3,185回だったが、北朝鮮は4回にとどまった。

WADAは「北朝鮮ドーピング防止委員会の規定違反事項を見直すため、持続的な支援を提供する予定」と明らかにした。 WADAは、今回の事案に対して国際オリンピック委員会(IOC)にも通報したという。 これにより、2月15日にスイス・ローザンのIOC本部で開かれる南北代表団との会談で、北朝鮮のドーピング問題が議題として取り上げられる見通しだ。