神様

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鬼女まとめちゃんねる 03/11/28 00:43
私がまだ小学校の頃の話。

その頃団地に住んでたが、うちの真下の階に同級生の子(仮にA)が引っ越してきた。

特に仲良くはなかったけど、家が1階違いだし同じ学校なので、それなりに仲良くなってきた。

ある日、Aが

「うちには神様がいる」

と言いだした。



私はあまり気にも留めずにいたが、その日の夕食の時に何気なくその事を両親に話して聞かせた。
すると母は、Aの家がいかがわしい宗教団体に入っていることを教えてくれた。

Aの母親は殆ど家から出ず、その宗教団体の会合の時だけ外出するといった感じだったらしく、時刻を問わず階下から変なお祈りが聞こえて気味が悪いと言った。

数日後の夕方、学校から帰ってくると家には誰もいなかったので1人で漫画を読んでいた。
すると階下から物凄い勢いでお祈りが聞こえてきた。
その日はいつもよりひどく、お祈りというかうめき声のように聞こえた。

一向にやむ気配がなく、段々ひどくなってくるので心配になってAの家に行ってみた。

その日までAの家の中には入ったことがなかったので、何となく気が引けながら呼び鈴を押した。

すぐにAが扉から出てきた。

扉が開くと、声にならないうめき声が充満していた。

Aは私を見るなり必死な顔をして、

「神様が暴れ出した!たすけて!」

と言った。

部屋の中はまだ夕方の早い時間なのにカーテンを締め切っているせいで薄暗かった。

Aに案内されるままに一番奥の座敷にいった。そこには豪華な祭壇があり、Aの母親が必死に何者かをなだめていた。

それが神様だった。うめき声の主はその神様だった。

神様は祭壇に祭り上げられていた。手足を椅子に縛り付けてあり、髪は綺麗に剃り落とされていた。

酷く衰弱しており、うめき声もかすれていたが、かすかに聞き取ることができた。

「カ…ミ…サ…マ…」

そう言っていた。

後日談。

Aの両親は娘が生まれた時、教祖に

「この子は神様の生まれ変わりだ」

といわれたらしい。

それ以来、彼らは娘を神様だと思い込み祭壇に祭っていた。

保護されるまで5年近くも手足を椅子にくくりつけられたままだった。そのせいか手足は大きくねじれていた。

娘が生まれてから家庭内では殆ど会話はなかった。
彼らは毎日”神様”にお供え物として少量の食物を食べさせていた。

娘はしゃべる能力はなかったが、毎日聞かされていたのだろう「カミサマ」という言葉だけは覚えていた。


引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?59