21 名前:恋人は名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/04(月) 21:40:36 ID:Qe15bW2/0
中途半端な時期に引っ越して家が遠くなり、おかげで電車の乗り継ぎが
難しくなって、その結果やたらと朝早く教室に着くようになった高一の冬。
同じクラスでただ一人、俺より先に学校に来てる女の子と仲良くなった。

仲良くなったって言っても、それまで殆ど挨拶くらいしかしたこと無かったし、
二人とも朝に弱いから、半分寝ぼけた頭で下らないお喋りをぽつぽつする程度の仲。
まあ、たまに彼女のお袋さんが、子供の頃から食の細い彼女を心配して、朝食の時間が
無いときに持たせる板チョコをぱきぱき割って、二人で一緒に食べたりもしたけれど。

その日の朝もそんな感じで、彼女いつも通りに「チョコ食べる?」って聞くから、
俺もいつも通りの半分寝ぼけた頭で、たぶん「うん」とか「さんきゅー」とか
なんか適当に返事して手を出したんだと思う。
でも、俺の掌に載ったのは板チョコの欠片じゃなくて、可愛いラッピングで。

朝でちょっと頭回んなかったし、今まで良い思いした事なかったから、その日が
二月十四日だなんて忘れてたし、本気で意味解んなくて、珍しく朝からちょっとだけ
元気なニコニコ笑顔の彼女と、掌の上のラッピングと、何回も見比べたっけか。

付き合ってるって状態になったのは、この日頃からだけど
ごめん、実際書いてみたらこれ、告白っていうのとはちょっと違うね






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