736: 名無しさん 03/12/11 01:11
山の神さま
知り合いの話。
彼のお爺さんが猟師をしていた時のことだ。
冬期で食料が乏しくなっていた頃、折りよく鹿を見つけ撃ったのだという。
鹿はよろめきながらも藪の中へ逃げ込んだ。
後を追って藪に踏み込んだ彼が見たものは、雪の上に置かれた鹿の首だった。
胴体の方はどこにも見当たらず、血の匂いがあたりに充満していた。
いつもはすぐ後をついてくる猟犬が、藪の外で恐ろしげに鼻を鳴らしている。
これは不可侵の領域で狩りをしちまったな、と悟って退散したそうだ。
山の神さまには獲物を何回か取られたけれど、あれが一番怖かったな。
まぁ山で獲れる物は、本来が山の神さまの物だから仕方がないか。
お爺さんはそう言って屈託無く笑っていた。
知り合いの話。
彼のお爺さんが猟師をしていた時のことだ。
冬期で食料が乏しくなっていた頃、折りよく鹿を見つけ撃ったのだという。
鹿はよろめきながらも藪の中へ逃げ込んだ。
後を追って藪に踏み込んだ彼が見たものは、雪の上に置かれた鹿の首だった。
胴体の方はどこにも見当たらず、血の匂いがあたりに充満していた。
いつもはすぐ後をついてくる猟犬が、藪の外で恐ろしげに鼻を鳴らしている。
これは不可侵の領域で狩りをしちまったな、と悟って退散したそうだ。
山の神さまには獲物を何回か取られたけれど、あれが一番怖かったな。
まぁ山で獲れる物は、本来が山の神さまの物だから仕方がないか。
お爺さんはそう言って屈託無く笑っていた。
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737: 名無しさん 03/12/11 01:12
人魂
知り合いの話。
町の外れの山中に、今はもう使われていない旧道が残っている。
夜中によくそこを通る知り合いが教えてくれた。
夜になると旧道途中の峠で、離れて後ろからついてくる車がいるのだという。
ヘッドライトは見えるのだが、車の車体が見える距離まで近づいてこない。
峠の出口で待っていても、いつまで経っても下りてこない。
夜釣り仲間ではわりと知られた話だが、本当に不思議だ。
それを聞いていたもう一人の知り合いが口を開いた。
彼のお爺さんが、昔その峠道で何かに追いかけられたことがあると。
お爺さんが言うには、青く燃える二つの人魂だったらしい。
彼は夜中にそこを通るのをやめることにしたそうだ。
知り合いの話。
町の外れの山中に、今はもう使われていない旧道が残っている。
夜中によくそこを通る知り合いが教えてくれた。
夜になると旧道途中の峠で、離れて後ろからついてくる車がいるのだという。
ヘッドライトは見えるのだが、車の車体が見える距離まで近づいてこない。
峠の出口で待っていても、いつまで経っても下りてこない。
夜釣り仲間ではわりと知られた話だが、本当に不思議だ。
それを聞いていたもう一人の知り合いが口を開いた。
彼のお爺さんが、昔その峠道で何かに追いかけられたことがあると。
お爺さんが言うには、青く燃える二つの人魂だったらしい。
彼は夜中にそこを通るのをやめることにしたそうだ。
738: 名無しさん 03/12/11 01:17
猿
知り合いの話。
彼の祖父はかなりの偏屈で、人里離れた山中に独りで住んでいた。
人間嫌いで、彼の母が時々様子を伺いに訪れる以外には、人付き合いも無かった。
いつの頃からか猿を飼っていたらしい。
その祖父が死んだと連絡が入り、彼は久しぶりに実家に帰った。
葬式が終わり、祖父の家の片付けをしていた時のことだ。
彼が祖父の遺影を持って歩いていると、背後から嫌な笑い声がした。
振り返ってみると、猿が狭い檻の中からその遺影を見ていた。
猿は心底嬉しそうに、顔をいやらしく歪めて笑っていた。
その様はまるで人間のようだった。
爺ちゃん、一体どんな飼い方をしていたんだよ?
思わず呟いてしまったのだという。
気持ちが悪くもあり扱いにも困るので、猿は次の日に山に放したそうだ。
知り合いの話。
彼の祖父はかなりの偏屈で、人里離れた山中に独りで住んでいた。
人間嫌いで、彼の母が時々様子を伺いに訪れる以外には、人付き合いも無かった。
いつの頃からか猿を飼っていたらしい。
その祖父が死んだと連絡が入り、彼は久しぶりに実家に帰った。
葬式が終わり、祖父の家の片付けをしていた時のことだ。
彼が祖父の遺影を持って歩いていると、背後から嫌な笑い声がした。
振り返ってみると、猿が狭い檻の中からその遺影を見ていた。
猿は心底嬉しそうに、顔をいやらしく歪めて笑っていた。
その様はまるで人間のようだった。
爺ちゃん、一体どんな飼い方をしていたんだよ?
