このスレじゃちょっと珍しいかもしれない年頃の話し。 

田舎学生なので連れ添って育った面々もずっと殆どが同じ顔だ。 
こんな時代だからなのか、それともたいして珍しくはないのかもしれないが．．．、 
純粋さを忘れ始める頃に、昼ドラでよく見るようないじめがあった。 

田舎だから仕方がないのかもしれないが、地方政治家や医者、財閥とまるで世界の縮図かっていう面々。 
当然そこには少し前に話題になった日教組に染まった頭おかしいなんかも居て、 
PTA会議の議題に上る頃には、もはや誰だってモンペの航空ショーの風呂敷はたためなかったってわけさ。 
普段仲良しのふりをしていた子達ですら見舞いの一つにも行きやしない。 
そうして元はたいしたことじゃなかったきっかけであの子が不登校になってしまった。 
人間なかなか不思議なもんで、それまでまともに会話なんてした事もなかった子、 
それでも3日も顔を見なくなると「あの子どんな顔だったっけ？」なんて思い出そうとしてしまう。 
その日の午後のHRで誰もプリントを届けないというので、純粋な興味から僕が行ってみようと思ったんだ。 

それから半年、僕はノートを人に見せるようになって字が綺麗になったし、 
それまで興味がなかった勉強も「僕だけ馬鹿じゃ格好がつかない」なんて動機から、テストはいつも3桁になった。 
ちょっとした成金の箱入りの子だったけど、夏休み前には何ヶ月足っても色褪せない態度に、ついにその子の両親公認の仲。 
それから週末にはデートをするようになったし、辛くても一人じゃないよとすすめて学校にも来るようになっていった。 
初詣では今年はちゃんと学校通って卒業して、それで嫌なことは綺麗サッパリ無かった事にしちゃおうと約束した。 
ところが4月の初登校の朝、HRで担任の開口一番に聞いたのはその子の転校のお話。 
一瞬何が起こったのかわからなかったが、一年ちかく時間と情をかけた末、その子との仲で唯一一回嘘をつかれたことは理解できた。 
＜つづく＞