魔王「よくぞここまでたどり着いたと言っておこうか」勇者「めんどくせえ」
勇者「まあな、成り行きでこんなとこまで来ちまった。あんたを無力化すれば晴れて解放らしいんだが、降伏してくれねぇ?」(ハナホジ
魔王「まあその辺は一度置いておこうか…貴様仲間はどうした」
勇者「めんどくさくて作ってねぇ、個人行動が一番気楽だぜ?」
魔王「そ、そうか。旅の仲間は大切だと思うが」
勇者「四六時中一緒にいるとか無理だわ、それにこんな戦いに巻き込んで死んじまっても、その、えっとーーーーまあ面倒じゃねえか」
魔王「今説明が面倒で端折ったな?質問はまだあるぞ、貴様我が僕達を極少数しか殺害していないようだが、それはなぜだ?我を舐めているのか??」
勇者「そんなんじゃねえよ。魔物殺すと夢見が悪くなるんだよ。だからこいつマジで放置してたらめんどくせぇってレベルのガチクズ以外は殺したくなかった。つかお前あんなの手下で良かったのかよ」
魔王「いや、それを言われるとぐうの音も出ないというのが正直なところだ。それらのクズどもは先代から魔王を引き継いだ時には既にそれなりに影響力があるの者でな。悪行の数々は聞いていたが正直手を焼いていた所だ。感謝すらしたい」
勇者「言ってろ。んで?そろそろあんたと話すのも面倒なんだけど、降伏してくれるのか?多分戦ったら俺の勝ちだぜ?分かってるだろ?」
魔王「ふむ、合格ーーとは素直には言い切れないのだが、まあ良い」
勇者「??」
魔王「我を無力化すれば良いのだろう?ならばその願いは叶う。貴様にこれを差し出すからだ」
勇者「はぁ!?これお前の剣、いわゆる魔剣ってやつだろ??俺に渡していいのかよ?お前が死んでも次の魔王とやらに受け継ぐ事すら出来ねえぞ???」
魔王「承知の上だ」
勇者「ーー人に剣を託すって事の意味分かってんのか?」
魔王「ふん、ただ渡すわけではない」
勇者「ほーらきたよ俺がその剣に触れたら操られるとかじゃないよな?」
魔王「我にそんな力などない、お前を操れるならそれが一番丸く収まるのだからな」
勇者「じゃあタダじゃないってなんだよ?」
魔王「ふん、それはなーー」
勇者「あ、ごめんめんどくせえ。結論くれ、何が目的か先に家、この際過程はどうでもいい」
割とすぐに終わるので付きあってください
勇者「はぁ!!!????マジで言ってんの???」
魔王「大マジだ」
勇者「ーーーあ、でもそうすりゃ戦わなくていいのか。それどころかこの先魔物関係の面倒事は結構片付くんじゃ…」
魔王「そこでも面倒くさいか」
勇者「あ、いやダメだダメだ!アンタを信用できねえ」
魔王「だから剣を渡すと言っておるだろう、大体我なんか魔剣がなければただの魔物だぞ?下級魔物だぞ?」
勇者「薄々感づいてたけど今代の魔王そんな弱えのかよ。いやでも信用がなぁ……」
魔王「なら言わせてもらうが、我にとって和平交渉などそれこそ過程にすぎん!!」
勇者「なに?まだやりたい事あるの?お前すげえな」
魔王「魔国は今重大な食料危機に陥っている。幹部は汚職まみれ。魔種差別もまあ酷いものだ。そっちの問題に着手したいのにくだらん戦争なんかしてる場合か!!!そう思うだろ!!」
勇者「お、おう…」
魔王「面倒くさがりの貴様がやる事なんてただ1つでいい。我を人間の国の王の所まで護衛しろ。あとは我が話をつける。」
勇者「それだけでいいの?なら大歓迎。さあ行こう、これで冒険も終わりだイヤッホウ」
魔王「ーー貴様、なんというか清々しい奴だな」
かくして勇者は魔王を人間の国王の下まで連れ帰った。
あらゆる人物からツッコミが入りつつも特に気にする様子はなかった、これほど説明するのが面倒な事情などないからだ
魔王を殺せ!と殺意剥き出しだったが、唯一魔王の息の根を止める力を持つ勇者は一向に動かない。
国王と和平交渉を始める魔王
次第に怒号は国王の方からだけではなく、魔王からも発し始めた
魔王の怒号はやがて戦争にうつつを抜かし民の事を蔑ろにした国王へ対する一方的な説教へと変わった
勇者はつまらなそうに見ていた
やがて魔王は呆れ果て
家に帰りたくなった勇者は、
一向に耳を傾ける気のない王をよそに勝手に和平を結んで聖剣を魔王へと手渡した
魔物汚職幹部達の制裁、悪しき幹部達が居なくなった事をきっかけに魔種差別はなくなり
同じ手法をとって国王を含む人間の悪者達も成敗した。結果としてエルフ迫害などの人種差別も消え去った。
勇者は魔剣と返してもらった聖剣をなんの躊躇いもなく封印した。
7年もすると、すっかり手を取りあって人間と魔物は互いの技術を組み合わせ、魔国側の食料難を解消するだけでなく、全体的に貧困地域を消し去るまでに豊かな世界を形成していた。
魔王はこの平和を永遠のものにしようと頭を悩まし続け。
勇者は魔王を倒す事で貰えるはずの莫大な報酬を、魔王を倒していないのに受け取り、悠々自適な独身生活を謳歌した。
オーク「ヒャハハハハ!!!この街の野菜市場は俺たちのもんだ!!」
女騎士「ーー野菜市場ってなによ野菜市場って」
オーク「そりゃオイラしがない八百屋だもんさ、んで?何か買ってくの?買わないの?」
女騎士「あ、カレーの材料をお願い」