思わず呟いてしまったのだという。
気持ちが悪くもあり扱いにも困るので、猿は次の日に山に放したそうだ。
747: 名無しさん 03/12/11 08:19
野太い声
怖くはないんだが。
リア消5年だった時、夏休みに昆虫取りに
標高800メートルぐらいのそんな高くない山で、
マイマイカブリからオニヤンマまで色々とって、
まあ、フォークあるしいいか、とか思いながら他のもん洗ってたら
上流からその、流しちゃった箸が流れてきたんだ。
そこの沢は高度にしてはかなりゆるい流れのなんだけど、
念のため確認しながら歩いてみたんだけど、やっぱり普通に流れてるし。
プラスチックだと静電気でも起きるんだろうか、とかひらめいて、
もう一回お箸を流してみようと思って、箸持って沢に近づいた瞬間、
「おいおい、いっかいしかかえしてやらんぞ?」
笑い混じりで非常にフレンドリーな感じで、地元のイントネーションだった。
前は沢だし、後ろは砂利と藪と木の葉だらけの獣道だから、
今思えば不思議なんだが、その時は
そうか、返してもらえないんじゃ明日ラーメン食べる時困るな
とか思って素直に止めたよ。
怖くはないんだが。
リア消5年だった時、夏休みに昆虫取りに
一人でテント担いで福井南部の山に入ったんだ。
標高800メートルぐらいのそんな高くない山で、
中腹ちょっと上ぐらいまできれいな沢があるところだった。
マイマイカブリからオニヤンマまで色々とって、
夕方飯食い終わって沢で食器洗ってたら、箸流しちゃったのね.
まあ、フォークあるしいいか、とか思いながら他のもん洗ってたら
上流からその、流しちゃった箸が流れてきたんだ。
そこの沢は高度にしてはかなりゆるい流れのなんだけど、
逆流したりループになってるような流れじゃないのね。
念のため確認しながら歩いてみたんだけど、やっぱり普通に流れてるし。
戻って木の枝とか流してみたんだがやっぱ戻ってこないんだ。
プラスチックだと静電気でも起きるんだろうか、とかひらめいて、
もう一回お箸を流してみようと思って、箸持って沢に近づいた瞬間、
「おいおい、いっかいしかかえしてやらんぞ?」
って野太いというか、チェロの音みたいな声がはっきり聞こえた。
笑い混じりで非常にフレンドリーな感じで、地元のイントネーションだった。
前は沢だし、後ろは砂利と藪と木の葉だらけの獣道だから、
少なくとも半径100メートルぐらいには人がいなかったはず。
今思えば不思議なんだが、その時は
そうか、返してもらえないんじゃ明日ラーメン食べる時困るな
とか思って素直に止めたよ。
748: 名無しさん 03/12/11 09:54
>>747
ちゃんと返してくれたり、
2度目はないぞって教えてくれたり。
優しいもののけさんでしたね。
山で無くしたものはもう山の物だから…っていう話は
ここでも色々あったのにね
ちゃんと返してくれたり、
2度目はないぞって教えてくれたり。
優しいもののけさんでしたね。
山で無くしたものはもう山の物だから…っていう話は
ここでも色々あったのにね
750: 名無しさん 03/12/11 10:31
>>747
おもしろかったし、けっこうツボにはまる話だったけど
沢 で 食 器 洗 う な よ ・・・
おもしろかったし、けっこうツボにはまる話だったけど
沢 で 食 器 洗 う な よ ・・・
755: 名無しさん 03/12/11 17:44
>>750
ごめんなさい、リア消だったし時効で許してください。
今はちゃんとトイレットペーパーで拭いて持ち帰ってます。
ちなみにその沢の同じ場所で前の年にもテント張ってるんだけど、
でかい(?)カモシカみたりオオサンショウウオに遭遇したりしたよ。
↑これは本当に怖かったんだが微妙にスレ違いなんで。
セピア板の夏休みの思い出スレに前に書き込んだんで、万一興味のある人は。
ごめんなさい、リア消だったし時効で許してください。
今はちゃんとトイレットペーパーで拭いて持ち帰ってます。
ちなみにその沢の同じ場所で前の年にもテント張ってるんだけど、
でかい(?)カモシカみたりオオサンショウウオに遭遇したりしたよ。
↑これは本当に怖かったんだが微妙にスレ違いなんで。
セピア板の夏休みの思い出スレに前に書き込んだんで、万一興味のある人は。
752: 名無しさん 03/12/11 12:31
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