火傷痕の旧友騎士(♀)「…………やあ、久しぶりじゃないか。」
火傷騎士「見たところ健勝のようじゃないか。少しばかり小じわが増えたようだが……フフ、昔のキミのままだ。」
火傷騎士「私は…………こんなになってしまったのに、な。……どうだ、美人が見る影もないだろう?フフフ。」
火傷騎士「……本当は…………こんな醜い姿を見られるのは、嫌だったんだがな…。特に、キミにはね……見られたくなかったよ…。」
火傷騎士「…………見ないで……くれないか。ま、まだ……キミに見られる覚悟が、どうやら……出来て、いなかった…らしい…っ。て、手が……震えっ………」
火傷騎士「…………くぅ……っ。」
火傷騎士「……それにしても、街もずいぶん復興しただろう?さすがに、昔のようにとはいかないが……人がな、少しずつ戻ってきているんだ。」
火傷騎士「街は……国は……人がつくるものだ。殿下がそう仰っていたことが、まるで昨日のことのようだ……忘れられるものか…。」
火傷騎士「…………キミは…………もう、忘れてしまったのかな…。」
火傷騎士「……………そうか。…………そうだよな…。」
火傷騎士「私が殺したようなものだ……忘れられるわけは、ないな…。」
火傷騎士「……心地いいな。私は昔から、この街に吹く風が好きだった…。おおらかで、たくましくて…。」
火傷騎士「ときに心を昂らせ、ときには鎮め……いつだって私を見守って、包んでくれた。頬を撫でるそよ風も、心地よかった…。」
火傷騎士「……でも、今は…………風が私の髪を靡かせて、痣が曝け出される度に、私は…………とても、後ろめたい気持ちになる…。」
火傷騎士「風に…………傷を、責められているように、思えて…。まるで、私の罪を、知らしめる、かの……ように、思え…て……っ。」
火傷騎士「……………おかしいよね…。風はいつだって、あの頃と変わらない……変わったのは、私だけなのに…。」
火傷騎士「辛くて…………苦しいんだ…。」
火傷騎士「引き止めはしないさ。そんなことが許される人間は、この世界にはいない。人は自由であるべきだ…………私以外は……。」
火傷騎士「……でも、忘れないでくれ。キミの故郷は、たとえどれだけの時間を経ても、ここを置いて他にはないということを。」
火傷騎士「だから……気が向いたときにでも、たまにでいいから……また、風を浴びに来てくれ。そして、人々に挨拶でも、してやってくれると……ありがたい。」
火傷騎士「…………そして…………もし、まだキミが……私のことを…………私を、嫌いにならずに、いてくれるなら……そのときは…………」
火傷騎士「……………いいや……なんでもないさ。……○○。」
火傷騎士「道中、達者でね。」
剣折れ矢尽きてステゴロの泥仕合になりそう
ペロロ?
ペロペロは気持ちよさそうにって
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コメント一覧 (3)
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- 2019年12月10日 19:46
- 志々雄真実(♀)
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- 2019年12月11日 00:49
- 旧友と言ったらあれだろ、バリカンの旧y(ポイッ
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- 2019年12月11日 16:43
- 気が緩んでいた時に偶然本国の古い馴染みに遇ったちょっと気弱なバラライカで再生した