オーク「あいよ…んで姉さんいつまで会うたんびにこのノリやるんだい?」
女騎士「だって平和すぎてつまんないんだもん。せっかく伝説に憧れて鍛えて騎士になったのに、仕事といえばコソ泥捕まえたり、夜道の警備ぐらいだなんて」
オーク「7年前、平和主義の魔王様とやる気のない勇者様が永久的な和平結んじまったからねえ。ついでに魔種差別人種差別も無くしてくださった。まあまったり平和なのは良い事じゃねぇか」
女騎士「世界の脅威と戦いたい」
オーク「世界の脅威なんかより、まずその胸囲をなんとかしたらどうさね?」
女騎士「あ、オークさんセクハラ!しょっぴくよ!!」
オーク「カレーの材料いらないならお縄にかかっても良いけどねぇ、大体オークが人間相手にセクハラだのどうのなんざあるわけないだろう」
女騎士「戦争時代ではオークに陵辱される女の子が何人かいたって聞いたもんだけどね。アタシ結構本気で怒ったんだから」
オーク「なんだいそれ気色悪い、はいジャガイモにんじんたまねぎ、ベビーコーンもいる?」
女騎士「あ、お願い。これ代金ね」
オーク「まいど」
女騎士「あ、オークさん。これ差し入れのエリクサー」
オーク「おーこりゃどうも。ちょうど喉乾いてたんだよ」
女騎士「じゃあね」
オーク「またのお越しをー」
オーク「はぁ、平和だねぇ」
ー完ー
終わり
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コメント一覧 (13)
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- 2019年07月17日 00:14
- なにも言うことはないよ
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- 2019年07月17日 00:52
- あげ
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- 2019年07月17日 04:25
- 本筋とあんまり関係ないけどエリクサーってそんな喉乾いたからってスポドリとかお茶感覚で飲んでいいもんじゃないだろwww
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- 2019年07月17日 05:42
- >>3
平和になって回復アイテム全体の需要が減ったから価格崩壊起こしたんじゃね?
その辺の問題(魔王がいた方が潤う仕事もある)はちょくちょく言及されてるし
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- 2019年07月17日 05:29
- 作者が一番めんどくさがってる
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- 2019年07月17日 07:02
- そもそもなんで戦争してたのか
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- 2019年07月17日 07:04
- ゲーム内のお薬系アイテムはどこが作ってるんやろなあ…
独占してそうだからボロ儲けよな
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- 2019年07月17日 07:07
- ここから面白くなるところでなぜやめてしまうのか
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- 2019年07月17日 07:55
- 魔物はいろんな種族いるから多種多様なスキルあるけど人間から魔物に渡せる恩恵ってなんだろ?
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- 2019年07月17日 14:15
- >>9
人間のお陰で食糧難を解消出来たみたいな事が書かれてたから、耕作のノウハウとかじゃね
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- 2019年07月17日 12:31
- ある意味勇者が傍観したから魔王による世界征服が完了したと考えてもいいんじゃないかこれ
魔族が支配階級で人間が奴隷にならずに平等ってだけ、結局最高指導者は魔王なわけだし人間側の権力者も魔王が処分したってんだからさ
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- 2019年07月17日 22:42
- 喋りすぎ
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- 2019年07月18日 20:31
- タイトル見て
大帝「ここまでは敵ながら天晴れ、よくやったと誉めてやろう。だが最早エネルギーも残ってはいまい。次はどうする?勇者よ!」
的な展開があったらいいなと思ったのに